工場の屋根は経年で劣化し放置しておくと雨漏りなどが起きるため、定期的にリフォームやメンテナンスが必要になります。しかし屋根材や工法によってかかる費用が異なるため、相場を知っておくことも大切です。安易に業者に依頼すると必要以上に高い施工費用を支払うことになって、後悔してしまうこともあるからです。
当記事では工場の屋根の葺き替えなどにかかる費用相場を屋根材と工法をふまえて解説します。また依頼する業者の選び方についてもふれていますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
工場に使われる屋根材はおもに2種類
工場の屋根は一般的な家の瓦などとは異なる素材が使われることがほとんどです。その屋根も経年で劣化をするため、定期的なリフォーム工事が必要になります。
とくに工場内は、大切な機械設備を守ったり作業の効率を上げたりするために快適な環境を維持することが大切になります。雨漏りなどが発生すれば機械設備や生産ラインなどに支障をきたすおそれがあるため、トラブルが起きる前に対策しておかなくてはいけません。
ただし屋根材には種類があり、リフォームする工法の違いによって費用が大きく変わるので、補修をご検討されているかたは注意が必要です。まずここでは、工場の屋根に使われている屋根の種類について解説します。
(1)波板スレート
波板スレートは、セメントとロックウール(岩綿)などの繊維を波型に成形した板で、工場や倉庫の屋根または外壁に多く使われています。古い波板スレートに含まれるアスベスト(石綿)が社会問題になっていますが、2004年以降に製造されたものにはほとんど含まれておらず、人体への影響も少ないとされています。
波板スレートのメリットは安価な建材で、耐久性・耐火性・遮音性に優れている点です。気候環境にもよりますが耐用年数は25年以上といわれており、こまめなメンテナンスが不要なのも特徴です。また波板スレートの葺き替えや張り替えは必要経費として処理できるため、税制面で優遇されている点でメンテナンスしやすい建材といえます。
デメリットは、ホコリが付着しやすく汚れやすいため経年で見た目が悪くなってしまうことです。またスレート自体は劣化していなくても、固定する金属のボルトが錆びると雨漏りの原因になってしまうこともあります。
そして、2004年より前に製造された波板スレートにはアスベストが含まれています。このため、葺き替えや補修などをおこなう際には周辺地域への配慮が必要です。
(2)折板屋根(せっぱんやね)
ガルバリウム鋼板などを大きな波形にした折板屋根は、軽くて強度が高いのがメリットの建材です。また屋根の下地である野地板が不要なので、工期が短く費用も安く抑えられるのが特徴です。折板屋根を設置する工法にはハゼ締めや篏合(かんごう)などがあります。強度を高めたり景観を重視したり環境によって選ぶことができ、工法によって費用に幅があります。
ただし金属性のため、夏は高温になりやすく雨音などが生じやすいという点がデメリットです。さらに錆びやすいことから、腐食を防ぐための防錆や防水の対策も必要になるでしょう。
屋根材と工法による費用相場の違い
工場の屋根は、葺き替え以外にも補修やメンテナンスをする工法があります。ほかの工法を選ぶことで費用を安く抑えることもできますが、それぞれにメリットやデメリットもあるので慎重に選ぶことが必要です。また屋根のリフォームは、面積が広くなるほど費用は高くなります。
とくに屋根リフォームを業者に依頼する前には、費用の相場を知っておくことが大切です。費用相場を把握しておかないと、実際の相場よりも高い費用を請求されて結果的に損をしてしまう可能性もあるためです。ここでは屋根リフォームにかかる費用を、屋根材の種類と工法の違いをふまえて見ていきましょう。
(1)塗装工事
塗装工事は屋根の劣化が軽度の場合の補修やメンテナンスとしておこない、工期は屋根の面積にもよりますが5日ほどかかります。何よりリフォーム工事の中でも費用が安いのが特徴です。
基本的には高圧洗浄で汚れを除去したあとに下塗りや中塗り、そして上塗りをして仕上げていくことになります。塗装工事にかかる費用は塗る回数のほか、使用する塗料の種類でも変わってきます。塗料には遮熱や断熱などの機能性をもつものがあり、種類によって耐用年数も大きく異なります。一般的な塗装工事の費用相場は、以下の通りです。
屋根材の種類 | 費用目安(1平米あたり) |
波板スレート | 3,000~1万円前後 |
折版屋根 | 2,000~5,000円前後 |
(2)カバー工法
カバー工法は、既存の屋根に新しい屋根をかぶせる工法です。葺き替えのように既存屋根の撤去や処分に費用がかからないため費用を安く抑えることができることのほか、工期も1~2週間を短いのも特徴です。また屋根が二重になることで、断熱性や防水性などの向上が期待できます。
また古い波板スレートの場合もカバー工法であれば、撤去時にアスベストが飛散することや廃材を発生させることなく屋根のリフォームが可能になるのは大きなメリットです。ただしカバー工法は屋根を重ねることから、屋根が重くなって耐震性が低くなるというデメリットがあります。カバー工法にかかる一般的な費用は以下の通りです。
屋根材の種類 | 費用目安(1平米あたり) |
波板スレート | 5,000~1万2千円前後 |
折版屋根 | 8,000~1万3千円前後 |
(3)葺き替え
葺き替えは既存の屋根を撤去して新しい屋根を設置する工法で、耐用年数を高めることができます。既存屋根の撤去や処分をするため費用が高めになり、工期も2週間~1ヶ月前後と長くなります。
葺き替え工事中は屋根の撤去があるため、生産施設の場合は機械設備を一時的に移動させたり稼働を停止させたりしなくてはいけない場合もあるのです。稼働を止められない場合は、カバー工法を選択することをおすすめします。葺き替えにかかる費用の目安は、以下の通りです。
屋根材の種類 | 費用目安(1平米あたり) |
波板スレート | 1万~2万5千円前後 |
折版屋根 | 1万2千~5万8千円前後 |
屋根材と施工費以外にも費用はかかる
屋根の補修やメンテナンスには屋根材や施工費以外にも、さまざまな費用がかかります。とくに工場の場合は高所での作業となるため、足場の設置や養生のほか高所作業車の使用などで別途費用が発生する場合もあるのです。
また、葺き替えの場合は既存の屋根の撤去や廃材の処分にも費用がかかります。屋根材や施工費以外にかかるおもな費用には、以下のようなものがあげられます。
- 養生の設置:300~400円前後/平米
- 足場の設置:700~800円前後/平米
- 既存屋根の撤去費用:1,500~3,000円前後/平米
- 廃材の処分費用:1,500~2,000円前後/平米
とくに古い波板スレートの場合はアスベストの含有レベルによって、飛散防止対策として養生や散水による湿式作業が原則となっているため費用が高額になります。これらのように屋根の補修やメンテナンスにはさまざまな費用がかかるため、業者に作業を依頼する前には見積りを出してもらうようにしましょう。
信頼できる業者を見極める4つのポイント
屋根の施工業者は選びかたが大切です。万が一手抜き工事などによる施工不良があれば、工場内にある機械設備や商品などがダメージを受け大きな損失につながるおそれがあります。大切な工場の工事を任せるわけですから、信頼できる業者を選びたいものです。ここでは、業者選びに失敗しないためのポイントを4つに分けて解説します。
ポイント(1)料金設定が明瞭であるか
屋根のリフォームは、業者によって料金設定や作業内容が異なります。費用を確認しておかないと、施工後に高額な追加料金を請求されるケースもあるので、作業を依頼する前には必ず見積りを出してもらいましょう。
そして見積りの内訳などすみずみまで目を通して、不明瞭な数字や疑問点があれば業者に確認して施工前に解決することが大切です。また、別途料金が発生するかどうかもしっかりと把握しておきましょう。
ポイント(2)専門的な知識や高い技術力を有しているか
業者に技術力や専門的な知識がない場合は、施工不良によって雨漏りなどが発生するリスクが高まります。業者を見極めるには、ホームページなどに掲載されているこれまでの実績や実際に工事を依頼した人の口コミなどを参考にするとよいでしょう。
また、建築業許可証や国家資格などを保有していることも判断材料のひとつになります。経験豊富でノウハウを習得している業者であれば、安心して工事を任せられるはずです。
ポイント(3)保証期間の長さや内容を確認する
施工後に不備があった場合は、保証期間内であれば費用をかけずに再度施工してもらえることがあります。しかし、保証がない場合は自費で直さなくてはいけません。
このため、契約する前に保証期間の有無や内容について確認しておくようにしましょう。サービスの品質に自信のある業者であれば、長い保証期間や施工後の定期点検などアフターサポートなどを設けています。
ポイント(4)複数の業者を比較すること
依頼先はひとつの業者で安易に決めてしまうと、契約後にサービス内容がよいなどほかの魅力的な業者を知って後悔することにもなりかねません。信頼できる業者を見つけるには、複数の業者を比較して検討することが大切です。
見積りまでは無料でおこなってくれる業者が数多くあります。屋根工事を依頼する業者は、初期費用の安さだけにまどわされずサービスの内容などから総合的に判断して慎重に決めるようにしましょう。
弊社では屋根修理をおこなうプロの業者を数多くご紹介しております。屋根の不具合でお悩みのかたやリフォームをご検討されているかたは、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
工場の屋根は葺き替え以外にも工法があり、それぞれにかかる費用が異なることを知っておくことが大切です。工場に用いられる屋根材は、おもに波板スレートと折板屋根の2種類でそれぞれに特徴が異なります。
また工法には葺き替えのほかに塗装工事やカバー工法があり、メリットやデメリットが異なることから屋根に適したものを選ぶようにしましょう。そして施工依頼する業者は、工場の大切な機械設備などを守るためにも信頼できるところを慎重に選ぶことが重要なポイントです。
弊社では、屋根修理をおこなう業者を数多くご紹介しております。屋根のリフォームをお考えのかたは、ぜひお気軽にご相談ください。
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