これだけは押さえる!引越しで必要な手続きチェックリスト

2021.9.15

これだけは押さえる!引越しで必要な手続きチェックリスト


進学や転勤などで新生活を迎える際、頭を悩ませるのが引越しに伴う手続きです。「手続きはどう進めていくのかわかりにくい……」「そもそも何の手続きが必要なの?」このような悩みがちな部分を、今回はチェックリスト形式でまとめてみました。

まずは対応が必要なものをチェック

まずは引越しで必要な手続きには何があるか、チェックリスト形式で見てみましょう。

引越しチェックリスト

多くの手続きは「引越し前」よりも「引越し後」に集中しています。

引越し前の手続きは「引越し前と引越し後で関係が変わる」場合

引越し前に必要な手続きの多くは「引越し前と引越し後で関係が変わる」場合に必要です。たとえば「転出届」で発行される「転出証明書」では、「手続きが行われたこと」「どこに住んでいて、どこに引越す予定か」「必要な手続きは何か」などが記載されています。これを引越し先の市区町村が受け取ることで確認作業が簡略に住み、スムーズな手続きがおこなわれるのです。

引越しと社会保険制度の関係

一方、自治体ごとに制度が区切られている例もあります。
医療機関受診時に利用する健康保険には日本国民全員が加入することになっていますが、どの健康保険に加入するかが分かれています。たとえば会社で一定時間以上働く際、社会保険の一環として加入する「組合健康保険」「協会健康保険」などがその一例。このうち自営業者などが加入する「国民健康保険」は、保険者(保険料を集め、運営する役割)が市区町村となっています。

そのため市区町村をまたいだ引越しでは「保険者が変わる」ため、再度加入が必要になるのです。これは会社の健康保険とも同じといえ、一度保険証を返還し、新しい保険者である「引越し後の市区町村」で新しい保険証を受け取る必要があります。また75歳以上が対象の後期高齢者医療制度は都道府県単位の運営となるため、これを超えた引越しにも証明書の受け取り・提出の手続きが関わることが特徴です。

引越し後の手続きは「情報を書き換える必要がある」場合

引越し後の手続きの内容は「関係は変わらないが、情報として書き換える場合」が中心です。

たとえば銀行口座の住所変更手続きの場合、基本的に「これまで使っていた口座」を使い続けます。そのため自分との関係に大きな違いはなく、キャッシュカードや通帳などもそのまま利用できる点が「健康保険証」とは大きく異なる部分といえるでしょう。

電力会社の手続きは場合によって異なる

一般的に「ガス」は安全上の確認から、引越し後には立会いが必要とされています。一方「水道」「電気」に関しては自分で止水栓やブレーカーを上げ、その後郵送や電話などで使用開始手続きを取れば使用できることがほとんどでした。

しかし電気の場合、遠隔で操作ができる「スマートメーター」が近年主流になりつつあります。このスマートメーターの場合は自分でブレーカーを上げてもメーター側で電気を止めているため、電気が使えないことがあるのです。この場合一度電話連絡を入れ、電気を通してもらう手続きが必要です。

引越しの住所変更手続きを、順を追って解説!

では、実際にどのように手続きをおこなっていけばよいかを確認してみましょう。

郵便物の転送手続きは事前におこなうのがおすすめ

郵便物の転送は実際に登録されるまでに1週間ほどかかることがあります。郵便物をいつから転送するかを指定することもできるため、引越し前の早い段階で手続きをしておきましょう。また直接郵便局窓口に行かなくても、インターネット(e転居)を使うことで申請が可能です。

ただし窓口で手続きをおこなう場合、「引越し前の住所が確認できる」身分証明書が必要となります。引越し後も手続きはできますが、その際は運転免許証やマイナンバーカードといった「古い住所が残っているもの」を利用するようにしてください。

市区町村の窓口でおこなう転居・転出の手続きについて

転居前に必要となる手続きとして、市区町村住民課への「住民異動届の提出」「印鑑登録廃止申請」があげられます。また「医療負担区分証明書」(75歳以上で都道府県をまたぐ場合)「健康保険証の返還」(市区町村が保険者の国民健康保険加入者)など、人によっては保険年金課などの担当窓口で申請する必要があるため注意しましょう。

住民異動届(転出届・転居届)の提出と転出証明書の発行

市区町村の住民課にある「住民異動届」へ、引越しの予定日や対象となる家族について記入します。

なお「住民基本台帳カード」「マイナンバーカード」を受け取っている場合、「転出証明書」は電子データとして引越し先の市区町村へ送られます(特例転出)。そのため、紙の書類での受け取りは基本的にありません。

転入の手続き

ほかの市区町村へ引越しを行う場合、引越し後にも書類提出が必要です。引越しから14日以内に住民課に立ち寄り、こちらでも住民異動届(転入届)を提出するようにしてください。この際、マイナンバーカードや転出証明書、マイナンバー通知カードも一緒に持参する必要があります。マイナンバーカードを持っている場合、発行時に設定した4けたの暗証番号を入力して住民票の手続きは完了です。

なおマイナンバーカード・マイナンバー通知カードの住所変更(記載事項変更。裏面へ新住所追記)もこのとき同時におこないます。また今後の手続きのため、住民票の写しも何通か一緒に取っておきましょう。印鑑登録や各種手当の手続きも、可能ならば同時におこなっておくことをおすすめします。

住所変更は転入の手続き後に

住所変更の手続きは新しい住所の証明が必要になる場合もあります。たとえば運転免許証の住所変更(記載事項変更。裏面に新住所を追記)では、転入後に発行される住民票の写しが必要です。そのため住所変更は身分証明書の住所書き換えが終わった後、準備ができ次第速やかに進めていくようにしましょう。

単身赴任は?学生は?気になる引越しの疑問点

「マイホームの購入」「結婚を機に」など、そこに住み続ける意志が強い引越しだけとは限りません。とくに「単身赴任や通学などでアパートを借りているが、それが終われば帰る予定」といった場合、わざわざ行政で手続きするのは大変といったこともあるでしょう。

このような場合にも引越しの手続き、とくに行政の「転出」「転入」の手続きが必要かどうかは難しいところです。ただし一般的には次に取り上げるような「居住期間」「残した家族とのかかわり」が判断基準の見解とされています。

「単身赴任」「通学」は、居住期間と残した家族とのかかわりで判断

一般的に市区町村は「そこに住んでいる人から税金を受け取り、行政サービスを提供する」という形を取っています。そのため原則として生活の拠点が変わった場合、それに応じて「住民票を移すこと」が求められるのです。

ただし家族を残しており元の住所に戻る予定がある場合、厳密にそれを適用するとデメリットが少なくありません。そのため次のような基準にもとづき、住民異動届を提出する義務があるかどうか判断されることが多くなっています。

判断基準 判断内容 住民異動届提出の義務
居住期間 1年未満の予定 なし
1年以上、もしくは見込みあり あり
残した家族とのかかわり 弱い
(月1回帰るなど)
強い
(毎週末定期的に帰るなど)
なし

※あくまでも見解の一種であり、判断基準は自治体によって異なることがあります

なお住民票を移すのが「世帯主」の場合、転出届ではなく「世帯分離」「世帯主変更」などの手続きが必要になります。多くの自治体では「住民異動届」として共通の書類に記入しますが、誤って申請しないよう、手続き内容を確認するようにしてください。

単身赴任や通学で住民票を異動させるメリット・デメリットについては、次の記事でも取り上げています。

もし転出届を出した後、引越しがキャンセルになったら?

万が一引っ越す予定が、急きょ取りやめになった場合は「転出取り消し」の手続きが必要です。多くの自治体の場合「住民異動届」として同じ様式を用意しているため、転出証明書やマイナンバーカードを持参して手続きをおこなうようにしましょう。こちらは転出届と異なり、郵送で送ることはできません。

まとめ

引越しには多くの手続きが関わってきます。しかしその量にあせらず、「何を行う必要があるか」「引越し前・引越し後のどちらにおこなう必要があるか」をしっかりと確認することが大切です。今回紹介したチェックリストも活用し、しっかりとスケジュールを立てるようにしてください。

とくに引越し後には住所変更の手続きが多く関わってきます。インターネットなどで手軽におこなえるものも多いため、直接窓口に行かなければならないものから優先的に進めていきましょう。

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