ベランダの雨漏りはすぐ対処!diyでの修理方法や費用についてご紹介

2021.4.30

ベランダの雨漏りはすぐ対処!diyでの修理方法や費用についてご紹介

「雨漏りは屋根から起こるもの」そう考えてはいませんか?確かに屋根から雨漏りが発生することはありますが、それだけではありません。雨漏りはベランダから発生することもあるのです。

ベランダから雨漏りが発生した場合は、まず応急処置をして被害拡大を防ぎましょう。そして、詳しい原因を調査したうえで被害状況に合わせた対処が必要です。

ベランダの雨漏りは、建物が劣化するなどの二次被害が起こる危険性があります。再発を防ぐ予防法もあわせてご紹介しますので、安心・快適な生活のためにお役立てください。

ベランダで雨漏りが起こったらまずは応急処置をしよう

ベランダから雨漏りが発生したら、まずは落ちてくる水滴を受け止めて床が水浸しになるのを防ぎましょう。バケツや洗面器などを水滴が落ちてくる場所の数だけ用意します。中にぞうきんやタオルを敷いておけば、水が吸収されてしぶきが飛ぶこともないのでおすすめです。

落ちてくる水滴対策ができたら、雨漏りの原因が本当にベランダかどうか確認しましょう。確認するのは以下の3点です。

・排水口にゴミなどが詰まっていないか
・壁や床にひび割れがないか
・笠木(手すりの上部)が壊れていないか

排水口にゴミなどが詰まっているだけなら、掃除するだけで解消されることもあるので、できる範囲で詰まっているものを取り除いてみましょう。ただし、詰まりがひどく自分で対処できない状態であれば、プロに相談する必要があります。

マンションの場合は下の階に配慮して事前に伝える

マンションのベランダで雨漏りが起こった場合は、下の階に配慮して事前にベランダの応急処置をするという旨を伝えておくことが大切です。

応急処置でベランダの掃除などをおこなう場合、下の階にゴミや汚水が落ちるおそれがあります。下の階に伝えないままベランダの応急処置をおこなった場合、トラブルに発展するおそれもあるため、必ず事前に伝えるようにしましょう。

マンションの場合は下の階に配慮して事前に伝える

雨漏りの原因と対処法

雨漏りの原因について大まかな確認ができたら、原因別の対処法を解説します。おもに考えられる4つの原因と対処法をご紹介しますので、参考にしてください。

ひび割れ、はがれ

ひび割れやはがれは、壁や床に施されているトップコートや防水層の機能が低下することによって起こります。壁や床にひび割れやはがれがある場合は、トップコートや防水層の修理をしましょう。diyでできる補修の方法はのちほど詳しくご紹介しますので、そちらをご覧ください。

排水口の劣化

経年劣化などによって排水口が破損すると、雨水の排水が上手くおこなわれず雨漏りの原因になることがあります。見た目にはわかりにくいかもしれませんが、パイプが劣化して排水トラブルが発生する場合もあります。

詳しい修理箇所や修理方法がわからないまま無理に直そうとすると、かえって状態を悪化させてしまうかもしれません。ゴミが詰まっているわけでもないのに水の流れが悪いときは、早めに業者に修理を依頼しましょう。

笠木が壊れている

笠木はベランダの手すりや壁の上部に取り付けられているもので、家やベランダを雨水から守る役割をもっています。しかし、破損するとつなぎ目付近から屋内にまで浸水してしまうことがあるのです。

少しつなぎ目に隙間ができた程度ならシーリング材での補修、下地まで傷んでいる場合は笠木の交換をしなくてはなりません。笠木の交換という大がかりな施工はもちろん、シーリング材による補修も見た目まで美しい状態で隙間なく施工するのは難しいものです。修理が必要な場合は業者に工事を依頼しましょう。

施工不良がある

ベランダと壁とのつなぎ目の部分はとくに施工が難しく、新築時に施工不良が起こることもめずらしくはないようです。設計の段階でどの業者にお願いするのか、ホームページで施工事例を見るなどしてしっかりとした下調べをしましょう。

もしも明らかな施工不良による雨漏りが発生した場合は、工事を依頼した業者に連絡すれば無償で修理してくれる可能性があります。一度相談してみるとよいかもしれません。

ベランダ防水の小さなひび割れはdiyで補修できる

ご紹介した原因のうち、ベランダ防水の小さなひび割れ程度であればdiyで補修することができます。

ベランダ防水は下地の上に防水層があり、最後にトップコートを塗って仕上げるという流れで施工をおこなうのが一般的です。補修する層や塗料の種類によって少しずつ手順が異なるので、以下を参考にして作業をおこないましょう。

ポリエステル系トップコートのひび割れの場合

(1)表面を洗ってきれいにします。
(2)研磨して塗料が付着しやすくします。
(3)トップコートを塗りなおします。

ウレタン系トップコートのひび割れの場合

(1)表面を洗ってきれいにします。
(2)アセトン拭きで表面の油脂を落とします。
(3)トップコート用のプライマーを塗ります。
(4)トップコートを塗りなおします。

防水層のひび割れの場合

(1)表面をきれいにします。
(2)ガラスマットのカット、ポリエステル樹脂と硬化剤の混合液を用意します。
(3)樹脂を塗り、ガラスマットを貼ります。
(4)樹脂を塗り、固まったらサンドペーパーなどで目立てをおこないます。
(5)トップコートを塗ります。

ガラスマットや樹脂などを購入することは可能ですが、隙間なくきれいに仕上げるのは難しい作業です。少しでも無理だと感じたら業者に依頼しましょう。

大きなひび割れは下地から工事が必要!

小さなひび割れはdiyで修理できる可能性がありますが、大きなひび割れや広範囲にひびがあるといったケースは表面の工事だけでは不十分です。また、ベランダ防水によく使われている工法は、長くても15年が寿命といわれています。長くメンテナンスをしていない場合も土台となる下地の工事からおこなう必要があるので、専門業者に修理を依頼する必要があるでしょう。

プロがおこなうベランダ防水にはおもに2種類の方法があります。それぞれの特徴について解説しますので、業者に依頼する際の参考にしてください。

FRP防水

FRP防水

FRPとは「Fiberglass Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)」のことです。ベランダ防水としては現在主流の工法で、施工にはガラスマットが使用されます。基本的な手順は以下のとおりです。

(1)下地にプライマーを塗ります。
(2)その上にポリエステル樹脂を塗ります。
(3)ガラスマットを貼り付けます。
(4)再びポリエステル樹脂を塗ります。
(5)最後にトップコートで仕上げます。

■メリット
軽量かつ耐久性に優れることから、ベランダ防水だけでなく自動車から宇宙航空産業まで幅広く使われています。施工にかかる日数も短く、天候がよければ1~2日で完了です。

■デメリット
伸縮性があまりないので、ひび割れを起こしやすいです。下地の膨張・収縮の動きについていけないため、木製や鉄製のベランダへの施工は不向きでしょう。

紫外線にも弱いので、トップコートをこまめに塗りなおして紫外線から防水層を守る必要があります。塗料が乾燥するまでは独特の臭いも発生するので、臭いに敏感な方はそれが気になることもあるかもしれません。

ウレタン防水

ウレタン防水は液状のウレタン樹脂を塗りつける方法です。FRP防水が主流ではありますが、ウレタン防水が施されている場所も数多く存在します。基本的な施工手順は以下のとおりです。

(1)下地にプライマーを塗ります。
(2)ウレタン塗装をおこないます。
(3)時間をおいてもう一度ウレタン塗装をおこないます。
(4)最後にトップコートで仕上げます。

■メリット
塗装すると化学反応によってゴム状に硬化するので、弾力のある床に仕上げることができます。使用する素材が液体なので、複雑な形状の場所も隙間なく施工可能で、土台の材質を気にする必要もありません。

■デメリット
FRPのようにシートを使うわけではないので、ムラのない施工が難しく、職人の腕次第で仕上がりが変わります。また、塗料を何度も塗り重ねるため工期が長く、完了までに1週間かかることもあるので、修理までに時間的余裕があったほうがよいかもしれません。

雨漏り修理の流れ

雨漏り修理は、以下のような流れでおこなわれます。

1.雨漏り箇所の調査
2.調査結果に基づく修理の見積り
3.施工

調査の方法には複数の種類があり、費用は被害状況によって異なるので、それぞれ詳しくみていきましょう。

業者がおこなう雨漏り調査の方法

業者がおこなう雨漏り調査にはおもに4種類の方法があるので、それぞれ簡単に特徴を解説します。

■目視調査
その名のとおり人の目で現場を見て雨漏りの原因を調査します。

■散水調査
実際に水をかけて雨漏りした際の状況を再現し、水がどこから漏れているのかを詳しく調査します。

■視覚赤外線調査
赤外線サーモグラフィーを使って温度の違いから雨漏りの発生箇所を特定する方法です。

■発光液を使った調査
光る液体を水の侵入口に流し込み、ブラックライトで液体を照らして雨水の通り道を特定します。

雨漏り調査の費用はどのような方法でおこなうかによって異なるので、気になる方は業者に一度相談してみるとよいでしょう。

修理費用の目安

業者にベランダの雨漏り修理を依頼する際には、調査方法だけでなく、修理費用の目安を把握しておくことも大切です。目安がわかれば、業者が設定している料金が適切であるかどうかを判断することができるでしょう。

雨漏りしたベランダの修理費用は、被害状況によって大きく変わります。小さなひび割れを補修する塗装やコーキングなら数万円程度ですが、下地なども含めた全体を修理する場合は、20~50万かかることもあるのです。

詳しい金額は見積りをとってみないとわかりません。「思ったよりも安く修理できそう」ということも考えられるので、業者による修理が必要な状況であれば、まずは見積りをとってみましょう。

雨漏り修理は火災保険が適用されることも

ベランダの雨漏りの原因は、必ずしも年月による劣化とは限りません。自然災害のような思わぬトラブルで意図せずベランダが破損し雨漏りが発生するということもあるでしょう。その場合は、火災保険が適用されてお得に雨漏り修理ができることがあるのです。

ただし、一定以上の修理費がかかる場合などの条件があったり、原因となる自然災害から3年以上経過していたりすると、災害による破損でも保険は適用されないかもしれません。

保険が適用されるかどうかを自分で判断することは難しいので、自然災害のあとに雨漏りが発生した場合は、一度プロに相談することをおすすめします。

信頼できる業者を選ぶ3つのポイント

業者を選ぶ際に重要なのは、費用面ばかりではありません。ここでは業者選びのポイントを3つご紹介します。

■経験や知識は豊富か
古くから使われている工法から新たな工法まで、雨漏りの修理の方法はさまざまです。中には経験を積まなければ上手く施工できないような難易度の高い工法もあります。どのような工事でも自信をもって紹介し、新たな工法も含めて最適な提案をできる業者は高品質な施工が期待できるでしょう。

■現地調査、見積りは十分か
今はインターネットで簡単に一括見積りを依頼することができます。簡単に費用などを比較できるので、それはそれとして業者選びに役立つ手段といえるでしょう。しかし、詳しい原因や雨漏り箇所などを知るためには現地での調査が必要です。

適切に修理をおこないたい場合は、実際にスタッフに現場を見てもらい、細かい調査をしたうえで見積りを出してもらうことをおすすめします。

■保証はあるのか
業者も最善を尽くして施工してくれるはずですが、それでも雨漏りが再発するおそれはあります。そんなときに保証があれば安心して再施工を依頼できるでしょう。

業者によって設けている保証の内容や期間には違いがあるので、詳しい内容や期間については事前に確認をしておくと安心です。

ベランダの雨漏りによって起こる4つのおもな二次被害

ベランダの雨漏り被害は、床が濡れたり家財が傷んだりというすぐ目に付くようなものばかりではありません。さまざまな二次被害につながるおそれがあるのです。

ベランダの雨漏りによって起こるおもな二次被害について解説しますので、修理が遅れた場合のリスクについても知識を入れておきましょう。

建物が劣化する

木材が湿気で腐食することはもちろん、鉄筋建築の場合でも安心はできません。建物を支えている鉄筋にサビがつくと、鉄筋の形がいびつに変形しコンクリート部分が壊れてしまうことがあるのです。

建物の劣化は戸建としての資産価値を下げるおそれがあります。土台となる木材や鉄筋、コンクリートが被害を受ければ、耐震性は低下し最悪の場合倒壊する危険性もあるので、早めの対処が必要です。

建物が劣化する

シロアリがわく

雨水によって腐食し柔らかくなった木材は、シロアリにとって絶好の食事です。シロアリが木造部分などを食い荒らせば、家を支える柱の内部がスカスカになってしまうことも考えられます。

その結果、雨漏り補修だけでなく建物全体の修理が必要になり、より高額な修理費用がかかるおそれがあるのです。

カビが発生する

雨漏りによって増える湿気は、木材の腐食だけでなくカビが発生する原因にもなります。カビは感染症やアレルギーを引き起こす原因とされているものです。建物だけでなく、人体へも悪影響が出ることになるので、早めに対処したほうがよいでしょう。

また、屋内の天井や壁にシミができたり、部屋の壁紙が高い湿度によってはがれてしまったりすることもあるようです。

漏電や火災が起こる

雨漏りによって室内に流れた水がコンセントなどに触れて漏電した場合、感電や火災といった命の危険がある事故につながる危険性があります。

また、漏電は電化製品の故障原因になったり停電を引き起したりするおそれもあるので、電気製品を置いている場所で雨漏りが発生した場合は、早急な修理が必要なのです。

ベランダの雨漏りをふせぐ対策

台風などの自然災害を防ぐことはできませんが、日ごろの行動でベランダから雨漏りが発生するリスクを減らすことはできます。以下の2点に注意して、安全で清潔なベランダを保ちましょう。

排水口や藻の掃除

排水口にゴミが溜まっていると、雨水は適切に排水されずに溢れてしまいます。こまめに排水口の掃除をして、異物が詰まらないようにしておきましょう。

また、藻の繁殖はベランダを水分や汚れがつきやすい状態にしてしまいます。壁や床の劣化を早める原因になるので、汚れが目立ってきたらカビ取り剤などの薬剤を使用して掃除をおこないましょう。

防水塗装の定期的なメンテナンス

先述したように、ベランダの防水塗装はFRP防水でもウレタン防水でも約15年で寿命を迎えます。しかし、じつはトップコートはもっと傷むのが早いのです。

防水層を守り紫外線や太陽の熱を浴び続けるトップコートは、刺激に直接当たるぶん早い段階でメンテナンスが必要になります。タイミングとしては、防水工事をしてから5年でトップコートの塗り替えをするのが理想的です。

少しでも雨漏り被害やそれにともなう二次被害を防ぐために、トップコートの塗り替えや下地の寿命前の防水工事などは定期的におこないましょう。

まとめ

ベランダの雨漏りにはあらゆる原因が考えられます。修理の方法も複数あるため、被害を解消するには正しい原因を特定して、それに合わせた施工が必要です。近隣の方や、マンションの場合は階下の住民の方への配慮も忘れずにおこなったうえで、適切な方法で雨漏り修理をおこないましょう。

軽度なものであればdiyで補修することができることもありますが、根本解決には業者の力が必要です。調査方法の選択や保険の活用などで安く修理できる可能性もあるので、無理に自分で解決しようとして状況を悪化させることがないようにしましょう。

自分で信頼できる業者を見つける自信がないという方は、弊社にご相談いただくという手もあります。ご相談内容に合わせて、解決に適した業者をご紹介しますので、お気軽にお電話ください。

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※状況によっては全体修理をおすすめする場合もございます。

雨漏りを放っておくと天井や屋根が腐り、被害が拡大することも。天井から音がしたり、シミがあるなら、できるだけ早くプロに相談して対策しましょう!

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