スズメバチ駆除でやってはいけない4つのこと!絶対に刺されずに巣を撤去する最強メソッドを伝授

2023.9.12

スズメバチ駆除でやってはいけない4つのこと!絶対に刺されずに巣を撤去する最強メソッドを伝授

スズメバチの巣を駆除したいけど、どうしたらいいんだろう?

軒下や庭木にいつの間にか作られていたスズメバチの巣。

自分で駆除できるのか、それとも、専門の駆除業者に依頼したほうがいいのか、悩みますよね。

できるだけ安全で費用をかけずに済ませたいところだと思います。

じつは、スズメバチ駆除は専門の駆除業者に依頼するのが安全であり、結果的に費用も安く済む場合が多いです。

なぜなら、ある程度成長したスズメバチの巣を駆除するには防護服などの道具が必須であり、それらの購入費用が高いからです。

とはいうものの、「本当に防護服は必要なの?」「ほかに駆除方法はないの?」「業者に依頼したらいくらかかるの?」と様々な疑問があるでしょう。

そこで当記事では、下記3点について解説させていただきます。

  • スズメバチを安全に駆除する手順
  • やってはいけないスズメバチの駆除方法
  • スズメバチ駆除の費用相場

スズメバチ駆除を「安全で・安く・早く・手間なく」できるようになるために、ぜひ参考にしてください。

あなたが明日から安心して過ごせるよう、必要な知識をお伝えできれば幸いです。

  • 【監修者プロフィール】

    中村 雅雄

    スズメバチ研究者
    日本昆虫学会会員
    日本応用動物昆虫学会会員
    1948年生まれ。幼少期より昆虫に興味を持ち、40年以上に渡りスズメバチを研究。スズメバチとの関わり方や自然環境をテーマとして、講演やテレビ出演、本の出版など幅広く活躍中。
  • 【監修者プロフィール】

    郷 正憲医師

    徳島赤十字病院 麻酔科
    麻酔科標榜医
    日本麻酔科学会麻酔科専門医
    日本周術期経食道心エコー認定委員会認定試験合格
    日本救急医学会ICLSコースディレクター
    麻酔の中でも術後鎮痛を専門として臨床研究をおこなう。医学教育への取り組みも積極的におこない、心肺蘇生の講習会のインストラクターやディレクターなどをこなす。本名および「あねふろ」の名前でAmazon Kindleにて電子書籍も出版。

※「5.2.リスク2.刺されると命を落とすおそれもある」のみ監修

目次

安全にスズメバチの巣を駆除する4ステップ

まずは安全なスズメバチの駆除方法とはどういうものなのか、そのやり方をご説明します。

スズメバチを安全に駆除するためには、以下の4つのステップで作業を進めなければいけません。

ステップ1.巣穴をふさいで中にいる蜂を閉じ込める
ステップ2.周囲のスズメバチを駆除する
ステップ3.巣を撤去する
ステップ4.戻り蜂対策をする

上記はプロの蜂駆除業者がおこなう基本的な駆除手順です。

このやり方なら自分でもスズメバチ駆除できるの?

気になるのはそこですよね。

結論は「自分でもできるがおすすめはしない」です!

なぜならスズメバチ駆除はとても厄介であり、自力でやるには高い費用がかかってしまうからです。

これから駆除方法を解説していきますが、育ってしまったスズメバチの巣の駆除がいかに厄介でコストも高くつくか?というのを確認するつもりで読み進めてください。

なお、ご紹介するのはスズメバチがある程度増えてきた6~11月の駆除方法です。

もし当記事を4~5月にお読みになっている場合は、別記事の「スズメバチの初期の巣を駆除する方法」をご覧ください。

4~5月であれば、比較的簡単に自力駆除することも可能です。

ステップ1.巣穴をふさいで中にいる蜂を閉じ込める

最初にやることは、巣の中にいるスズメバチを閉じ込め、巣から出て来られないようにすることです。

その理由は、駆除作業を始めると巣から次々とスズメバチが飛び出してくるからです。

スズメバチは自身や巣に危害が加わると、警戒フェロモンを出す習性があります。

仲間の警戒フェロモンを感じ取ったスズメバチは、異変を察知すると対象に一斉に攻撃を開始します。

この危険を回避するために、まずは巣内にスズメバチを閉じ込めなければいけません。

閉じ込める方法は、おもに以下の3つがあります。

方法1.巣穴にティッシュや綿を詰める
  • すばやく確実にできる
  • 巣穴の数や場所を把握する必要がある
方法2.巣に市販のムース剤をかける
  • 巣穴の場所がわからなくてもできる
  • 風向きや風の強さ次第ではうまく吹きかけられない
方法3.特殊な薬品を巣内に入れてスズメバチを眠らせる
  • 薬品は一般には販売されていない
  • (※自分で調合して用意しなければいけない)

駆除業者がよくおこなっているのは、巣穴にティッシュや綿を詰める方法です。

ティッシュや綿を丸めて巣穴に押し込むだけのため、すばやく確実におこなえます。

しかし、巣穴の数や場所を把握しておかなければいけません。

巣穴の場所がわからない場合は、市販のムース剤を使う方法があります。

スプレー缶から泡が飛び出し、スズメバチの巣を包み込むものです。

巣の構造などの知識がない場合は、ムース剤を使用する方が確実となります。

ただし、風が強いとムース剤がうまく吹き付けられないため、使用するときは風向きや風の強さなどに注意しなければいけません。

駆除業者の中には、スズメバチを眠らせる薬品を使用するところもあります。

これはプロの業者が独自に調合した薬品であり、一般には販売されていません。

もし使用したい場合は、薬品の知識を身に付け自ら用意する必要があるため、一般の方がおこなうのはあまり現実的ではありません。

Q.巣盤がむき出しで巣穴がない場合はどうするの?
A.煙幕を使ってスズメバチを仮死状態にさせる場合が多いです。

スズメバチの巣は、通常は卵を産み付ける巣盤が何段かできており、その外側をボール状の外皮で覆うような形になっています。

しかし、木の中土の中にある巣は、外皮がなく巣盤のみが作られていることがあります。

そのように外皮がない場合は出入りしているところを塞ぐしかできません。

そのため、駆除業者では蜂取り用の煙幕を巣に入れて、スズメバチを仮死状態にさせる方法を取ることが多いです。

蜂取り用の煙幕を浴びたスズメバチは一時的に動かなくなるため、その間に駆除してしまいます。

巣の場所や形状はスズメバチの種類によって異なります。日本に生息するスズメバチの種類と特徴はこちらをご覧ください。

アシナガバチ、ミツバチの巣との見分け方についてはこちらをご覧ください。

ステップ2.周囲のスズメバチを駆除する

巣穴をふさいだら、今度は周囲のスズメバチを駆除します。

刺されてしまわないように、できるだけすばやく駆除しなければいけません。

周囲のスズメバチを駆除する方法は、おもに以下の3つがあります。

方法1.スプレー式殺虫剤を吹きかける
  • 広範囲のスズメバチを一気に駆除できる
  • 殺虫剤を吹きかけると、スズメバチは数十秒~数分で地面に落ちる
  • すばやく飛びまわっていたり、目前まで迫ってきたりしたスズメバチは駆除しづらい
方法2.虫取り網で捕まえる・バトミントン用ラケットで叩き落す
  • 素早く飛びまわっていたり、目前まで迫ってきたりしたスズメバチも駆除できる
  • 不慣れな人には難しい(※経験や技術が必要)
方法3.虫取り用の掃除機で吸いこむ
  • 虫取り専用の掃除機を購入するか、自作する必要がある
  • (※購入費用は数十万円)

基本的にはスプレー式殺虫剤で駆除します。

広範囲のスズメバチを一気に駆除できますし、特殊な技術や機材も必要としません。

しかし、すばやく飛びまわっていたり、目前まで迫ってきたりしたスズメバチは駆除しづらいです。

そのような場合には、虫取り網で直接捕まえたり、バトミントン用のラケットで叩き落したりする必要があります。

虫取り網やラケットでスズメバチを駆除するには、経験や技術が必要になるため不慣れな方には難しいです。

もしこれらの方法ができないようであれば、スズメバチを振り払いながらスプレー式殺虫剤で1匹ずつ丁寧に駆除していくしかありません。

駆除業者によっては、虫取り専用の掃除機でスズメバチを吸いこむこともあります。

虫取り専用の掃除機は通販などで販売されていますが、価格は数十万円と高価です。

家庭用の掃除機ではノズルが短く、吸い込んだスズメバチを溜めておく場所の容量も狭いため、スズメバチ駆除には利用できません。

ステップ3.巣を撤去する

飛びまわるスズメバチを駆除したあとは巣の撤去です。

巣を撤去するときは、まず巣に袋をかぶせます。

これは撤去するときに巣を落としたり、ふさいでいる巣穴を開けてしまったりして、中のスズメバチが飛び出してしまわないようにするためです。

その後、ノコギリを使って巣を切り離します。

ある程度成長した巣は頑丈にくっついているため、無理に引っ張ったりすると巣が壊れ、中のスズメバチが飛び出してしまいます。

そのため、ノコギリを使って丁寧に切り取らなければいけません。

巣を切り取ると同時に袋に入れて、しっかりと袋の口を縛れば撤去は完了です。

ステップ4.戻り蜂対策をする

巣の撤去が終わったら、戻り蜂対策として周辺にスプレー式殺虫剤を再度吹きかけます。

戻り蜂とは、巣の撤去時に外出していてあとから戻ってくる蜂のことです。

数匹であればそのままどこかに行ってしまうことが多いですが、戻り蜂が一定数以上集まると再び巣を作るおそれもあります。

周辺に戻り蜂が近づかないように、しっかりと殺虫剤を散布しなければいけません。

また、戻り蜂は数分~1時間程度の間に戻ってくることが多いですが、スズメバチの種類によっては数時間~翌日に戻ってくることもあります。

そのため、駆除後の数日間は戻り蜂に注意して、殺虫剤の散布を続けるのが安全です。

もし戻り蜂がたくさん集まってしまったり、巣作りを再開したりした場合には、再び殺虫剤で駆除する必要があります。

自力でスズメバチを駆除する詳細な手順はこちらをご覧ください。

スズメバチ駆除には5万円以上の防護服が必須

さて、ご紹介した駆除方法を読んでおわかりいただけたと思いますが、巣を駆除するときはかなり激しくスズメバチに襲われます。

そのため、5万円以上の防護服が必須です。

なんで5万円なの?
3,000円ぐらいの防護服じゃダメなの?

通販サイトなどを見ると、3,000円程度で販売されている防護服も多数あります。

自力駆除を考えている方としては、なんとか安価な防護服で済ませたいところですよね。

しかし、その考えは危険です!

なぜなら、安い防護服ではスズメバチのもう1つの危険な刺し方を防げないからです。

どういうことなのかご説明します。

5万円以上の防護服はスズメバチが「止まりにくい」

そもそも、安い防護服と高い防護服の違いはなんなのか?

今回はそれを調べるために、通販サイトで販売されている十数種類の防護服を調査してみました。

その結果わかったことは、高い防護服の多くは「スズメバチが止まりにくい素材で作られている」ということです。

具体的には、PVC加工と呼ばれる手法がされています。
※PVC加工:ポリ塩化ビニルを生地に圧着させる加工。カバンやテーブルクロス等によく使用される。

PVC加工をすると、防護服の表面がツルツルになります。

なぜツルツルになるのが重要なの?

じつは、スズメバチが毒針を刺すときには2つの刺し方があります。

スズメバチの2つの刺し方
  1. 針を出しながらぶつかってきて、その勢いで一瞬だけ刺す方法
  2. 顎で噛みつきしっかりと体を固定させて針を深く、何度も刺す方法

感覚的にわかると思いますが、危険なのは2の刺し方です。

これは、スズメバチ被害について記した書籍にも記載されています。

攻撃には2通りの刺し方があり、単独の場合は相手に一直線にぶつかり、接触した瞬間に毒針を刺す。
巣が襲われたような場合には大アゴで咬みつき、しっかりと足を踏ん張って何度も突き刺すが、このようなときには刺傷回数も増え、毒液も皮下深くに大量に注入される。

引用:書籍「人を襲うハチ 4482件の事例からの報告(著者:小川原辰雄)」 毒針の構造と刺し方

つまり、「大量の毒液を注入される刺し方をどれだけ防げるか」がスズメバチ駆除の安全性を大きく左右するということです。

表面がツルツルでスズメバチが止まりにくい防護服であれば、危険な刺し方を防げる可能性は高まります。
※確実にスズメバチの毒針を防げるわけではございません。

5万円以上の防護服が必須である理由

今回調査した十数種類の防護服の中で、商品説明に「PVC加工がされている」または、「スズメバチが止まりづらい素材を使用している」などの文言が記載された商品は、5万円以上のものしかありませんでした。

そのため、5万円以上の防護服が必須であるとお伝えしています。

やってはいけないスズメバチの駆除方法4選

ここまでのご説明で、正しいスズメバチの駆除方法と防護服の重要性はおわかりいただけたかと思います。

ところで、「ほかに有効な駆除方法はないの?」と疑問ではありませんか?

防護服が不要なやり方があれば、もっと安く簡単に駆除できそうですよね。

しかし、残念ながらある程度成長してしまったスズメバチの駆除方法はほかにないのが現状です。

よく話に聞く駆除方法として下記の4つがありますが、これらはいずれもやってはいけない駆除方法になります。

方法1.巣の周りにいるスズメバチだけを駆除する
方法2.「捕獲機」でスズメバチを捕まえる
方法3.「毒餌」で巣ごと全滅させる
方法4.「木酢液」でスズメバチの行動を一時的に変える

なぜやってはいけないのかというと、確実な駆除方法とはいえないからです。

さらに、場合によっては今よりも危険な状態になってしまうおそれもあります。

それぞれの方法について順にご説明しますので覚えておきましょう。

方法1.巣の周りにいるスズメバチだけを駆除する

巣を撤去せずに、周りにいるスズメバチだけをスプレー式殺虫剤で駆除する方法です。

この方法では巣内にいる多数のハチを駆除できず根本的な解決にはいたりません。

なぜなら、スズメバチは巣と女王蜂がいる限り、秋の後半になるまでは増え続けるからです。

殺虫剤によって一時的に数は減らせるかもしれませんが、時間が経てば新しい働き蜂が生まれて数は増えてしまいます。

また、殺虫剤を吹きかけるときに刺されるおそれもあります。

スプレー式殺虫剤を吹きかけるには巣から2~3mまで近づく必要がありますが、これはとても危険な位置です。

スズメバチ被害について記した書籍「人を襲うハチ(著者:小川原辰雄)」によると、巣から10m離れた場所で刺された事例もあります。

周囲のスズメバチを駆除しようとしたばかりに、危険な目に遭ってしまっては本末転倒です。

駆除するときは安全な方法で巣ごと駆除しなければいけません。

ポイント!
  • スズメバチは数匹駆除してもまた増える(=巣ごと駆除が必須)
  • 殺虫剤をかけるときに刺されるおそれがある

方法2.「捕獲機」でスズメバチを捕まえる

捕獲機でスズメバチを捕まえて、数を減らしていく方法です。

捕獲機も根本的な解決にはつながらないため、やってはいけない方法になります。

そもそも捕獲機とは、巣作りを始める前の女王蜂を捕まえることが目的です。

冬眠から目覚めたばかりの4~5月の女王蜂を捕まえることで、巣作りを未然に防ぐというもの。

しかし、巣ができてしまってから捕獲機を設置すると、女王蜂の代わりに働き蜂がたくさん集まってきます。

成長したスズメバチの巣には数十~数百匹のスズメバチがいるため、捕獲機ですべてを捕まえることはできません。

殺虫剤で巣の周りのスズメバチを駆除するのと同じように、一時的に数を減らせはするものの、時間が経てば元に戻ってしまいます。

さらに、捕獲機の周りに働き蜂が溜まるようになり、スズメバチの行動範囲をより広げてしまうこともあるのです。

ポイント!
  • 捕獲機は巣作り前の女王蜂を捕まえるのが目的
  • 巣ができてからは捕獲機では女王蜂は捕まえられない
  • 捕獲機を設置することで、スズメバチの行動範囲がより広がるおそれがある

方法3.「毒餌」で巣ごと全滅させる

仲間にエサを分け与えるスズメバチの習性を利用して、毒餌を巣に運ばせることで巣ごと全滅させる方法です。

毒餌による駆除では、確実に駆除できるとはいえません。

今回、スズメバチに毒餌は効果があるのかを確かめるために、実際に使用したユーザーのレビューを集めてみました。

集めたレビューは、大手製薬会社が販売している3種類の毒餌商品に対するものです。

「効果があった」などの肯定的なレビューと、「効果がなかった」などの批判的なレビューをそれぞれ投稿された月別にまとめたのが下表になります。

合計 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
肯定的レビュー 40 3 7 6 0 5 7 7 4 1
批判的レビュー 39 0 2 4 5 6 8 7 5 2

※4つの通販サイト(Amazon・Yahoo!ショッピング・楽天市場・ヨドバシ.com)に書き込まれた、合計79件のレビューが集計対象です(2021年12月時点)
※1~3月はレビューが1件もなかったため省いています。
※「効果あり」「効果なし」のどちらでもないレビューは省いています。

合計数を見ると「効果ありが40件」「効果なしが39件」となっており、成功率は約50%といえます。

一見、成功率が高いように見えますが、じつはそうでもありません!

投稿された月に注目してみてください。

投稿された月を見ると、肯定的なレビューがされたのは4~6月がやや多いです。

一方、批判的なレビューは7~11月に多くなっています。

つまり、「初期の小さい巣であれば毒餌は効果的だが、ある程度成長した巣には効果が弱い」ということです。

そのため、ある程度成長したスズメバチの巣に限定すると、成功率は50%を下回ることになります。

結論として、毒餌はすぐに確実に駆除できる方法とはいえないため、おすすめしていません。

ポイント!
  • 毒餌の駆除成功率は約50%(※一般使用者のレビューから算出)
  • 7~11月の駆除成功率はさらに低下する

方法4.「木酢液」でスズメバチの行動を一時的に変える

木酢液を使うことで、スズメバチの行動を一時的に変えて被害を防ごうという方法です。

この方法は、一時的な対策にしかならないためご注意ください。

たしかに、スズメバチは木酢液の匂いが苦手であり、巣に散布すると逃げていくという実験結果があります。

詳しくいうと「巣の周辺にいたスズメバチは巣内に戻る」「エサを取りに外出していた働き蜂は、巣から離れた場所に留まる」というものです。

しかし、この効果も長くは続かずしばらくすると戻ってきてしまいます。

そのため、駆除そのものではなく一時的な駆除法のアイテムと考えた方がよいです。

実験結果によると、木酢液の効果は15分程度とのこと。

木酢液は少なくとも15分くらいは効果が見られるので、軽装でも巣の駆除が可能となる。

引用:書籍「スズメバチの真実(著者:中村 雅雄)」 「忌避、行動錯乱」効果あり! 木酢液実験

15分程度スズメバチを追い払っただけでは、今後のスズメバチ被害を防げるとはいえませんので、一般の方にはおすすめできない方法になります。

また、書籍ではその15分間に軽装で巣を撤去してしまうやり方もあると記載されていますが、これはスズメバチの生態や駆除方法を熟知しているからこそできることです。

もし1匹でもスズメバチが周辺に残っていたり、駆除作業に15分以上かかってしまったりすると襲われるおそれがあります。

そのため、木酢液を使って巣の駆除をするにしても、防護服は用意しておかなければいけません。

ポイント!
  • 木酢液に忌避効果はあるが、巣がある場合の効果時間は15分程度である
  • 木酢液を利用して巣を撤去するとしても、防護服は必須である

スズメバチ駆除の費用相場は「26,951円」

ここまではスズメバチの駆除方法についてご紹介してきました。

結局、スズメバチを駆除するには5万円の防護服を購入するしかないのか…

そう落胆しているかもしれませんが、そんなことはありません!

駆除業者にスズメバチ駆除を依頼した場合、5万円以下で済むケースがほとんどです。

弊社でもスズメバチ駆除のご依頼を承っていますが、実際に弊社に寄せられたご依頼では、平均施工金額は26,951円(※1)となっています。
(※1)2015年1月1日~2020年12月31日における9月の平均施工金額
(※1)集計対象件数は3,211件

でも平均費用ってことは、もっと高い場合もあるんだよね?

そうです、残念ながら場合によっては5万円以上の費用がかかってしまうこともあります。

しかし、それは特殊なケースである場合です。

具体的にどのような場合に費用が高くなってしまうのかをこれからご説明します。

あなたのご自宅の状況と見比べてみてください。

費用が高いのは「高所・閉所」に巣がある場合

駆除費用が高くなってしまうケースは大きく2つあります。

ケース 理由
1.高所に巣がある場合
(庭木の上部・2階屋根の軒下など)
  • ハシゴや高所作業車が必要であり、転落などの危険性がある
  • 万が一の場合にすぐに避難することができない
2.閉所に巣がある場合
(屋根裏・床下・土の中など)
  • 駆除に時間がかかる
  • 駆除作業以外の作業が必要な場合がある
  • オオスズメバチの可能性が高い(※土の中のみ)

ケースごとに細かい理由は違いますが、共通していえることは危険性がより高いということです。

高所での作業は転落する二次災害のおそれがありますし、防護服の中にスズメバチが侵入したなどのトラブルが起きても、すぐに避難することができません。

閉所での作業は視界が悪かったり、動きづらかったりして通常よりも時間がかかる場合が多いです。

また、夏場では暑さのため肉体的に大きな負荷もかかります。

屋根裏に巣がある場合だと、天井の一部を切り取るなど、駆除とは別の作業が必要になる場合もあります。

そして、最も危険なのが土の中に巣を作るオオスズメバチの駆除です。

スズメバチの中でも攻撃性・毒性がとくに高いため、駆除費用はほかのスズメバチよりも高くなります。

あなたのご自宅にあるスズメバチの巣が、もし上記以外の場所にあるのであれば、それほど高額にはならないはずです。

費用を安くするコツは「早期駆除」

駆除費用を安くするコツは、できるだけ早く駆除することです。

早い時期であればスズメバチの数が少ないため、駆除にかかる時間も手間も少なくなります。

弊社の平均施工費用の月別推移を見ても、4月が最も安く時期が進むにつれて高くなる傾向です。

月別のスズメバチ駆除の平均施工費用

※当社実績より算出
 集計対象:2015年1月1日~2020年12月31日
 対象件数:13,280件
※1~3月および12月は依頼件数が少ないため省いています。

スズメバチは心配だけど、やっぱりもう少し様子を見ようかな…

そう考える方も多いと思います。

しかし、費用を抑えるためにも、できるだけ早く駆除することを検討してみてください!

駆除業者のホームページ記載金額は「最低価格」であることに注意!

インターネットで蜂駆除業者のホームページを見ると、大体どの業者も駆除費用が記載されています。

ただし、その記載金額の多くは「最低価格である」ということに注意してください!

仮に「スズメバチ駆除8,000円~」と記載されていた場合に、実際に8,000円で駆除してもらえることは少ないです。

本当に8,000円で駆除してもらえるのは「作られて間もない小さい巣」や「冬に中身が空になった巣」など、危険性が低く簡易に駆除・撤去ができる場合です。

そのため、ホームページの記載金額だけで判断するのではなく、実際に現地を調査してもらい正式な見積りをもらうようにしてください。

そのうえで、納得のいく金額であれば駆除依頼をすることが大切になります。

もし高額だと感じたときは、お断りして別の業者にも見積りを出してもらいましょう。

最初の問い合わせの時点で「まずは現地調査と見積りを頼みたい。駆除依頼するかどうかはそのあと判断するつもりである」という旨を伝えておくと料金トラブルが減ります。

スズメバチ駆除の2つのリスク【駆除依頼を迷っている方へ】

業者依頼なら防護服を買わずに済むとはいうものの、費用に2~3万円かかるのはやはり躊躇してしまいますよね。

しかし、決して高い金額ではないと筆者は考えます。

なぜなら、スズメバチ駆除には大きく2つのリスクがあるからです。

リスク1.刺されると「焼けた釘に触れたような痛み」を感じる
リスク2.刺されると命を落とすおそれもある

スズメバチに刺されると痛みを感じるだけでなく、命を落とすおそれまであります。

これらのリスクを2~3万円で避けられるのであれば、決して高い金額ではないでしょう。

では具体的にどのぐらい痛いのか、また、ハチによる死亡事故が何件発生しているのかをご紹介します。

リスク1.刺されると「焼けた釘に触れたような痛み」を感じる

スズメバチに刺されたことがある人たちは、刺されたときのことを以下のように表現しています。

スズメバチに刺されると、焼けた釘に触れたような熱く鋭い痛みがじりじり広がっていきます。

引用:書籍「スズメバチの真実(著者:中村雅雄)」 スズメバチの毒[もし刺されたらどうなるか]

玉川大学の小野正人教授は「足に太い釘が刺さったよう」と表現している。

引用:書籍「人を襲うハチ 4482件の事例からの報告(著者:小川原辰雄)」 第2章 ハチの危険を知る

上記はどちらもスズメバチの生態や対策などを記した書籍の内容です。

相当大きな痛みであることがわかると思います。

また、痛みは6~8時間ほど継続するため、一瞬のできごとではありません。

リスク2.刺されると命を落とすおそれもある

厚生労働省の人口動態調査によると、2016年~2020年の過去5年間における蜂刺傷の死亡者は下表のようになっています。

ハチ刺傷による全国の死亡者数

年度 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
16人 9人 10人 10人 12人
3人 4人 2人 1人 1人
19人 13人 12人 11人 13人

※参考:e-Stat 政府統計の総合窓口 人口動態調査
※上表には、一部アシナガバチなど別の蜂も含まれますが、多くはスズメバチによるものと考えられます。

毎年十数人の方が蜂刺されによって亡くなっているのです。

スズメバチに刺されると、数時間痛みが続いた後にそのまま症状が治まる場合もありますが、なかにはアナフィラキシーショックというアレルギー反応が現れる場合があります。

アナフィラキシーショックが起こると呼吸困難や血圧低下などの症状が出ることもあり、これらが原因となって命を落としてしまうのです。

また、刺されるのが2回目以降だとアナフィラキシーを発症するという話しを聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、気づかないうちに既に1回刺されている場合もありますし、本当に初めて刺された場合でもアナフィラキシーを発症する事もありますから、初めてだから大丈夫という油断は厳禁です。

全国で年間に数十人と聞くと少なく感じるかもしれませんが、万が一の可能性があります。

まさか自分がそうはならないだろう」と楽観するのではなく、スズメバチを駆除するときは安全に配慮して専門の駆除業者を頼るようにしてください。

スズメバチ駆除の業者探しは「生活110番」へ

ここまでのご説明でスズメバチ駆除の危険性は十分にお伝えできたかと思います。

次に気になるのは「どこに駆除依頼をしたらいいのか?」ということでしょう。

スズメバチ駆除を依頼したいときは、ぜひ当サイト「生活110番」まで一度ご相談ください。

生活110番とは、暮らしのなかのお困りごとを解決するためのWEBサービスです。

具体的には、「スズメバチ被害でお困りの方に蜂駆除業者をご紹介する」というものになります。

生活110番のサービスイメージ

ほかの蜂駆除業者に依頼するのと何が違うの?

生活110番を利用する1番のメリットは、お問い合わせから作業完了までの「スピードが速い」ことです。

どういうことなのか簡単にご紹介しましょう。

お近くの蜂駆除業者を迅速に手配

生活110番では、お客様からお問い合わせをいただくと、お客様の近くの蜂駆除業者を迅速に手配いたします。

なぜ迅速な対応が可能なのかというと、理由は3つです。

理由 詳細
1. 24時間365日受付対応をしている 常にコールセンターが稼働しているため、
早朝や深夜、祝祭日いつでもお問い合わせ可能。
2. 日本全国に多数の加盟店がいる 一部の離島などを除き、日本全国のほぼ全域が対応可能エリア。
お近くの業者が手配できるため、現場に向かう時間を短縮可能。
3. スケジュールが空いている業者を手配できる すぐに駆けつけられる業者を選別することで、
待ち時間を短縮可能。

スズメバチ駆除は対応が早ければ早いほど、被害に遭うリスクが減ります。
ご家族やご近所の方が刺されてしまう前に、ぜひ一度お気軽に生活110番までご相談ください!

スズメバチ駆除のよくある4つの質問|Q&A

最後になりますが、スズメバチ駆除に関するよくある4つの質問にお答えします。
まだ解決されていない疑問がある方は、ぜひ目を通してみてください。

Q1.役所でスズメバチ駆除は対応してもらえますか?

A1.対応する役所と対応しない役所があります。また、対応内容も役所によって違います。

全国の役所がおこなうスズメバチの対応について、20都市の対応内容を調査してみました。

役所がおこなうスズメバチへの対応は、おもに以下の4つに分けられます。

対応内容 都市
無料駆除 神戸市
駆除費用の一部負担 京都市
駆除道具の貸し出し 横浜市、川崎市、相模原市
対応なし 大阪市、北九州市、札幌市、福岡市、広島市、仙台市、千葉市、堺市、新潟市、浜松市、岡山市、熊本市、青森市、盛岡市、富山市

※上表は2021年12月時点の情報です。

無料で駆除してくれる役所や一部駆除費用を負担してくれる役所もありますが、多くの役所では対応していません。

気になるようであれば、あなたのお住まいの役所に一度問い合わせてみてください。

Q2.スズメバチの巣を放置するとどうなりますか?

A2.11月までは巣が大きくなり、蜂の数も増えていきます。12月以降は蜂の数が減っていき、最終的に巣は空になります。

スズメバチもそのうちいなくなるだろうから、駆除しなくてもいいかな?」とお考えの方もいるかもしれませんね。

たしかに、1~2月頃になればほとんどのスズメバチは死滅し、新女王蜂も冬眠に入ります。

しかし、12月頃までは働き蜂が生息することがあるためご注意ください。

なかでも9~10月は繁殖のピークであり、最も危険な時期です。

ほとんど近づくことがない裏庭などにある巣は放置してもいいかもしれませんが、玄関やベランダなどの生活圏内にある巣は早急に駆除することをおすすめします。

刺されるのを防ぐスズメバチ対策はこちらをご覧ください。

Q3.賃貸物件でスズメバチの巣を駆除する場合、費用は自費になりますか?

A3.原則は「専有部分の巣は入居者負担」「共有部分の巣は大家負担」です。

入居者負担 大家負担
専有部分に作られた巣
(ベランダ・専用庭など)
共有部分に作られた巣
(集合玄関・通路・駐輪場など)

ただし、上記はあくまでも原則です。

賃貸契約書の内容や状況によって負担者は変わります。

そのため、スズメバチの巣を見つけたときは、まずは大家か管理会社に相談してください。

勝手に駆除してしまうと、本来は大家が負担するべきだった駆除費用を自分が負担することになる場合もあります。

Q4.他人の敷地にあるスズメバチの巣も駆除してもらえますか?

A4.弊社では敷地の所有者以外からのご依頼は、基本的に受け付けておりません。

「隣家の庭木にスズメバチの巣があって困っている」のような状況の方もいるでしょう。

しかし、他人の敷地に作られたスズメバチの巣を勝手に駆除するのは、不法侵入などのトラブルが発生するおそれがあります。

そのため、弊社では駆除依頼を受け付けることができません。
※ご両親が所有している土地のスズメバチ駆除などは承れる場合もございます。詳しくはお問い合わせください。

隣家のスズメバチでお困りの場合は、敷地の所有者に相談をして駆除してもらう、もしくは、了承を得て駆除するようにしましょう。

もし駆除に応じてくれない場合は、木酢液やハッカ油を使ったスズメバチ対策を試してみてください。

数千円で手軽に対策ができます。

まとめ

スズメバチを安全に駆除する方法がおわかりいただけたでしょうか。

もう一度お伝えしておくと、必ず5万円以上の防護服を着用し、正しい3つの手順でおこなわなければいけません。

そして、スズメバチ駆除には「刺されるととにかく痛く、命にも関わる」というリスクがあります。

スズメバチ被害でお困りであれば、できるだけ早く駆除業者に依頼するようにしましょう。

結果的にはそれが「安全で・安く・早く・手間なく」駆除することにつながります。

当サイト「生活110番」でもスズメバチ駆除に対応していますので、いつでもお気軽にご相談ください。

蜂の巣駆除の方法、自力駆除と業者依頼の判断方法はこちらをご覧ください。

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