私たちの生活に欠かせない水道。そんな水道も、ふとしたトラブルから故障してしまったり、水漏れを起こしてしまったりすることもあります。水道のトラブルは生活に支障が出るばかりか、水漏れによる水道代の増加などさまざまな問題に派生していくため、早急な対処が必要となるでしょう。
水漏れは主に、パッキンの劣化や内部構造の老朽化などが原因に挙げられます。しかし水道の修理に慣れていない方だと内部構造や修理手順など、わからないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、水道のパッキン交換に必要な道具や方法、注意点などについてわかりやすくご紹介していきます。お困りの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
水道のパッキン交換に使用する道具・部品を解説
水道のパッキン交換をおこなう際には、新品のパッキンはもちろん作業に必要な道具・部品をそろえる必要があります。ホームセンターなどで購入できるものが多いため、作業をする前にしっかりそろえておきましょう。
水道のパッキン交換に必要なもの
水道のパッキン交換で使用する工具、部品は「ウォーターポンプフライヤー」、「モンキーレンチ」、「ドライバー(プラス・マイナス)」、「シールテープ」、「バケツ」、「ぞうきん」、「新品のパッキン」の7種類です。それぞれ、どのような場面で使用するのでしょうか。
・ウォーターポンプフライヤー、モンキーレンチ
ウォーターポンプフライヤーやモンキーレンチは、水道のナットや本体を取り外す際に使用します。水道関連の部品はなかなか手で取り外せるものではないため、このような工具を用いて作業していくこととなります。
・ドライバー(プラス・マイナス)
ドライバーは、水道のネジを外す際に使用します。ハンドル部分は水漏れの原因となることが多いため、今後も修理をしていくのであればドライバー一式をそろえてみてもよいでしょう。
・シールテープ
シールテープは、主に壁と水道の境目部分からの水漏れが起きた際に使用します。壁と水道の境目部分からの水漏れは、主にこのシールテープの劣化によるものが多いといわれているのです。
そのため、このような場合はシールテープの貼り替えが必要となるのです。
・バケツ、ぞうきん
水道関係の作業をする際、ふとしたきっかけで水が出てしまうと辺りが水浸しになってしまうおそれがあります。作業に必須というわけではありませんが、念のため用意しておいて損はしないでしょう。
・新品のパッキン(場所別)
当然ではありますが、交換用の新品パッキンが必要となります。このパッキンはホームセンターや100均ショップ、近年ではネットショップでも購入することができます。水漏れしている場所によってパッキンの大きさや形状が変わってくるため、注意しておくようにしましょう。
水漏れしている場所によって使うパッキンは変わる
パッキンは取り付け場所次第で形状が大きく変わります。間違えて購入してしまわないよう、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
コマパッキン
コマパッキンは水道本体内部、ハンドルから部品を外していった先のもっとも下に位置するパッキンです。形状としては円柱状になっていることが多く、非常にシンプルな見た目といえますね。
このパッキンには、水道から流れる水量が調整する役割があります。そのため、主に水を放出する「吐水口」からの水漏れが起きている場合はこのパッキンの劣化を疑ってみるとよいでしょう。
パッキンは、主にスピンドルという部品とセットで販売されています。パッキンが劣化している場合は同様にスピンドルも劣化していることがあるため、同じタイミングで交換しておいても大丈夫です。
パイプパッキン
パイプパッキンは水道本体とパイプの境目の部分に設置されているパッキンで、Uパッキンとも呼ばれています。この境目から水漏れが起きている場合は、パイプパッキンに異常が起きている可能性が高いでしょう。
このパイプパッキンは、円柱の内部をくりぬいて空洞にしたような形状をしています。別名のUパッキンの名前通り、断面を見るとUの字に見える点が特徴です。
三角パッキン
三角パッキンは、ハンドル部分の真下に設置されているパッキンです。このパッキンはハンドル部分からの水漏れを防ぐ役割を持っています。
そのため、ハンドル部分から水漏れが起きているということはそれすなわち三角パッキンに異常がある、ということになります。
ここでは場所ごとのパッキンの特徴についてご紹介してきました。しかし、水道の型式や種類によって若干サイズなどに違いがあることもあります。購入の際は、実際のパッキンをお店に持っていくと買い間違えがなくなるでしょう。
パッキン交換作業に取りかかる前に知っておくべき注意点
取り替えるパッキンや工具をそろえて、さっそく作業開始……といきたいところですが、水道のパッキン交換作業には注意点もあります。この注意点を把握しておかなければ思わぬ事態になりかねませんので、しっかり知っておきましょう。
水道の元栓を閉める
パッキン交換の際は、必ず水道の元栓を閉めておきましょう。この作業をおこたると、突然水が出てしまうことにもつながります。作業上の安全のためにも、元栓の確認は非常に大切です。
ネジ類は適切な強さで締める
水漏れしないようにと、ネジを非常に強い力で締めようとは思っていませんか?水道の部品はあまりにきつく締めすぎると、動きが悪くなってしまったり劣化が早くなってしまったりします。
締め付けが緩いというのも問題ですが、過度に締め付けることもよいことではないため程よい強さで施工するようにしましょう。
硬いネジは無理に回さない
ネジは劣化していたり汚れがたまっていたりすると硬くなってしまい、うまくドライバーで回せないことがあります。この際ネジ山をつぶす、こわすなどしてしまうと追加で部品を購入しなければならなくなる上、手間も増えてしまいます。
水道、ネジ付近の掃除などしても回りそうにない場合は、業者に依頼して交換してもらいましょう。
水漏れ場所別・水道のパッキンを交換する方法
水道のパッキン交換は、場所によって作業の手順も異なります。自分の水道の直したい部分を把握して、適切な対処ができるようにしましょう。
(1)止水栓をしめる
(2)ウォーターポンプフライヤー・モンキーレンチを用いてナットを外す
(3)ハンドルを上に持ち上げて外す
(4)ピンセットを用いて既設のスピンドルをつまみ、上に持ち上げて取る
(5)新しいスピンドルに交換する(コマパッキンだけを交換することも可能)
(6)モンキーレンチを用いてナット・ビスをしめる
(7)止水栓をあけ、水漏れしないか確認する
(1)止水栓をしめる
(2)ウォーターポンプフライヤー・モンキーレンチを用いてナットをゆるめる
(3)パイプを外す
(4)既設のパイプ(U)パッキン・リングを取り外す
(5)新しいパイプ(U)パッキン・リングに交換する(パイプパッキンは溝の部分を水栓本体に向けるようにして入れる)
(6)モンキーレンチを用いてナット・ビスをしめる
(7)止水栓をあけ、水漏れしないか確認する
(1)止水栓をしめる
(2)ウォーターポンプフライヤー・モンキーレンチを用いてナットを外す
(3)ハンドルを上に持ち上げて外す
(4)既設の三角パッキンを取り除く
(5)新しい三角パッキンに交換する
(6)モンキーレンチを用いてナット・ビスをしめる
(7)止水栓をあけ、水漏れしないか確認する
(1)止水栓をしめる
(2)ウォーターポンプフライヤー・モンキーレンチを用いて壁から本体を外す
(3)もともと貼ってあったシールテープを取り外す
(4)取り外した壁の穴内部をキレイに掃除する
(5)水道本体のネジ部分にシールテープを新しく巻き直す
※シールテープは引っ張りながら、6周ほど巻き付けましょう。その後、テープを指で押さえるとうまくネジ山が食い込みます。この際、ネジ山で手を切らないよう注意しましょう。
(6)水道本体を元の位置に設置し、締め付けて固定する
(7)止水栓をあけ、水漏れしないか確認する
作業が不安&原因不明なら業者へ!かかる費用や依頼のポイント
水道のパッキン交換をしても、ときには直らないこともあります。これ以上の原因がわからない場合は、むやみにいじるよりも業者に依頼する方法がおすすめです。
またこのような作業に慣れていない方も、無理に施工しない方がよいでしょう。慣れていない状態で作業をおこなってしまうと、直るものも直らなくなってしまうかもしれません。部品などを破損させてしまえばさらなる費用がかかることとなってしまいますし、労力も無駄になってしまいます。
水道のパッキン交換作業は過度に難しい作業ではありません。しかし交換をしても改善しない場合や作業に慣れていない場合は、業者に依頼をした方がよいでしょう。
・水道業者に依頼した際にかかる費用の相場(作業費+出張費など)
パッキンの交換作業:約6,000~1万円
水道そのものの交換作業:約1万~3万円
水道の配管工事:約5,000~2万円
業者に依頼した場合、どうしても自分で作業する場合に比べて高くなってしまいます。もちろん自分でできる範囲の作業は、自分でやってしまった方が金銭的にお得です。
しかしその分、業者に依頼すれば個人でするよりも質の高い修理が期待できます。作業に自信のない方には非常におすすめの方法ですね。
パッキンではなく水道の内部構造に異常がある場合や配管に異常がある場合は、より複雑な工事が必要となってきます。こうなると個人での対処は難しいでしょう
まとめ
水道のパッキン交換は、手順のとおりにおこなえば決して難しくはない作業です。また、水道のパッキン交換を自分でおこなえば、工事費用を安くおさえれます。必要な工具や材料をそろえて、DIYに挑戦してみましょう。
修理の手順や必要なパッキンの種類などは、水漏れしている箇所によって変わります。故障している部分をしっかり把握して、適切な部品をそろえることは水道のパッキンを交換するにあたり、大切にしなければいけないことです。
一方、水道のパッキン交換のDIYは、失敗するとかえって高くついてしまうということも考えられます。さらに作業にかかる時間や手間を考えると、水漏れ修理工事のプロに頼んだ方が安心だと感じるかもしれません。そんなときは無理せず、信頼できる水漏れ修理工事のプロに相談されてみてはいかがでしょうか。
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