「ぶつかったり、物をぶつけたりしていないのに突然窓ガラスが割れた」
「知らない間にガラスにヒビが入っていた」
などとお困りではありませんか?
何もしていないのにある日突然窓や車、ガラステーブルなどのガラスが割れたりヒビが入ったりした場合は、原因として熱割れが考えられます。
熱割れは、ぶつかったり何かがガラスに当たったりして割れる衝撃割れとは割れ方が異なるため、簡単に見分けられます。
ガラスが熱割れしてしまう原因はさまざまで、原因を突き止めないとせっかくガラスを修理・交換してもまた熱割れを繰り返してしまいます。
熱割れしたガラスには火災保険が適用できる場合があるため、費用を抑えて修理や交換をすることも可能です。
この記事では割れたガラスが熱割れかどうか見分ける方法や熱割れする原因、ガラスの修理・交換に火災保険を適用する際の注意点などを詳しくお伝えしています。
この記事を読んでいただければ、ガラスが割れた原因を突き止め、費用を抑えて修理や交換をすることができます。
目次
熱割れはガラス表面の温度差によって起こる
熱割れが発生する原因は、ガラス表面に温度差が発生することです。
私たちの生活で身近にある熱割れには、ガラスのコップに熱湯を注ぐとガラスが割れてしまう、というものがあります。
コップに熱湯を注ぐと、熱湯が注がれた部分は温度が上昇し、ガラスは膨張します。
しかし、ガラスは熱を伝えにくい物質のため、他の部分は温度が上がらず膨張しません。
1つのガラスの膨張する部分と膨張しない部分が不均一な状態になり、熱割れが起こってしまいます。
コップで解説した熱割れは、窓ガラスや車のガラス、ガラステーブルなどのガラスにも同じように発生します。
ガラスに日光などの熱が加わるとガラスは膨張します。
しかし、熱が加わっていない部分は低温のままで膨張しないため、熱が加わって膨張している部分を、低温の部分で拘束します。
これは、ガラスの周辺部分(低温のままで膨張していない部分)に引張応力が発生しているということです。
引張応力がエッジ部の強度を超えると、ガラスが割れてしまいます。
これらの現象のことを熱割れといいます。
熱割れは冬に発生しやすい
熱割れは晴れた冬の午前中に発生しやすいです。
夜のうちに冷やされたガラスに、太陽の光が当たり部分的に温められることによりガラスに温度差が生じ、熱割れしてしまうのです。
ただ、冬にだけ発生するわけではなく、夏に発生することもあるため注意しましょう。
割れ方で熱割れかどうか見分けられる
何かがぶつかった衝撃で割れたのか、熱割れで割れたのかは、ガラスの割れ方で見分けられます。
衝撃で割れた場合は、放射線状にヒビが入り割れることが多いです。
それに対し熱割れの場合はガラスの端から直角にヒビが入ることが多いです。
熱割れのヒビは1本だけ入る場合と、途中でヒビが分岐する場合があります。
身に覚えのない、左のイラストのようなヒビが入っていた場合は熱割れを疑いましょう。
ガラスが熱割れする原因
先ほどもお伝えしたように、ガラスの熱割れの主な原因はガラス表面の温度差です。
ここではガラスに温度差が生じ熱割れやすい原因を以下の4つ、詳しくお伝えしていきます。
- 熱割れしやすいガラスを使っている
- ガラスが経年劣化している
- 室外機の熱風がガラスに当たっている
- ガラスにフィルムやシールを貼っている
熱割れしやすいガラスを使っている
ガラスのなかには熱割れしやすい種類があります。
以下の3つのガラスは、熱割れしやすいので注意が必要です。
網入りガラスとは、ガラスの中に金属のワイヤーが入っており、火や衝撃への耐性があるガラスです。
ワイヤーは熱を吸収しやすいため、熱によってワイヤーが伸びてしまい、その伸びに耐えきれなくなってガラスが割れてしまいます。
ワイヤーが入っている分、通常のガラスよりも熱割れしやすいです。
複層ガラスとは、2枚のガラスを組み合わせ、ガラスとガラスの間に乾燥空気やアルゴンガス、クリプトンガスなどを封入することで断熱性を高めたガラスです。
外側のガラスが太陽の光を吸収し内側のガラスとの温度差が生じると、熱割れを起こしてしまいます。
厚みのあるガラスは、厚みがある分ガラスに熱が加わった際に他の部分へ熱が伝わりにくいです。
そのため、一般的なガラスと比較すると熱割れしやすいです。
ガラスの種類による熱割れを防ぐためには、熱割れに強い耐熱強化ガラスなどに変更することをおすすめします。
ガラスが経年劣化している
ガラスも長く使用していると目には見えない劣化が進み、小さな傷やヒビが入ってしまいます。
劣化しているガラスは、新しいガラスよりも割れやすくなっているため、少しの温度差でも熱割れしてしまう可能性があります。
経年劣化しているガラスには以下のような特徴があります。
- くもりがなかなか取れない
- 細かい傷がある
- 窓の開け閉めがスムーズにいかない
経年劣化したガラスは熱割れ以外の理由でも割れやすくなっています。
できるだけ早めに交換しましょう。
室外機の熱風がガラスに当たっている
室外機の熱風が直接ガラスに当たることにより、ガラスの一部分が温められ熱割れが発生してしまいます。
また、冷暖房の風がガラスに当たる場合も同様に、風が当たっていない部分との温度差が発生し、熱割れしやすくなります。
室外機は熱風が当たらないようにガラスから離して設置したり、冷暖房の風はガラスに当たらないように風向きを調節したりしましょう。
ガラスにフィルムやシールを貼っている
紫外線防止や飛散防止、目隠し目的のフィルムやシールなどをガラスに貼っている場合も熱割れしやすくなってしまいます。
フィルムやシールは熱を吸収し、貼っている箇所のガラスの温度が上がり、貼っていない箇所と温度差ができてしまうためです。
熱割れを避けるために、小さいシールなどであってもできるだけ貼らないようにしましょう。
熱割れしたガラスの交換・修理に火災保険が適用できる
火災保険は火事の際に適用される保険、というイメージを持っている方も多いかと思いますが、実は窓ガラスの破損にも適用することができます。
火災保険が適用されるのは、主に以下のケースです。
補償 | 適用されるケース |
---|---|
風災 | 台風などの強い風によってガラスが割れてしまった場合 |
ひょう災 | ひょうが降ったことによりガラスが割れてしまった場合 |
火災 | 火事によってガラスが割れてしまった場合 |
雪災 | 大雪や雪崩によってガラスが割れてしまった場合 |
盗難補償 | 空き巣などの被害によりガラスが割られてしまった場合 |
不測かつ突発的な事故 | つまずいてガラスにぶつかってしまった、誤ってガラスに物をぶつけてしまったなど、予測できない事態でガラスが割れてしまった場合 |
物体の落下・飛来・衝突 | 外からボールが飛んできた、車がガラスに衝突したなど、物体が落下、飛来、衝突したことが原因でガラスが割れてしまった場合 |
熱割れしたガラスは、不測かつ突発的な事故として火災保険が適用できる場合があります。
ここでは、熱割れしたガラスに火災保険を適用する際の注意点についてお伝えしていきます。
保険内容によっては適用されない
熱割れは必ず火災保険が適用されるわけではなく、保険会社によっては熱割れによるガラスの破損は補償されない場合があります。
また、メインの火災以外の補償についてはオプションになっている場合もあるので、加入している火災保険はどこまで補償されるのか確認しましょう。
免責金額の設定によっては自己負担の必要がある
火災保険を適用する際には免責金額に注意してください。
免責金額とは、自己負担で支払わなくてはいけない金額のことです。
設定した免責金額によっては、自己負担しなくてはいけない場合があります。
免責金額の設定方法には免責方式とフランチャイズ方式の2つがあります。
免責金額は保管会社や契約内容によって異なります。
ご自身が加入している火災保険の契約内容を確認しておきましょう。
免責方式
損害額がいくらであっても、損害額から設定した免責金額を引いた金額が保険金として支払われる契約のことです。
損害額がいくらであっても、免責金額分は支払わなくてはいけません。
免責方式で、免責金額が10万円に設定されている場合の保険金と自己負担額について表にまとめました。
損害額 | 免責方式 |
---|---|
5万円 | 保険金:0円 自己負担額:5万円 |
15万円 | 保険金:5万円 自己負担額:10万円 |
フランチャイズ方式
設定した免責金額以上の損害額が生じた場合に全額保険金が支払われる契約のことです。
損害額が免責金額を超えないと一切保険金が支払われませんが、損害額が免責金額を超えると全額保険金が支払われます。
フランチャイズ方式の免責金額は20万円に設定されていることが多いです。
免責金額が20万円の場合の保険金と自己負担額について表にまとめました。
損害額 | フランチャイズ方式 |
---|---|
15万円 | 保険金:0円 自己負担額:15万円 |
30万円 | 保険金:30万円 自己負担額:0円 |
熱割れの火災保険については以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
『ガラスの熱割れは保険が使える!高額な修理費用を少しでも安くする方法』
ガラスに関するお困りごとは生活110番までお問い合わせください
ここまでガラスの熱割れについて詳しくお伝えしてきました。
ガラスの熱割れは突然起こることが多いので、ある日急にガラスが割れてしまったり、ヒビが入ってしまったりして焦ってしまう方も多いかと思います。
「割れてしまったガラスの交換・修理をしたい」「ガラスが熱割れしないようにしたい」などガラスに関するお困りごとは生活110番までお問い合わせください。
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