
「屋根のリフォームや新築で家を建てるときに平葺きをおすすめされたけど、平葺きが何かよくわからない……」なんてことはありませんか?屋根の葺き方は屋根材によって葺き方が異なるため、どの屋根材で、どのような葺き方をするのかを確認することはとても大切です。
今回はさまざまな種類のある屋根の葺き方の中でも、「平葺き」についてご紹介いたします。ぜひご参考ください。
目次
平葺きとは?
屋根はさまざまな種類の屋根材が使用されており、瓦、コンクリート、金属などの屋根材によって葺き方が異なります。その中でも金属板は加工がしやすいため、曲線や円形などの複雑な形に適用できます。また、金属屋根は他の屋根材と比べると軽量で、耐震性があるといわれている人気の屋根材です。
金属屋根は葺く方向や野地板の有無によって、葺き工法を分けることができます。その中で「平葺き」とは、横方向の葺き方で野地板がある葺き工法です。金属板を重ね合わせて、4方向に曲げられたはぜで金属板同士を組み合わせます。
平葺きは、小さい金属板を重ねていくため、複雑な形状の屋根でも適用することができます。日本では住宅以外にも、神社や仏閣などの屋根に適用されることも多くあるのです。
平葺きの種類
複雑な形状の屋根でも適用することができる平葺きは、さらに3つの工法に分かれています。工法によって屋根のデザインが変わってくるため、業者に依頼をする前にどのようなデザインなのかを確認しておきましょう。
一文字葺き
水平方向のつなぎ目を一直線にする工法です。さまざまな曲面の屋根に適するので、神社や住宅などの屋根に使用されています。
菱葺き
一文字葺きとは違い、葺きあがりが菱型になっているのが特徴です。デザインに特徴があり、建物の景観にこだわっている人にはおすすめの葺き方です。
亀甲葺き
菱葺きと同様に、デザインに特徴がある工法です。菱葺きとは違い、亀の甲羅のようなデザインになっています。
平葺きの注意点
屋根材でも人気の金属板を利用した平葺きは、他の屋根材に比べると軽量なため、耐震性に優れているといわれています。また、屋根材同士に隙間がないように葺いているので、防水性も高いです。また、金属板は加工がしやすいことから、さまざまな形状に適用することができます。
このように多くのメリットがある金属板を使用した平葺きですが、設置するにあたっていくつかの注意点があるのです。平葺きを考えている方は注意点を確認して、その注意点をカバーできる施工をすることもおすすめします。
断熱性能が低い
平葺きは金属板でできているため、熱が伝わりやすく断熱性が低いといわれています。そのため、屋根裏に断熱材を使用するなどの対策が必要になることがあるのです。
雨音が響いてしまう
雨が強く降ってきた際に、屋根から雨音が響いてしまうことがあります。音が気になってしまう方は遮音性のあるシートを貼ることで、雨音が響くのを防ぐことができます。
錆びることがある
経年劣化によって、金属板が錆びてしまうことがあります。錆びを放置してしまうと、穴が空いてしまい、雨漏りの原因となるため早めに補修することが必要です。
平葺きに使われる屋根材
平葺きは金属の屋根材を使用した、屋根の葺き方です。金属屋根に使用される金属板にはさまざまな種類があります。金属の種類によって、屋根の景観や施工期間、費用などが変わってきますので、どの金属板がいいのかを確認しておくことは大切です。
トタン
トタンは薄い銅板に亜鉛をメッキした屋根材です。つなぎ目が少ないため、雨漏りに強いといわれています。しかし、メッキ部分がはがれてしまうと劣化が早まってしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。
ステンレス
ステンレスはクロムやニッケルなどを含んだ鉄の合金でできた屋根材です。ステンレスは家の中で水洗い場などに使用されているように、耐久性や強度があり使いやすい金属板としてよく使用されています。他の屋根材と比べると価格が高めなことから、一般家庭にはあまり普及されていません。
ガルバリウム
ガルバリウムは、アルミニウムと亜鉛などの合金メッキでできた屋根材です。ステンレスと同様に耐久性があり、メッキ加工されているので錆びにくいといわれています。塗装でさまざまな色にすることができるので、デザイン性が高くとても人気の屋根材です。
チタン
チタンは屋根材の中で強度があり、とても軽い屋根材なので耐震性もあるといわれています。しかし、加工が難しく高価な屋根材なのであまり使用されていません。
銅
銅は他の金属と比べるとやわらかく、加工がしやすいことから、神社などで使用されていることがあります。銅は酸化してしまうと色が変化するため、酸化具合によって景観が変わることがあります。
まとめ
屋根の葺き方にはさまざまな種類があり、屋根材によって葺き方は変わってきます。平葺きは金属板を使用した葺き工法で、一文字葺きや菱葺き、亀甲葺きなどの3つに分けることができます。とくに菱葺きや亀甲葺きはデザイン性が高く、建物の景観がスタイリッシュになるため人気の葺き工法です。
平葺きをする際にはいくつかの注意点があります。金属板を使用しているので、耐熱性が低いことや、雨音が気になってしまうことがあります。その場合は、断熱材や遮音シートを利用することによって防ぐことができるので、平葺きを施工する際に一緒におこなうことをおすすめします。
屋根は平葺きの他にもさまざまな葺き方があります。屋根材によってできないこともあるので、事前に業者に相談をして決めることが大切です。業者に依頼をする際は、新築で設置したいのか、屋根のリフォームなのかを伝えた上で、作業内容や見積もりを確認しましょう。
屋根工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。
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