
自宅の雨樋(あまどい)が劣化して、役目を果たしていないので、修理をおこないたいと考えている方もいるでしょう。しかし、費用を掛けたくないので雨樋をDIYでおこなう方法がないか模索している方もいるかもしれません。
このコラムでは、雨樋修理をDIYでおこなう方法やパーツなどを紹介しています。また、DIYではなく業者に依頼したいと考えている方のために、業者選びの方法も解説しているので参考にしてください。
このコラムを読んでいただくことで、雨樋の修理を自分でおこなうか業者に依頼するかの検討材料にしていただけるでしょう。
目次
雨樋の交換はDIYより業者依頼の方がお得になることも!
自宅の雨樋に修理が必要になったとき、DIYでおこないたいと考える方もいるでしょう。雨樋をDIYでおこないたいおもな理由は、費用を抑えることができるからではないでしょうか。しかし、DIYでおこなうより業者に依頼した方が、得することがあります。
より危ない作業の場合は業者に任せるのがおすすめ
雨樋の工事は、高所作業になるため危険がともないます。そして、屋根の上というのは、想像以上に角度があるのです。そのため、高所作業に慣れていない私たちがおこなうと、危険度が高まります。大きな事故を避けるためにも、2階以上になるなど高所での作業を求められるときは、業者に依頼することをおすすめします。
業者に依頼しても費用がかからないことがある!
業者に依頼するということは、修理費用が発生してしまいます。しかし、自宅を手にいれたとき、一般的に火災保険に加入している方も多いはずです。火災保険とは、火事や自然災害などの被害にあったときに、損害を補償してくれる保険のことです。火災保険が利用できれば、費用がかからないことも多いため、事前に確認しておくとよいでしょう。
この火災保険は、台風や雪、雹などの自然災害で、雨樋の修理が必要になったとき、適用される可能性があるのです。ただし、長年使ってきた雨樋が古くなることで、破損したという場合は適用外になるので注意してください。
もし、自然災害で雨樋の修理が必要になったときには、まず業者に火災保険が適用できるのかを確認してみましょう。適用内だったのに、自分で費用を掛けておこなったのであれば、もったいないですからね。
また、雨樋工事をDIYでおこなうとき、施工に必要な材料を買う必要があります。さらに、施工で必要な道具も購入しなければならないこともあるでしょう。DIYに必要なものを一式そろえることで、費用が業者に依頼するより高くなることも考えられるのです。
DIYで設置交換するなら安全に十分注意しよう
業者に依頼せずに、DIYで雨樋の設置作業をおこなうときには、必ず安全面を考えておくことを忘れないようにしましょう。安全面を考えていないと、事故につながってしまうこともあります。
雨樋は、高所に設置されていることが多いため、その場所までしっかりと届くはしごや脚立の準備が重要です。また、複数個所の修理をおこなうときは、移動しなければいけません。慣れていないと、移動するときに落下するなど、どんな状況で事故が発生するかわかりません。
高所作業を自身でおこなうときには、細心の注意を払い万全の状態にして、実施することを心掛けてください。作業中に危険を察知すれば、無理せず諦めることも大切なことも忘れないようにしましょう。
雨樋の設置交換の前に。雨樋のパーツとその名称
雨樋をDIYか業者依頼どちらで交換作業をおこなうことになっても、まず知っておくべきことがあります。それは、どの部分が破損しているのか、そしてどんな名称なのかということです。
これを知っておくことで、部品の購入や業者に依頼するときに、どの部分が破損しているのかを伝えることができます。スムーズに伝えることができれば、業者に依頼したとき、効率的に作業してもらうことができるかもしれません。
軒樋(のきどい)
屋根の縁などに設置されている半円の筒です。この筒は、ものによって形状が違うため、自宅についているのが、どんなものか確認しておきましょう。
竪樋(たてどい)
軒樋と連結している縦部分の樋のことです。竪樋も軒樋と同じように形状がさまざまなので、確認が必要になります。
止まり
軒樋に設置されている部品ですが、役割としては軒樋の両サイドから雨水がこぼれ落ちないようします。この止まりがないと、竪樋に水が流れず軒樋のサイドから水が漏れてしまうのです。
エルボ
L字型をした筒です。この筒は、竪樋の流れを変更したいときや、竪樋が自宅の凹凸に引っかかるとき、迂回させるために使うつなぎの役目を果たすものです。
継ぎ手
継ぎ手は、軒樋の連結部分を止めるための部品です。樋はいくつかを連結させているため、この継ぎ手でしっかり固定しておく必要があります。
集水器
軒樋から竪樋に雨水が流れるときの、合流地点のようなものです。軒樋と竪樋の結合部分に取り付ける部品で、流れてくる雨水が一度、集水器に集まってから下に落ちていきます。
軒樋金具
軒樋を支えている金具になります。この金具がなければ、軒樋は設置することができない重要な部品です。金具の破損などがあると、樋の落下など事故になることもあります。
雨樋にはさまざまな材質があり、さらにはいろいろな部品の種類があります。材質や部品の種類については「材質や形状で雨樋の種類はさまざま!家に合った雨樋を選びましょう」でより詳しく紹介しています。自宅の修理をおこなうときの参考にしてみてはいかがでしょう。
雨樋の設置交換をDIYでやるための準備
雨樋をDIYでおこなうときは、いくつか準備しておくべき道具があります。ここでは、最低限必要な道具を紹介していくので、準備する際の参考にしてみてください。
〇雨樋の設置交換に必要なものをそろえる
雨樋の設置交換をおこなうときは、便利な道具から雨樋専用のものまでさまざまあります。どんなものが必要になるのでしょうか。
電動ドライバー
電動ドライバーは、雨樋を支えている金具を付け替えるときに必要になってきます。手動のドライバーだと、さび付いていたとき外せないこともあるので、力を必要としない電動ドライバーをおすすめします。
パイプカット用ノコギリ
雨樋を設置するとき、長すぎることでサイズ調整が必要になることも考えられます。そのため、このパイプカット用ノコギリという専用のノコギリを準備しておきましょう。
雨樋用接着剤
雨樋用接着剤は、樋のつなぎ部分や軒樋と竪樋の連結部分を固定するために使用します。雨樋に使われている材質にあわせた専用のものなので、一般的な接着剤ではなく、雨樋用を準備しましょう。
雨樋用補修テープ
雨樋用補修テープは、アルミ製のため防水性が高いです。アルミ製であれば、形状をかえやすいため、凹凸があっても隙間をつくることなく密着させることができるというメリットがあります。
コーキング剤
コーキング剤とは、金具を外したときにできる穴をふさぐための道具です。穴をそのままにしておくと、外壁から水が浸入することで、木材などを腐食させる危険があります。
はしご
はしごは雨樋がある位置までしっかり届くものを準備してください。はしごが中途半端な高さだった場合、雨樋に届きそうで届かないときがあります。そんなとき無理に背伸びをしてバランスを崩して落下するなど、事故につながることもあるので注意してください。
交換の場合は今ある雨樋を撤去しておく
DIYをおこなうとき、現在ついている雨樋を外しておく必要があります。外し方は、軒樋金具から樋を外します。すると、軒樋金具だけになってしまうので、その金具をひとつずつ外していきましょう。
次に、竪樋を固定している金具を外し撤去しておきましょう。軒樋と竪樋が外れたら金具がついていた場所にある穴のなかに、コーキング剤を注入してふさいでおくことを忘れないようにしてください。穴をふさいでいなければ、雨水の侵入などが発生することがあります。
撤去した雨樋の処理は、各自治体によって違います。そのため、しっかりと確認した上で正しい方法で処分するようにしましょう。
雨樋をDIYで設置する方法
雨樋をDIYでおこなうときの設置方法には、それぞれ工程があります。その工程に沿った形で、確実に取り付けていきましょう。
まずは軒樋を設置
軒樋の設置は高所になるため、はしごや脚立を準備しておきましょう。雨樋を設置する場所の両端に、樋を支える金具を取り付けます。このとき、注意してほしいのが両端の金具を同じ高さにしないことです。
雨樋の役割は雨水を流すことです。そのため、傾斜をつける必要があります。ソーメン流しの竹を想像するとわかりやすいかもしれません。傾斜をつけるときは、金具の両端に紐を結びつけましょう。
結びつけた紐を基準に、残りの金具を取り付けることで、きれいな傾斜をつくることができます。紐がなく感覚だけで金具を取り付けると、高低差がでてしまい雨樋が機能しなくなってしまうのです。
金具を取り付けたら、いよいよ樋を金具に設置していきます。その際、このあとつなげる竪樋に雨水を流すための穴をつくっておきましょう。穴の大きさは、直径が大体6.5cmくらいを目安にしてください。
穴をあけたら、集水器を取り付けていきます。この集水器は、横から縦へ安定して雨水を流す役割があるため、つけ忘れないようにしましょう。ここまで準備できたら、金具に軒樋をしっかりはめ込んでください。
雨樋はいくつかの樋でつなぎ合わされているため、つなぎ目を継ぎ手というパーツと接着剤で固定しておきましょう。ここまでできたら、軒樋の設置は完了です。
竪樋を設置
まず、壁に軒樋を固定するための金具を取り付けましょう。壁に穴をあけて、金具のボルトをいれましょう。竪樋を固定するためにいくつか取り付けていきます。
竪樋の設置で注意していただきたいことは、筒を連結させていくときには確実に接着剤で固定するようにしましょう。もし固定ができていなければ、隙間から雨水が漏れることも考えられます。そうなると、自宅の壁に雨水がかかり、劣化を早める原因にもなってしまいます。
竪樋を固定する金具の取り付けが完成したら、樋を設置しましょう。ここまでできたら、ひとまず竪樋に関しては完成です。ここから、竪樋と軒樋をつなげていく作業です。
軒樋と竪樋を呼び樋でつなげる
最後に軒樋と竪樋を連結させます。連結させるためには、エルボと呼び樋というパーツが必要になってきます。
まず、集水器の下にエルボを取り付けましょう。取り付ける理由は、屋根の縁についている樋と外壁に沿ってついている樋は離れているので、つなげる必要があるからです。つなげるためには、まずL字型のエルボを双方に取り付けます。
エルボを設置するときも注意が必要です。軒樋よりも竪樋についているエルボの位置が下側にあるようにしましょう。傾斜をつけておかないと、雨水が流れないので注意してください。
双方にエルボを取り付けたら、そのあいだに呼び樋というパーツを取り付けます。呼び樋を取り付けるときは、まず軒樋から竪樋までのなにもついていない場所の距離を測ります。次に、双方のエルボをつなげるためのパイプを最適な長さにカットしましょう。
カットする際に注意するのは、エルボと樋が重なり合う長さも考慮しなければいけません。そのため、呼び樋になるパイプは、双方のエルボ間の距離にプラス6cmほど長めにカットしておくとよいでしょう。
カットまで終わったら、双方のエルボにはめ込んでいきましょう。このときもしっかり接着剤をつけておくのを忘れないようにしてください。ここまで終わったら完成です。
雨樋の交換を業者に依頼する前に知っておきたいこと
雨樋はDIYで交換することもできますが、失敗や高所作業での危険もあります。そのため、業者に依頼することで確実に施工してもらうことができるでしょう。
状況別の費用相場
業者に依頼した場合、どのくらいの費用が必要になってくるのか、わからない方もいるはずです。雨樋は、交換場所など状況によって費用が変わってくるようです。
一般的に金具や継ぎ手、集水器の交換になりますが、相場として約5,000円から30,000円となっています。交換部品によって金額が変動するので、事前に確認するようにしましょう。
また、樋の一部分にのみ修理が必要な場合は、テープ補強などで可能であれば、約10,000円から30,000円くらいになります。しかし、樋の全交換が必要になってしまうと、費用に足場代などが加算されて、100,000円から300,000円ほどになることがあるそうです。
このように、状況によっては費用が大きくなってしまうことがあります。しかし、風災などの被害であれば、火災保険が適用されることがあるのです。そのため、業者に依頼するときは、火災保険が適用されるか確認することをおすすめします。火災保険が適用されれば、費用を掛けずに済むので、確認を忘れないようにしましょう。
業者を選ぶポイント
業者に依頼するとき、どんな業者を選べばいいのかわからないはずです。業者を選ぶときは、3つの点を抑えて選ぶようにしましょう。
ひとつ目は、施工をおこなうときにしっかりとした安全対策をしてくれるということです。業者に依頼したとしても、そこで事故が起こってしまえばいい思いをしません。そのため、足場を準備している、ハーネスなどを着用しているなど、施工場所の高さに限らず対策をしている業者を選びましょう。
ふたつ目は、見積もり依頼をだしたときに、費用提示をおこなう前に、依頼者の元を訪れて事前に修理箇所の確認をおこなってくれると安心できるでしょう。さらに、事前調査をおこなってくれるときに、近隣住民などへの配慮や安全対策のため、足場の組み方なども検討してくれる業者を選ぶようにしましょう。
最後は、事前調査をおこなったあとに、見積りの費用が詳細に記載されているかを確認するようにしましょう。内容としては、部品代や足場代など詳細な記載がされている業者なら安心できるでしょう。
業者を選ぶときには、ひとつの業者に見積りをだすのではなく、複数の業者にからもらう相見積もりをすることで比較できるのでおすすめです。業者を選ぶときには、3つの点を意識して選ぶことで安心することができるでしょう。
まとめ
雨樋は、DIYで交換することもできますが、高所作業になるため危険がともないます。そのため、業者に依頼することで安全におこなってもらうことができるでしょう。
DIYでおこなうときには、交換するパーツや種類を知っておく必要があります。また、業者に依頼するときも、どの部分が破損、交換の必要があるのかを伝えやすくなるため、知っておいて損はないでしょう。自分自身で、交換作業をおこなうときには、しっかりとした手順でおこない失敗しないようにしましょう。
自分自身でおこなう自信のない方は、業者に依頼しましょう。しかし、雨樋の状況によって費用が変動してきます。そのため、費用を抑える方法として火災保険が適用されるかの確認は忘れないようにしましょう。
さらに、業者を選ぶときにはいくつかの点に注意して選ぶようにしましょう。雨樋はDIYで交換作業をおこなえますが、少しでも不安のある方は、業者に依頼して安全・確実におこなってもらうようにしましょう。
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