漏水の原因箇所として多いのは、キッチンやお風呂の蛇口、洗濯機、トイレタンク、屋外の水道設備です。パッキンの破損や劣化、蛇口と給水管をつなぐ部品の緩み、配管の腐食などが原因で漏水が引き起こされます。
漏水しているかどうか、どこから漏水しているのかを調査したいなら、水道メーターを確認してください。止水栓を閉めながらパイロットの動きを見れば、漏水の有無や漏水箇所を特定できます。
漏れ出た水が原因で水道代が高額になってしまわないように、漏水は早めに修理しましょう。
目次
漏水のおもな原因と調査するべき場所
漏水のおもな原因は、以下の4つです。
- パッキンの劣化
- 部品の緩み
- 配水管の老朽化
- 地震や台風による水道設備の破損
漏水の原因として多いのは、蛇口や配管の接続部分に取り付けられたゴム製のパッキンの劣化や、ナットなどの部品の緩みです。長年使用している水道管が老朽化によって傷んだり、地震や台風の衝撃で破損してしまったりということもあります。
漏水が発生した場所によっても考えられる原因が異なるため、見るべきポイントを場所ごとに確認していきましょう。
キッチンやお風呂の水栓
キッチンやお風呂、洗面所などの水回りでは、蛇口(水栓)のパッキンが漏水の原因となることが多いです。蛇口は使用頻度が高いためパッキンが劣化しやすく、すり減ったりひびが入ったりして水漏れを起こしてしまいます。
蛇口のハンドルやレバーから水が垂れてくる場合は、ナットやボルトの緩みが原因であることがほとんどです。
お風呂ではシャワーヘッドから漏水することもあります。シャワーもやはりパッキンが劣化していることが多いほか、バルブカートリッジの損傷が原因の場合もあります。
洗濯機周辺
洗濯機周辺の漏水は、蛇口と給水ホースをつなぐニップルの緩みが原因であることが多いです。正しく取り付けられているか、緩みがないかを確かめましょう。
パッキンの劣化やナットの緩み、給水ホースの破損によって水漏れが起こるケースもあります。
洗濯機の下に水たまりができるときは、排水ホースの破損や接続不良によって、排水が漏れてしまっているおそれがあります。
トイレタンク
トイレの水を流したあと、いつまでも流水音がし続ける場合は、トイレタンク内の部品の不具合による水漏れが疑われます。
給水管からタンク内へ流れる水を調節するボールタップや、タンクから便器へ流れる水を調節するフロートバルブが故障すると、水が流れ続けてしまうことがあるのです。
屋外の水道設備
屋外にある水道の配管や給湯器は、雨風にさらされるため部品が劣化しやすく、水漏れを引き起こしやすいです。
寒さの厳しい地域では、凍結の心配もあります。水が凍って膨張し、水道管がひび割れたり破裂したりして水漏れが発生します。
水漏れの有無と漏水箇所を水道メーターで特定する
漏水の発生や原因箇所は水道メーターを使えば探せます。水道メーターのある場所や見方を確認していきましょう。
マンション・一軒家の水道メーター設置場所
マンションやアパートなどの集合住宅の水道メーターは、ガスメーターや電気メーターと一緒にメーターボックス内に設置されていることが多いです。部屋の玄関を出たすぐ横に、扉がないか探してみてください。
建物によっては部屋ごとにメーターボックスが分かれておらず、フロアごとに1ヵ所にまとめて設置されている場合もあります。どれがご自分の部屋のメーターかわからないときには、管理会社や大家さんに確認しましょう。
戸建て住宅では、玄関から道路の間の地面に埋められていることが多いです。「水道」や「量水器」と書かれた鉄製のフタがないか、玄関先や駐車場を探してみてください。
漏水の確認方法と水道メーターの見方
漏水の有無を確認するときは、はじめに家中の蛇口を閉めてください。すべての蛇口から水が出ていない状態で、パイロットの動きを確認します。
水道メーターは、水が流れるとパイロットのコマが回転する仕組みです。水道を使用していないのにパイロットが動くなら、どこかから漏水しています。
水道メーターにはパイロットのほかに、メーター指針(立方メートル単位で数字が回転する)があり、累計の水道使用量が表示されています。赤い針の1リットル目盛り・10リットル目盛りと組み合わせて読めば、1リットル単位で使用量の確認が可能です。
止水栓を閉めていけば漏水箇所がわかる
水漏れの発生が確認されたら、止水栓を順番に閉めて漏水箇所を特定していきます。止水栓は蛇口につながる給水管の途中に設置されており、ハンドルを回すタイプとマイナスドライバーでネジを回すタイプがあります。
1ヵ所ずつ止水栓を閉めていき、パイロットの動きを確認してください。止水栓を閉めたときにパイロットが止まったところが、水漏れの発生箇所です。
ただし、止水栓が付いていない蛇口もあります。漏水箇所が見つからないときには、プロに調査を依頼しましょう。
水道メーターではわからない漏水もある
以下のような漏水は、水道メーターでは確認できません。
- ごく少量の漏水
- 水道メーターより道路側の漏水
- 排水管からの漏水
漏水の量が極めて少ない場合には、パイロットがほとんど回らないこともあります。ときどき微妙に動く程度では、漏水しているかどうかをはっきりと判断できません。
水道メーターより道路側の地中で起きた漏水も、メーターでは確認できません。水道メーターより外側の漏水なら水道料金は発生しませんが、漏れ出た水で浸水被害にあうおそれがあるため早めに対処したほうが良いです。
道路側の水道管は水道局の管轄となり、修繕費用も負担してもらえることがほとんどです。ただし、掘り返した地面の修復にかかる費用は、敷地の所有者の負担となります。
水道メーターより内側でも、漏水箇所が給水管ではなく排水管の場合には水道メーターでは確認できません。
「パイロットの回転が確認できないから漏水していない」とは断定せず、漏水の疑いがあるときにはプロの調査を受けましょう。
漏水の原因箇所を発見したら修理しよう
漏水の発生箇所別の修理方法をご紹介します。
蛇口の水漏れ
蛇口の水漏れは、パッキンが原因であれば比較的簡単に修理できます。
ドライバーやモンキーレンチを使用して分解し、パッキンを交換します。蛇口によって構造やパッキンのサイズが違うため、きちんと確認して適切な種類の商品を購入してください。
ナットの緩みが原因なら、レンチで締めるだけで簡単に直せます。
トイレの水漏れ
トイレの水漏れも、給水管のパッキンの劣化やナットの緩みが原因なら、蛇口と同様に修理できます。
ボールタップやフロートバルブが原因の場合には、トイレタンクを開けて部品の修理・交換をおこないます。
屋外の配管の水漏れ
屋外の目に見える場所にある配管から漏水している場合は、雨風にさらされて配管自体が劣化してしまっていることがほとんどです。ダクトテープ(粘着力が強く耐水性のあるテープ)で破損箇所を塞げば、一時的に水漏れを止めることができます。
ただし、あくまでも応急処置なので、できるだけ早くプロの業者に修理を依頼してください。テープでは漏水を止められないときは、連動する止水栓を閉めて業者の到着を待ちましょう。
無事に修理が済んだら、劣化防止の対策をおこなうことをおすすめします。袋やカバーをかけて、雨風が直接当たるのを防いでください。
埋設配管の水漏れ
埋設配管とは、地面に埋められている配管です。埋設配管の漏水修理は、プロでなければおこなえません。地面を掘り返しての大がかりな工事が必要になるため、業者に任せましょう。
漏水時の水道料金は減額される可能性がある
漏水が原因で水道料金が高額になってしまった場合、自治体によっては減額してもらえる可能性があります。減免対象となるおもな条件は以下の3点です。
- 居住者に過失がない
- 地中や壁内、床下などの発見しにくい場所からの漏水である
- 自治体の指定事業者に修理を依頼する
あくまでも、通常発見が困難な漏水に対して減額措置をおこなってもらえる制度です。そのため、居住者の過失で水道管を傷付けてしまった場合や、水漏れに気付きながら放置していた場合は減免の対象になりません。
指定給水装置工事事業者での施工のみ対象としている自治体もあるため、修繕前にお住まいの地域の減免条件とお近くの指定事業者を確認してください。
地震などの災害が原因で漏水が発生した場合も、減免の対象となる可能性があります。水漏れに気付いたら早めに申請しましょう。申請には、水道局発行の申請用紙や漏水修理の領収書の提出が必要です。
蛇口の漏水は減額されないことがほとんど
蛇口で発生した漏水は、減額の対象とならないことがほとんどです。蛇口などの見える場所は異変に気付きやすいため、修理せず放置した居住者の過失だとみなされます。
減額は一部だけ!早めに修理して水道代を抑えよう
水道料金の減免制度では、漏水が原因で増加した水道代の一部を免除してもらえます。漏水時の水道代が全額免除になるわけではなく、水漏れ被害の修繕費用を負担してもらえるものでもありません。
余分な水道料金の支払いを避けるためには、早期に漏水を止めることが重要です。漏れ出した水が建物を侵食するまえに対処できれば、床や壁の修繕にかかる費用も抑えられます。
漏水を見つけたときは、早めに修理をおこないましょう。
まとめ
漏水はパッキンの劣化や部品の緩み、水道管の老朽化などによって引き起こされます。原因箇所となることが多いのは、キッチンやお風呂の蛇口、洗濯機の給排水ホース周辺、トイレタンク、屋外の水道設備です。
漏水が疑われるときには、水道メーターを確認しましょう。水道を使用していないのにパイロットのコマが回っているなら、水漏れが発生しています。止水栓を1ヵ所ずつ閉めながらパイロットの動きを見ていけば、漏水箇所の特定もできます。
漏水が見つかったら、早めに修理しましょう。「使用量は増えていないのに急に水道代が上がった」「水道を使っていないのにどこからか水音がする」というときは、漏水調査の受診をおすすめします。
お近くの水道修理業者をお探しの際には、弊社にご相談ください。迅速に対応可能な水道のプロをご紹介いたします。
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