
よく見かけるアリにも様々な種類が存在しています。その中でも、危険とされているのが在来種を駆逐してしまうアルゼンチンアリと呼ばれる種類です。「アルゼンチンアリって何?普通のアリとアルゼンチンアリ、見分け方ってあるの?」などの疑問にお答えしていきます。また、アルゼンチンアリの被害に合ってしまった場合の対処法もご紹介します。
アルゼンチンアリはどうして問題なの?
まず、アルゼンチンアリは、狭い隙間でも通り抜けてしまうので、屋内に侵入してきます。そうして侵入したアルゼンチンアリは部屋を徘徊したり、食べ物にたかったりします。在来種のように地中に巣を作ることはなくて、植木鉢の下や家の壁の隙間など、人手の入った場所を好んで巣を作るようです。また攻撃的な種類で、大あごで人間を咬みます。毒などはありませんし、痛みもチクリとする程度なのですが、肌の弱い人、体質などでは跡が赤くなったり、痛みの残留が起きたりするようです。
また、農業害虫としての被害も多くみられます。ほかの農作物害虫であるアブラムシ、カイガラムシと共生しており、これらが分泌する甘露を貰う代わりに、アブラムシ達を外敵から保護しています。結果的に被害は助長され、大きくなるようです。
この共生関係は在来種であるアリも行っていますが、アルゼンチンアリの多さがさらにこの問題を大きくしています。さらに、アルゼンチンアリ自身も、柑橘類やコーヒー、サトウキビ、トウモロコシ等の芽や花や実を直接害する農業害虫でもあります。
さらにアルゼンチンアリはその繁殖力、攻撃性から、在来のアリを駆逐してしまいます。実際に、フランスやカリフォルニア、日本国内でも生態系に影響を与えていることが確認されています。アルゼンチンアリは見分け方も難しく、駆除するのも追いついていない状況です。
どうして日本に南米原産のアリが侵入したの?
アルゼンチンアリは日本で1993年に発見されています。発見された場所が港のそばであったため、コンテナや木材など、交易物資に紛れていたものがたまたま持ち込まれたのではないか、と推察されています。
もともとアルゼンチンアリは人間の移動に付帯し、分布を拡大している放浪種であるとされています。今では日本だけではなく、ヨーロッパや南アメリカ、オーストラリアやハワイなどの地中海性気候地域にも侵入し、定着しています。原産はブラジル南部からウルグアイ、アルゼンチンなどの地域で、アルゼンチンアリという名ですがアルゼンチンだけが原産というわけではありません。
では、アルゼンチンアリの見分け方を次の章で見ていきましょう。
どうして日本に南米原産のアリが侵入したの?
アルゼンチンアリとよく似た種類のアリは数多く、一般の人が一目で見分けるのは困難のようです。ですが、よく観察すればしっかりと違いが見えてきますので、そのポイントを押さえていきましょう。
・ルリアリ
分類的にはアルゼンチンアリに近く、体形もよく似ています。しかし、比較してみると色が黒く、つやがあるのがわかります。また、触覚が短いのも特徴のひとつです。
・アミメアリ
非常に数が多く、アルゼンチンアリによく似た巣 を作るため、間違えやすいアリです。違いは腹部の丸みがしっかりとしていて、どっしりとしている印象です。また、このアリも触覚が短めです。
・トビイロケアリ
アルゼンチンアリよりずんぐりむっくりで、触覚が短く、細かな体毛が生えているのが特徴のアリです。
・トビイワシワアリ
アルゼンチンアリに比べてみると、体色が黒く、触覚が短い印象です。頭部と腹部では、やや頭が大きく、比較的スマートさに欠ける見た目をしています。
・オオズアリ
アルゼンチンアリに非常に類似していて、肉眼では違いがわからないことが多いです。触覚が短く、巣や行列の中に数匹頭の大きなアリが混じるのが特徴です。
アルゼンチンアリとの見分け方がわかりましたでしょうか?異なる特徴は少ないですが、ポイントを押さえれば見分けられるでしょう。
駆除方法は共通!アリの駆除方法
アルゼンチンアリの駆除方法は、一般的なアリの駆除方法と同じく、殺虫剤による駆除と毒餌・ジェル剤による駆除です。目につくアリを駆除していくのではなく、巣をまるごと駆除できなければアリは増える一方ですので、巣ごと駆除できるかが重要になってきます。
殺虫剤による駆除の場合、巣の上から殺虫剤を撒いてください。発見できない場合には行列や生息のみられる場所に毒餌殺虫剤を散布しましょう。
毒餌やジェル剤での駆除では、巣の周辺にそれらを置きましょう。ただ流れてしまうと効果が薄くなるため、雨がかからないように注意が必要です。
巣を発見できない場合は働きアリがいる場所に毒餌を置き、巣に毒餌を持ち帰らせましょう。それにより巣に対しても被害が及び、結果的に巣をまるごと駆除できます。ただ毒餌に市販の殺虫スプレーを 吹きつけると、アリが毒餌を食べなくなるため、注意しましょう。
室内を徘徊しているアリは、殺虫スプレーを直接吹きかけるか、ティッシュなどで潰す、ガムテープで捕まえるなどの方法があります。
また、数が多すぎて手におえない場合は、業者に頼むのもひとつの方法であるといえるでしょう。またアルゼンチンアリの見分け方をしっかり理解し、間違って在来種の巣をつぶしてしまうことの無いように注意しましょう。
まとめ
アルゼンチンアリの見分け方や生態について色々とご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?似ている個体が多い中、アルゼンチンアリは毒こそありませんが、恐ろしいアリであると感じられます。
また、アルゼンチンアリは非常に多く、生息地が増えているのが確認されています。見つけた場合には、正しい対処を行うように心がけたいですね。
また、駆除が難しい場合は無理せず業者を頼りましょう。
アリ駆除を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「アリ駆除」をご覧ください。
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