夏になるとスズメバチによる被害のニュースを、見かけることが多くなります。そんななか近年では、ツマアカスズメバチによる問題も深刻化しているのです。日本国内には生息していないスズメバチの種類でしたが、2012年に九州で確認されました。
またこの数年で、ツマアカスズメバチの脅威は日本だけでなく世界中に広がっています。ここでは、ツマアカスズメバチの見分け方や危険性、被害の事例をふまえてご紹介していきます。ツマアカスズメバチを刺激して襲われないためにも、特徴を知っておきましょう。
目次
ツマアカスズメバチは危険な外来種
ツマアカスズメバチは、もともと東南アジアや中国に生息している外来種で、日本でも特定外来生物に指定されている昆虫です。機動性や攻撃性が高く凶暴で、在来種のスズメバチと同じように、海外では刺された人が死亡した事例もあります。
なにより危険とされているのが、繁殖能力の強さと生息域を広げる速さです。日本では、2012年に長崎県の対馬市で初めて確認され、翌年には数十もの巣が発見されました。たった1年間で全長80キロほどある島全体に活動範囲を広げたという事例からも、生息域を広げる速さがうかがえます。
とくに、生息域で天敵となるような相手がいない場合には、拡大速度もいっそう速くなるでしょう。ツマアカスズメバチが見つかった対馬市で生息域が一気に各拡大したのも、天敵がいなかったことが要因のひとつとされています。
そのあとの2018年には、大分で個体が見つかるなど九州地方を中心に、今なお生息範囲を拡大しているようです。現在では日本だけでなく、韓国やヨーロッパなどでもツマアカスズメバチの生息域拡大が確認されています。また、蜂蜜を作ったり植物の受粉を促したりする益虫のミツバチを捕食してしまうことから、生態系のバランスを崩しかねない危険性もあるのです。
ツマアカスズメバチの見分け方
さまざまな危険をもつツマアカスズメバチは、まだ一部の地域にしか生息していません。そのため、特徴を知っておかなければ見分けることは難しいでしょう。
見た目の特徴から見分ける
外来種となるツマアカスズメバチの体は全体的に黒が目立つため、在来種のスズメバチとの区別はしやすいようです。また、腹部にあたる部分が先端にかけて赤っぽくなっているのも、ツマアカスズメバチの特徴となります。
ただ、スズメバチ以外の蜂のなかには、オオスズメバチやキイロスズメバチなど見た目の特徴が似ている種類もいるようなので勘違いしてしまわないよう注意が必要です。
大きさから見分ける
ツマアカスズメバチの大きさは生息している国によって、若干の違いがあるようです。日本で確認されているものは、働き蜂が2センチ前後、嬢王蜂が3センチ前後となります。在来種のスズメバチと比べると比較的小さいため、大きさから区別はしやすいでしょう。
巣の作り方から見分ける
ツマアカスズメバチの嬢王蜂は地中のなかで越冬したのち、その場所に1匹で巣を作り始めます。巣を作りながらも働きバチを増やしていき、すべての作業を1匹でおこなうのです。働き蜂がある程度まで増えてくると、木の上へと巣を引っ越して繫殖をしていきます。
引っ越したあとの木の上にある巣は、1メートルを超えるものもあるようです。見慣れないほどの大きさをした巣を見かけたら、ツマアカスズメバチのものかもしれません。
ツマアカスズメバチは一般市民や農家に被害をもたらす
凶暴な性格で攻撃性の高いツマアカスズメバチがもたらす被害は、人的被害だけではありません。このまま生息域を拡大していくことで、さまざまなところに影響をもたらす可能性があるのです。
一般市民への被害
凶暴で攻撃性が高いとされるツマアカスズメバチですが、不用意に襲ってくるということはあまりないようです。ただ、生息している地域や巣によっても気性が違い、集団で襲ってくることもあります。各国でツマアカスズメバチに刺されての死亡事故が起きているため、見つけたときには近づかないよう注意が必要でしょう。
養蜂家への被害
ツマアカスズメバチは肉食で、おもにミツバチを含めた小型の昆虫を捕食します。そのため、蜂蜜の生産などが打撃を受けている養蜂家も少なくありません。
オオスズメバチのように集団で巣を襲う習性はなく、巣箱に帰ってくるミツバチを待ち伏せして捕食するようです。養蜂家のなかには、ミツバチの巣箱がいくつも襲われたという事例もあります。
農家への被害
益虫とされるミツバチの減少は養蜂家だけでなく、農家への被害も懸念されています。ミツバチは蜂蜜を作るだけでなく、農作物の受粉を促す働きもしているためです。このままツマアカスズメバチの生息域が拡大してしまっては、農作物に与える被害は非常に大きなものになってしまうでしょう。
ツマアカスズメバチ根絶のためのさまざまな活動
生態系を崩す原因となるさまざまな生物の外来種が増えたことで、在来種を保護するための駆除に取り組む活動が多くなっています。初めてツマアカスズメバチが発見された対馬市でも、2014年からは環境省と協力して駆除対策が立てられました。
研究者などと共にツマアカスズメバチの詳しい生態を調査しながら、根絶へ向けた活動がおこなわれているのです。多くのツマアカスズメバチが生息している韓国と九州の港では、貨物の監視や調査などをしているようです。
貿易によって行き来する船や貨物のなかにツマアカスズメバチが混入していることがあり、被害の拡大を防止するための対策も取られています。
また、繁殖能力のある女王蜂を中心とした、捕獲や巣の防除にも力を入れています。対馬市では市民の協力によって、乳酸菌飲料を発酵させた「誘発剤」をいれたペットボトルで作成した罠を市内各地に仕掛けるといった大規模な駆除作戦がおこなわれたのです。
女王蜂を捕獲すれば、その後の繁殖を抑えることができるため、罠を配置して駆除活動に取り組んでいる自治体も増えているようです。
ほかに、ツマアカスズメバチを捕獲する罠の作り方や刺されたときの対処法などの情報提供も呼びかけています。その結果、3ヶ月で数千匹の女王蜂が捕獲できたという事例もあったようです。
今以上の拡大を防ぐためにもツマアカスズメバチについての危険性などを知って、危機感をもっておくことが重要です。もし、ツマアカスズメバチの個体や巣などを見つけた場合には、業者や自治体に駆除を依頼するようにしましょう。
まとめ
現在ツマアカスズメバチの生息は、国内でも一部の地域でしか確認されていません。しかし、繁殖能力が強く生息域を拡大するまでのスピードが速いため、今後は身近で危険な存在となるおそれもあります。凶暴で攻撃性が高いため、もし見かけても近づかないようにしてください。
ただ、ツマアカスズメバチの拡大を阻止し、日本から根絶するためのさまざまな活動もあります。九州以外で見かけるようなことがあれば、自分で駆除しようとせず業者に連絡しましょう。今以上にツマアカスズメバチが拡大しないためには、少しでも早い対応が必要となるのです。
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