三寸の勾配ってどれくらい？屋根の角度ってそんなに重要なのか。

住宅を新築するときや増築するときに、屋根の勾配はどのようなことを基準に決定すればいいのかご存じでしょうか。大切な住まいの屋根のことなので自分自身でも屋根の勾配について勉強して決定したほうが安心できますよね。

そこで、今回は、三寸勾配屋根の勾配の基礎知識と、勾配の度合いによる違いをご紹介していきます。快適な住まい作りを実現するために、参考にしてください。

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そもそも屋根はなんで角度が必要？

なんで屋根に角度があるのかというと、傾斜をつけることにより雨や雪などといった住宅に害をもたらすものを逃がすためにあるのです。これを屋根勾配と呼びます。

屋根の勾配は、屋根材の種類や形状と地域の平均風速、降雨量、積雪量などの気象条件を考えて決められています。勾配は六寸勾配以上のものを急勾配、三寸～五寸勾配のものを並勾配、三寸勾配以下のものを緩勾配と呼ばれています。

三寸と四寸じゃあ変わらない？

屋根の勾配は寸で示す方法と角度で示す方法の2つがありますが、多く見られるのは寸で示す方法です。このとき使用する寸は、横方向に10進んで、縦方向にいくつ進むのかという表現の寸です。

三寸勾配の場合、1m勾配方向に進み30cm上に上がった勾配です。このときの傾斜の角度は約17°となります。四寸勾配の場合、1m勾配方向に進み40cm上に上がった勾配となり、傾斜の角度は約22°です。違いを感じていただけましたか？

ちなみに1m勾配方向に進み1m上に上がった勾配は、10／10となり、45°の勾配となります。これを、かね勾配と呼びます。

屋根勾配に対する係数もあり、その数字に合わせることで簡単に屋根勾配の長さを計算することもできます。以下にその係数をまとめました。

水平長さに対する伸び率の係数となっているので、桁から中心の束までにおける水平の長さが5,000mmの五寸勾配の屋根のとき5,000mm×1.118＝5,590mmという計算となります。
本来ならば１つずつ緻密な計算で算出していくのですが、素人が計算をする場合、こちらの係数でも近似値が算出できるので活用してみてくださいね。

さらに勾配によって適当となる屋根材の種類も変わってきます。屋根材は大きくわけると粘土系、セメント系、金属系、スレート系など４種類になります。家の外観の印象を大きく左右する屋根材なので、お気に入りのものを使用したいですよね。

勾配が合ってないと？

四寸勾配以上ないと、吹き降りの雨のときに雨水が屋根面を逆流し、さらに毛細管現象によって屋根材の裏へ侵入してしまい雨漏りを引き起こします。このような場合、屋根勾配と材料が合っていなければいくら補修をしても根本的な解決にはなりません。

よって屋根の勾配が三寸勾配以下のときには金属屋根への葺き替えをしましょう。金属屋根の必要勾配は五分寸なのでほとんどの屋根が勾配を変えることなく葺き替え可能となります。

結局どの勾配がおすすめなのか？

結論からいえば、四寸勾配がおすすめです。雨漏りしづらいこと、メンテナンスをしなければいけないときに足場を必ず使用しなくても良いこと、ほとんどの屋根材が使えることが大きなメリットです。

その中でも特に屋根材に制限がないことが一番のおすすめの理由です。四寸勾配にしておけば、将来屋根を葺き替えるとき、屋根材の選択の幅が広がります。

例えば、初め安価なスレート屋根を設置したが、耐久性の高い日本瓦に吹き替えたいといったときにも対応可能ですし、屋根を塗り替えるときにも足場が必要ないことが多いため、費用を節約できる可能性が増えますよ。

逆にメンテナンスの費用ばかり考えて三寸勾配以下の屋根にしようと思うと、屋根材の種類が限定されてしまいます。急勾配やフラットな屋根にする明確な理由がなければ、とりあえず四寸勾配にしておくことをおすすめします。

さらに、太陽光発電装置の設置検討中の方も、屋根の勾配をしっかり考えましょう。太陽光のパネルの角度によって発電量が変わってしまう可能性があり、屋根の勾配によっては太陽光発電を設置しても、十分な発熱量を得られない可能性もあるのです。この点も考えながら、屋根勾配を確定してくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は屋根の勾配についてご紹介していきました。
三寸勾配以下のお家で雨漏りが気になる方は、屋根素材の変更も検討してみてください。計算方法がわかれば、屋根の勾配の長さは素人でも計算可能です。気になっている方は自分で計算してみて、業者さんと相談しながら屋根の勾配や使用する素材について考えてみてはいかがでしょうか。

屋根工事できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。