ハムスターを飼っている方には、「朝起きたらハムスターが固まってしまっている」「ハムスターの体が冷たい」など、突然ハムスターが動かなくなってしまった経験はありませんか?
ハムスターが死後硬直を起こしているのではないかと勘違いしてしまう方もいるでしょうが、そう考えるのは早計です。ハムスターが動かない場合、それは「疑似冬眠」という状態に陥っている可能性があります。
疑似冬眠をしているハムスターは生死の危機にある状態なので、飼い主の手で助けてあげる必要があります。適切な手段を取ることで、ハムスターは元の元気な体調を取り戻せるでしょう。
そこで今回は、ハムスターの疑似冬眠について解説していきます。死後硬直との見分け方や解決策、予防策も紹介しているので、もしものときに備えておくようにしてください。
目次
ハムスターの『死後硬直・冬眠・疑似冬眠』をすべて解説!
ハムスターの死後硬直・冬眠・疑似冬眠について調べると、「色んな情報があって整理できない」という状況に陥ってしまうこともあります。まずは、それぞれがどういった状態のことを指すのかを見ていきましょう。
ハムスターの死後硬直
ハムスターに限らずほとんどの動物は、筋肉が硬直して関節が動かなくなる「死後硬直」という現象が、亡くなってからすぐに始まります。ハムスターの場合、死亡して10分~2時間ほどの時間で体が硬くなっていくのです。
ハムスターは死後硬直すると、体がとても固くなってコロンとしてまとまった状態になります。また、ハムスターの手のひらなどを実際に触ってみると、柔らかい感触を感じられないことがわかるはずです。
死後硬直が終わるまでには、長くて12時間ほどの時間がかかります。そして1日を経過すると逆に硬直は解けていき、次第に柔らかくなっていきます。死後硬直が解けて体が柔らかくなった後は、体に溜まっていた唾液などの体液が外に流れ落ちていくのです。
ハムスターの冬眠
ハムスターは冬眠するイメージを持たれる人は多くいらっしゃいますが、実は、ハムスターのほとんどは冬眠をおこないません。
冬眠とは、動物や昆虫が厳しい寒さやエサがない飢餓状態を乗り越えるためにおこなうことです。冬眠すると、できるだけ消耗するエネルギーを抑えることができます。それはいわば省エネモードのような状態です。そして寒さや飢餓を乗り越えて春以降も活動することができます。冬眠する動物には、自分で体温を調節できない変温動物などが多いです。
ハムスターの中でゴールデンハムスターは冬眠をすることができますが、同じペット用として飼われるハムスターでも、ジャンガリアンハムスターをはじめとする多くの種類は冬眠ができません。
ゴールデンハムスター
キンクマハムスター
ジャンガリアンハムスター
キャンベルハムスター
ロボロフスキーハムスター
ハムスターの疑似冬眠
疑似冬眠とは冬眠に似た状態ではありますが、冬眠と違うところといえば自分で元気な状態に戻ることができない点です。ですので、飼い主の方が補助してあげないと、疑似冬眠から回復することはほぼ不可能となります。
疑似冬眠に陥る主な原因は体温の急激な低下や栄養不足、低体温症だと考えられていて、ハムスターは疑似冬眠に入ることにより生命維持を図るのです。疑似冬眠に入っているハムスターは死んでこそいませんが、かなり危険な状態にあると考えていいでしょう。
死後硬直と疑似冬眠の違いは見た目ではわかりづらく、目の前に動かないハムスターがいたとしても、生死を見分けることできません。この分かりにくさが、飼い主の方が不安な気持ちや戸惑いの気持ちを持ついちばんの原因といえるでしょう。
ハムスターが疑似冬眠をしているか確認する方法
ハムスターが死後硬直をしているのでは?という状況は、ハムスターの体温が下がりやすい冬場によく起こります。しかしハムスターが疑似冬眠をして生きている可能性もあります。どちらか確認するためには次のことを確かめてみましょう。
【1】目を閉じているか
ハムスターの目がしっかりと閉じられているときは、生きている可能性が高いといえます。ハムスターは目の周りにヒフのたるみが少ないので、亡くなったときは8~9割の確率で目を閉じません。動かない場合でも疑似冬眠の可能性が高くなると考えられるでしょう。
【2】呼吸をしているか
ハムスターの通常の呼吸の回数は、100~250回 / 分ですが、疑似冬眠をすると1分間に数回程度まで呼吸数が減少します。死後硬直の場合はそもそも呼吸自体していませんが、疑似冬眠をしているのならわずかながら呼吸がおこなわれているのです。
ハムスターの呼吸を確認するためには、少し濡らした指先を近づけてみるか、ティッシュの切れ端を口元にかざしてみましょう。呼吸を感じることができたら、疑似冬眠をしていると考えていいでしょう。
【3】体に柔らかさがあるか
ハムスターの疑似冬眠は死後硬直と酷似していますが、疑似冬眠をしているときはわずかに体の柔らかさが残っています。疑似冬眠は全体的に体が硬くなっているものの、肌の弾力があったり手足を触ったときに動かすことができたりします。
ちなみに、ハムスターの通常の体温は36~37℃ですが、疑似冬眠をしているときは10℃以下まで下がっていきます。触ると冷たいことがすぐにわかるほどです。死後硬直の場合は、1日以内だと筋肉が完全に固まってしまい動かすことができません。
【4】ヒゲに動きはないか
疑似冬眠をしているときは、ハムスターのヒゲが少し動くことがあります。ほんのわずかですが、「ピクッ」という動きがあったときは、生命活動を維持している証拠でしょう。
【5】毛並みが揃っていないか
ハムスターや動物が亡くなると、毛並みに乱れが出てきます。寝相と見られる乱れなどがなく、いつも通りのキレイな毛並みのときはまだハムスターが生きていると考えることができます。
これらの確認方法は、人間の視覚や感覚によってハムスターの生存を確認できる方法です。そのため、上記のどれかに該当しない場合でも、まだ諦めてしまうには早い段階です。「暖めて疑似冬眠から起こしてあげる」方法を試すことで、再び元気なハムスターと対面できる可能性はまだ残っています。
ハムスターを疑似冬眠から起こしてあげよう!
ハムスターが死後硬直をしているのではなく疑似冬眠をしているのなら、ハムスターを暖めて起こしてあげることができます。1~2時間ほどかけて、ゆっくりハムスターの体温を上げていきましょう。
このとき、ドライヤーをはじめとした急激に暖める道具でハムスターを暖めないようにしましょう。急激に体温を上昇させると、ハムスターが体力を激しく消耗してしまい、その結果体調を崩してしまうおそれがあるからです。
・ストーブ
・ドライヤー
・こたつ
ハムスターを疑似冬眠から起こす手順
ハムスターを疑似冬眠から起こしてあげる手順は、以下のようになります。
1.室温を上げる
まずは、ハムスターにとって適温である20℃~26℃まで室温を上げます。室温が低ければこれ以降の手順も有効ならないので、室温を適温に保つことが大切です。また、室温を保ちながら自分の体を暖めることにも集中しましょう。次の手順では自分の手のひらを使いますから、手のひらが冷たいと逆効果になります。
2.手のひらで暖める(目安:30分)
自分の手のひらでハムスターを直接暖めてあげます。優しく手のひらで包み込んであげるようにするとよいです。定期的に背中をさすってあげると、体の循環が促されて体温が上がりやすくなります。この段階でハムスターが目を覚ますこともありますから、顔色や体調を伺いながらおこないましょう。
3.カイロやヒーターを使って暖める(目安:30分~1時間)
次に、人肌よりも温度の高いカイロやヒーターを使用します。しかし、これらを直接当ててしまうと高温すぎてハムスターの体調を損ねるおそれがあります。タオルでカイロを包んだり、反対にハムスターをタオルで包んであげたりして、間接的に暖めてあげましょう。
ハムスターを暖めるときの適温に明確な数値は解明されていません。ですので、常に顔色や体調を伺いながらおこなうことがとても大切です。
ハムスターが目を覚ますと、少しボーッとしたような状態になります。動き始めたとしても、ヨボヨボとした足取りで元気がないように思われるかもしれません。このときのハムスターの体調は決してよいものとはいえないので、気を抜かずに次の手順に移りましょう。
4.暖かいミルクや糖分を与える
目覚めたハムスターに、暖めたミルクや糖分を与えます。ミルクの適温は35℃~36℃ですが、ハムスターが飲みづらそうであれば、少し温度変えてあげるなどしてあげましょう。与える糖分は、お湯で溶いたハチミツや砂糖がおすすめです。
5.元気になるまで見守る
ハムスターが目を覚まして栄養分を摂取することができたら、時間をかけて元気な状態に戻っていくことでしょう。しかし最後まで安心はできないですから、半日~1日は様子をこまめに伺ってあげることが大切です。このとき、常に食べ物や飲み物を用意してあげることも重要です。
上記の暖める作業を2~4時間以上してもハムスターが目覚めないときは、残念ながらハムスターが亡くなってしまったと思われます。
さて、冒頭からハムスターの死後硬直と疑似冬眠の見分け方と起こし方について取り上げてきました。ペットが疑似冬眠に陥るような事態は、なるべく避けたいところでしょう。次の項目では、未然に疑似冬眠を防ぐ方法を紹介していきます。
飼い主が気を付ける冬場のハムスター対策
寒さが厳しくなる冬場は、ハムスターが疑似冬眠に陥りやすいです。ハムスターにとって過ごしやすい環境を作り、疑似冬眠を未然に防止できるようにするのがいいでしょう。ハムスターにとって快適な環境は、以下のようになります。
・室温20℃~26℃
・温度変化が少ない
・日の当たる場所 ※2時間以上の日照時間を確保する
・栄養を摂取できる
冬の夜間はかなり冷え込みますから、相応の対策が必要になります。そこで、できるだけこの環境を保ってあげるための対策をいくつかご紹介したいと思います。ハムスターを飼っている方は、冬を迎える前に以下のような対策をほどこすようにしましょう。
・運動できる用具を設置する
ハムスターが運動できる用具を設置することは、とても重要です。ハムスターはたとえ寒くても、運動することで体を暖めることができます。この行動は、冬眠をしない野生のハムスターに見られる行動の1つでもあります。ハムスター用の滑車やトンネルなど、運動するための用具を必ず用意しておきましょう。
・床材を増やす
冬場はゲージから内部へと冷たさが伝わってきます。夏場の3倍~4倍まで床材の量を増やすことで、ゲージ内に伝わる冷たさを遮ることができるでしょう。
・段ボールや毛布で覆う
ゲージを段ボールや毛布で覆うことで、暖房などの使用を控えたい夜間などの寒さ対策になります。電気毛布や厚手のタオルなどを使ってもよいでしょう。少しの空気穴を作って内部の空気を循環させるようにすることも大切です。
・寝床を木製に変える
ハムスターの寝床に陶器製のものなど冷えやすい素材を使っている場合は、木製のものに変えるとよいでしょう。木製は冬場でも冷えにくく保温力もあります。
・ゲージ内にヒーターを設置する
ゲージ内に設置できる専用のヒーターが販売されています。ヒーターの種類としてまず挙げられるのは、間接的に下からゲージを暖める底面型のヒーターです。 このヒーターは大きさがいくつかありますが、ゲージの底面すべてを暖める大きさは必要ありません。底面すべてにヒーターを当ててしまうと、ハムスターが自分で体温調節をするために移動することができなくなります。
他には、ゲージの中に入れるハウス型のヒーターがあります。このヒーターは種類によって、内部にコードが配線されるものがあります。この場合はコードが噛まれないようにカバーをするなど工夫が必要です。
・温度計を設置する
ゲージ内に温度計を設置しておくと、ゲージ内の温度がすぐにわかりとても便利です。ペットショップなどでは適温を示したハムスター用の温度計も市販されているため、こうした温度計を使うことでより適切な温度管理がしやすくなるでしょう。
この記事で取り上げたさまざまな事柄は、冬場に起こる万が一の事態のときの対処方法でもあります。ハムスターを飼っている方は、冬を迎える前にこの記事をもう1度読んで頂くと、忘れていた情報も思い出すことができると思いますよ。
夏にハムスターが動かなくなるときもある?
ここまでずっと冬場にハムスターが動かなくなったときのことを取り上げてきました。ですが、ハムスターは夏の時期にも動かなくなる場合があることはご存じでしょうか?
夏バテを起こしたハムスターは、時たま動かなくなることがあるのです。このときのハムスターは死後硬直や疑似冬眠のように小さく丸くなるのではなく、体を伸ばしてじっとしています。
夏バテを起こしたハムスターは、疑似冬眠のように生死の境になるほど深刻な状況ではありません。しかし、ハムスターの体調の面で決してそのまま放置しておくことはできない状態でもあります。
エアコンを点ける・窓を開ける・ゲージの周りに保冷剤を置くなどの方法で、少しでもゲージ内の温度を下げてあげましょう。ちなみに、扇風機をハムスターに直接当てることは避けたほうがよいかもしれません。ハムスターは人間と違い汗をかきませんから、扇風機の風を涼しいと感じるよりはストレスを感じることがあります。
ハムスターが亡くなってしまったら何をしてあげるべきか
ハムスターが亡くなってしまったら、ハムスターのために何をしてあげるべきでしょうか。最後に、ハムスターが亡くなってしまったときに取るべき行動についてご紹介します。ハムスターに安らかに眠ってもらうための参考になれば幸いです。
・庭に埋葬する
大切なペットの亡くなった体を、家の庭に埋めてあげます。専用のお墓を作らなくても、飼い主の近くにいられることがペットにとって嬉しいことでしょう。
自宅の庭以外に埋葬しようとする方も中にはいるかもしれません。しかし、日本の法律上の関係から、自分の所有地以外の場所を利用するとたとえ埋葬のためであっても罰則に科せられることがあります。ですので、公園などの公共の場には埋葬することはできません。
・プランターに埋葬する
マンションなど自宅に庭がない場合などは、プランターに埋葬するといった方法を取ることもできます。プランターに体を埋葬して、花を植えることで引き続きお世話をすることができ、供養の一環として感じられるかもしれません。
ただし、プランター葬は虫が沸かないようにするための配慮が必要となってきます。詳しくは「プランター葬で安らかに…トラブルを防ぐ正しい埋葬方法をご紹介」に掲載しているので、興味がある方はぜひご参考にしてください。
・葬儀をおこなう
近年では、ペットが亡くなったときでも葬儀をおこなうことは一般的なことになりつつあります。ハムスターが亡くなったときは、個人やペット葬儀会社によって葬儀を執り行うことができます。
ペット葬儀では宗教などの縛りがなく、飼い主の意向が尊重されやすいです。生前好きだったもので囲んだりお花を添えたりして、華やかな葬儀にすることも可能です。
また、当サイトの過去コラム「ハムスターが亡くなったら…さまざまな葬儀方法をご紹介します」ではハムスターの供養に関することが取り上げられていますから気になる方は確認してみてください。
・お墓を作る
ペット霊園にはペット専用のお墓が併設されていることがあります。ペット霊園に連絡をするとお墓についての相談に乗ってくれるでしょう。ペットのお墓を作ってあげることで、大切な日や大切な時間にペットを弔ってあげることができるはずです。
なお、葬儀をしたりお墓を作ったりする場合、遺体を一時的に保管する必要があります。ハムスターは死後硬直が終わると体液が流れ出るので、汚れないよう新聞紙などを敷いた箱に入れておきましょう。また、腐敗防止として保冷剤も入れるのを忘れてはいけません。
・手元供養をする
火葬によって出てきたハムスターの遺骨を持ち帰り、自分で供養するという方法もあります。仏具セットを購入しておくことで、自分なりの方法で亡くなったハムスターを弔ってあげることができるのです。
また、専用のアクセサリーに遺骨を保管することで、ハムスターの生きた証として肌身離さず持ち歩くことも可能となっています。供養の方法に決まりはないので、自分が望む手段で供養するのをおすすめします。
まとめ
ハムスターの死後硬直や疑似冬眠のような状況は、冬場に突然起こることがあります。ハムスターは冬場の生命力が決して強くないですが、特有の疑似冬眠で少しでも長く生き延びています。
適切な処置をおこなえば、ハムスターを疑似冬眠の状態から起こしてあげることができます。顔色を伺いながらゆっくり暖めていけば、ハムスターを目覚め支えることができるかもしれません。
しかし、懸命に起こそうとしても、そのままハムスターが亡くなってしまうこともあります。その場合は、しっかり供養してあげましょう。供養の方法はいくつもありますが、最近ではペット霊園などで葬儀やお墓を作るなどの方法もあります。もしその方法に興味がある方がいらっしゃるなら、ペット葬儀のプロへ1度連絡してみることをおすすめします。
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