蜂といえば黄色やオレンジの縞模様が代表的なイメージカラーとされていますが、その常識を覆すような鮮やかな青色をした蜂がいます。それが、「ブルービー」です。
その美しい青の体色とめったに見かけることのできない希少性から、往年の童話になぞらえて「幸せを呼ぶ青い蜂」という異名をもつブルービー。どんな蜂か、気になりませんか?
本コラムでは、ブルービーと呼ばれる蜂の特徴と生態、どこで見ることができるのかなど、ブルービーにまつわるさまざまな知識をご紹介します。
目次
「幸せを呼ぶ青い蜂」ブルービーって一体何者?
日本で広く親しまれている「ブルービー」という呼び名は、実は正式名称ではありません。ブルー(青の)ビー(ミツバチ)という特徴からとったニックネームのようなものなのです。そんなブルービーはいったいどういった蜂なのか見ていきましょう。
正式名称は「ナミルリモンハナバチ」
ブルービーの正式な名前は、「ナミルリモンハナバチ」といいます。漢字になおすと「波瑠璃紋花蜂」、波状で瑠璃色(鮮やかな青)の紋様をもったハナバチの1種という意味です。
ハナバチという名前からわかるように、ブルービーは花の蜜や花粉を主なエサとするミツバチの仲間です。そのため、生息している地域では花畑や草原などで見かけることができます。
エサとする花はランタナ、マリーゴールド、センダングサなどで、赤系統の鮮やかな花に集う青色のブルービーのコントラストがとてもよく映えます。こうした見た目の美しさも、見た人を幸せな気持ちにしてくれるのかもしれません。
ブルービーの特徴
ブルービーの最大の特徴は、なんといってもその鮮やかな青色です。といっても全身が真っ青というわけではなく、黒地の身体に羽毛のような細かい青い毛が生えることで美しい紋様をかたちづくっています。
ブルービーにはもうひとつの特徴として、独特な生態があります。ブルービーは自分の巣を作らず、ほかの蜂の巣に卵を産み付けて子育てを任せてしまう習性をもっているのです。
ほかの巣に産み付けられたブルービーの幼虫は、その巣に本来住んでいる幼虫たちと同様に、ほかの親蜂からエサをもらって育ちます。
親蜂たちは、ブルービーの幼虫が自分たちの子供であると気づかずに、一緒にエサをあげてしまうのです。
こうした習性は、ほかの種がおこなうエサの確保や子育て、巣の建築といった「労働」を横取りする「労働寄生」と呼ばれる生態です。
代表的なものではカッコウのおこなう托卵(たくらん)行動(ほかの鳥に自分の卵を育てさせる)などが挙げられます。
ブルービーはほかの蜂に代わりに子育てしてもらうことで、自分の労力を限りなく抑えているわけです。こう聞くとなんだかずる賢い蜂のように思えてしまいますが、最小限の労力で最大の効果を上げる、野生の生存戦略として興味深い生態でもあります。
ブルービーって危険な蜂?人を刺すことはある?
とても美しい外見をもったブルービー、しかし蜂である以上刺されないか心配という方もいるのではないでしょうか。もしも毒をもった危険な蜂なら、眺めている場合じゃありません。
結論から言いますと、ブルービーに危険性はほとんどありません。基本的に温厚なミツバチの仲間の例にもれず、非常におとなしい性格をしています。こちらから危害を加えるようなことをしない限り、攻撃されることはないでしょう。
ただし、危険はほぼないといっても蜂である以上メスは産卵管が変化した毒針をもっています。毒性は低く、命にかかわるような症状が発症する可能性は低いですが、刺されれば痛い思いをします。
また刺された人の体質によっては、蜂の毒に過剰なアレルギー反応を起こすことがあります。蜂の毒は種類によって成分がかなり異なり、どの蜂にどんなアレルギーが起こるかは刺されるまでほとんどわかりません。刺されないよう注意はしておくべきでしょう。
ブルービーは希少な絶滅危惧種
ブルービーが「幸せを運ぶ蜂」として伝えられているのは、美しい見た目だけでなく、見かける機会が非常に少ないレアな蜂だからという理由もあります。
前述のとおり、ブルービーはほかの蜂に労働寄生して子育てをする生き物です。これは裏を返すと、ブルービーはほかの蜂がいない限り自力で子育てができないということでもあります。
したがって、ブルービーが繁殖できる場所はほかのミツバチのいる場所に限られ、繁殖の機会はほかのミツバチの巣の数にダイレクトに影響をうけます。環境次第では、ブルービーはあっという間に数を減らしてしまうわけです。
1970年ごろまで、ブルービーは本州や四国、九州など幅広い範囲に生息していました。しかし、その後30年以上本州でブルービーが発見されることはありませんでした。
ブルービーの住める場所は土地の開発でどんどん減っていき、加えて寄生の宿主となるミツバチの数も減ってしまった影響で、現在の国内でブルービーを見られる機会は非常に少なくなってしまっているのです。
ブルービーの生息数の減少は非常に深刻で、県によっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。幸運を運ぶ蜂と呼ばれるブルービーは、実は見かけた時点ですでに幸運といえるのかもしれません。
生で見たい!国内でブルービーに出会える場所
生息数が減少し、絶滅危惧種となっているブルービー。それでもその美しい姿を写真越しでなく肉眼で見てみたい!という方は少なくありません。国内で野生のブルービーが見られる場所は限られていますが、季節を選べば高確率でブルービーに出会える場所があります。
それが、熊本県南阿蘇村にある「葉祥明阿蘇高原絵本美術館」です。熊本県出身の絵本作家・葉祥明氏の開館したこの美術館の庭園では、植えられたバジルの花の上を飛び回るブルービーの姿を目にできます。
8月から10月ごろにこの美術館を訪れれば、幸運を運ぶ青い蜂に出会えることでしょう。
また、生息域が減少しているとはいえ、ブルービーは本州より南の国内各地に棲んでいる蜂です。2014年には本州でも発見例があるため、ごくごくまれにですが遭遇できる可能性はあります。
ブルービーが本土で飛び回るのは9月から11月にかけてです。もしもこの時期に青い蜂の姿をみかけたら、それはとてつもないラッキーかもしれません。
運よくブルービーを見かけたら
熊本県以外でブルービーを目にする機会は極めてまれだとされていますが、それでも運よくブルービーを見かけたときは、できるだけそっとしておいてあげましょう。幸運を運ぶブルービーを捕まえてしまいたいかもしれませんが、下手に手を出せば刺されてしまう危険性もあります。
写真をとる際は、ブルービーを刺激しないようフラッシュは焚かず、少し離れた位置から撮影するのがベストです。
まとめ
その希少性と幻想的な美しさから「幸運を運ぶ蜂」と呼ばれるブルービーの生態を、本コラムではご紹介しました。ブルービーは鮮やかな体色もさることながら、労働寄生などユニークな生態をもった面白い虫でもあります。
葉祥明阿蘇高原絵本美術館は、2016年の熊本地震で被害をうけた同美術館と南阿蘇村への義援金を集めるため、ブルービーをモチーフとしたグッズの販売などをおこなっています。震災の復興支援を兼ねて、幸運に会いにいってみるのもよいかもしれません。
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