年々暑さの増す日本では、建物の断熱性がより重視されています。とくに直射日光を受ける屋根は、熱がこもりやすいため断熱対策が必要です。
そのため屋根の葺き替えをするときには、断熱対策を忘れずしっかりおこないましょう。屋根葺き替えのタイミングでしか施工できない断熱工法もあるからです。
そこでこのコラムでは、屋根の葺き替えで断熱リフォームをおこなう際に、オススメの屋根材や断熱対策、費用について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
家の断熱効果を上げるには2種類の方法がある
部屋の熱気で冷房の効きが悪く感じる場合、屋根から太陽の熱が入り込んでいて涼しさを感じられないのかもしれません。まずは、家の断熱効果を上げるための方法について見ていきましょう。
【1】屋根断熱
屋根断熱は、おもに屋根の内側から断熱材を貼り付ける方法が挙げられます。しかし、それだけでは年々暑さの増す日本においては不十分なこともあるのです。
そこで、屋根の葺き替えやカバー工法などの屋根工事をおこなう際、屋根材の下地に断熱材を敷くことで室内側だけではなく外側からの断熱効果が得られるようになるのです。
ちなみにカバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を載せる工法のため、断熱効果を得られるというメリットがあります。しかしその反面、屋根に重みが増すため耐震性が落ちるといったデメリットももっています。
【2】天井断熱
断熱効果をより高めるには、天井断熱も重要です。天井断熱は、天井の上(屋根裏の床)に断熱材を敷く工法です。断熱材はおもに、グラスウールやセルローズファイバーといった軽量な素材が採用されています。重量のある断熱材を使用すると、屋根や天井に負担がかかってしまうからです。
断熱効果は、部屋により近い天井断熱のほうが高いといえるでしょう。しかし断熱材を敷き詰める際、屋根裏はしっかり換気できる環境を整える必要があります。降雨などで湿度が増すと、断熱材が湿気を帯びて屋根に使われている木材が腐食するおそれがあるからです。
葺き替えやカバー工法で用いられる屋根材の種類
屋根の葺き替えやカバー工法の施工をする際、重要なのは屋根材の種類です。屋根材ごとに葺き替えかカバー工法どちらが向いているのか、断熱効果も含めてお伝えしていきます。
日本瓦
日本瓦は昔ながらの、瓦屋根で用いられている屋根材です。厚みがあるため、屋根材のなかではもっとも断熱性に優れているといえるでしょう。さらに瓦同士にわずかな隙間があるため、通気性にも優れていて結露しづらいです。
しかしその反面、重量があるため既存の屋根材が瓦屋根でない限り、葺き替えをおこなうことは難しく推奨されていません。
スレート
スレートは、天然と人工の2種類があります。天然スレートは、名前のとおり天然の石材が使われており希少性が高く高価なものがほとんどです。人工スレートは、おもにセメントが原材料として使われています。軽量でかつ施工しやすいうえに、カラーバリエーションが多いことから普及率も高いです。
しかし、スレートの断熱効果自体はあまり高くないため、断熱材と併用して施工するのをおすすめします。スレート屋根は、既存の屋根が瓦屋根でも葺き替えで断熱リフォームが可能です。
すでにスレート屋根をお使いの場合はカバー工法もできるため、工事の際は業者とどちらがよいか相談してみるとよいでしょう。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、サビにくい金属でできた屋根材です。丈夫で軽量なため、耐震性能を向上させるためのリフォームで用いられることが多いです。耐久性は高いですが、強風や潮風には弱く、サビることがあります。
断熱性はスレート同様あまり高くないため、葺き替えの際に断熱材の施工も検討しましょう。ガルバリウム鋼板も軽量なため、既存の屋根がスレートや金属屋根のならカバー工法が可能な屋根材となっています。
屋根の葺き替えで断熱リフォームをするにはいくらかかる?
続いては、屋根の葺き替えで断熱リフォームをおこなう際の費用についてご紹介します。天井断熱にかかる費用もお伝えしますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
屋根断熱の費用相場
一般的な葺き替え工事に必要な費用は、約80万~200万円前後です。費用は、屋根材の種類によって変わってきます。さらに、屋根断熱にかかる費用は約20万~60万円前後は見ていきましょう。
カバー工法の場合は既存の屋根を撤去する費用が必要ないため、上記の屋根断熱費用にくわえて約80万~150万円前後となります。カバー工法の場合は、断熱材入りの屋根材を使うことで断熱効果を上げることができます。
天井断熱の費用相場
天井断熱は、お伝えしましたとおり屋根裏に断熱材を敷き詰める工程となるため、スペースが必要となります。費用は使用する断熱材によって変わってきますが、1平方メートルあたり、約2,000円~5,000円となります。
さらに通気性をあげるために換気設備を整える場合は、約5万~15万円かかります。合計して、約20万~30万円を目安としておくとよいでしょう。
屋根のリフォームは業者選びが重要
屋根の葺き替えや断熱リフォームは、前述のとおり決して安くはありません。そのため、ご自身の納得いく条件に合った工事をおこなってくれる業者を選ぶようにしましょう。
最後は、オススメな業者の選び方についてお伝えしていきます。
・実績が分かる
屋根の工事は、ご自宅の状況によって施工の難易度は変わってきます。そのため、より多くの実績を備えた業者なら、より納得のいく工事をおこなってもらえるでしょう。
業者の実績は公式のウェブサイトなどで確認することができるため、施工を依頼する前に確認しておくことをおすすめします。
・見積りの内訳がはっきりしている
工事の費用は、依頼する業者によって異なります。そのため、どこにどういった費用が発生しているか分かるような見積り書を提示してくれる業者を選ぶようにしましょう。細かい費用が書かれていないと、必要以上に支払うことになってしまうかもしれません。
いくつかの業者から見積りをとって比較すると、平均的な費用帯が見えてくるためおすすめです。少しでも気になるところがあれば、積極的に質問して納得できる状態で依頼すれば失敗が少ないのではないでしょうか。
まとめ
今回こちらの記事では、屋根の葺き替えで断熱リフォームをおこなう際のオススメの屋根材や費用についてお伝えしてきました。葺き替え工事と合わせて断熱リフォームをおこなうのもよいですし、費用を抑えるために天井断熱だけおこなうのもよいでしょう。
ただし屋根には耐用年数があるため、劣化が目立つようであればきちんと工事をすることをおすすめします。
弊社では、屋根工事に対応した業者を紹介しています。フリーダイヤルで24時間お電話を受け付けていますので、業者探しや工事でお困りごとがありましたら気軽にご連絡ください。
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