蛇口の構造はどうなっているの?蛇口の仕組みや耐用年数の解説します

2021.4.30

蛇口の構造はどうなっているの?蛇口の仕組みや耐用年数の解説します

水道水は、蛇口をひねるだけで簡単に流れ出てきます。あまりにも当たり前になっているため、どんな構造になっているのか気にしたことがあるかたは少ないのではないでしょうか。水道水の中には、お湯と水を蛇口の方向を変えるだけで、切り替えることができるタイプもあります。

今回は、そんな蛇口の構造や仕組みについて解説します。毎日何気なく使う水道水をもっとよく知ることで、故障したときに役立たつかもしれません。

蛇口の構造――蛇口を構成しているパーツ紹介

蛇口は、たくさんの細かいパーツから構成されています。まずは蛇口の構造をみていきましょう。

いつも回す持ち手の部分はハンドルといい、このハンドルにはピスという留め具が中央についています。ハンドルの下は金属部分で覆われて見えませんが、三角パッキンが取りつけられていて、上部にパッキン抑え、下部にパッキン受けで固定されています。

ピスは、ハンドルとスピンドルという回転軸を接続させていて、そのスピンドルはコマ栓と呼ばれる水道部分とつながっています。水栓は、Uパッキンという断面がU字形のようにすき間が空いたパッキンとリングによって固定されているのです。

蛇口の構造――蛇口を構成しているパーツ紹介

蛇口の開閉で水を出したり止めたりできるのはどうして?

蛇口の構造は部品がたくさん取りつけられていて、とても複雑になっています。では、水道からどのように水が流れるようになっているのでしょうか。

水道は、ハンドルを回すとピスでつながったスピンドルが上昇します。スピンドルはネジ式でハンドルを使ってネジを回し上昇させています。スピンドルの下部にはコマ栓が取りつけられて、このコマ栓は水道水を押さえつける役割があります。

スピンドルが回転して上昇するのにあわせて、コマ栓も水圧によって押し上げられる仕組みです。するとコマ栓によって押さえつけていた水が、すき間から水栓を通って流れてきます。

蛇口を閉めるとスピンドルとコマ栓が下がり、水栓と水道の通り道を塞ぐことができるのです。水道には常に水圧がかかっているため、その水圧をコマ栓によって止めています。

蛇口の開閉で水を出したり止めたりできるのはどうして?

混合栓はどうしてお湯と水をわけて出せるの?

混合栓とは、ひとつの水栓からお湯と水を流すことができるタイプの水道です。混合栓にはいろいろな種類があって、それぞれ蛇口の構造や仕組みに違いがあります。また、どのタイプの混合栓もお湯は向かって左側、水は向かって右側に水道管が設置されています。

ツーバルブ混合栓

水のハンドルとお湯のハンドルが、それぞれ取りつけられているタイプです。お湯と水のそれぞれの水道あるので、蛇口をひねったほうの水道のコマ栓が開いて、水栓を通る仕組みとなっています。

シングルレバー混合栓

蛇口のようにひねるのではなく、レバーを動かすことで水を出すタイプです。このタイプは、レバーを上げると水が出て、下げると水が止まる構造となっています。

また、このレバーは左右に動かすこともでき、左右でお湯と水の温度調整ができる構造です。左に動かすとお湯、右に動かすと水が出るようになっています。

シングルレバーは、ハンドルやスピンドルの代わりにカートリッジが用いられています。カートリッジがハンドルにつながっているので、カートリッジの軸棒を動かすことでお湯と水の水道にすき間が空きます。すき間の大きさでお湯と水の量を、調整することができるのです。

サーモスタット式水栓

シャワーが取りつけられたお風呂の水道に、よく使われているタイプです。初めて使うときは温度調節が必要なため、難しく思われる方がいるのではないでしょうか。

左側に温度調整用のハンドルが取りつけられていて、お湯と水の出力量をサーモカートリッジで調整することができます。一度自分の適温に温度調整をおこなえば、ハンドルをいじらない限り、常に決まった温度のお湯を出すことができます

自閉式水栓

蛇口が、ボタン式になっているタイプの蛇口を見たことはありませんか。このタイプは、ボタンを一度押すことで約3リットルの水が流れるという特殊な構造になっています。そのため、水の出しっぱなしを防ぐことができるというメリットがあります。

その反面、水が止まるたびにボタンを押すことになるので、やや手間がかかります。おもにホテルや、銭湯などの公共施設のシャワーで見かけることがあるでしょう。

サーモスタット式水栓と同じように、温度調節ハンドルとカートリッジでお湯と水の調整がおこなえます。

混合栓はどうしてお湯と水をわけて出せるの?

蛇口の耐用年数は?

水道水はほぼ毎日使用しているのではないでしょうか。そのため、毎日使用しているうちに経年劣化を起こします。一般的に水道の耐用年数は約10年といわれています。ほとんどのご家庭では、それ以上長く使っていることが多いかもしれません。

水を流してもなかなか止まらなかったり、水を流すとピーッと異音がしたりする場合は、劣化しているかもしれません。蛇口の構造の中で、パッキンの材質はゴムでできているうえに、蛇口をひねる際に負荷がかかるため、とくに劣化しやすいといわれています。

パッキンの交換方法は、別コラム【水道のパッキン交換は簡単にできる!作業に必要な道具と手順をご紹介 】をご参照ください。

また、パッキンの交換は水漏れなどのトラブルが起こりやすくなるため、異常を感じたら業者に相談や依頼して部品の修理や部品の交換をすることをおすすめします。

ほかにも「蛇口が回らなくて使うことができない」というトラブルもあるでしょう。そのような場合には、過去コラム【蛇口が固い!回らない!そんなときに自分でできる修理方法をご紹介 】にて、修理方法を紹介しているので参考にしてみてはいかがでしょうか。

蛇口の耐用年数は?

難しいのはこんな修理!素早い対処が必要なケースとは

ここまで蛇口の構造について読んできた方は、パッキンの交換なら簡単に修理できることが分かったと思います。しかし、中には自分での修理はむずかしいケースもあるようです。以下の項目にふれている場合は、自分での修理は控え、水漏れ修理のプロに依頼しましょう。

・水漏れ原因がわからない
・水漏れの勢いがとても強い
・蛇口にあう部品・工具がみつからない
・使用期間が10年以上経っている

難しいのはこんな修理!素早い対処が必要なケースとは

まとめ

蛇口の構造は細かい部品で構成されていますが、仕組みは意外と簡単です。また複合栓の水道には、用途によっていろいろな種類があります。公共施設では、お湯と水を使い分けることができる複合栓が多いですが、使い方が分からないと火傷のおそれがあります。

また、毎日使う水道は劣化も早いです。水道水の調子がおかしいなと感じたら業者に依頼をしてみてはいかがでしょうか。水は使えなくなると不便になるため、早めに対処することをおすすめします。

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