愛するペットが亡くなったとき、「今までありがとう」という感謝の気持ちを込めてお葬式をしてあげたい気持ちは自然なものです。しかし、ペットの埋葬は仕方を間違えると法律違反となるケースがあることはご存知でしょうか?
この記事では、正しくペットを埋葬する方法について詳しく解説。あとあとトラブルが発生しないよう、しっかりとした計画を立てながら愛する家族をしっかりと天国まで見送ってあげてください。
また、この記事ではうさぎやハムスター、リスや小鳥などの犬猫以外の鳥獣も対象として解説していますので、参考にしてみてください。
目次
ペットの埋葬や供養で法律違反になるケース
最初に覚えておきたいのが、ペットの埋葬やペット供養自体は法律上問題ないということ。そのため、正しい方法を取っていれば問題にはなりません。ただし、以下にご紹介するケースのような行動をしてしまうと、法律に抵触することになるのです。
公共の場・他人の私有地に埋葬をした
ペットとよく散歩していた近くの公園に埋めてあげたい、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、公園にペットを埋葬することは法律に抵触する可能性が高いです。公園は公有地(自治体の所有物)であり、公有地にペットを埋葬することは「不法投棄」と見なされ違法となってしまいます。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。 (中略) 二十七 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
出典:昭和二十三年法律第三十九号 軽犯罪法|e-Gov法令検索
また、他人の敷地にあたる場所でも同様に違法とみなされるので注意が必要です。個人でペットの埋葬をする際は、その場所が自分の所有地であるかを確認してからおこなうようにしてください。
遺体や遺骨を海や川に流した
供養のひとつとして川や海へ遺体を流す「水葬」がありますが、こちらも不法投棄となる可能性が高いため、個人で勝手におこなわないようにしてください。動物の遺体が川や海に流れることで、「水質の悪化・雑菌の繁殖」などにより生態系が崩れるおそれもあります。法律や生態系のことを考えて、他の手段で供養をしてあげましょう。
また、ペット葬儀業者のなかには、法律・環境への配慮を十分におこなったうえで遺骨を海へ流す「海洋散骨」というサービスをおこなっているところもあります。ペットの埋葬方法にこだわりのある方は、そちらを検討するのがおすすめです。
個人で勝手に火葬した
個人で勝手にペットを火葬することは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」における野焼き行為に該当する可能性が高いです。野焼きとは、野外でゴミなどを燃やす行為のことをいい、火災や地球環境悪化の防止のため原則として禁止されています。ペットの遺体も“法律上”は廃棄物として扱われるため注意が必要です。
また、ペット葬儀業者で火葬をしてもらう分には問題ありません。
届け出をしていない(犬の場合)
死亡してしまったペットが犬である場合、適切な手続きをおこなわないと法律違反となってしまいます。飼い犬には「狂犬病予防法」という法律が適用されるため、その犬の飼い主は飼い犬の死亡後30日以内に自治体へ「犬の死亡届」を提出する義務があるのです。
第一項及び第二項の規定により登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき又は犬の所在地その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地(犬の所在地を変更したときにあつては、その犬の新所在地)を管轄する市町村長に届け出なければならない。
また、狂犬病予防法に違反すると20万円以下の罰金が科せられます。犬の死亡届提出の詳細は、各自治体のホームページに記載されていることが多いので、提出前に確認しておきましょう。
犬の死亡届は狂犬病の感染源である犬に限定して適用されている法律です。例ええば猫やハムスターなどの「犬以外の動物が死亡」したときは、死亡届の提出は基本的に必要ありません。
ペットを埋葬する正しい手順とポイント
ペットを埋葬にて供養する場合は、自宅の庭などの敷地内であれば法律上は大丈夫です。しかし、上記のイラストのような正しい手順でペット埋葬をおこなわないと「強い悪臭の発生・野生動物の掘り起こし」のようなトラブルが出てくる可能性があります。ご紹介する方法を参考にして、ペットのお墓を作ってあげてください。
なお、火葬をせず遺体のままで埋葬をする場合は、正しい手順を踏んでも異臭が発生することも。そのため、遺体の状態よりも遺骨の状態で埋葬をするほうがあとで困りにくいです。ペット火葬の詳細は「ペットの埋葬は納骨堂や墓地でも可能」をご覧ください。
1:穴を深く掘る
ペットの体が十分に入るスペースを確保するために、スコップやシャベルを使って地面に穴を掘りましょう。ペットの大きさによりますが、穴を掘るときは目安として1メートルほどと、深く掘ることが大切。穴の深さが足りない場合、異臭が強くなったり動物や鳥に掘り返されたりするおそれがあるからです。
掘っている先に配管や基礎などの設備がある場合は、その場所での埋葬はやめておきましょう。ペットの遺体が分解される影響で、設備に劣化が起きるおそれがあります。
2:遺体をタオルで包んで埋める
十分な深さの穴を掘ったら、ペットの遺体をタオルで優しく包んで穴の中へ入れていきます。注意点として、タオルは必ず自然素材100%(木綿、絹など)を選ぶこと。化学繊維が含まれているタオルよりも自然素材のほうが土に還りやすくなるからです。ビニールシートのような化学繊維は、ペットが土に還るのを邪魔してしまいます。
3:土が盛り上がる形で埋め戻す
遺体を配置したら、あとは掘り返した土を埋め戻していきます。このとき、水平ではなく山のように盛り上がる形で埋め戻すようにしてください。一度掘り返した土は空気のすき間ができているため、雨が降ったときに地面が下がることで、遺体の一部が地上に出てしまうおそれがあるのです。
なお、埋め戻す際は30センチメートルを目安として地面から上に盛ることが大切です。土が足りない場合は、庭の別の場所から持ってきた土を使用してもよいです。
4:埋め戻した上には石を置こう
最後に、墓石代わりとして大きくて重めの石を置けば埋葬が完了です。墓石があれば動物や鳥に掘り返されにくくなります。石の種類にこだわる必要はありませんが、ネット通販などではペット用の墓石も販売されています。
長く供養していくなら、丈夫に作られた墓石の購入を検討してみてもよいですね。また、近年では樹木を墓石代わりに使用する「樹木葬」という新しい供養方法もあります。
ペット埋葬でよくある疑問を解決
この章では、ペット埋葬での気になりがちな疑問を解決するための情報をご紹介していますので、ペット供養をするときの参考にしてみてください。
ペットの土葬後から土に還るまでの期間は?
ペットの大きさ、埋めた土地にいる微生物の量など環境によるため、一概に何年と断定することは難しいです。あくまで目安程度のものですが、少なくとも以下の期間がかかることは覚えておきましょう。
骨が土に還るまで:数年~数十年
埋めた場所のニオイが気になる
ペットを遺体のまま埋葬した場合は、深い位置に埋めていても異臭が強くなることもあります。その状況を改善したい場合は、「遺体を掘り起こして火葬する」ことを考えてみてください。腐食したペットの遺体を自分で掘り起こす勇気が必要になりますが、異臭の原因をなくすことができるため、悪臭の問題を解決することが可能です。
お墓に植物を植えてもいい?
ペットのお墓がある場所に、お花などの植物を植えても問題ありません。ペットにとって思い入れのある花を植えてみるのも供養の方法としておすすめです。さらに、お墓に植物を植えることで微生物の働きが活発になるため、遺体や骨が少し分解されやすくなります。
人間とペットを同じ墓に入れてもよい?
人間のお墓にペットの遺骨を納めること自体は、法律上の観点からみれば問題ありません。しかし、霊園側のルールとして人間のお墓にペットの遺骨を入れることを禁止にしている場合が多いです。そのため、勝手にペットの遺骨を人間のお墓に納めることはせず、利用している霊園に相談をしてみましょう。
自宅でのペット埋葬は風水的に問題ない?
自宅でのペット埋葬は「運が悪くなる」「安らかに成仏できない」といった、風水的にはよくないという意見もあります。風水の考えを重んじて、自宅ではなくペット霊園や納骨堂で供養する人もいます。
ただし、風水を信じるかどうかは人それぞれなので、あくまで迷ったときの参考程度として考えておくとよいでしょう。
庭がない場合のペット埋葬方法は?
ペットを埋葬する庭がない場合は、園芸用のプランターを使ってお墓を作ることも可能です。プランターの詳細は「正しい金魚の埋葬方法とは?水槽のペットはプランター葬で供養しよう 」でご紹介しています。また、ペット霊園や納骨堂で供養する方法もあります。次の章で解説しているため、気になる方は確認してみてください。
ペットの埋葬は納骨堂や墓地でも可能
「埋めるスペースがない」などの事情がある場合は、ペット霊園(墓地)や納骨堂での供養を考えてみてください。その場合、まずは一度ペット葬儀業者に依頼して火葬をしてもらうことになります。その際の流れや知っておきたい事柄をこの章でご紹介していきます。
ペット火葬~埋葬までの流れ
2.到着までの間、遺体を安置する
3.火葬をしてもらう
4.残った骨を骨壷へ収骨する
5.遺骨を受け取る(返骨)
6.遺骨を供養する(自宅埋葬・霊園・納骨堂)
ペット葬儀業者に依頼するときの供養の流れは、上記のような流れで進んでいきます。ペットが亡くなった直後から段階で死後硬直や遺体の腐食といった変化が起きるので、依頼をするなら早めにペット葬儀業者に連絡をすることが大切です。また、ペット葬儀業者に火葬してもらったあとは、ペットの遺骨がご自身の手元に返骨されます。
ペット霊園や納骨堂とは
ペット霊園とはペット用に作られた墓地のことで、納骨堂は遺骨を納める施設のことです。これらは自宅の庭がなくてペット埋葬ができない方でもしっかりと供養ができるため、アパート・マンションにお住まいの方でも安心できます。また、ペット霊園にある合同供養塔や納骨堂へお墓参りをすることも可能です。
火葬の方法は大きく分けて4種類
ペット葬儀業者による火葬は、大きく分けて4種類があります。それぞれの内容をご紹介していくので、葬儀プランを決めるときの参考にしてみてください。
個別立会火葬
個別立会火葬は亡くなったペットだけを火葬する「個別火葬」を、ご家族が直接立ち会っておこなう火葬方法のことをいいます。ペットのお見送りから出棺までを立ち合うことができるため、悔いのないように最後までペットに寄り添うことが可能です。
一任個別火葬
ペットの火葬や出棺、焼骨や拾骨などを、業者にお任せ(一任)する方法のことです。ペット葬儀業者が責任をもって火葬し、遺骨もしっかりと返骨されるためペットの埋葬や手元供養ができます。
訪問火葬
ペット葬儀業者が火葬炉の付いた「移動火葬車」でご自宅を訪問し、自宅でペット火葬をおこなう方法です。自宅にいるだけで完結できるため、なかなか時間が取れない方や、病気やケガなどで自宅から離れられない方でもペットを見送ることができます。
「自宅」というペットにとって馴染み深い場所で、安心して供養することが可能ですし、移動火葬車は一般車と見た目が変わらないため、近隣にも迷惑がかかりにくいです。
合同火葬
こちらはご自身のペットだけでなく、他の方が飼っていたペットと一緒に火葬をする方法です。複数頭の動物を合同で火葬するため、お骨拾いや返骨といったものはありません。
一人で旅立つのはかわいそうだから、寂しくないようにと合同火葬を選ぶ方もいます。ご自身のペットのお見送りに対する考え方次第では、合同火葬も十分に選択肢に入るでしょう。
ペット火葬にかかる費用の目安
「ペットをしっかりと見送ってあげたいけど、費用面も心配」という方もいらっしゃるでしょう。この章では、家庭のご予算の範囲内でペットのお見送りがしやすいように、ペット火葬の費用相場を以下にまとめました。なお、先ほどご紹介した「個別立会火葬・一任個別火葬・訪問火葬」は個別火葬の区分に入ります。
区分 | 大型犬(レトリバー等) | 中型犬(柴犬等) |
合同火葬 | 29,000円~ | 22,000円~ |
個別火葬 | 39,000円~ | 30,000円~ |
区分 | 小型犬、猫など | 小動物 |
合同火葬 | 16,000円~ | 9,000円~ |
個別火葬 | 25,000円~ | 17,000円~ |
※関東地方のペット葬儀業者や霊園5か所の料金表から、おおよその平均値を算出
このように、ペット葬儀業者による火葬料金はペットの体が大きいほど高額になる傾向があり、個別に火葬する場合は料金が高いです。また、ペットの遺骨を元にして作られた「指輪やペンダントなどのアクセサリー」の作成やペット霊園の利用、線香や仏壇などの供養用品購入などを希望される場合は、追加料金がかかります。
ペットの火葬までにやっておくこと
ペット葬儀業者に依頼したあと、火葬するまでにやっておくことは「遺体の安置」と「見送りの準備」です。後悔なく見送るために大切なことなので、しっかりとやっておきましょう。
遺体を安置する
動物が亡くなってからしばらくすると「死後硬直」とよばれる状態となり、遺体の筋肉が硬くなってしまいます。死後硬直が始まる前に、遺体を保管しやすいように安置しておきましょう。ペットの遺体の安置方法は、以下の道具を使って手順どおりにおこないます。
ペットの遺体安置で必要なもの |
ペット用のブラシ、ガーゼ、バスタオル、ビニール、保冷剤またはドライアイス |
2.体液や排泄物をガーゼで拭き取る
3.ダンボール箱にタオルを敷き、寝かせるように遺体を置く
4.ダンボールの下にビニールを敷く
5. 保冷剤やドライアイスを頭やお腹周りに置く
また、部屋の温度が高いと遺体の腐敗も早くなってしまうため、エアコンなどを使ってなるべく涼しい環境を保つようにしてください。
お見送りの準備をする
こちらはペット葬儀業者のプランにもよりますが、「火葬までに、棺へ収めるもの(副葬品)を用意してください」と言われることもあります。ペットにとって思い出深いおもちゃや好きなドッグフードなど、ペットが大好きなものを今までの感謝を込めて入れましょう。
ただし、一緒に火葬する副葬品によっては遺骨が汚れたり、棺に入れるのを断られたりすることもあります。ペットの副葬品に関しては「ペットの棺に入れるもの│火葬時に愛情込めてお見送りができるように」で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
また、一部のペット葬儀業者では火葬の際の写真撮影が認められていることもあります。その場合は、あらかじめペット葬儀業者に確認をとってからカメラを用意しておくとよいでしょう。
ペットロスでつらいときは
ペットロスとは、ペットを失ったショックからうまく立ち直ることができず、毎日深い悲しみに襲われてしまう状態をいいます。たくさんの愛情をもって接していたペットとのお別れは、飼い主にとって受け入れがたいもの。なかには、深い悲しみにくれてしまい「うつ病」を発症してしまう方もいらっしゃるほどです。
「どうにかしてペットロスを克服したい……」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ペットロスに関する悲しみは飼い主の方によって違うので、万人に当てはまる克服方法をお答えすることはとても難しいです。ペットロスから立ち直った方のきっかけも「ひたすら泣いた」「時が解決してくれた」「新しい子を飼った」など人それぞれです。
また、ペットとのお別れでどうしてもつらくなったときは、今のつらい気持ちを信頼できる方に共有してみてください。言葉に出して相手に伝えることで、少し自分の気持ちが落ち着くかもしれません。事情により伝えられる相手がいなければ、ノートやブログなどで自分の気持ちを書いてみるのもひとつの方法です。
まとめ
ペットの埋葬は自分の敷地かつ「土葬」という形でおこなえば、法律上で問題になることは基本的にありません。しかし、正しい手順でおこなわないと腐敗臭の発生や害獣による掘り起こしといったトラブルが発生しやすくなります。
もし、ペット埋葬後のトラブルがご心配であればペット葬儀業者で火葬をしてもらい、返骨された遺骨を埋葬することを考えてみてください。事情によりあまり外出ができないという方でも、「訪問火葬」の方法にて自宅でも火葬してもらうことが可能です。
また、依頼するペット葬儀業者をどこにすればいいかわからない場合は、ぜひ弊社にお問い合わせください。弊社は全国各地にある加盟店のなかから、お客様に合ったペットの葬儀社をご紹介しています。
ご希望があれば訪問火葬ができる業者のご紹介や、飼われている生前見積りによるペットの終活も可能なので、お困りであればお電話やメールでご相談ください。
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