夏場はそこらじゅうを飛び回っていた蜂も、冬にはめっきり姿を消してしまいます。とはいえ春先にはまた元気に飛んで活動している姿を見かけるわけですから、蜂は全滅しているわけではないはずです。一体冬の間、蜂たちはどこで何をしているのでしょうか。
本コラムでは、日本に生息するメジャーな3種類の蜂、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチのそれぞれの寿命と1年の生活の流れを解説いたします。蜂の寿命や冬眠について知ることで、蜂が危険性を増す季節に先駆けた駆除や対策ができるかもしれません。
目次
冬になると見かけなくなる?それぞれの蜂の寿命
蜂に限らず虫全般にいえることではありますが、気温が低くなるにつれ蜂たちの活動はどんどん鈍っていきます。秋が終わりを迎えるころには、屋外を飛び回っている蜂の姿を見かけることはほとんどありません。
大抵の場合は、夏の間に作られた巣も冬にはもぬけのからになっています。あれだけいた蜂は一体どこへいってしまったのでしょうか。実は、ほとんどの蜂は冬を超えることなく、秋の終わりには寿命を迎えて死ぬのです。
しかし、蜂の寿命や冬眠については種類によって違いがあるため、まずは日本でよく見かける3種の蜂の寿命と一生の流れを確認してみましょう。
巨大な巣と多数の群れを作ることで知られるスズメバチは、冬の前に死に絶えます。
スズメバチの働き蜂は成虫になるまで約1ヵ月の間巣の中で過ごし、羽化してからの寿命は4~5週間ほどです。
ただし、冬直前に羽化した成虫であっても、初冬の寒さに耐えられずに死ぬとされています。遅くとも11月ごろには、スズメバチの巣は誰も住まない完全な廃墟となってしまうようです。ただ、廃墟になっているからといって不用意に近づくのは大変危険です。やめておきましょう。
スズメバチの生態についてはこちらのまとめをご覧ください。
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アシナガバチは巣の規模や群れの数こそ違いがありますが、基本的にスズメバチの仲間なのでスズメバチと同じような一生をたどります。働き蜂は20日ほどでサナギから成虫に羽化し、成虫になってからの寿命は1ヵ月程度です。
一生の流れはスズメバチとほぼ同じですが、一般的にアシナガバチのほうが寿命が短く、1ヵ月ほどはやく姿を見なくなることでしょう。そのため、アシナガバチの巣は10月ごろには完全に活動を停止してしまうのです。
ほかの2種とは食性も身体の構造も大きく異なるミツバチは、寿命も大きく変わります。スズメバチやアシナガバチが寒さに耐えきれず全滅する一方で、ミツバチは群れで冬を越えて春を迎えることが可能なのです。
ミツバチが越冬できる秘訣は、2つの特徴的な習性が関係しています。まず、ミツバチは食料である花の蜜を「ハチミツ」というかたちで巣に貯蔵しておけること。スズメバチやアシナガバチは肉食性なので、エサをため込んでおくことができません。
そして、ミツバチには群れ全体で寄せ集まって塊になる「蜂球(ほうきゅう)」という習性があります。さながらおしくらまんじゅうのように身体を震わせて熱を生み出し、その熱が外に逃げないよう蜂球の内部に閉じ込めることで、巣が一定の温度を保てるという仕組みです。
この蜂球という防寒対策によって、ミツバチは冬の厳しい寒さにも耐えることができます。寒い時期になるとエネルギーの節約のために女王蜂が卵を産むことはなくなりますが、働き蜂の寿命も羽化してから数か月程度と長いので、冬の間も群れを維持できるわけです。
このように、スズメバチやアシナガバチとミツバチでは、寿命や越冬に大きな違いがあります。しかし、冬の前にスズメバチやアシナガバチが死に絶えるのなら、春先に出現する蜂はどこからやってきたものなのでしょうか。
冬を越えることのできないスズメバチとアシナガバチですが、それはあくまで働き蜂の話です。群れのなかのほんのわずかにですが、冬眠をして冬越えをおこなう蜂がいます。それが女王蜂。より正確にいうと、女王蜂の「候補」たちです。
働き蜂と女王蜂の寿命の違い
冬を前にした巣では、働き蜂が寿命を迎えて死んでいく一方、女王蜂は冬を越える準備を着々とすすめています。
とはいえスズメバチやアシナガバチの場合、現在巣を支配している女王が冬を越えられるわけではありません。現役の女王は、冬眠することなく働き蜂たちと同じタイミングで死んでしまいます。
越冬し、春を迎えることができるのは、女王とも働き蜂やオス蜂とも異なる第三の存在、選ばれし女王候補です。女王候補の動向は、スズメバチやアシナガバチ、ミツバチで異なるので、それぞれの冬越えの仕方について以下に解説していきます。
スズメバチとアシナガバチ
スズメバチとアシナガバチの場合、女王の寿命は1年程度とされています。生まれるのは秋の始めごろですが、秋が終わるとすぐに冬越えのための冬眠に入ってしまうため、本格的な活動開始は春先になってからです。
女王候補が女王になるまでにどのような経緯をたどるのか、その一生を追ってみましょう。
1. 女王候補の選定
スズメバチとアシナガバチの女王候補は、秋の始めごろに生まれた働き蜂の中から選ばれます。はじめから女王蜂として生まれるのではなく、生まれてから働き蜂になるか女王蜂になるかを先代女王によって決められるわけです。
2. 女王候補の育成
栄えある女王候補に選ばれた子供たちは、働き蜂とは異なる特別なエサを与えられて、急速に育ちます。冬越えに向けて栄養価の高いエサを優先的に配られるため、身体の発育も働き蜂とは変わってきて、一人前になるころには働き蜂より一回り大きな立派な体格となるのです。
3. 女王候補の出立
秋の終わりごろ、そろそろ巣の蜂たちが活動をにぶらせるころになると、女王候補は無数のオスバチをお供に引き連れて巣を飛び立ちます。時を同じくして飛び立ったほかの巣の群れと合流し、その場で女王候補とほかの巣のオスバチがお見合いを始めるのです。
4. 女王候補の越冬
集団交配が終わり、卵を産める状態になった女王候補は、木の皮の隙間や土の中など、寒さをしのげる場所を探して休眠に入ります。こうして、女王候補は春になるまでエネルギーの消費を抑えながら眠りにつくわけです。ちなみにオスバチは交配が終わり次第死にます。
5. 女王候補から女王蜂へなるとき
春先、4月ごろが女王候補の目覚めの時期です。冬眠で消耗した体力を花の蜜などで補給しながら、巣づくりに適した場所を探して飛び回ります。
よい場所をみつけると、そこに巣を作りながら卵を産み、幼虫を育てます。自分の産んだ働き蜂が一人前になったとき、女王候補はついに女王蜂となるのです。
ミツバチ
ミツバチの女王蜂は、寿命の長いもので3~4年も生きるとされています。また群れ自体も冬を越えられるため、スズメバチやアシナガバチのように女王蜂単独で冬眠することはありません。
一方で、ミツバチの巣でも新たな女王蜂は生まれます。新しい女王蜂が生まれるときというのは、現役女王が寿命を迎えそうなときや、群れの規模が大きくなりすぎて巣がパンクしそうになり群れを分ける必要がある場合などです。
ひとつの群れに女王は2匹と存在できません。新たな女王が生まれると、先代の女王は子供に玉座と巣を明け渡し、群れの3割程度の働き蜂を引き連れて巣を旅立っていきます。なんとミツバチの世界では、子供の代わりに親が実家を出ていくのです。
こうした群れを分割する習性のことを、「分蜂」といいます。ミツバチは、分蜂をおこなうことで、いわば分家筋をどんどん増やしていくわけですね。
寿命を迎えた蜂の巣はどうなる?
住んでいた蜂たちが寿命を迎え、廃墟となってしまった蜂の巣は、その後どうなってしまうのでしょうか。せっかく危険がなくなった蜂の巣を、新たな女王蜂がこれ幸いとばかりに再利用してしまうのではないかと不安になるかもしれません。
実は、空っぽになった蜂の巣に別の蜂が住み着くことはほとんどないとされています。冬の間まったくメンテナンスされることなく放置されていた蜂の巣は、雨風や湿気によるカビなどによって、目に見えない部分がボロボロに劣化してしまっています。
経年劣化した蜂の巣は構造がもろくなっているため、いつ根本が折れて落下してもおかしくない状況です。そんなボロ屋をわざわざリフォームして住みなおすよりも、新しくマイホームを建てたほうが、蜂にとっても都合がよいのではないかとされています。
ただし、蜂以外の生き物が蜂の巣を利用することはあるようです。虫や小動物の住処となったり、鳥が巣の代わりに使ったりなど、思わぬトラブルの原因になる可能性もあるため、空の蜂の巣でも撤去したほうがよいでしょう。
冬の間にハチの巣を駆除する方法
ハチの巣は、冬の間は空っぽになります。
巣の駆除をしたら、同じ場所に再びハチが新しい巣を作らないよう、しっかり予防対策もしましょう。
以下の道具を用意してください。
-
- ほうき
- ゴミ袋
- 殺虫スプレー
- 防護服(あると安心)
(1)巣から1~2メートル離れて、殺虫スプレーをかける
(2)しばらく様子を見て、何事もなければ、ほうきで巣をゴミ袋につめる
(3)ゴミ袋の口をきつく結んで、”燃えるゴミの日”に捨てる
(4)予防:巣のあった場所に殺虫スプレーをかける
注意:生き残りのハチがいるかもしれないので、防護服を着用したほうがより安全です。
まとめ
本コラムでは蜂の寿命と1年の生活サイクルについてご紹介しました。冬になると蜂たち
を見かけなくなるのは、それぞれ思い思いの手段で厳しい冬の寒さをしのいでいるためです。蜂の種類によって冬越えの仕方は異なりますが、こうして蜂たちは春先にまた元気に飛び回れるのです。
最後に、巣駆除の方法をご紹介しましたが、基本的に蜂の巣駆除は、プロの領域だと思っています。
危険が伴う状態であったり、作業時に少しでも不安を感じたりした時には、まずは弊社の無料調査をご利用ください。お近くのハチの巣駆除のプロが駆け付けて、状況をお調べいたします。
とくに、夏場のスズメバチやアシナガバチは、1年の中でとりわけ危険性の高まる時期です。
さわらぬ蜂にたたりなし、どうしても駆除しなければならないときは、ハチ駆除の専門業者に依頼することをおすすめいたします。
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