「ムカデは仲間を呼ぶ」という噂を聞いたことはありませんか?ムカデを潰すと、その体液がほかのムカデを引き寄せるフェロモンとなって、仲間から復讐を受けてしまう……という説が、巷ではまことしやかにささやかれています。
家に出現したムカデを駆除しても、結果的にほかのムカデが寄ってきてしまっては本末転倒ですよね。危険な毒をもったムカデは、できる限り安全に駆除しておきたいところです。
本コラムでは、ムカデ退治にまつわる噂がどのような根拠をもとにいわれるようになったのかを確認します。ムカデを根絶やしにして、安全なお住まいを取り戻しましょう。
ムカデの生態と危険性
ムカデの恐ろしさを語るうえで欠かせないものとされるのが、ムカデの「仲間を呼ぶ習性」です。ハチやアリのように集団で戦う虫もいるため、ムカデにも仲間の危機を察知する能力があってもおかしくないというのは、ある意味説得力があるかもしれません。
実際のところ、ムカデが仲間を呼ぶことは本当にあるのでしょうか。噂の真偽を考える前に、まずはムカデの生態について、知識を確認しておきましょう。
・そもそもムカデってどんな虫?
ムカデは、無数に分かれた節状の胴体(体節)に、無数の足を生やした「多足類」と呼ばれる種類の生き物です。細長く、扁平な身体の先端には、巨大で鋭い大アゴをもっています。漢字で「百足」と書くように、とにかく数の多い足が特徴的な虫です。
・食性
ムカデは、ほとんどの種類が肉食性です。食欲が非常に旺盛で、小型の昆虫から大きいものでは、ネズミや小鳥まで捕食することがあるとされています。またムカデは特定の住処をもたず、獲物を求めて徘徊する習性をもっていいます。
・繁殖
ムカデは子育てをおこなうことが大きな特徴です。ムカデのメスは卵を産んだあと、幼虫が一人前になるまでずっと一緒にいて世話をし続けるのです。そのため、ムカデの幼虫を見かけた場合、高確率で親がすぐそばにいると考えてよいでしょう。
・生育環境
家の中に出没することもあるムカデですが、本来は屋外で生活している虫です。山や森など自然豊かな環境を好み、主に湿った落ち葉の下で暮らしています。落ち葉の下には落ち葉をエサとする虫がたくさんいるため、ムカデにとってはエサの取りやすい環境といえるのです。
・毒
ムカデが危険な害虫とされる一番の理由は、その大アゴにもつ強力な神経毒です。ムカデは獲物を狩るために毒を使いますが、この毒は人間に対しても有効です。ムカデに噛まれ、毒を注入されると、その場所はひどく腫れて強い痛みを発生させます。
ムカデを潰すと仲間を呼ぶって本当?
ムカデの生態はわかりましたが、ムカデを潰すとほかのムカデが近寄ってくるという噂は、本当なのでしょうか。
結論からいうと、ムカデに仲間を呼ぶような能力はありません。また潰された際に出る体液を嗅ぎ付け、ほかのムカデが寄ってくることもないとされています。噂はあくまで噂であり、科学的な根拠があるわけではないのです。
仲間を呼ぶ虫のもっとも身近な例として挙げられるのが、アリやハチといった群れを作るタイプの虫です。これらの虫は、身体から同族にのみ嗅ぎ分けられる特殊な匂い(フェロモン)を出すことが知られています。
フェロモンは行列を作る際の道しるべや、攻撃対象の指示など、仲間内である程度のコミュニケーションをとるのに使われます。
同じようにムカデにもフェロモンを出す能力があると思われがちですが、そもそもムカデは群れを作る生き物ではありません。ムカデには仲間と連絡を取り合う習性がないため、フェロモンで仲間を呼ぶことはないとされています。
噂の原因はムカデの生息環境か
前項で解説した通り、ムカデが仲間を呼ぶという噂は、科学的に立証されていない風説に過ぎません。しかし、なんの根拠もない噂が現代に至るまで語り継がれてきたわけではないでしょう。
噂が噂として広まるには、何かしらの理由があったはずです。一度ムカデを退治した場所に、再びムカデが出現する原因がほかにないか、考えてみましょう。
ムカデは特定の環境を好む
家の中に次から次へとムカデが出現するのは、そもそもその場所がムカデの住み着きやすい環境だからかもしれません。
ムカデは湿気が多く、暗くて狭い場所を好みます。そのため、家の中にムカデの好む条件を満たした場所があると、仲間の死とは関係なしにムカデは寄ってきてしまうのです。
また、ムカデはエサとなる虫を探して徘徊しているため、虫の多い場所に定住することも珍しくありません。ムカデはゴキブリを好んで捕食します。そのため、家にムカデの獲物になるような虫がたくさんいる場合、ムカデが集まってきてもおかしくないでしょう。
ムカデは家族で行動する?
ムカデが特定の場所に集まりやすい原因としては、ムカデ独自の生態が理由として挙げられます。前述のとおり、ムカデは子育てをする生き物です。家の中で複数のムカデを見かけた場合、それは子育て中の母ムカデとその子供たちなのかもしれません。
また、ムカデは子供を成虫になるまで外敵から守っているので、生まれた子供たちは欠けることなく育ちやすいとされています。この習性はムカデが「大量発生」しやすいということにつながり、一人前になったムカデを大量に家の中で見かけることになります。
このように、ムカデは仲間を呼ぶことこそないものの、1匹退治してもまだほかのムカデがいるということがあるのです。ムカデの駆除は、ほかにもムカデが残っていることを前提として、徹底的におこなうようにしましょう。
潰す以外のムカデ駆除方法
ムカデはハチのように高速で飛び回ることもなく、地面をはいずりまわっているだけなので、比較的駆除のしやすい害虫です。しかし、生命力の強いムカデはただ潰すだけでは駆除しきれないことが多く、強力な毒アゴによって反撃を受けてしまうおそれがあります。
そこで、確実にムカデを駆除することのできる方法を考えてみましょう。以下に、おすすめの退治方法をご紹介します。
熱湯
鎧のように頑丈な身体をもち、物理攻撃には無類の耐性をほこるムカデですが、反面熱には非常に弱い性質をもっています。ムカデの耐熱温度は50℃程度とされ、50℃以上の熱をくわえられると縮みあがって動けなくなり、そのまま死んでしまいます。
ムカデを確実に駆除するなら、70℃以上の熱湯を直接かけるのがベストです。とはいえ、フローリングや畳の上など、熱湯を使えない場所にムカデが出ることもあるでしょう。
その場合は、「ドライヤー」の熱風を吹きかけることでもムカデに有効なダメージを与えられます。熱風は熱湯よりも即効性はありませんが、場所を選ばなくてもすぐに使えるため、覚えておくとよいかもしれません。
殺虫剤
一般的な家庭用の殺虫剤に含まれる有効成分はムカデにも効くので、通常の殺虫剤でもムカデを駆除することができます。ムカデに効くかどうか心配な場合は、殺虫剤の成分表に記載されている「適用害虫」の項目を見てみましょう。そこにムカデが書いてあれば、その殺虫剤はムカデに効く殺虫剤です。
無理せず業者に依頼
ムカデはすばやい動きこそしないものの、平らな身体でどこにでも入り込むことができます。そのため、ムカデを仕留めきれずに家具の隙間などに取り逃がしてしまうことがあるかもしれません。
どこから襲い掛かってくるかわからないムカデを相手に、不安で眠れぬ夜を過ごすよりも、無理せず害虫駆除の専門業者に相談することをおすすめします。ムカデについて知り尽くしたプロなら、隠れたムカデを見つけ出して駆除してくれるのではないでしょうか。
まとめ
ムカデが仲間を呼ぶという噂は、科学的な根拠の何もない単なる噂に過ぎません。ムカデを潰すことで、体液に惹かれてムカデが寄ってくるということもありません。
しかし、一度ムカデが現れた場所は、ムカデにとって環境が良く、エサの豊富な場所であるということです。ムカデが現れる可能性は高く、掃除をおこなうなど根本的な対策が必要になるかもしれません。
ムカデはときに命にかかわることもある、強力な毒をもった害虫です。お住まいの安全を守るためにも、駆除は徹底的におこない、不安な場合は害虫駆除の専門業者に力を借りてみましょう。
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