ガラス窓をしっかりと固定し、住まいを守るために役立ってくれる窓のゴムパッキン。そんなゴムパッキンにカビや劣化がみられ、「そろそろ交換したほうがいいかも…」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
窓のゴムパッキンの交換を業者依頼するのもよいですが、もちろん自力(DIY)で交換することも可能です。ただ、交換手順は少し複雑であり、間違えると窓が正常に動かなくなる場合があるのでご注意ください。
そこで、この記事ではゴムパッキンで使われることの多い「グレチャン」に関する知識や窓のゴムパッキンを交換する手順について解説していきます。
目次
ガラスを支える「グレチャン」について
窓のゴムパッキンである「グレチャン」とはどういうものか、名前もあまり聞いたことがないという方も多いでしょう。この章ではグレチャンの特徴について解説していきます。グレチャンに関する知識をあらかじめ知っておくことで、DIYでの窓のゴムパッキン交換がスムーズなります。
グレチャンの役割とビートとの違い
グレチャンはじつは略称で、正式名称が「グレイジングチャンネル」といいます。このグレイジングは建築関連で使われることのある用語であり、以下の意味を持っているのです。
“項目 グレイジング / ぐれいじんぐ
英語 glazing
意味 ① ガラスを固定すること。②陶磁器類に釉薬(ゆうやく)を施すこと。”引用元:株式会社 渡辺
グレチャンの場合は①番の意味に該当し、グレチャンとは「ガラスを固定するためのチャンネル(道筋)」ということになります。この名前のとおり、グレチャンは開閉時などでガラスが動いてしまわないように固定させる役割があり、通り道のようなU字型のレールになっているのです。
ちなみに、窓のゴムパッキンにはグレイジングビート(略称:ビート)という種類も。こちらも窓ガラスを固定する役割自体はグレチャンと同じですが、2本のゴムパッキンをガラスの両脇に挟む構造になっているという違いがあります。
グレチャンとビートはどちらがよい?
グレチャンとビートはその構造以外にも違いがあるので、交換する前に把握しておきましょう。
例えば、U字構造になっているグレチャンのほうが耐久性は高い傾向にあります。ビートはパーツが分かれている分少し不安定な部分があり、劣化すると浮き上がってくることもあるので注意が必要です。
また、ビートはグレチャンほど取り外し・取り付けが難しくないのがメリットといえます。耐久性の高いグレチャンなら安定して窓を固定したい方、ビートなら定期的な交換をして窓を清潔に保ちたい方におすすめです。
グレチャンを取り換える目安
グレチャンの劣化が激しく、すぐにでも窓のゴムパッキン交換が必要であればそのまま交換しても問題ありません。ただ、まだそこまで耐久性が落ちていないのに交換するのは、金銭面で損になります。そこで、この章ではグレチャンを交換しておきたいタイミングを解説しますので、迷ったときの参考にしてみてください。
カビが多いとき
グレチャンは雨水やガラスの水滴の影響を多く受けるため、湿気が大好きなカビが発生しやすい環境になっています。もしカビが生えたとしても多少目立つ程度なら洗剤で掃除することで除去できますが、カビが多すぎたりカビによりグレチャン内部が腐食していたりする場合は、早めに窓のゴムパッキン交換をしたほうがよいです。
ゴムがベタベタしたとき
グレチャンに限らないことですが、ゴム製品は使い方が悪いとゴムが溶けてベタベタすることがあります。ゴムのベタベタは水分によって起こる「加水分解」という現象によるもののため、グレチャンの使用年数がたつにつれて発生しやすいです。ベタベタ部分を取るためにはエタノールを使うのが有効ですが、ひどい場合は交換したほうが安心です。
耐用年数(寿命)が近いとき
ゴムパッキンを販売するメーカーや製品によって多少違う場合がありますが、基本的にはグレチャンの耐用年数(寿命)は10年程度です。グレチャンは消耗品であり、やがて劣化してしまうものなので、耐用年数が近くなったらトラブルが起きる前に交換しておきましょう。
また、ここまでご紹介した「カビ」「ゴムのベタベタ」だけでなく、劣化によってグレチャンと窓ガラスの間に空間ができてしまう場合も。そうなると、その隙間から水が漏れて「雨漏り」となることも考えられます。グレチャンは頻繁に交換しなくてもよいですが、タイミングが来たときは早めに交換しておくことが大切です。
DIYでグレチャンを交換する方法と費用
グレチャンを交換するタイミングが来た場合は、新しいものに交換しましょう。業者依頼で解決する方法もありますが、方法の知識と道具の準備さえあればDIYで済ませることも可能です。DIYでグレチャンの窓ゴムパッキンを交換する手順について解説していくので、参考にしてみてください。
【交換作業で必要な道具】
- 新しく取り付けるグレチャン
- 窓のビスに対応したドライバー
- ハサミ
- 掃除用の洗剤
- 雑巾などの掃除用具
- 細かい部品を保管する袋
グレチャン交換方法
【グレチャン交換手順】
(1)窓枠にある「ビス」を外す
(2)窓を分解する
(3)汚れがあれば掃除しておく
(4)新しいグレチャンを装着する
(5)分解したパーツを元に戻す
グレチャンの交換手順を段階別に分けると上記のようになります。それぞれの手順の詳細や注意点について解説していきましょう。
(1)~(2)窓の分解
U字構造で挟まっているグレチャンを外すためには、先に窓ガラスを取り外す必要があります。特殊な構造の窓でない限りは窓枠に付いている固定ビス(ネジ)を取り外すことで窓を分解できるので、その窓に対応したドライバーなどを使って外していきましょう。
なお、窓ガラスに付いている枠(桟)の下には固定ビスのほかに、「戸車(とぐるま)」という窓を動かすための滑車のようなものが付いている点に注意が必要です。戸車の高さを調整するビスまで間違えて外してしまうと戸車が正常に作動しない原因となるので、間違えないよう固定ビスのみを外すようにしてください。
ビスを外したら、窓ガラスとグレチャンを取り外していきます。
(3)窓の汚れ掃除
窓を分解することで、普段の掃除では届きにくい窓枠の溝や隙間といった場所が掃除しやすくなっています。カビ・水垢・ホコリなどが見られるのであれば、ついでに掃除しておくことで窓を清潔に保つことが可能です。さらに、掃除をしたきれいな窓に新しいグレチャンを取り付けることで、劣化の原因となるカビの繁殖を防ぎやすくなります。
(4)グレチャンを装着
【グレチャンの装着方法】
- 窓ガラスの外周にグレチャンを被せる
- グレチャンを1周させるように取り付ける
- 余分な長さのグレチャンを束からカットする
ひととおり掃除が終わったら、上記の手順に従って新しいグレチャンをガラスに取り付けましょう。グレチャンをきれいに取り付けるコツは、ガラスの端ではなく「中央部分」をスタートラインにして取り付けをおこなうこと。グレチャンを1周分装着したあとにカットする際、窓ガラスの外周とピッタリ同じ長さに調整しやすくなるからです。
また、窓ガラスの四隅部分にグレチャンを通す際、直角に装着させられるようにカッターまたはハサミで切り込みを入れていきます。このとき、間違えてグレチャンを完全に切り取ってしまわないよう「軽く切り込みを入れるだけ」にしましょう。
(5)元に戻す
新しいグレチャンを装着したあと、分解したときと逆の手順で窓ガラスを元に戻していきます。なお、ビスの締め付けが甘いと窓がゆがむおそれがあるため、しっかりとビス閉めをするようにしてみてください。
以上の手順で、DIYでグレチャンの窓ゴムパッキン交換ができます。なお、取り外した既存の窓ゴムパッキンの処分方法は自治体により異なる場合がある点に注意が必要です。お住まいの自治体のホームページなどでゴム製品の捨て方を確認し、適切に処分をおこないましょう。
DIYの費用と業者依頼の費用相場は?
グレチャンの窓ゴムパッキン交換をDIYでおこなう手順を見て、「難しそう」「失敗したら面倒」などと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんなときは、少し費用がかかってでも業者に依頼して窓ゴムパッキン交換作業を代行してもらうのがおすすめです。
しっかりと対応してくれる優良な業者であれば、グレチャンを丁寧かつきれいに交換できるため安心できます。とはいえ、やはり気になることといえば費用の面でしょう。そこで、業者依頼でかかる金額について以下にまとめました。DIYの費用と比較してみてください。
【費用相場比較】
業者依頼:10,000~15,000円
DIY(部品代):1メートルあたり200円前後+送料
比較して見るとグレチャンの材料費はかなり安いため、業者依頼の費用が割高に感じるかもしれません。ただ、グレチャンはホームセンターで売っていない場合もあり、基本的には通販サイトで購入することが多いです。そのため、材料が届くまで時間がかかるケースがある点に注意が必要です。その点業者依頼であれば、素早く対応してもらうことが可能です。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、ご自身の予算などの状況を考えながらどちらの手段でグレチャンを交換するか決めましょう。また、窓ガラス自体が古くて劣化している場合は、業者に窓サッシの修理工事や防犯ガラスやアルミサッシなどへのリフォームを依頼するのもひとつの手段です。
グレチャンを長持ちさせるためには
グレチャンの寿命は10年もありますが、使用状況が悪ければそれよりも早く寿命が来てしまうこともあります。グレチャンはゴム製であり、カビが繁殖してしまうおそれもあるので、定期的なメンテナンスをしっかりとおこなうことが大切です。そこで、この章ではグレチャンを長持ちさせるために必要なメンテナンス方法についてご紹介していきます。
定期的な掃除をしておく
【グレチャン掃除の手順】
- 洗剤をグレチャンに吹きかける
- 洗剤が浸透するまで待つ(5分程度)
- 水を含んだ雑巾で洗剤を拭き取る
- 汚れが取れるまで1~3を繰り返す
グレチャンは上記の手順で簡単に掃除をすることが可能です。そこまで高頻度に掃除をしなくてもよいですが、黒いカビが少し目立ってきたタイミングを目安におこないましょう。
また、グレチャン掃除で使う洗剤は、塩素系漂白剤などといったカビが除去できるものを選びます。危険性の高い洗剤を使うことになるので、ゴム手袋や保護ゴーグルなどの身を守る道具も用意しておくようにしてください。
結露対策をしておく
冬の場合、窓ガラスに集まった結露が下に落ちてグレチャンが濡れてしまいます。この状態を放っておくこともカビの発生や寿命低下につながるため、しっかりと対策をしておきたいところです。窓ガラスに結露ができないよう、窓の断熱性能を高める方向で対応してみてください。
例えば、窓ガラスに断熱用のシートを貼る方法が有効です。断熱シートがないといった場合は、梱包材としてもよく使われるエアパッキン(プチプチ)を貼れば代用することもできます。
まとめ
グレチャンが劣化してきたりカビがひどくなってきたりして交換が必要になった場合は、業者依頼またはDIYいずれかの方法で解決することが可能です。安く交換したいならDIYにするという選択肢もありますが、慣れていない方がおこなうと失敗する可能性があります。さらに、DIY作業中に誤って窓ガラスを傷つけてしまうかもしれません。
そのため、「確実性」と「リスク」を考えるなら、窓のゴムパッキンを交換してくれるプロの業者に依頼をしておくほうが安心です。プロの業者なら、窓に傷が入らないように慎重に交換作業をしてくれます。
また、窓のゴムパッキン交換に対応した業者をお探しであれば、ぜひ弊社のサービスをご利用してみてください。弊社では、窓ガラスに関するお悩みごとを解決可能なプロの業者をご紹介する事業をおこなっています。24時間365日体制で受付をおこなっているため、今からでもご連絡いただくことも可能です。
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