現在の和モダン建築でよく使われているのが和紙畳というものです。フローリングとの相性も良く、リビングの一角に作られることも増えてきた畳スペースなどに使用しやすい畳です。
最近では部屋のおしゃれの1つとして、「和モダン」という住宅スタイルがあります。和とモダンが融合された和モダン建築は、最先端の住宅様式として人気が高いですよね。
それに伴い、畳の良さが見直されるきっかけになったといわれています。
建物の雰囲気を壊さずに和の雰囲気を演出できるのが和紙畳の魅力の1つです。それだけでなく、それ以上に和紙畳には多くの愛される魅力があるのです。
今回は、現在の建築様式にフィットした和紙畳について詳しくご紹介させていただきます。
目次
『和紙畳』とはどんな畳?
和紙畳とは天然の和紙を原料に使い、畳のように仕上げたもののことをいいます。和紙をコヨリのように巻いて細かくし、い草のような形にしたものを編み込んだ畳です。
い草を使った畳は耐久性の面で優れているとはいえず、定期的なメンテナンスを必要とします。3~4年に1度の裏返しや表替え、10年程度使用した畳は交換することになります。
一方で和紙畳はこの畳に必要なメンテナンスを、和紙を使用することで大幅に軽減させたのです。
和紙畳は畳の魅力を損なわずに、弱点を克服するために開発された畳です。そんな使い勝手のいい和紙畳には様々な種類があります。ご紹介しますのでお好みの和紙畳を探してみてはいかがでしょうか。
和紙畳の種類
・銀白、銀白カラー(縁付き畳用)
さわやかな銀白色の畳表になります。伝統的な和室からフローリングまで、どんな部屋の雰囲気にもマッチします。
色:銀白色、若草色、黄金色、乳白色、栗色、灰桜色、白茶色、胡桃色
・清流、清流カラー(縁付き畳用、縁無し畳用)
細めに織り込んだ斬新なデザインの、モダンな印象を作り上げることができる和紙畳です。カラーバリエーションも豊富で自由にコーディネートを楽しんでいただけます。
色:銀白色、黄金色、亜麻色、黒染色、乳白色、銀鼠色、栗色、灰桜色、白茶色、若草色、藍色、薄桜色、胡桃色、青磁色、小麦色
・清流カクテルフィット(縁付き用、縁無し用)
2色の和紙のコヨリを一本ずつ互い違いに織り込んだ和紙畳です。
色:黄金色×乳白色、亜麻色×白茶色、乳白色×白茶色、灰桜色×白茶色、銀白色×若草色、栗色×胡桃色、白茶色×薄桜色、栗色×藍色
・綾波(縁付き畳用、縁無し畳用)
和紙表を綾織に織り込んだものです。
色:綾波01、綾波02、綾波03
・彩園(縁無し畳用)
よりリーズナブルな、平織の単色で織り上げた和紙畳です。
色:彩園01、彩園02
・清流ストライプ(縁付き畳用、縁無し畳用)
和紙畳を綾織に織り込み、縦縞を演出したものです。
色:栗色×胡桃色、灰桜色×白茶色、乳白色×白茶色
和紙畳のメリット
い草の畳ではデメリットとして扱われている部分をカバーしてくれるのが和紙畳の1番の特徴です。
和紙畳であれば、畳のメンテナンスの多さが気にならなくなるかもしれません。畳を賢く使うために、和紙畳の特徴を知っておくことをおすすめします。
ダニ、カビが発生しにくい
通常畳に使われているい草は掃除がしにくく、ダニやカビが発生しやすいというデメリットがありますしかし和紙畳は手入れがしやすく清潔に保ちやすいので、ダニやカビの発生を抑えやすくするメリットがあります。
手入れが簡単
和紙畳には樹脂コーティングが施されています。撥水性があるので、もし飲み物をこぼしたとしても弾き返して畳に染み込むことがありません。
水拭きするだけで掃除ができるので、畳を清潔にしておくことができます。
また、い草に比べると和紙は約3倍もの耐久性を持つといわれています。傷がつきにくいので、張り替え時期を延ばすことができるのです。
変色しにくい
畳に使われることの多いい草には葉緑体が含まれています。
この葉緑体は紫外線に当たることで化学反応を起こし、フェオフィチンという物質になります。このフェオフィチンが褐色なので畳の色が変わっていくのです。
い草の代わりに和紙を使った和紙畳には葉緑体はありません。紫外線に強く、色あせしにくいのが特徴です。
床暖房に対応
最近の住宅には床暖房が設置してあるものも増えてきました。和紙畳は床暖房に対応しているので、家全体が床暖房になっていても安心して和室を作ることができるのではないでしょうか。
い草のカスが服に付かない
これは畳を使い始めて年月が経ってから実感するかもしれません。い草の畳は長く使うと劣化して、毛羽立ちを起こすことがあります。
毛羽立ったい草は、服に付いたりアレルギーの原因になることがあります。その点和紙畳はしばらく使っていても毛羽立ちを起こすことが少なく、アレルギーを引き起こす可能性も少なくなります。
カラーバリエーションが豊富
和紙を使っているので、様々な色の畳を作ることができます。
和紙畳は和モダンを演出する1つの要素として、素晴らしい効果を発揮してくれます。雰囲気や好みに合ったカラーを選んで、オリジナリティー溢れるお部屋を作ることも可能です。
その他にもい草を使用した畳に備わっている、弾力性、断熱性、吸湿性、防音性などのメリットがそのまま和紙畳には備わっています。い草の畳が持っていたデメリットを少なくした和紙畳は、生活でとても扱いやすい畳といえるのではないでしょうか。
和紙畳のデメリット
掃除がしやすく色あせもしなくて丈夫……これだけを見たら和紙畳はいいことずくめのようにみえますよね。管理のしやすい和紙畳ですが、物足りないと感じる部分があるとしたら畳の香りかもしれません。
和紙畳からは、い草独得の香りはしないのです。い草の持つ香りにはリラックス効果があるといわれています。畳に寝転んだ時の落ち着く感覚を得られない、と感じる方もいるかもしれません。
畳にい草のリラックス効果を求める方には、和紙畳は少し物足りない可能性もあります。
また、和紙畳はい草の畳に比べて硬いといわれています。弾力性が少しだけ低くなっているので、家具を置いたときにへこんだ部分は元に戻らない可能性があります。
い草の弾力に慣れていると、少し違和感があるかもしれません。
そして和紙畳はい草の畳に比べて高性能な分、価格が高くなっています。
- 裏返し:3,500円前後/帖
- い草畳表替え:中国産い草で5,000円前後/帖
- い草新品交換:6,000円~1,0000円/帖
- 和紙表:12,000円前後/帖
このように、い草の種類にもよりますが、和紙畳の方が畳そのものの金額は高くなっています。しかし、裏返しや表替えなどのメンテナンスを考えると、耐久年数の長い和紙畳を採用した方がずっと安くなるのです。
和紙畳にも気になる点はいくつかあるでしょう。それでも、和紙畳にはデメリットを補ってあまりある魅力があると思います。
『和紙畳』と『琉球畳』との違い
近年騒がれている畳の中に、琉球畳というものがあります。
最近では、縁なしの正方形になっている畳を琉球畳ということが増えているそうです。しかし、本来の琉球畳はそうではありません。
名前の通り、沖縄で生産されていた強度のあるい草を使用して作られた畳を指しているのです。
本来、琉球畳で使われているい草は七島い草といいます。従来の畳に使われているい草よりも調湿性や防臭・消臭性が高く、耐用年数が約5倍もあったそうです。
現在では、大分県国東半島などの限られた地域だけで生産されています。琉球畳で使われる七島い草の生産量が少なくなったので、別の形で名前だけが通称として使われるようになった可能性があります。現在琉球畳として販売されているものの中にはカラーバリエーションの豊富な和紙畳も含まれているので、素材で選ぶ場合には確認することをおすすめします。
そして琉球畳は普通の畳や和紙畳と作り方も違っています。
国産の琉球表は断面が三角になっているい草を二つに分けて編んで畳にしています。そのため、新しい琉球畳は表面がザラザラして毛羽立っているのです。
琉球畳は使い続けると、いつの間にかい草が抜けてしまいます。本物の琉球畳である証拠にもなっています。
和紙畳と琉球畳は使われている素材や編み方が違います。そして畳のデメリット部分を補強した和紙畳とは逆に、琉球畳は素材や作り手の減少によってその数を減らしているのです。
琉球畳は大部分が手作業で作っています。特徴でもある縁なしの部分は作成が難しいといわれています。それが本来の琉球畳の価格が高くなっている理由にもなっているのです。
【七島い草を使った琉球畳の価格例】
- 張り替え 1畳13,000円~
- 新畳 1畳23,000円~
和紙畳と琉球畳にはそれぞれの良さがあります。本来の琉球畳は高価で物自体も手に入りにくくなっていますが、好みに合わせて使ってみてはいかがでしょうか。
おしゃれな和紙畳の使用例
畳は床に敷いて使うもの、と思っていませんか?カラーバリエーションが豊富で丈夫な和紙畳は、床材として使用するだけでなく様々な形で使用することができます。
和紙畳の凝った使い方をご紹介します。みなさんが思いもよらないような使い方もあるかもしれません。
2種類の和紙畳を使えば部屋をオシャレに演出することができます。色が豊富なため洋風建築でも利用することが可能です。
和紙畳を利用してメガネケースやティッシュカバーなどが作れます。カラーバリエーションが多い和紙畳はハンドメイドに最適です。
和紙畳を利用したコースターです。グラスだけでなく和小物を上に置いてインテリアの飾りにするのもいいかもしれません。
和紙畳には撥水加工をほどこしてあるため、普段使いしても汚れが付きにくいバックになります。
デザイン性の高い和紙畳は床素材だけでなく、インテリアや小物として使ってもおしゃれを演出することができます。
和紙畳はデザイン性が高く、現代建築になじみやすい畳です。さりげなくお部屋に和紙畳を取り入れて、和の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
畳にはフローリングにはない多くの魅力があります。しかし、畳には定期的なメンテナンスを必要としました。
しっかりとメンテナンスをしたら長く使える畳ですが、コスト面を考えると畳を敬遠することも増えてしまったのだと思います。
しかし、和紙畳が普及したことで畳のコスト面でのデメリットは軽減されていきました。丈夫で長持ち、手入れが簡単でおしゃれな和紙畳は、現代に合ったハイブリッドな畳だといえるのではないでしょうか。
和紙畳はカラーバリエーションも多く、現代建築との相性も抜群です。い草を使っていないので、アレルギーの心配もありません。
床材としてだけではなくインテリアや小物としてリメイクしたりすることも可能なので、自分好みのおしゃれを楽しむこともできます。
もし和紙畳を使って部屋を和モダン空間にしてみたいと思ったら、業者に相談してみてください。部屋の雰囲気や予算に合わせたすてきな和紙畳を紹介、取り付けをしてくれると思いますよ。
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