
家に付いている屋根は、普段何気なく見ていても、実にさまざまな形の屋根があることまでは、知らない人が多いのが実情です。6寸の勾配がある屋根と聞いても、馴染みがない言葉なので、ピンとこないかもしれません。
けれども屋根と勾配には密接な関係があり、作業の上で適した材料などにも後に深く関わってくることも多いですので、屋根の勾配やその構造をもっと知ることで、最適な屋根を持つ住宅作りやその後のメンテナンスにも、是非役立てていただきたいです。
家を建てたり、増改築したりする時には、屋根の勾配によってガラリと雰囲気が変わってしまいます。それでは何を基準に勾配を決めればいいのかが、なかなか素人では難しいはずです。 屋根勾配の基礎知識を少しでも知って、それぞれ勾配度合いの良い面と悪い面を知ることで、失敗しない住まい作りにも活かせますので、ぜひとも参考にしてください。
勾配の種類
勾配というのは屋根が傾斜している度合いのことを指し、傾斜の強い順から、急勾配、並勾配、緩勾配という分類で呼ばれています。
並勾配と呼ばれている屋根は、3寸から5寸程の傾斜の屋根で、それ以下が緩勾配に属しています。急勾配というのは、6寸の勾配以上での屋根の傾きを表していて、傾斜が高い造りの物です。
6寸は危険?
6寸の勾配以上での急勾配の屋根は雨水が流れ落ちるのが早く雨水が残りにくいことから、コケの発生や塗装が剥がれにくく、耐久性があります。腐食によって雨漏りになる危険も低くなるので大きなメリットとなっています。
また急勾配の屋根は家全体を重厚感のある豪華な住居に演出することもでき、さまざまなデザインの設計もできるのです。しかし、このようなメリットばかりではなく反対にデメリットもあります。
角度が高い屋根は、激しい突風や台風時などには、それだけ影響を受けやすくなり、破損などにつながることもあります。急勾配になればなるほど、屋根上全体での面積が広くなっていき、施工価格もその分だけ高くなりがちです。
また、6寸の勾配である屋根は屋根の斜面が急すぎて、足場がなければ屋根の上に登ることができません。素人だと転落につながりますし、雪国など除雪作業に追われる地域などでは、6寸の勾配の屋根では不向きともいえるでしょう。
急勾配が危険なら低くすればいいの?
それでは6寸の勾配のような急勾配ではなく、並勾配や緩勾配の屋根にすれば危険ではないのかといえば、必ずしもそうではありません。屋根の傾斜が低い場合になりますと、雨水もそれだけたまりやすくなってしまい、腐食の原因になったり苔が生えやすいというデメリットもあります。
そのことが、屋根に登った時のさらなる破損や滑りの原因ともなり、危険性を伴います。特に雨が降った跡は滑りやすくなっているのでなおさら注意が必要です。
屋根に登る必要があるのならば、滑り止めのある安全靴を履くことが通常で、さらにはヘルメットもしっかりと着用して対策を考えた出で立ちで登ることが必要になってきます。
以上のことからも、屋根のメンテナンスや増改築などで屋根を施工する時には、素人判断をすることなく、屋根専門の業者に依頼すると安心でしょう。そのほかにも急勾配での屋根の傾斜の場合には、足場を組むためのコストと、慣れた職人技術を持つ人手が必要になってもきますので、余裕を持った計画を立てての依頼を考えましょう。
勾配数が決まると屋根材もきまる
屋根材というのは太陽の光を受け止めて、防水層を守ってくれる役目があり、瓦、トタン、スレート、銅板、ガルバリウムなどが、よく使用されている屋根材の種類として知られています。
勾配数が決まると、使用できる屋根材が決まってきます。例えば瓦を使うような屋根の場合には、4寸や6寸以上の勾配で利用ができることになっています。
このように利用したそれぞれの屋根材によって作られる形を想定として設けられた基準があり、この時に基準を守らないと強度面などにも問題が出て、雨漏りなどにつながる恐れもありますので、必ず勾配を確認して屋根材を設置するようにしましょう。
まとめ
屋根は勾配によって、急勾配、並勾配、緩勾配などの分類があり、勾配によって景観をはじめとしたデザイン性の幅や使用できる屋根材が変わってきます。
6寸の勾配などにみられるような勾配の種類によって、それぞれ良い面も悪い面もありますので、住まいが建っている場所や、環境に適している屋根の勾配及び適した屋根材を使いましょう。屋根上での作業には専門の業者に依頼するなどして、いつまでも住みやすくて長持ちする住居になるようにご検討ください。
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