ホウ酸団子とは、ゴキブリ駆除に使用される毒エサの一種です。ホウ酸は人間にとってはほとんど害のない成分ですが、ゴキブリをはじめとする昆虫には強い毒性を発揮するのです。ホウ酸団子を食べたゴキブリは脱水症状を起こし、やがて水辺で死に至るとされています。
家庭でも簡単に害虫・害獣駆除ができる製品は専門業者が使用するものと比べれば効果が弱い製品も多いですが、その分安全性が高いものが多いようです。そのなかでもホウ酸団子は、現在でも普及している害虫駆除製品の1つなのです。 ここではホウ酸団子の作り方と効果、そして忘れてはいけない危険性についてご紹介していきます。
目次
ホウ酸団子とは?
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ホウ酸団子とは、主にホウ酸・小麦粉・誘引剤を混ぜ合わせて作った団子です。ホウ酸には毒性があり、誘引剤で引き寄せられた害虫に食べさせることで駆除ができる、一種のトラップになります。
そもそもホウ酸は、殺菌剤や医薬品などにも広く利用されている物質です。例えば殺虫剤以外にも、身近なところでは目薬の保存料や理科の実験でホウ酸を使ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ホウ酸の毒性は、人間にとっては食塩と同程度しかありません。しかし腎臓を持たない昆虫が摂取すれば、腎臓機能で排泄できないことから強い毒性が発揮されます。ホウ酸を摂取した昆虫はやがて脱水症状が表れて、最終的には死に至ります。
ホウ酸団子は既製品を簡単に購入することができますし、材料となるホウ酸も薬局などで手に入ります。また作り方も簡単なので、上手く利用すれば簡単にゴキブリをはじめとする害虫駆除ができます。これまでさまざまな害虫対策をしても効果が得られなかったという方は、試しにホウ酸団子を作ってみてはいかがでしょうか。
ゴキブリに効くホウ酸団子の材料と作り方および設置方法
ホウ酸団子は、主にゴキブリ駆除の道具として利用されています。ホウ酸を摂取したゴキブリは脱水症状に陥り、やがて水を求めることから、その死骸は水辺を中心に集まります。つまり死骸があちこちに散らばらず、後片付けも楽です。
以下に、ホウ酸団子の作り方を簡単にご紹介しますので、ゴキブリの存在にお困りの方は実際に作ってみてはいかがでしょうか。
ホウ酸団子の材料
・ホウ酸:薬局や通信販売などで購入できます。値段はまちまちですが、100gあたり100円前後のことが多いようです。
・小麦粉:ホウ酸と誘引剤のつなぎになります。代わりにジャガイモなどを使用する場合もあります。
・誘引剤:ゴキブリをおびき寄せるための材料です。そのため、すりおろした玉ねぎ・焼肉のタレ・砂糖・牛乳など、ゴキブリが好むものを用意します。
ホウ酸団子の作り方
1.強力な誘引剤となる玉ねぎをすりおろします。
2.材料を混ぜ合わせます。素手でホウ酸に触れると肌が荒れるおそれがあるので、安全のために手袋を着けます。
3.耳たぶ程度の固さになるように丸めます。もしも水分が足りなかった場合は、随時牛乳や水を入れて調整します。
4.直径2cm程度に丸め、カビが生えないように数日間天日干しします。
ホウ酸団子の設置場所
ホウ酸団子は、ゴキブリの通り道に設置することで大きな効果を発揮します。基本的には、ゴキブリのエサが豊富なキッチンを重点的に置いていきます。シンク下・排水口付近・冷蔵庫の下・お部屋の隅などがおすすめです。
以上のように、材料さえあればホウ酸団子は誰でも簡単に作れます。
注意点として、ホウ酸団子は食べたゴキブリにしか効果を発揮しないということを覚えておくとよいでしょう。
ホウ酸の濃度を40~50%以上にすれば、ゴキブリの死骸や糞を食べた他のゴキブリも同様に駆除できると言われています。ただし、その場合誘引剤の割合が小さくなり、ゴキブリに食べられる確率も小さくなります。そのバランス調整にはコツがいるでしょう。
ホウ酸団子はネズミにも効く?
ねずみ駆除においても、ホウ酸団子が使用されるケースがあるようです。材料・作り方は基本的にゴキブリ用と同じです。設置する際は、ラットサインと呼ばれるねずみの痕跡から通り道を調べ、重点的に置くと良いでしょう。
注意点として、ねずみ駆除の場合は十分な効果が得られないことが多いという点が挙げられます。というのも、ねずみはゴキブリと違ってホウ酸を排泄する機能があるからです。そのためホウ酸団子でねずみを駆除するためには高濃度のホウ酸団子を食べさせ続けなければいけません。
しかしそれはあまり現実的ではなく、ねずみ駆除ならホウ酸団子以外の対策を行ったほうが効率的でしょう。
ホウ酸団子の適切な時期や効果の期限
ホウ酸団子の適切な設置時期
これまでホウ酸団子の作り方を説明してきましたが、ホウ酸団子はいつ設置するのが良いのでしょうか?
ゴキブリは気温が20度を超えるようになると活発になると言われています。そのため、春から秋にかけてゴキブリ被害が多発します。可能ならば、春からホウ酸団子を設置しておくとよいでしょう。数が少ないうちに駆除を進めておけば、その後大量に繁殖することを未然に防げます。
ホウ酸団子効果の持続期間
ホウ酸そのものは、いつ摂取されても効果を発揮します。ただし、ホウ酸団子はその限りではありません。
なぜなら、時間の経過とともに誘引剤の効果が低下していくからです。玉ねぎや砂糖などの香りがなくなってしまうと、ゴキブリがホウ酸団子を食べる確率は大きく低下します。その目安は、およそ「3~6ヶ月程度」と言われています。
誘引効果が無くなった場合は、ホウ酸団子に焼肉のタレを垂らすのが効果的とされています。数滴垂らすだけで誘引効果が復活するので、新たに作り直す手間が必要ありません。
ペットの誤飲を防ぐためには
ゴキブリなどの害虫に対して大きな効果を発揮するホウ酸ですが、人間や犬猫などのペットが摂取した場合、中毒や死亡に至るケースもあるようです。特に、体の小さい幼児やペットほど重症に陥りやすいと言われています。
誤ってホウ酸団子を口にしないためにも、小さなお子様やペットがいるご家庭では注意しなければいけません。
対策として、「目に見えない場所や、手の届かない場所に設置する」「ふた付きの容器に入れて、手が出せないようにする」といった方法が挙げられます。万が一誤飲してしまった場合は、その量に関わらずすぐに医療機関で診察してもらいましょう。
まとめ
昔からゴキブリ駆除などに利用されてきたホウ酸団子は、今でも多くの家庭で利用されているそうです。しかし、いつの間にか効果が切れていたり、その危険性を知らないまま置きっぱなしにしていると、効果的な駆除はできませんし、誤飲の危険性がつきまといます。
ホウ酸団子も立派な駆除道具の1つですが、それでもゴキブリ対策の効果が見られない時は害虫・害獣駆除のプロに依頼してみてはいかがでしょうか。
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