解体工事で必要な場面も!道路使用許可は何日前までに申請するべき?

2021.7.21

解体工事で必要な場面も!道路使用許可は何日前までに申請するべき?

リフォームや解体工事などの工事の際に、道路にはみ出して作業していることはありませんか?
道路にはみ出して工事や作業などを行う場合は「道路使用許可」の申請をおこなわなければなりません。この許可申請は日本に作られている道路を安全に使うために定められた手続きのひとつでもあります。この申請を怠ってしまうと、申請をしなかった作業者や施主などに責任が問われることにもつながってくるのです。

道路使用許可のことをきちんと理解して、スムーズな手続きと工事日程、行事日程になるよう進めましょう。
この記事では道路使用許可は何日前までにおこなうのか、そのやり方などについてご紹介していきます。

公道で作業するときは絶対必要!道路使用許可とは

「道路使用許可」とは、公道において通行の妨げとなるような作業をおこなう際にその地域の警察署へ申請することで得られる許可のことです。

本来、公道では歩行者や車両の安全な通行が何よりも優先されるため、通行を妨害するような行為は原則として禁止されています。たとえば道路整備のための工事や道案内のための看板設置も、道路の一部に通れないスペースを作ることになるため禁止行為です。

ときおり街中で、看板やプラカードを抱えて立っている人を見かけますよね?あれも、公道に直接看板を置くことが禁じられているため、人が看板を持って立っておく必要があるのです。

とはいえ、劣化した道路の修理や道幅の拡張、あるいは公道脇に立っている住宅で大掛かりな工事をおこなう場合などは、どうしても道路の一部をふさいで作業をしなければなりません。

そうした場合は、警察署へ「道路使用許可」を何日前かに申請しておくことで、公道で作業をおこなう許可を得ることができます。

基本的に、公共物である道路を一部でも占有(せんゆう。自分のためだけに使うこと)する場合は、道路使用許可が必要と考えておいてよいでしょう。許可のないまま道路を使用した場合、法的に罰則を受けることになるかもしれません。

道路使用の何日前に道路使用許可申請を行えばいいか

道路使用許可の種類について

どんな作業をおこなうかによって、とるべき手続きの内容や、道路使用許可を何日前に申請しておくべきかが異なる場合もあるため、あらかじめ必要な許可を確認しておきましょう。

道路使用許可

人や車が安全に通行する目的以外の行為を行うときに必要な許可です。この許可申請が通れば、道路工事や作業、祭礼行事などがおこなえます。

道路占用許可

こちらは道路使用許可とは違い、歩道や車道など道路の路上、地下、上空に工作物など設置し、継続的に道路で使用する場合に申請しなければいけないものです。

石碑や看板設置を目的とした道路使用許可を申請される予定の方は、あわせてこちらの道路占用許可も申請しましょう。

特殊車両通行許可

道路を安全に使用できるよう、車両の大きさには制限値が設けられています。例えば「幅2.5m」「長さ12.0m」「高さ3.8m」「重さ20.0t(高速道路や指定道路の場合25.0tに緩和)」などいった数値であり、これを超える車両を道路で使うことは禁止されています。

しかしその制限を超える大きさ・重さの車両を運用しなければならない場面は多いです。例えばボートなど、分解できない大型貨物輸送などが挙げられます。こういった場合については、事前に経路・期間を定めた「特殊車両通行許可」を取れば道路の通行が許可されるのです。

解体工事においては大型のクレーンなどが特殊車両に該当する場合があります。これらに該当する車を使う予定がある方は、この許可申請を忘れないようにしてください。

道路工事施工承認

ガードレールや歩道の縁石など道路交通の安全を守るものに対して、敷地への出入りの支障になるなどのやむを得ない理由で切り上げ工事や撤去工事などを施工するときに必要になるものです。

道路使用許可が必要なケースの代表例

道路使用許可が必要な作業の代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

道路使用許可が必要なケース

①道路で工事や作業をする場合
道路の一部を規制して工事や作業をする場合は道路使用許可を申請しなければいけません。

②道路に工作物を設けようとする場合
道路に石碑や広告板などの工作物を設けようとする場合も道路使用許可が必要です。

③道路に屋台を出す場合
お祭りなどでは道路に露店や屋台を出すことがありますが、その場合も事前に許可申請をおこないます。移動をしない露店の多くは長時間、多くの人の安全な使用を妨げますので申請を忘れないようにしましょう。

④道路で祭礼行事やロケーションをする場合
道路を使って祭礼行事や映画・テレビ撮影などのロケーションなどをする場合も同様です。

なお、上記以外にも道路使用許可が必要なケースがあり、どんな作業が規制されているかは都道府県によってまちまちです。また道路使用許可を何日前に申請しなければならないかも警察署によって異なる場合があるため、あらかじめ警察署に確認しておきましょう。

許可をもらわずに公道で作業した場合の罰則

警察署から道路使用許可を得ずに公道にはみ出して作業をしていた場合、道路交通法119条に違反する行為として3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される場合があります。

これは道路での「作業」についての罰則で、石碑や看板などを許可なく「設置」した場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰則が科されることとなります。

罰則を受けないためにも、公道で作業をおこなう場合は必ず事前に道路使用許可申請をおこなっておくようにしましょう。

解体工事で道路使用許可を申請する場合

道路使用許可は何日前までに申請するべき?

道路使用許可は、申請すれば即許可が下りるというわけではありません。公道での作業は通行を妨害し、道路を使う多くの人に影響を与えることになるため、本当に道路を使う必要があるか、申請に不備がないかなどを調査されます。

そのため、道路使用許可を申請する場合は作業をおこなう日の直前ではなく、前もっておこなわなければなりません。では、道路使用許可は何日前までに申請しておく必要があるのでしょうか。

申請してから許可が下りるまでの期間は、処理をおこなう警察署によってまちまちですが、大体7日から10日程度だとされています。これは土日を除いた日数なので、実際には2週間程度余裕をもっておくのがよいでしょう。

その地域で初めて申請をおこなう場合や、申請日の設定に不安がある場合は、警察署で「事前協議」をおこなっておくことをおすすめします。

事前協議とは

事前協議とは、許可取り扱いに食い違いが起きないように、使いたい道路を管轄する警察署長へ事前に打ち合わせを目的とした連絡などをおこなうことをいいます。

どういった目的で道路を使うのか・どの程度の範囲まで道路を使う予定なのか・イベントなどで使うのであればイベントの企画内容などをこと細かく伝えておきましょう。警察の観点を交えて、作業の必要な日数設定の打ち合わせができます。

事前協議をしておきたいケース

申請日に不安が残るシチュエーションは多くあります。その中でも多いのが、「工事や作業内容において必要な日数分の許可が下りるか?」「イベントやロケーションを目的としたもので、申請許可が下りる内容であるかどうか」などが挙げられます。

不安を払拭し、適切な日数で申請するためにも、前もった事前準備を忘れないようにすることが大切です。

解体工事において道路使用許可の手続きを行うのは誰か

基本的に申請は工事業者に任せるもの

お住まいの解体やリフォームでは、工事の内容によっては公道にはみ出して作業をおこなう必要が出てくるかもしれません。その場合、道路使用許可は絶対に必要になるものですが、必ずしも工事の依頼者(施主)が申請をおこなうわけではないのです。

道路交通法では、道路使用許可の申請は「作業者」がおこなうと定められています。この場合の作業者とはすなわち、解体やリフォームを実際に手掛ける工事業者のことです。一般的には、工事費用の中に申請にかかる手数料も含まれています。

施主が自分で申請をおこなうことができないわけではありませんが、工事をおこなう際には道路使用許可以外にもさまざまな申請が必要になることが多いため、工事業者に任せておくのが無難です。

またノウハウが豊富な工事業者であれば、その地域で道路使用許可を何日前までに申請しなければならないかも把握していることが多いです。作業日になっても許可が下りていないといったトラブルを避けるためにも、申請は工事業者に一任しましょう。

道路使用許可には使用期限がある!

道路使用許可についてもうひとつ注意しておかなければならないことがあります。道路使用許可が一度下りてしまえば、その先何日も何カ月も作業ができるというわけではないという点です。

道路使用許可には期限があり、作業はその期限内に終わらせなければなりません。申請した期間を1日でも過ぎて道路を使用した場合は、道路交通法により厳しい処罰が下ることになるので、道路使用許可の期限に応じた作業スケジュールを組む必要があります。

期限の長さは、申請する目的や許可の種類、または都道府県によってさまざまです。例えば、道路や管路等の工事で道路を使う場合の期限は最大6か月以内が原則になることが多いです 。

道路使用許可は作業に必要な必要最低時間の期間で許可が出ます

簡易な工事の場合は期限が1か月以内だったり、内容によっては8時間以内しか許可が下りなかったりする場合もあるので、期限が目的や許可の種類によって変わることに注意しましょう。

申請をすれば希望した期間の許可が出るというものではなく、工事や作業に応じた必要最小限度の期間で許可が出ます。許可が通った期間で工事が終わらない場合は再度許可を申請しなければいけないことも念頭に置いておいてください。

こうした二度手間を防ぐためにも、道路使用許可申請の何日前かには、申請先の警察署で事前協議をおこなっておくことをおすすめします。

自分で申請するときは!道路使用許可申請の手順

工事業者に任せず自分で申請をおこなう場合は、その道路を管轄する警察署へ行きましょう。警察署には道路使用許可申請をおこなってくれる窓口があるので、申請書類と指定された提出物を一括提出します。

また、ひとつの道路に2つ以上の管轄エリアがある道は各エリアの道路使用許可が必要です。使いたい道路はどこの警察署で申請すればいいのか前もって調べておくと、スムーズな申請がしやすくなります。

管轄エリアによっては許可に必要な条件に違いがあったり、道路使用許可を何日前に申請しなければならないかが異なる場合があります。その場合は該当する各都道府県の道路管理者の窓口に連絡してみましょう。

申請の際に必要なもの
  • 道路使用許可申請書
  • 道路使用の場所や工事、作業などの方法を明らかにした図面
  • 祭礼行事などを行う場合はその計画書など
  • 道路を使う目的のものに関する資料
  • 道路使用許可申請に必要なお金

申請費用は都道府県によって異なりますが、道路の使用目的が工事や作業の場合は2,500~2,700円ほどかかります。事前に申請費用を確認できない場合は、多めに3,000円ほどは持っていくとよいでしょう。

お住まいの地域によっては、上に挙げたもの以外で申請に必要ものがあるかもしれません。あらかじめ確認しておきたい場合は、予定の道路を管轄している警察署のHPを見るか、道路管理者窓口へ直接問い合わせてみてください。

まとめ

道路使用許可とは、本来通行以外の目的で使うことのできない公道で、工事や祭事などをおこなうために必要な許可のことです。道路使用許可は、作業をおこなう道路を管理している警察署に申請することで取得できます。

道路使用許可を何日前に申請しなければならないかは申請先の警察署によって異なりますが、処理にかかる期間は土日を除く7~10日ほどです。そのため、2週間程度の余裕をもって申請をおこなっておくとよいでしょう。

道路使用許可を得ないまま公道で作業をおこなうと、道路交通法に違反する行為として厳重な罰則を科せられることがあります。手続きを適切に済ませるためにも、申請は解体工事を請け負う工事業者に任せておくのが無難です。

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