「浴槽の水がいつの間にか減る」「お風呂の床が気づいたら濡れている」などの症状が発生しているときはお風呂で水漏れが発生しています。
お風呂で水漏れが発生する場所は「浴槽、水栓、シャワー、給湯器、換気扇、床、壁」です。この中で水栓、シャワー、換気扇の水漏れは自力で修理することができます。
しかし、浴槽、給湯器、床、壁の水漏れ修理は専門の知識と技術が必要のため、業者でないと修理することができません。
自分で直せる場所でも、業者でないと直せない場所でも、確実に水漏れを直したいという方は、ぜひ生活110番にご相談ください。
目次
浴槽の水が減る【浴槽で発生する水漏れ】
「浴槽に溜めているお湯が気づいたら減っている」、このような現象が発生しているときには浴槽で水漏れが発生しています。浴槽の水漏れには3つの原因があるため、まずは原因をチェックし、その後に的確に対処しましょう。
浴槽の水漏れの原因はゴム栓の劣化か浴槽の破損
浴槽で水漏れしている場合は、上図のように「ゴム栓が劣化している」「浴槽に亀裂がある」「給湯器の排水口が劣化している」という3つの不具合が考えられます。
【ゴム栓が劣化している】
浴槽の水が減少していると感じたときは、まずゴム栓が劣化していないか確認してみてください。劣化したゴム栓は、固くなって縮んでいるため、排水口との間に隙間ができてしまうことがあります。結果として浴槽の水が少しずつ排水管へ流れていくのです。
【浴槽に亀裂がある】
ゴム栓を確認して劣化していなかった場合は、浴槽のどこかに亀裂が発生しているかもしれません。浴槽内に亀裂がないかくまなく探してみてください。亀裂が発生していると浴槽の水が少しずつ減少していきます。
【給湯器の排水口が劣化している】
ゴム栓に異常がなく、浴槽に亀裂が生じていない場合は、「給湯器の排水口」に原因があります。排水口と給湯器をつなぐ排水管が破損していると、浴槽の水はどんどん浴槽外へ流れていくのです。
ゴム栓の交換は自力で可能。浴槽、給湯器の排出口の修理は業者に依頼
浴槽の水漏れの原因が特定できたら、適切な対処をおこないましょう。ゴム栓の劣化が原因の場合は交換するだけで水漏れを解消することが可能です。
ゴム栓を交換する際は、必ず浴槽の排水口のサイズに合ったものを購入するようにしましょう。ゴム栓を購入するときは既存のものを販売店へ持って行くと、サイズを間違える心配がないので安心です。
浴槽に発生した亀裂と給湯器の排出口を修理するには専門の技術が必要のため、業者に修理を依頼するのが賢明です。しかし、なかには「少しの水漏れだし、費用がもったいないから」といって、修理を先延ばしにする方もいるかもしれません。
浴槽の亀裂から漏れた水は、建材を濡らし、腐敗させてしまうおそれがあります。建材が腐敗してしまうと、お風呂場の壁が崩れてしまうこともあるのです。こうなってしまうと浴槽の修理費に加え、壁の修理費も発生してしまいます。
被害の拡大を防ぐためにも浴槽の亀裂が確認できたときは、すぐに業者に修理を依頼するようにしましょう。
水栓のハンドルや蛇口から水が垂れる【水栓で発生する水漏れ】
シャワーや蛇口が接続されている水栓(※)はお風呂場の中でも使用頻度が高いところです。そのため、劣化が早く水漏れが発生しやすいところであるともいえます。
水栓で水漏れが発生しているかどうかは、水道メーターの「パイロット」で確認することができます。詳しい確認方法は、以下の記事を参考にしてださい。
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※水栓:蛇口やシャワーが取り付けられている栓。水やお湯を出すことができ、ハンドルがひとつのタイプとふたつあるタイプがある。
水栓の水漏れの原因はパッキン、バルブカートリッジの劣化か本体の故障
水栓で発生する水漏れには以下の症状があげられます。
・水栓と蛇口の連結部分から水が漏れる
・吐水口から水が漏れる
それでは、これらの水漏れが発生する原因を詳しく解説していきます。
ハンドルの根本から水が漏れる
ハンドルの根元から発生する水漏れは、「ハンドル内部のパッキン(※)の劣化」か「バルブカートリッジ(※)の劣化」が原因です。
※パッキン:ゴム製の部品。パイプとパイプのつなぎ目に取り付けることですき間をなくし水漏れを防ぐ役割があるもの。
※バルブカートリッジ:水栓の水量と温度を調節するためのパーツ。
バルブカートリッジの劣化が原因で発生する水漏れは、「シングルレバー式」とよばれるハンドルがひとつしか付いていない水栓を使用している場合のみになります。
お湯と水のハンドルが別々になっている「ツーハンドル式」には、バルブカートリッジは取り付けられていません。したがって、ツーハンドル式水栓の吐水口の水漏れはパッキンの劣化が原因になります。
どちらが原因であってもパーツを交換することで、ほとんどの場合は水漏れを解消することが可能です。
水栓と蛇口の連結部分から水が漏れる
水栓と蛇口の連結部分で発生する水漏れの原因は、接続部のナットのゆるみかパッキンの劣化です。まずはナットが緩んでいないか確認をして、緩んでいるようであれば締め直しましょう。ナットに異常が見られない場合は、パッキンを交換してみてください。
吐水口から水が漏れる
水を止めても吐水口から水が漏れる場合は水栓内部のバルブカートリッジの劣化が原因です。ハンドル部分に内蔵されているバブルカートリッジを交換することで水漏れは解消されます。
水栓パーツの交換は自力でおこなえるが…
パッキンやバルブカートリッジなどのパーツの交換は自力でもおこなうことができるので、ご自身でできそうな方はやってみてください。ただし、パーツの交換だけでは水漏れが解消されないことがあります。
パーツの交換で水漏れが解消されない場合は水栓本体の交換が必要です。水栓本体の交換は作業工程が多いため、少し難易度が高いです。「取り外した後に新しい水栓を取り付けられない」「交換に失敗して水漏れが悪化する」などの事態が発生しかねませんので、作業に自信がない方は、業者に依頼することをおすすめします。
では、「パッキン」「バルブカートリッジ」「水栓本体」の交換方法をそれぞれご紹介しましょう。
パッキンの交換方法
ここでは「水栓と蛇口の連結部分」と「ハンドル部分」のパッキンの交換方法をそれぞれ紹介します。
・モンキーレンチ
【蛇口の連結部分のパッキン交換方法】
手順1.連結部分のナットをモンキーレンチで外す。
手順2.蛇口を取り外す。
手順3.既存のパッキンと新しいパッキンを交換する。
手順4.蛇口を取り付けてナットをしめる。
手順5.蛇口をひねって正常に使用できるか確認する。
手順6.異常がなければ作業完了。
【ハンドルのパッキン交換の手順】
手順1.ハンドルを固定しているナットをモンキーレンチで外す。
手順2.ハンドルを外す。
手順3.ハンドル内部の既存のパッキンを新しいパッキンと交換する。
手順4.ハンドルを水栓に差し込み、ナットで固定する。このときナットをしめすぎるとハンドルが固くなるので注意する。
手順5.水を流してみて異常がないか確認する。
手順6.異常がなければ交換完了。
バルブカートリッジの交換方法
・マイナスドライバー
・六角ナット
・モンキーレンチ
手順1.マイナスドライバーで止水栓(※)をしめる。
手順2.マイナスドライバーでレバー正面の温水と冷水を表示しているキャップを外す。
手順3.キャップを外した穴に六角ナットを入れて反時計まわりに回し、レバーハンドルを外す
手順4.水栓が回転しないように押さえながら(※)、モンキーレンチで上部のバルブカートリッジを取り外す
手順5. 新しいバブルカートリッジに取り換える
手順6.レバーとキャップを取り付ける
手順7.正常に作動するか確認する
※バルブカートリッジを取り外す際、水栓を押さえながらモンキーレンチを使用しないと水栓が回転して破損することがある。
※止水栓:水の供給量を調節する栓。完全にしめることで水の供給を止めることができる。水栓と壁を接続する部分に設置されていることが多い。水漏れ修理のときに止水栓をしめることで、修理中の水が溢れてくるトラブルを防止することができる。
水栓本体の交換方法
パッキンやバルブカートリッジを交換しても水漏れが解消されなかった場合は、水栓本体が故障していることが考えられます。以下で水栓本体の交換方法について紹介していますので、ぜひ試してみてください。
・マイナスドライバー
・モンキーレンチ
・歯ブラシ
・シールテープ
手順1.マイナスドライバーで止水栓をしめる。
手順2.モンキーレンチで水栓と止水栓をつないでいるナットを外す。
手順3.水栓本体を取り外す。
手順4.取り付け脚を反時計回りに回転させて取り外す。
手順5.取り付け脚を差し込む穴に溜まったゴミを歯ブラシで落とす。
手順6.新しい水栓の取り付け脚にシールテープを5回ほど巻く。
手順7.取り付け脚を穴に差し込み、時計回りに回転させ固定する。
手順8.取り付け脚が左右対称の角度になるように調節する。(ここで角度を誤ると、本体を取り付けたときに本体が傾く)
手順9.本体を取り付ける。
手順10.最後に実際に水を流してみて正常に作動するか、水漏れしていないか確認する。
手順11.正常に使用できれば交換完了。
シャワーから水が垂れる【シャワーで発生する水漏れ】
水栓につながれているシャワーからも水漏れが発生することがあります。シャワーの水漏れの症状は、シャワーを使用しているときに「シャワーとホースの隙間から水が漏れる」「ホースから水が漏れる」の2つです。
シャワーの水漏れの原因はパッキンの劣化かシャワーホースの破損
シャワーで発生する水漏れの原因は「内部のパッキンの劣化」か「ホースの破損」です。
【シャワーヘッドとホースの接続部から水が漏れる】
シャワーヘッドとホースの接続部から水が漏れる場合は、内部のパッキンの劣化が原因です。パッキンを交換することで水漏れを解消できます。
【ホースから水が漏れる】
ホースから水が漏れる場合は、ホースが損傷しています。ホースを新しいものに取り換えれば、水漏れを直すことが可能です。
シャワーの修理は自分でおこなえる!
パッキン、シャワーホースの交換には専門の知識や技術、特殊な工具は不要です。初めて水漏れ修理をする方でも簡単におこなうことができるでしょう。
ただし、交換するパーツにはそれぞれサイズがあり、中には同じメーカーの部品しか対応しないシャワーも存在します。
「新しいパッキンやシャワーホースを購入してきたのはいいけれど、サイズが合っていなくて取り付けられない」などというトラブルを発生させないためにも、必ず交換の前に水栓に対応するサイズやメーカーを確認しておくようにしましょう。
規格に合ったものを購入できたら、作業に取りかかります。
シャワーのパッキンの交換
手順1.シャワーヘッドを回転させて、ホースから取り外す。
手順2.シャワーヘッド内の既存のパッキンと新しいパッキンを交換する。
手順3.シャワーを使ってみて水漏れが発生していないか確認する。
手順4.異常がなければ交換完了。
シャワーホースの交換
・モンキーレンチ
手順1.水栓とシャワーホースをつないでいるナットをモンキーレンチで外す。
手順2.水栓からシャワーホースを取り外し、シャワーヘッドも取り外す。
手順3.新しいシャワーホースを水栓に取り付ける。
手順4.シャワーホースをつないでいるナットをしめる。
手順5.正常に使用できるか確認する。
手順6.異常がなければ交換完了。
給湯器の内部から水が漏れてくる【給湯器で発生する水漏れ】
お風呂の中に給湯器がある家庭では、給湯器から水漏れが発生することもあります。給湯器の水漏れのおもな症状は、以下の2つです。
・給湯器の内部から水が漏れる
また、給湯器の水漏れは二次被害を発生させるおそれがあるので気をつけなければいけません。給湯器の発生させる二次被害とは「一酸化炭素中毒」です。給湯器の水漏れはガスの不完全燃焼を引き起こすことがあり、ガスが不完全燃焼すると一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素は大量に吸い込んでしまうと、意識を失い、最悪の場合は死にいたることもあります。さらに一酸化炭素は無色無臭の物質なので、発生していても気づかないこともあるのです。取り返しのつかない状況に陥る前に、給湯器の水漏れは早急に修理するようにしましょう。
給湯器の水漏れ修理は業者に依頼
給湯器に付属しているシャワーや蛇口からの水が漏れている症状は、パッキンなどの部品の劣化が水漏れの原因です。給湯器本体から水が漏れている場合は、内部の部品の劣化など不具合が発生しています。
給湯器の水漏れはシャワーや蛇口など、修理する箇所が明確なときは自力での修理も可能です。しかし、水漏れ箇所が特定できていない場合や内部の故障が原因のときは、業者に修理を依頼することをおすすめします。給湯器は精密機器であるため、原因がわからないまま自力で直そうとすると、かえって水漏れを悪化させてしまいかねません。
また、給湯器は製造打ち切りから10年が経過すると、パーツが廃盤になってしまう可能性が高いです。そのため製造打ち切りから10年以上経った給湯器は修理することができず、故障した場合は、買い替えを余儀なくされることもあります。
精密機器である給湯器はいつ故障するかわかりません。給湯器を長持ちさせるためには、故障していなくてもパーツが取り扱われているうちにメンテナンスをおこなうとよいでしょう。
換気扇から水が垂れてくる【換気扇の水漏れ】
お風呂場の水漏れで見落とされがちなのが「換気扇の水漏れ」です。換気扇は水を使用するところではありませんが、ときとして水が垂れてくることがあります。
お風呂場の換気扇から水が垂れてくる場合は、換気機能に異常が発生しています。まずは原因を突き止めてその後に適切な対処をしましょう。
換気扇の水漏れは汚れのつまりが原因
換気扇から水が垂れてくる原因は、お風呂場で発生する大量の湿気です。お風呂場で発生した湿気が換気扇の内部に溜まることでサビやカビなどの汚れが換気扇内に発生します。換気扇に汚れが蓄積すると「つまり」が発生し換気機能も低下するため、お風呂場の湿気を外へ排出することができなくなってしまうのです。
結果として、換気扇内に湿気が溜まりお風呂場に水が垂れてくるという現象が起こります。
換気扇の水漏れは掃除することで改善できる!
換気扇の水漏れは換気扇を掃除することで改善することができます。しかし、換気扇は高い位置に取り付けられているので、掃除の際は浴槽のヘリに立って作業しなくてはいけません。危険ですので慎重に作業にあたってください。
それでは、以下の手順で換気扇の掃除をおこなっていきましょう。
・タオル2枚(足場用と掃除用)
・ブラシ
【換気扇の掃除方法】
手順1.漏電防止のため作業前に換気扇につながるブレーカーを落としておく。
手順2.転落防止のため、濡らしたタオルを浴槽のヘリにかける。(すべり止め)
手順3.浴槽のヘリに立って、換気扇のカバーを外す。
手順4.取り外したカバーを中性洗剤で掃除する。網目の細かいところはブラシを使用する。
手順5.中性洗剤を染み込ませたタオルで換気扇の内部を拭く。
手順6.カバーを取り付けたら終了。
換気扇の掃除をおこなっても水漏れが改善されないのであれば、換気扇の故障が考えられます。換気扇が機能しないと、お風呂場の中に湿気が溜まり、カビが発生しやすくなります。衛生的によくないので、換気扇の修理を業者に依頼するようにしましょう。
お風呂場の床や壁がつねに濡れている【床・壁で発生する水漏れ】
お風呂場を使用していないのにつねに濡れている状態は、床や壁で水漏れが発生している可能性があります。また、床や壁で発生する水漏れを放置しておくと、内部の建材の腐敗にもつながりかねません。
床や壁で発生する水漏れは排水管の破損が原因
壁や床で発生する水漏れの原因は壁内、床下の排水管の破損です。これらの排水管が破損することにより、排出された水が床や壁からしみ出してしまうことがあります。
床や壁から水が漏れるということは、床や壁にも隙間が生じているということです。床や壁のすき間から水が浸入することで、内部の建材を腐らせてしまう可能性があります。水漏れを修理するとともに、水漏れ箇所の修繕もおこないましょう。
床や壁の水漏れは業者じゃないと修理できない
壁内と床下の水道管の修理には施工の必要があります。自力で修理することは不可能なので業者に依頼しましょう。
「水漏れ修理を業者に頼むのは初めてだから心配……」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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また、床や壁の損傷はパテやコーキング材(※)で応急処置をすることができますが、あくまで「応急処置」です。しっかりと修繕する場合はタイルの交換や床シートを張り替えなければいけません。高度な作業になるため、改修は業者に修理を依頼するようにしましょう。
※パテ、コーキング材:壁の接続部など建築物に生じる隙間を埋めるための硬化剤。外壁のひび割れなどの応急処置として使われることもある。
浴室の水漏れトラブルは生活110番にご相談ください!
「浴槽、給湯器、床、壁」で発生したは、状況によっては修理に専門的な技術を要するため、自力で直せないことがあります。自力で修理できないと判断したら、すぐに業者に修理を依頼しましょう。
そして、水漏れを確実に直したい方は、ぜひ生活110番にご相談ください。全国に多数の加盟店を持つ生活110番は、あなたのもとに迅速に業者を派遣することが可能です。
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