陸屋根は傾斜がなく雨水が流れにくいという構造上、雨漏りが起こりやすいです。陸屋根の防水工事は、予算を考慮しつつ環境に合わせた工法を選ぶことが大切です。
防水工事にかかる費用は、工法によって変わってきます。陸屋根の環境に合わせた工事をおこなうことで、より長持ちさせることができるうえに費用が抑えられるのです。
この記事では、防水工事の種類や陸屋根の防水工事費用について紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
こんな症状が出たら早めに防水工事をしよう
陸屋根は、日差しや雨風など天候によって徐々に劣化していきます。まずは、どのような劣化症状が起こるのか見ていきましょう。
・防水シートの劣化
防水シートは経年劣化によって水が溜まり、水泡のようなものができます。さらに劣化が進むと、防水シート自体がめくれあがって機能しなくなるのです。ここまでくると雨水が下地に染み出して、雨漏りしやすくなってしまいます。
・防水層のヒビ割れ
防水層の役割をもつ塗膜にヒビが入っていると、隙間から雨漏りが起こりやすくなります。さらに、防水層を突き抜けて植物が生えることもあるのです。植物を抜くと防水層に穴が空いてしまうため、むやみに抜かずに業者に相談をしましょう。
陸屋根の防水工事はおもに4種類
陸屋根の防水工事には、おもに4種類の工法が用いられます。それぞれの特徴についてお伝えしていきます。
シート防水
防水シートを敷いて防水層を作る工法です。マンションの屋上など広範囲の面積に施工する際、塗料を使う工法と比較するとムラにならないという特徴があります。
ただしシート防水はシートを敷くという工法のため、貯水槽など屋上に固定された設置物が多い場合や下地の凹凸が激しい場所には向いていません。シート防水には、2種類の工法があります。
・接着工法(密着工法)
防水シートを専用の接着剤を用いて下地に貼り付ける工法です。シートが馴染むように、しっかりと下地を清掃してから施工をおこないます。
・機械的固定方法
絶縁用のシートを敷いてからその上にディスク状の金具を取り付けて、防水シートを固定する工法です。防水シートの貼り付けが終わったら、専用の機械でディスクとシートを融着させて固定します。こちらの工法は、下地の状態に関わらず作業が可能というメリットがあります。
ウレタン防水
ウレタン樹脂を液状にしたものを塗布して防水層を作る工法です。先ほどのシート工法と比較すると、面積の狭い場所で施工しやすいという特徴があります。ウレタン防水のおもな工法は以下の通りです。
・密着工法
ウレタン防水の密着工法は、下地にそのままウレタン樹脂を塗布する工法です。短期間で施工が可能ですが通気性がないため、雨漏りを起こしやすいというデメリットがあります
・通気緩衝工法
通気緩衝工法では、ウレタン樹脂を塗る前に通気緩衝シートを貼り付けます。このシートによって通気性が向上するため、雨漏り対策になるのです。
アスファルト防水
アスファルト防水は昔ながらの防水工事の工法で、耐用年数が高いのが特徴です。工法はおもに3種類で、場所によって使い分けることができます。しかし、アスファルトが溶ける匂いが発生するため、住宅地などの密集地ではあまり向いていません。
・熱工法
アスファルトルーフィングと呼ばれるシートを下地に敷いて、そこからさらに熱で溶かしたアスファルトを重ねて塗っていく工法です。アスファルトを溶かすための窯を屋根まで持ち上げる手間がかかるうえに、非常に高温なため作業時に火傷など事故のおそれがあります。そのため、後述する工法が用いられることが増えてきているようです。
・冷工法
粘着材が貼られているアスファルトシートを直接下地に貼って、防水層を作る工法です。アスファルトを溶かす必要がないため、安全に作業ができるうえに匂いも出ないのが特徴です。
・トーチ工法
アスファルトが染み込んだシートをトーチバナーであぶって下地に貼り付けていく工法です。熱工法よりも比較的安全なうえに、匂いも出にくいというメリットがあります。
FRP防水
ガラス繊維で強化されたプラスチックを液状にした塗料を、下地に塗っていく工法です。軽量で防水効果に優れていることから、浴槽やプールなどでも採用されています。その反面、伸縮性がなく紫外線に弱いことからヒビが入りやすいのが欠点です。
そのためマンションやビルの屋上など、広範囲な場所ではあまり向いていません。しかし、工期が短いことから小規模な一戸建ての陸屋根やベランダなどで採用されることがあります。
陸屋根防水工事の費用相場や工法ごとの耐用年数
それぞれの工法の特徴が分かったところで、陸屋根の防水工事の費用相場や耐用年数についてお伝えしていきます。工事予定の陸屋根の環境に合わせて、検討してみてはいかがでしょうか。
防水工事の費用相場
防水工事の費用相場は、下記の通りです。
【1平方メートルあたりの費用】
- シート防水……約5,000円~8,000円
- ウレタン防水……約5,000円~7,500円
- アスファルト防水……約6,000円~8,000円
- FRP防水……約6,000円~8,500円
費用相場は、アスファルト防水とFRP防水がやや高くなっています。
耐用年数
防水工事の耐用年数は、下記の通りです。
- シート防水……約10~15年
- ウレタン防水……約10~12年
- アスファルト防水……約15~20年
- FRP防水……約10~12年
アスファルト防水は耐用年数がもっとも長い反面、工期が1週間~10日前後かかることが多いです。いっぽうFRP防水の工事費用はやや高くつきますが、工期が1~2日前後と短いというメリットがあります。先ほどお伝えした工法と照らし合わせて、どの工事にするのか検討しましょう。
陸屋根の防水工事の業者を選ぶポイント
防水工事は、専門としている業者以外に塗装業者も施工ができることがあります。しかし、業種の細かい違いは一般の目では分からないことが多いです。そのため業者のホームページなどを参考にして、どういった作業を実際におこなっているのか事例を見ると伝わりやすいです。
また、見積りの際には3社ほどから相見積りをおこないましょう。その際には、必ず同じ条件で依頼するのがポイントです。そうすることで、見積り書の比較や作業内容の比較がしやすくなるため、適正価格も分かります。
さらに、防水工事は保証期間が設けられていることが多いです。保証期間内なら無償で修理をおこなってもらえることがあるので、見積りをとる際に確認してみましょう。
まとめ
今回の記事では、陸屋根の劣化や症状や防水工事の特徴を中心に紹介してきました。陸屋根は10年以上経過すると、防水層の劣化によって雨漏りを起こすおそれがあります。そのため、どのような工法で工事をおこなうかきちんと決めておきましょう。
陸屋根の防水工事の費用は、工法によって異なります。それぞれの工法の特徴を知ったうえで、選ぶことをおすすめします。しかし、それぞれの工法には施工する場所によって向き不向きがあるため、どの工法がよいのかくわしい知識がなければ選ぶことが難しいでしょう。
そのため業者に依頼して現地調査をしてもらい、最適な工法や作業工程を聞いて納得したうえで工事をおこなうことが大切です。弊社は防水工事に対応した業者を紹介しています。24時間お電話を受け付けていますので、お気軽にご連絡をお待ちしております。
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