
最近では一般住宅でも陸屋根(ろくやね)を採用する人が増えてきました。この陸屋根とはあまり傾斜がなく、水平に近い屋根のことをいいます。
しかし、木造住宅で陸屋根にしようとすると防水が重要になるということはご存知でしたか?そこで、今回は木造住宅を陸屋根にした際の防水についてご紹介します。
目次
木造住宅を陸屋根にするメリットとデメリット
まずは木造住宅を陸屋根にした際のメリットやデメリットについてご紹介します。
メリット
・デザイン性がいい
陸屋根は普通の三角屋根と違ってすっきりとした平面デザインなので、そこを気に入るという方も多いようです。せっかく自分の家を建てるのだからおしゃれなデザインにしたい方からすれば、陸屋根はうってつけかもしれません。
・屋上のメンテナンスが楽
陸屋根は平面に近いデザインなので、屋上に上がりやすくメンテナンスがしやすいというメリットもあります。通常の三角屋根だと勾配によっては立つことすら困難な場合もあるでしょうし、そうした場合と比べるとかなり管理がしやすいのではないでしょうか。
デメリット
・防水面が不安
木造住宅で陸屋根にすると、防水面で大きな不安が残ります。もともと水平な陸屋根は雨水がたまりやすい形状ですし、木造になるとさらに雨漏りの危険が高まります。そのため、木造住宅で陸屋根にする場合はきちんと防水面を気にしないといけないといわれています。
木造住宅の陸屋根防水に用いられる方法
木造住宅の陸屋根には防水面で不安があると説明しました。そうなると実際はどういった方法が取り入れられているのでしょうか。ここでは木造住宅の陸屋根防水に用いられる方法をいくつかご紹介します。
ウレタン防水
ウレタン防水とは液体状のウレタンを何回に分けて塗ることで防水層を作り、雨水の侵入を防ぐというものです。工期が短期で済むうえに安価ですが、人の手によって塗られるため完全にムラをなくすことができないといわれています。
ゴムシート防水
ゴムシート防水とは合成ゴム系の防水シートを使うもので、これを下地に貼り付けるというものです。シートには伸縮性もあって耐用年数も長い方法ですが、シートの耐久性が低いのが難点だとされています。そのため、鳥についばまれた際などに穴が開いてしまうことがあります。
塩ビシート防水
塩ビシート防水とは塩化ビニール樹脂系の防水シートを下地に貼り付けるというものです。紫外線や熱に強く、丈夫なので鳥のついばみによる被害もあまりありません。
木造住宅の陸屋根防水の寿命は
先ほど説明したように木造住宅の陸屋根防水はいくつかありますが、これらの防水の寿命はどれほどなのでしょうか。一般的にはどれも10年から15年ほどだといわれています。
ただし、防水の寿命が10年あるといっても工事をした後にずっと放置していていいわけではありません。5年に一度ほどはメンテナンスが必要とされています。地震や台風といった自然災害を受けて防水面が壊れてしまうこともありますし、そういった事情がなくても一年中紫外線の照射を受けることで劣化してしまうことがあるからです。
木造住宅の陸屋根はもともと雨漏りしやすいといわれています。愛する我が家を守るためにも、多少お金がかかるとしても定期的にメンテナンスをしてもらうとよいでしょう。
木造住宅の陸屋根防水を長持ちさせるには
木造住宅の陸屋根防水は大体10年程度はもつといわれていますが、もちろん状況によって多少増減すると想定されます。逆に言えば長持ちさせる方法をとっていれば寿命が延びるということです。防水を長持ちさせる方法としては以下のようなものが挙げられます。
排水溝を掃除する
陸屋根にたまった水は排水溝から流れていきますが、この排水溝が詰まっていると屋上に水たまりができてしまいます。水たまりがあるとそこから防水層が劣化していってしまうかもしれないため、こまめに排水溝を掃除するようにしましょう。
台風や大雨が来たときなどは排水溝に落ち葉やゴミが詰まっているということが考えられます。自力で屋上に上がれる方ならばご自身で掃除をするとよいでしょう。
トップコートを塗り替える
ウレタン防水やシート防水の際にトップコートというものを塗ります。このトップコートとは防水層を守るためのものです。
ただ、このトップコートも劣化していきます。そのため、ある程度の期間が空いたら定期的にトップコートを塗り替える必要があります。手間がかかりますが、この作業によって下の防水層も守ることができるのです。
まとめ
最近は木造住宅でも陸屋根にする方が増えてきました。この陸屋根にはメリットがある一方デメリットも存在し、それが防水面の不安だといわれています。
木造住宅の陸屋根防水工事にはさまざまな方法がありますが、どの方法も10年から15年程度の寿命だといわれています。いくつか長持ちさせる方法もありますが、それでも限界があります。防水工事の寿命が来たら、新たに施工してもらう必要があるでしょう。
陸屋根は水平に近い構造をしているため、排水溝の掃除程度は自分でできます。しかし、防水工事やそのメンテナンスは自分では難しいでしょう。雨漏りが不安な方は業者に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。
防水工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「防水工事」をご覧ください。