塩害対策の重要ポイントは外装!海辺の家の効果的な塩害対策とは

2021.4.30

塩害対策の重要ポイントは外装!海辺の家の効果的な塩害対策とは

海辺の家は人気が高く、その解放感や景色などからあこがれる方も多いのではないでしょうか。また、中には現在すでにお住まいの方もいるかもしれません。非常に魅力的な海沿いの住まいですが、メリットも多いぶん、海沿い特有のデメリットも存在します。

そのデメリットこそが「塩害」です。塩害の対策をしっかりしておかなければ、家の外壁や屋根、はたまた内装までもが劣化し、家全体の耐久性を落としてしまうのです。

とくに被害が大きいとされる部分は、やはり外装です。海辺の家に住んでいくのであれば、塩害対策は「必須」といえるでしょう。しかし塩害を防ぐためには、いったいどうすればいいのでしょうか?

今回のコラムでは海辺の家の塩害対策について、詳しく解説していきます。住まいを塩害から守り、長く住んでいけるような住まいを作りましょう。

塩害とはいったい?塩害の症状と発生しやすい場所

海水は真水に比べて塩分が高く、なめると非常に塩辛い味がします。海にいったことのある方なら、海の味を感じた経験があるのではないでしょうか。

塩害とは、そんな海水の含む塩分が家の内外装を侵食し、劣化することによる害のことをいいます。「海水が直接当たらない場所なら大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、これは間違いです。なぜならこの塩分は、海側から吹く風にも多量に含まれているからなのです。

塩害を受けてしまうと、じつにさまざまな被害に発展してしまうおそれもあります。その被害や塩害を受けやすい場所を、まずはしっかり把握しておきましょう。

塩害の症状

塩害の症状として代表的なものは、やはり建材のサビ、劣化でしょう。多量の塩分は外壁をはじめとした家の建材を劣化させていきます。

また、塩害は単純に家屋を劣化させ、傷つけるだけではありません。潮風が家の軒下などに設置した分電盤などに付着すると、盤そのものや盤内のパーツなどを腐食していきます。そのような環境が続けばいずれ耐久性は落ち、破損しやすくなってしまうでしょう。

その破損した部分から雨水や異物が入れば、電子機器の基盤などに触れてしまう危険性も上がります。最悪の場合、ショートや故障につながってしまうこともあります。

電子機器のショートは機器の故障のみならず、最悪の場合火災につながってしまうこともあるため非常に危険。外壁の劣化から火災につながる可能性があるというのは、とてもおそろしい話ですね。

塩害の恐ろしさは劣化やサビだけではなく、その電気の通しやすさにもあります。塩害の影響で電車がストップした、というニュースは近年でもよく聞きますよね。

あの症状の原因はサビではなく、電気を通しやすい塩化ナトリウムの影響による電線のショートです。この症状は電車のみならず、停電という形となって私たちにも降りかかる恐れがあるのです。

塩害の影響を甘く見ると、上記のような大変な状況におちいってしまう可能性があります。屋外の機器や内外装問わず海辺の家に住んでいる以上、どうしても塩害とは向き合っていかなければいけません。生活を守るための工夫をしっかりとっていく姿勢が大切といえるでしょう。

塩害を受けやすい場所

塩害はさまざまな場所に被害をもたらしますが、家ひとつでみても被害を受けやすい場所・受けにくい場所の区別ができます。塩害を受けやすい場所を知ることで、今後の対策に役立てていきましょう。

塩害が発生しやすい代表的な場所

・建物の外壁
・屋根
・玄関
・サッシ
・シャッター
・看板
・コンクリート製の建材

また、軒下の電子機器やプルボックスなど、雨水があまり当たらない場所はとくに注意しなければなりません。なぜなら、この場所にあるものは雨によって洗われることもなく、長期間塩分が付着したままの状態になってしまうからです。

雨に当たりにくい部分に機器などを置くことは極力避け、置く場合は念入りな塩害対策と掃除を欠かさないようにしましょう。

      塩害対策と海岸からの距離について
      

海岸沿いじゃなくても危険!?塩害と海岸からの距離の関係性

海辺の家はもちろん、海から少し離れた家にお住まいの方・住む予定のある方でも、塩害に関しては注意しておかなければなりません。塩害を受ける地域の目安として「塩害地域」というものがあるため、しっかり確認しておきましょう。

塩害地域の目安

塩害地域は、海からの距離によってその範囲が決まっています。自分の住まいがどの範囲に当てはまるか、一度チェックしてみましょう。

岩礁隣接地域:海からくる波しぶきが家屋に当たる地域
重塩害地域:海岸から200m~500m以内
塩害地域:海岸から約1km~7km前後(地域ごとに変化アリ)

上記の目安は、上にいくほど被害の大きい地域になっています。しかし、この数値はあくまでも目安です。海から吹き付ける風はときに非常に強いものとなることもあり、場合によっては海岸から10km以上離れた地域でも塩害を受けてしまったケースもあります。

塩害というと海に近い地域のもの、というイメージがありますが、じつは海から離れた家屋でも起こりうる問題なのです。

海以外にも塩害の原因はある!

海岸からかなり離れた地域に住んでいる場合でも、塩害が起きてしまう可能性があります。
その原因は、「路面の凍結防止剤」です。凍結防止剤や雪をとかす融雪剤は主に塩から作られているため、内陸県でも道行く車やバイクに塩害を与えてしまいます。

また、風に乗って空に舞えば家屋などにも影響が出てきます。冬の期間のみのため沿岸部に比べると被害は少ないですが、内陸部だからといって油断していると塩害の被害を受けてしまうかもしれません。

少しでも塩害の被害を受けそうな場合は、外壁や車などをいつもより念入りに洗っておきましょう。

素材次第で被害度も変わる!塩害を受けにくい屋根・外壁の素材

塩害対策をするにおいて、屋根素材や外装素材は海辺の家にお住まいの方がはじめに考えなくてはいけない部分となります。ここでは塩害を受けやすい素材、受けにくい素材を詳しく解説していきます。

被害を受けやすい素材

・金属でできた素材
・トタン
・スチール
・金属系のサイディング素材
・ガルバリウム鋼板
・コンクリート

よくガルバリウム鋼板は塩害に強いといわれますが、ガルバリウム鋼板もあくまで金属であるため過度な期待は禁物です。上記のような素材で家ができている方は、塩害対策の塗料を塗るか、下記の素材の建材に交換するとよいでしょう。

被害を受けにくい素材

・樹脂サイディング
・木造
・天然の素材(石など)でできた素材

基本的には、金属の含まれていないものが多く挙げられます。とくに樹脂製サイディングは性能がよく、塩害に強い外壁の素材としてよく取り上げられています。

塩害を受けてしまいそうな地域にお住まいの方、また住む予定のある方は、外壁の素材から考えてみてはいかがでしょうか。

      塩害による腐食が発生しやすい場所

今からでもできる!塩害の対策方法

外壁を塩害に強い素材に交換する以外にも、対策する方法はまだまだあります。内装や外装を守る海辺の家ならではの対策をしっかり知っておきましょう。

塗料の塗り替え

塩害地域に住んでいる場合、外壁の塗装も比較的劣化しやすくなっているため、通常よりも数年早くはがれてしまうことがあります。塗装がはがれてしまうとその部分から建材の劣化がはじまってしまうため、塗装の塗り替えが必要となるのです。

この塗装にも、塩害に強い専用のものがあります。海岸沿いなどの塩害地域に住んでいる方は、この塩害に強い塗料に替えると便利ですね。

また、これから塩害地域に家を建てるという方も、家の施工段階で塩害用の塗料を使用することがオススメです。建築段階から対策しておきたいという方は、塗料から対策しておくと今後が楽になるでしょう。

屋外の電気機器はなるべく屋内に設置する

電気機器は金属部品が多く、塩害地域の場合はとくに被害を受けやすいものです。電気機器の部品がサビたり、劣化してしまったりすると漏電などの事故にもつながりかねません。

電化製品を屋外に置いている、という方は、極力室内で管理しておくようにしましょう。

換気扇や室外機は海とは逆側に設置する

換気扇や室外機はその性質上、外気を取り込むことがあります。その際、塩害地域だと塩分を含んだ空気まで吸い込んでしまうため、放置すると機器の劣化につながってしまいます。塩害地域で換気扇や室外機を設置する際には、できるだけ海とは逆方向に向けて設置するようにしましょう。

また近年では、塩害使用の室外機なども発売されています。まだ設置していない方や買い替えの予定のある方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

定期的に掃除をする

外壁などに塩分が付着している場合、ある程度自分で落とすことも可能です。定期的に水洗いをし、清潔を保っておきましょう。

この際、タワシでごしごしこすったり、高圧の洗浄機を使ったりしてしまうと塗装ごと落ちてしまうことがあります。清掃の際は、柔らかいブラシなどでゆっくり汚れを落としていきましょう。

      

外壁工事にかかる費用・ポイントは?

より高度な塩害対策を求めるなら、外壁の張り替えをおこないましょう。外壁の張り替えとなると自分で作業するのは困難になるため、業者への依頼が必要となってきます。ここでは、業者の選び方のポイントやかかる費用について解説していきます。依頼の際は、ぜひ参考にしてください。

外壁の張り替え・塗装にかかる費用相場

外壁の張り替えには大きく分けて、「完全に張り替え」と「重ね張り」の2種類があります。それぞれ費用相場が異なるので、注意してみていきましょう。

完全に張り替える場合

この方法では古い外壁を取り払い、骨組みに近い状態になった家屋に新しい外壁を貼っていきます。

費用相場:約200万~300万円

この費用には工事費の他にも人件費や交通費、材料費などが含まれています。外壁の種類などによっても費用は大きく変わるので、コストと特徴をよく加味して決めていきましょう。

重ね張りの場合

重ね張りは、もともとある外壁の上から新しい外壁をかぶせる方法で、別名外壁カバー工法ともいわれます。

費用相場:約150万~250万円

重ね張りの場合は撤去費用などが必要ないため、費用も少々安くなります。この費用も作業内容や材料によって大きく変わるため、施工前には必ず確認を取るようにしましょう。

外壁の塗装にかかる費用

家全体を塗装してもらった場合、下記のような金額が目安としてかかってきます。

費用相場:約50万~150万円

1階のみの場合や1部のみ塗装する場合などは、この目安よりも安くなる可能性があります。前述同様、依頼の際には費用面の確認を欠かさないようにしてください。

業者に依頼する際の注意点

塩害対策を熟知した業者を選択する

塩害対策を含めた外壁工事は、一般的な外壁工事よりも経験や知識が必要です。塩害に関する知識の少ない業者だと、塗装なども万全ではなくなってしまう可能性もあるでしょう。

一番は塩害地域の地元業者ですが、ない場合は依頼したい業者のこれまでの施工経験を確認してみましょう。この経験実績は業者の自社サイトなどで公開していることがあります。

外装は海辺の家にとって非常に大切な要素になるため、業者の選択は慎重におこなうようにしましょう。

複数業者を比較して費用を見比べる

外壁工事の費用は、業者によって大きなばらつきがあります。場合によっては相場を大きく上回る会社もあれば、はるかに安い金額を提示してくる会社もあるのです。

1社にしぼって依頼したのでは、なかなか業界の相場感覚がつかめません。さまざまな業者の費用やサービスを見比べるためにも、依頼の際は複数の業者から見積もりをとってみましょう。

      外壁でできる塩害の対策方法

まとめ

海岸沿いや海の近くなどに家を持っている場合、どうしても考えなくてはいけないことが「塩害対策」です。塩害は大切な家屋を劣化させてしまうため、早め早めの対策をとっておきましょう

家屋でも塩害を受けてしまいやすい箇所といえば、やはり外壁です。外壁をはじめとする外装などは、海辺の家に住んでいるならとくに注意して対策をしなければなりません。

また、外壁の張り替えをおこなう際には業者への依頼が必要となります。業者に依頼する際は、塩害対策に慣れているかをしっかり確認し、複数の業者を比較して選ぶようにしましょう。

外壁塗装を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「外壁塗装」をご覧ください。

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