屋根の色は暗いもの多いのはどうして？おすすめの色選びや屋根材紹介

住宅街にある家々の外壁や庭には個性を感じるけど、屋根の色は、全体的に黒やこげ茶といった色が多くてあまり個性がないなと感じたことはありませんか？

実は、屋根の色は家を決める上で非常に重要な役割を果たしているのです。今回は、そんな屋根の色の決める際の注意点や屋根材について紹介します。屋根のリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

屋根の色はなぜ黒が多いの？

屋根の色を眺めていると、屋根瓦はもちろんスレートなどの屋根材も、黒や濃いグレーなど暗めの色が多い印象を受けるのではないでしょうか。その理由は、屋根瓦はもともとの素材が燻しによって暗くなるためとされています。その影響でスレートなどの素材も暗い色が好まれる傾向にあるようです。

また、黒色は汚れが目立ちにくいというメリットがあります。経年劣化で変色した屋根は美観を損なってしまうため、元から暗い色を選ぶ方も多いようです。さらに外壁がどんな色でも、屋根の色が暗めだと違和感なくしっくりくるため、デザイン性を考慮しても黒やグレーは人気となっています。

屋根の色を決めるときの注意点とは

屋根は暗い色が好まれていますが、必ず黒やグレーでなければいけないということはありません。とはいえ、お住まいの地域によっては自治体や行政が、町の景観を定めている場合があります。

景観ガイドラインがあるかも？

町並みを観光の売りにしているところでは、「景観ガイドライン」があることも少なくありません。屋根のリフォームをおこなう際には、事前にガイドラインご自身の住む地域に景観ガイドラインがないか、自治体や行政にあらかじめ確認しておくことをおすすめいたします。

イメージを色見本や写真で伝える

屋根の色を選んで業者に依頼する際にも、注意するべきことがあります。希望の色はきちんと要望を伝えるようにしましょう。業者が勘違いをして、選んだ色とは違う色で塗られてしまう場合も考えられます。

実際に塗装をおこなう業者にきちんとしたイメージを伝えるには、色見本や写真を使うと良いでしょう。しかし、完ぺきに色を再現することはおそらく限界があります。極端にイメージと違った色にならないように、できるだけ細かな色を伝えておくことをおすすめいたします。

外壁とのバランスを考える

屋根の色と調和を考えるのに重要なのは、外壁の色です。外壁とあまりに似た色だと、浮いてしまうことが多いようです。明るめの外壁なら落ち着いた色を選ぶといった、バランスを考えることをおすすめいたします。

屋根や外壁の色は、ご近所付き合いをおこなう上でも重要です。ご家庭の好みも大事ですが、思わぬところからクレームが来ないように、景観を意識したものを選ぶのが無難でしょう。また、統一感が出るように3色以内にまとめるといいそうです。

太陽光をより反射させるためには

真夏の太陽の日射は非常に熱く、特に屋根はその影響を強く受けます。屋根の色は黒色が人気ですが、黒は熱を吸収する色なので室内に熱がこもりやすいというデメリットがあります。そのため、最近は黒よりも明るい色の屋根にする方も増えてきています。

もっとも遮熱効果が高い色は白色ですが、白色は汚れが目立ってしまうため、白と黒の中間色である明るめなグレーの塗料が人気です。特に、2階建て以上の家や吹き抜けや屋根裏部屋のある家では、屋根の色による遮熱効果がより実感できるそうです。

さらに、日射を室内に通しづらくする遮熱塗料を使用することで、屋根の温度や室温を下げることができます。 遮熱塗料と通常の塗料を比較すると、約2,3度も室内気温が変わってくるそうです。そのため、エアコンの節約につなげられます。また、遮熱塗料は経年劣化にも強いため、20年近く効果を保つことができるそうです。

太陽光によるダメージは年々深刻となっています。これから屋根のリフォームを検討されるなら、遮熱塗料での塗装がおすすめです。

屋根の色を決める前に重要なこと

家を新築するにも屋根のリフォームをするのにも、屋根の色以上に大切なのは屋根材選びです。昔ながらの瓦屋根から、スレート、金属屋根など、屋根材にはさまざまな種類があります。その中でも昨今人気なのが、比較的自由に色を選ぶことができるスレートや金属屋根です。それぞれの屋根材のメリット・デメリットを確認してみましょう。

スレート

本来のスレートは、粘板岩という岩を薄く切った屋根材を使用していました。しかし、非常に高価で日本ではほとんど流通していないため、おもにセメントを材料にした「化粧スレート」が主流となっています。化粧スレートはコロニアルやカラーベストとも呼ばれています。

化粧スレートはセメント製のため、防音性や耐火性に強いうえに安価というメリットがあります。しかし、約10年おきに塗装などのメンテナンスが必要なため、定期的にコストがかかってきます。

金属屋根

金属屋根は、以前からトタン屋根などで人気の屋根材ですが、最近は「ガルバリウム」という、アルミニウムを含有したサビにくく丈夫な金属屋根が人気です。スレートと比較すると、耐用年数が長く屋根自体も軽量のため耐震性が高いといえるでしょう。

しかし、金属屋根という性質上、スレートよりも防音効果や遮熱効果には劣ります。その一方で、金属屋根は加工・塗装が比較的簡単なため、屋根の色やデザインにこだわるならおすすめです。

屋根の色はデザイン性に大きく関わってきますが、屋根材は住まいの快適さを左右します。新たな屋根にリフォームする際は、屋根材にもこだわってみてはいかがでしょうか。

まとめ

屋根の色に暗い色が多い理由は、昔ながらの瓦の色の影響や外壁との兼ね合いだといわれています。しかし、暗い色は太陽の光を通してしまうため遮熱性には劣ります。そのため最近では、屋根の色を明るくしたり、明るめのグレーなどの遮熱塗料で塗装したりする屋根が増えています。

なお、屋根の色は街の景観に関わるため、お住まいの地域の景観に関してのガイドラインがないか一度ご確認ください。

屋根塗装や屋根工事を検討中でしたら、業者に相談してみましょう。お好みの色や景観に合わせた屋根にして、より快適な住まいにしてみてはいかがでしょうか。

屋根工事を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。