木を食べる虫に対する対策は、木造の家にいつの時代も付きまとう問題です。今は被害が少ないからといって放っておくと、いつの間にか家具や建材が穴だらけ……なんてことも。
虫は見つけにくい上に数が多いことがよくあるため、できるだけ早く対応することが求められます。自分の家の中で小さい虫を見つけたという場合は、もしかしたら木を食べる害虫かもしれません。思い当たりがある方は駆除をすることで、健康的な家屋を守りましょう。
今回はキクイムシをはじめとした木を食べる虫の生態や見分け方、駆除方法などについて解説していきます。
目次
近年の家は木を食べる虫に弱くなっている!?
木造住宅に住んでいる方の中には、黒っぽく小さな虫を見たことがある方もいるのではないでしょうか。その虫、もしかしたら「木を食べる虫」かもしれません。代表的な虫はキクイムシですが、その種類は実に多く、さまざまな種類が木を食べる害虫として生息しています。
とくに近年の家屋は、以前と比べて木を食べる虫が住みやすい環境に変わってきてしまっています。しかし、いったいどのような点が変わってしまったのでしょうか。
ホルムアルデヒドの規制が害虫対策にとっては逆効果に
木造住宅の害虫被害が増えてしまった原因には、平成5年の建築基準法改正が絡んできています。
改正以前の家屋の建材には、「ホルムアルデヒド」という成分がよく使用されていました。しかしその後、ホルムアルデヒドに害があることが認められ、法改正により使用が制限されることとなったのです。
もちろんホルムアルデヒドが制限されたことで健康被害の懸念は減りましたが、同時に害虫被害が増加する結果となってしまいました。なぜなら、ホルムアルデヒドは殺虫剤や害虫駆除にも使われる成分だったからです。
要するに健康面に配慮した結果、皮肉にも木材被害が増えるようになってしまったのです。
木を食べる虫の代表格「キクイムシ」の生態とは
家の中で見かける、木を食べる虫の代表格は「キクイムシ」と呼ばれる虫です。とくに屋内で発生するキクイムシの多くは、「ヒラタキクイムシ」の仲間だといわれています。ここでは、そんなヒラタキクイムシの生態について詳しく解説していきます。
キクイムシの見た目
キクイムシの代表格、ヒラタキクイムシの見た目はやや細長く、約2~8ミリと個体によって不ぞろいな大きさをしています。色は赤黒~茶に近く、木材と同化するとやや見つけにくいかもしれません。また、よく見ると身体に白い毛のようなものが付着しています。
キクイムシの発生・活動時期
キクイムシは主に春から秋、具体的には4月から9月あたりにかけて発生します。活動は基本的に年中おこなっていますが、とくに5月~6月は活動が活発になるといわれています。
成虫になってからの寿命は約1ヶ月~1ヶ月半とそう長くはありませんが、メスのキクイムシは成虫の間に約100個前後の数の卵を産みます。年中活動できる要因は、その繁殖力にもあるのです。
キクイムシの好物
キクイムシは基本的に、広葉樹を好んで生息します。具体的には以下のような木材に住み着いていることが多いため注意しましょう。
・ラワン合板
・ケヤキ
・竹
・キリ
・カシ
・ナラ
キクイムシの発生原因
キクイムシは外からやってきて住み着く、というよりは、家具や建材に最初から住んでいたケースの方が多いです。引っ越しや家具の購入直後は、小さな穴が開いていないかよく確認しておいた方がよいでしょう。
キクイムシの被害
キクイムシは家具や建材などの木材で成長し、成虫になると同時に木材から出てきます。その際に、木材に小さな穴を空けてしまうのです。
ひとつひとつは小さな穴ですが、積み重なっていくことによって徐々に木材がスカスカになってしまいます。キクイムシ自体に人への害はないですし、侵食のペースもそれほど早くないですが、家具や建材が穴だらけにされてしまうというのは困りものです。
また、被害が長期にわたると耐久力も落ちてきてしまうため、早急に対策をする必要があるでしょう。
木材に発生する虫はキクイムシ以外にも!
木を食べる虫には、キクイムシ以外にもさまざまな種類がいます。ここではキクイムシ以外の家屋によく出没する、木を食べる虫についてご紹介していきます。
シバンムシの特徴
シバンムシは茶色で、楕円形の形状をしています。体長は約2~3ミリ前後の小さな個体が多く、カブトムシのメスにも似た見た目が特徴です。シバンムシは主に「タバコシバンムシ」と「ジンサンシバンムシ」の2種類が有名で、一般的に見かけるシバンムシはほぼこの2種だといわれています。
シバンムシは乾いた食品や畳、木材など、主に乾燥したものから発生します。シバンムシ自体には害はないですが、このシバンムシに寄生する「シバンムシアリガタバチ」は人を刺すこともあるため注意が必要です。
シロアリの特徴
木を食べる虫として有名なシロアリ。シロアリのあごの強さは非常に強く、ときにはコンクリートにも穴を空けてしまうといわれています。シロアリに住み着かれてしまうと、家屋の耐久性がいちじるしく落ちてしまうため、細心の注意が必要です。
シロアリは春ごろ、羽アリとなって外を飛ぶようになります。とくに4~5月ごろ羽アリをよく見るようになった場合は、シロアリの被害に警戒しておきましょう。
クロタマムシの特徴
体長は約10ミリ~25ミリとやや大きく、細長い形状が特徴の虫です。色は主につやのある黒色ですが、やや青みがかっていたり濃い緑に近い色になっていたりする個体もいます。
幼虫期間が長く、場合によっては約10年間木材にひそんでいることもあるため、現在被害がないという家庭でも油断はできません。
上記で説明した以外にも、木を食べる虫は多く存在します。下記でその一部をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
・ナガシンクイムシ
・チビナガヒラタムシ
・カミキリムシ
被害状況や木材によって虫の種類や発生源を特定できる!
木を食べる虫にはそれぞれ、特定するための見分け方があります。適切な対処をするためにも、見分け方はおぼえておきましょう。
被害状況
キクイムシ
キクイムシは木材から飛び出すとき、2ミリ程度の小さな穴を開けます。この際、削った穴とキクイムシの糞により、木くずのようなゴミが穴周辺に残ることがあるのです。この特徴的な穴が、キクイムシの被害を発見する目安となります。
シバンムシ
シバンムシの場合はさまざまな場所から発生するため、特定が難しいケースが多いでしょう。シバンムシはキクイムシ同様穴を開けて出てきますが、キクイムシのように穴周りにゴミがあまり残らないことが特徴です。
家の中でシバンムシを見たという方は、一度家中の乾燥物に穴が開いていないか探してみてください。
シロアリ
シロアリは主に壁内部や天井、床下などに巣を作ります。穴を開けたりすることはないため、気づいたときにはもう被害が進行してしまっていることも。
最近床がきしむ感覚があったり、壁を叩いた際に空洞音がするような場合はシロアリの被害が進行している場合があります。シロアリの巣は個人の対策では駆除が大変な上、その後の処分も大変なので、困った場合は駆除業者に相談するとよいでしょう。
木の種類
被害にあった木の種類によっても、ある程度害虫の種類をしぼることができます。
針葉樹…ケブカシバンムシや、クロタマムシ、ヒメスギカミキリ
広葉樹…ヒラタキクイムシ類やオオナガシンクイ
竹…チビタケナガシンクイやタケトラカミキリ
ゴムノキ…ナガシンクイムシ類
木の乾燥度
木の種類だけでなく、木の状態によっても被害をおよぼす害虫は変わってきます。
乾燥した木材
乾燥した木材には主に、キクイムシやシバンムシなどの害虫が住み着きます。これらの害虫は、木材として伐採される前の時点で卵を産み付けている場合があるため、まだ被害にあっていない場合でも注意が必要です。
湿った木材
湿った木材はシロアリの大好物となります。一度中に住みつかれてしまうと、巨大な巣を作られてしまう可能性があるため注意しておかなくてはいけません。
湿った木材は放置せず、できるだけ早く処分するなどの対策を打っておきましょう。
キクイムシなどを駆除する方法
キクイムシなど、木を食べる虫の駆除はある程度自分で行うことも可能です。しかし、中には危険性のある虫や危険性のある虫が寄生していることもあるため無理はしないようにしましょう。
殺虫剤
王道の対処法は、やはり殺虫剤でしょう。この殺虫剤はしめ切った空間で使用すると人体に影響が出る可能性があるため、必ず換気しながらの作業を心がけてください。
すでに外に出てきている成虫であれば、エアゾールの殺虫剤で駆除することができます。しかし、木材内部にひそんでいる幼虫に関してはなかなか対処が難しいことも多いでしょう。
近年では、穴の部分にノズルを差し込んで噴射するタイプの殺虫剤も発売されています。根本から駆除したいという方は、このような商品を購入してみましょう。
〇キクイムシコロリ 300ml (キクイムシ以外にもシバンムシやシロアリ、その他クモやムカデなどにも効果があります)
60度以上の高温で加熱する
キクイムシは熱に弱く、60度以上の高温にさらされると成虫・幼虫ともに死んでしまいます。しかしこの方法の場合は木材を60度以上の温度にキープしなければならないため、一般家庭では少々実施が難しいでしょう。
害虫駆除は自分で行うこともできます。しかし、不快な虫の死骸を掃除しなければいけなかったり、虫によっては危険が及んだりする可能性もあります。よりしっかり、安全に駆除したいという場合は、業者に依頼する方法をおすすめします。
木を食べる虫を完全に駆除するなら害虫駆除業者がおすすめ
木を食べる虫は木材内部に住みついていることが多く、なかなか発生源の特定が難しいことが多いでしょう。また、木を食べる虫が住み着いた家や家具は、みるみる価値を失ってしまうばかりか安全性にも問題が出てきてしまいます。
早急に対処したいところですが、個人の対処法だけだと不十分である可能性もあります。何度対策しても虫が出てきてしまう場合は、別の方法を考えなければなりません。
できるだけ迅速に、適切な対処をしたいなら、業者に依頼する方法が無難でしょう。
業者の選び方
業者は害虫駆除のノウハウや技術を持っているため、しっかりと原因をつきとめ最適な駆除をしてくれます。しかし害虫駆除の業者は多く、どの業者を選べばいいかわからないという方も多いでしょう。
業者を選ぶポイントは、「実績」と「費用」です。
「実績」は業者のホームページや宣伝などによく乗っています。実績が目に見えてわかった方が、依頼するにしても安心ですよね。自分がどのような症状で悩んでいるのか、その対処実績があるところを選ぶと安心です。
「費用」は業者によって大きく差があります。目安としては約1万円~3万円が相場といわれていますが、サービス内容によってはこの相場とも異なる金額になる可能性もあります。できるだけお得に駆除してもらいたいなら、業者の比較は必須です。
さまざまな業者を見比べて、よりコストパフォーマンスのよい業者を選択しましょう。かといって、決して安いから何でもいいというわけではありません。高額な駆除業者には、費用なりの理由があることが多いです。
その業者のできること、サービス、費用、自分のやって欲しいこと。すべてのバランスを見て、最適な業者を選べるとよいですね。
まとめ
木を食べる虫にはキクイムシやシバンムシ、シロアリなどさまざまな種類がいます。家具や建材などを食べられてしまうと、家全体の耐久性にも関わる損害につながる危険性もあるため注意が必要です。害虫の気配を感じたら、できるだけ早急に対処するようにしましょう。
また、木を食べる虫は新築の時点で木の中に住みついている可能性もあり、まだ見ていないという方でも油断してはいけません。いつでも対処できるように、殺虫剤などの対策方法は知っておいた方がいいですね。
しかし、害虫は見た目が不快なのはもちろん、種によっては人間に危険をおよぼすものも存在します。虫が苦手な方や作業が不安な方は、プロの業者に依頼して根本から駆除してもらいましょう。
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