蜂のなかにも刺さない蜂は存在します。蜂の一般的なイメージといえば、毒針を持ち、攻撃的で多くの仲間を率い、私たち人に危害を加える虫というのが強いでしょう。しかしそんな凶暴な蜂は、実はほんの一部です。
このコラムでは、人を刺さない蜂の種類や人を刺す蜂と刺さない蜂の違い、蜂に間違われがちな昆虫について紹介しています。刺さない蜂とはどのようなものなのかを見ていきましょう!
目次
人を刺さない蜂の種類
日本には約4,000種類もの蜂が生息していますが、そのなかでも「刺さない蜂」も存在します。ここでは代表的な刺さない蜂の種類をいくつかピックアップしてご紹介します。
クマバチ
生息地 | 日本全土 |
体長 | 21ミリメートル~23ミリメートル |
身体的特徴 | 全体的にずんぐりしていて、胸部に黄色い毛が生えている。 |
活動時期 | 4~10月 |
クマバチはずんぐりとしたフォルムに黒い毛が生えている蜂です。黒い毛がたくさん生えている姿が哺乳類の「クマ」に似ていることから、その名が付けられました。インパクトのある見た目から、クマバチに恐ろしいイメージを抱く人もいるかと思いますが、実はとてもおだやかな性格をしています。滅多なことがないかぎり人を刺すことはありません。
クマバチはミツバチと同じく花の蜜や花粉などをエサにしている「ハナバチ」です。ほかの生物を捕食しないことから、攻撃性を有していないといわれています。
またクマバチは枯れ木や木材の内部に巣を作る習性があります。強靭(きょうじん)なアゴでバリバリと木材を掘り進めて個室を作り、そこに卵を産み付けていくのです。
【クマバチにそっくり】マルハナバチ
全身が体毛でおおわれているマルハナバチはクマバチに似た姿をしています。正確もおだやかなため、刺激をしないかぎりは襲ってくる危険性も低いです。マルハナバチは女王蜂を中心とした社会を作って集団行動をする蜂ですが、巣の規模も大きくなることはありません。
しかしマルハナバチも巣や自身に危険が迫ったときには、容赦なく襲いかかってくるでしょう。安全のためにマルハナバチを見かけても不用意に近づくことは避けるようにしてください。
ハバチ
生息地 | 日本全土 |
体長 | 10ミリメートル~20ミリメートル |
身体的特徴 | 胸部と腹部の間にくびれがなく、寸胴のような体形をしている。 |
活動時期 | おもに4~10月 |
ハバチにはさまざまな種が存在し、日本では約700種の生息が確認されています。腹部の先端に針(産卵管)がありますが、毒がないため人を刺すことはありません。ハバチの針は種によって形状が異なり、ノコギリ状をしているものやドリル状をしているものがあります。これはハバチが植物の茎や木の幹に卵を産み付けるために、このような形になったのだといわれています。
またハバチの幼虫はアオムシやケムシにそっくりな見た目をしていますが、アオムシなどとは違い、足がイボのような形をしていません。腹部から間接のある足が生えています。
ジガバチ
生息地 | 日本全土 |
体長 | 18ミリメートル~23ミリメートル |
身体的特徴 | 全体的に黒い体色をしている。腹部が細長く一部オレンジ色をしている。 |
活動時期 | 5~9月 |
ジガバチはアオムシやクモなどを狩る「カリバチ」です。一応毒針をもっていますが、天敵を攻撃することを目的としていないため、毒が弱く、滅多に人を刺すこともありません。
ジガバチは獲物をマヒさせるために毒針を使います。マヒさせた獲物はその場で食べずに、土中に作った巣に持ち帰ってそのまま卵を産み付けます。ジガバチの幼虫はマヒした獲物の体内を少しずつ食べて成長するので、成虫は生きたまま獲物を巣にもち帰らなければならないのです。
ちなみにジガバチの名前の由来は、巣穴を掘る際に「ジガジガ」という音を出すことからきています。
人を刺す蜂の種類
続いて人を刺す蜂をご紹介します。見た目と特徴を把握しておけば刺されるリスクを低減することができるでしょう。
【攻撃性が高い】スズメバチ
日本でもっとも狂暴でおそろしいといわれているのはスズメバチです。そのほかの種類の蜂よりも体が一回り大きく、毒も非常に強力です。毒針で人を刺すだけでなく、ときには針から毒液を噴射して攻撃してくることもあります。この毒液は仲間を興奮させる物質が含まれているため、一度襲われるとたちまち仲間のスズメバチが集まってきます。
またスズメバチは攻撃を開始する前に、「カチカチ」とアゴを鳴らして威嚇行動をするので、この音が聞こえた際は、静かにその場を離れるようにしましょう。
【穏やかだけど毒は強力】アシナガバチ
アシナガバチは穏やかな性格をしているため、スズメバチに比べると襲ってくる危険性は低いでしょう。ただし、アシナガバチも種によってはとても強力な毒を保有しており、その強さはスズメバチに匹敵するといわれているほどです。
市街地にも営巣しやすいため、うっかり巣に近づいてしまったなどという事故を起こさないように注意する必要があります。
【越冬の時期は凶暴】ミツバチ
ハチミツの生成や植物の受粉の手伝いなどをしてくれるミツバチは、益虫としても広く知られています。体も小さく、スズメバチやアシナガバチと比べると攻撃性も低めです。しかし身に危険が迫ったときは人を容赦なく攻撃を仕かけてきます。
またミツバチは大規模の巣になると、個体数が50,000匹に到達することもあります。攻撃性は低くても怒らせてしまえば大量の蜂が一斉に攻撃してくるため、危険なことに変わりはありません。とくに越冬の時期である11月~3月ごろにかけては、ミツバチが凶暴になっているため、この時期にミツバチの巣を見つけた場合はとくに気を付けるようにしましょう。
刺さない蜂の特徴は3つ
刺さない蜂には3つの特徴があります。以下で紹介する項目のどれか1つでも当てはまっていたら、それは刺さない蜂、滅多に人を刺さない蜂であるといえます。ここからは、刺さない蜂と刺す蜂の違いを見ていきましょう。
腹部と胸部の間に「くびれ」がない
刺さない蜂は胸部と腹部の間に「くびれ」がありません。胸部と腹部がつながった寸胴のような体形をしています。このような蜂は「広腰亜目」という部類にカテゴライズされ、くびれをもつ蜂は「細腰亜目」という部類にカテゴライズされています。
人を刺す蜂の「くびれ」は毒針を獲物に刺すことに特化した体形であるという説があり、くびれにより腹部の可動域が増えるため獲物に毒針を刺しやすくなるのです。反対に上で紹介した「ハバチ」などは獲物に針を刺す必要がないため、可動域のせまい寸胴のような体形をしているといわれています。
【くびれのない蜂】
単独で生活する
単独で行動する蜂もまた滅多なことがなければ人を刺しません。一方で女王蜂を中心として社会を構成するスズメバチなどは、巣に近づくものに積極的に攻撃を仕かけます。前述のとおり、刺す蜂にも大人しい性格をした蜂が存在しますが、社会を作る蜂は巣に危害を与えるものに対して攻撃的になるのは皆同じです。
【単独で行動する蜂】
雄蜂
人を刺すのは雌の蜂だけであり、雄の蜂は人を刺すことはありません。もともと蜂がもつ毒針は産卵管が変化したものであるため、産卵管がない雄蜂は毒針自体もっていないのです。人を襲う蜂はすべて雌の蜂であるということになります。
蜂に似ている昆虫
刺さない蜂のほかにも、刺さないけど蜂に似ている虫もいます。その虫は一体どんな虫なのでしょうか。一部ピックアップしてみましたので、見ていきましょう。
ハナアブ
ハナアブは見た目こそ蜂に似ていますが、ハエ目、ハナアブ科に分類するハエの仲間です。ハナアブはその名前の通り、花の蜜や花粉から栄養を摂取します。ハエの仲間といってしまえば、衛生害虫のイメージが強いですが、ハナアブの多くは衛生害虫となるような活動をほとんどしません。
ヒメアトスカシバ
ヒメアトスカシバも蜂に近い姿をしていますが、チョウ目、スカシバガ科に分類されるチョウの仲間で蜂ではありません。山などで見かけるヘクソカズラという植物などに産卵し、幼虫はその茎の中で成長、越冬をします。
オオスカシバ
チョウ目スズメガ科に分類されるガで、大きい見た目と黄緑色の体が特徴です。羽が透明なことや昼間に行動すること、全体的に黄色い体色をしていることから蜂と間違われてしまうこともしばしばあります。オオスカシバはこちらに害を与えてくることはないため、見かけても警戒する必要はありません。
注意!刺さない蜂でも害がある
刺さない蜂は基本的に人に攻撃をしないため、スズメバチなどの強い毒性を持つ蜂のように過度に怯えなくてもよいでしょう。しかしいくら人を刺さないからといっても、刺さない蜂の行動次第では人や植物などに害が及ぶこともあります。
木に穴を開ける
刺さない蜂の中でもとくにクマバチは、枯れ木や木材に直径1~2センチメートルの穴を開け、深さ40センチメートルほどの巣を作ります。またクマバチはほかの蜂を積極的に攻撃するほど縄張り意識が高くないため、同じ木材に複数の蜂がいくつも巣を作る場合もあるのです。
もし木材や植物に何個も穴を開けられてしまうと、その木材は耐久性が下がってしまい 、育てている植物は弱ってしまう かもしれません。クマバチは一度巣を使ってしまえば、また次の年に違うクマバチがその巣を使うことがあります。
盗蜜
刺さない蜂のなかでも、体が大きい種類は小さな花の蜜を吸うことができません。そのため、小さな花の蜜を吸うときは、花の根元に穴を開け、そこから無理やり蜜だけ吸い取ってしまうのです。この行為は「盗蜜」といいます。
蜂が蜜を吸う際には花粉が一緒に運ばれるため、その蜂が別の花に移動すること受粉が起こり、花が咲きますが、盗蜜は蜜だけ吸ってしまいます。ですので、もし育てている植物が盗蜜されてしまうと、その花は花粉を運んでもらえず、子孫も作ることができない のです。
刺さない蜂でも被害が深刻であれば駆除をしよう
上でご紹介したように、たとえ刺さない蜂であってもときとして害をもたらすことがあります。刺さない蜂による害が深刻に感じられるのならば駆除をすることをおすすめします。
・肌の露出が少ない服(長そで、長ズボン)
・軍手
・タオル
・殺虫スプレー
【手順】
1.長そで長ズボンに着替える
2.タオルを首に巻く
3.蜂もしくは蜂の巣に殺虫スプレーを噴霧する
駆除は上記の3ステップでおこないます。木材に穴を開けるクマバチを駆除する場合は、駆除したあとに巣穴を木工パテで塞いでおきましょう。
まとめ
日本にはたくさんの蜂が生息していますが、そのなかでも人を刺さない蜂、滅多に人を刺さない蜂も存在します。しかし刺さない蜂であっても、私たちに害を与えてくることがあるのも事実です。もしも被害が深刻だと感じたのなら、駆除することをおすすめします。
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