私たちが日常生活を快適に送れるのは、電気やガスなどのインフラが整っているからですよね。でも、突然それらが使えなくなってしてしまったら……?
こうした生活のインフラは普段、当たり前に利用しているだけに、急に使えなくなってしまうと対処に困りますよね。そうしたインフラの中でも、温かいお風呂に入れるのは、給湯器があるからこそです。ぬるいお湯では疲れが取れません。
給湯器は購入して設置してしまえば、長年使えるものと無意識に考えてしまいます。でもやはり設置工事から時間を経ると、給湯器も寿命を迎え、いずれ故障することになります。今回は、そんな給湯器が故障したかもしれない場合、修理業者に頼む前にチェックしておくべきポイントをご紹介します。
目次
給湯器の寿命の目安は?
「ガス給湯器」は都市ガスやプロパンガスを、「石油式給湯器」は灯油を、そして「電気式給湯器」は電気を動力に使ってお湯を沸かします。もちろんこれらすべての給湯器にも設置してから安全に使用できる耐用年数があり、寿命があります。
給湯器の寿命としては、設置してから「10年程度」が目安となります。もう少し長くても15年ほどで、当然のことながら、使用状況や設置場所によって耐用年数はこれよりも短くなったり長くなったりします。
特に給湯器は内部に熱源があるので、機器内の温度差が非常に大きな機器です。こうした温度差が大きい機器で普段からお湯の使用量が多い場合は、給湯器の寿命が早まります。
また、家庭用の給湯器は保守点検されることがほとんどなく、目立った不調が出るまで使い続けられることが常です。賃貸住宅や戸建住宅に限らず、専門業者による保守点検を行うことで、給湯器寿命は伸びる傾向にあります。しかし、いくら定期的な保守点検を行っていても、耐用年数を超えて使用している給湯器は、すでに交換時期に達しているかもしれません。早めの給湯器の交換をおすすめします。
給湯器のよくある故障内容
上記の通り、ガス給湯器や石油式給湯器の寿命は約10年です。でも実際に給湯器の寿命を過ぎるとどのようなトラブルが生じるのでしょう?まずはよくある故障内容を見ていきましょう。
給湯器リモコンの故障
最近の給湯器は、本体は室外に設置されていて、制御を行うリモコンだけ室内に設置してあるケースが増えています。これは給湯器を操作する時には便利なのですが、故障を起こすとリモコンが原因なのか、給湯器本体が原因なのかわかりづらくなります。
しかし機種によってはリモコンにエラーコードが表示されるものもあるので、それを頼りに原因を特定できることもあります。自分で対処できない内容でも、業者に頼むことで効率よく給湯器の修理や交換が行えます。
配管水漏れ
給湯器の故障で、配管の水漏れは致命的です。本来暖められて送られるはずの水が給湯器の内部や給水管の継ぎ目から漏れてしまうので、給湯器がまったく使えなくなってしまうのです。
この配管の水漏れは、給湯器本体がなるべく目立たない場所に取り付けてあることが多く、気づくのが遅れがちになります。水道代の高騰にも繋がるので、放置せずに早めに対処をしておきたいトラブルです。
給水弁の故障
給湯器は、蛇口をひねって水が流れるようになると、自動的に給水弁をコントロールしてお湯を送り出しています。万が一給水弁に故障が起きると、お湯が供給されなくなってしまいます。給湯器の配管内部で起こる故障なので、一般の私たちには原因を突き止めるのが難しいでしょう。
基盤の故障
ガスコンロと異なり、最近の給湯器にはコンピューターによる温度や湯量の制御を行えるものが増えています。そんな給湯器の頭脳である基盤部分が故障すると、正常に作動しなくなってしまいます。
給湯器自体は大丈夫でも、設置されている環境も基盤に影響を与えます。特に雨漏りにより給湯器に水がかかり、基盤がショートして使えなくなることもあり得ることです。
給湯器の故障を知るための4つのサイン
給湯器が故障しているかどうかは、なかなか気づけないものです。そこで続いて、給湯器が故障しているかどうかを簡単に見分けるためのサインをご紹介します。
お湯が出なくなってしまった
お湯が出なくなると、最もわかりやすい故障のサインとなります。もし、普段通りに使用しているのにお湯が出なくなってしまったら、まず確認するべきなのが、以下のポイントです。
1.給湯器のスイッチがOFFになっている
意外と多いので、給湯器のスイッチをまず確認しましょう。
2.灯油(ガス)切れ
石油式給湯器の場合、燃料となる灯油が切れていると動作しません。石油式給湯器は燃料タンクが空っぽになっているのに気づかない場合もあるので、定期的な燃料残量の確認をしておきましょう。
3.ガスのメーターが動作していない
ガス料金の払い忘れがないか確認しましょう。
4.ガス栓が締めたままになっている
ガスの元栓締まっていないか確認してください。
5.寒い季節や地域で、配管が凍結してしまっている
寒冷地の冬に多いです。給湯器を使い終わってから水抜きを忘れないようにすることで防げます。
6.気温差で動作が鈍くなっている
夏場よりも冬場は水の温度が低いので、お湯が温まるまでに時間がかかります。季節によって給湯器の設定温度を変えるようにしましょう。
これらは故障と勘違いしてしまうものですが、チェックをしても給湯器が直らない場合は、速やかに換気をして業者に依頼しましょう。
温度が調整できなくなった時
蛇口からお湯が出ても、高温または低温のままで温度調整ができなくなった場合、確認しておくべきなのが、以下の4つのポイントです。
1.極端な温度設定をしている
最近の給湯器であれば、一定以上の高温になると、故障を防ぐために温度が上がり過ぎないように制御されていることもありますが、設定温度が極端じゃないか一度確認しましょう。
2.使用している場所の「優先」ボタンを押していない
浴室で追い焚きやお湯張りをしていると、キッチンではぬるいお湯しか出なかったり、使用に支障を来すほど水量が少なくなる場合があります。お風呂に入る家族と家事をする家族が同時にお湯を使う場合、よく起こる現象です。
3.給湯器のパイプに汚れが付着している
水の中のミネラル分やお湯に溶け込んだ垢などの汚れ、入浴剤を使うお家ではそれらの成分が配管に付着して温度調整が効かなくなる場合も考えられます。
4.他の部屋で同時にお湯を使用している
2と同じです。
給湯器のコントロール部分の電源が頻繁に切れてしまう場合は、コントロール部分の接触不良の可能性もあるので、まずチェックしてみてください。コントロール部分が正常に動作なら、お湯を利用するキッチンなどで、その都度「優先ボタン」を押していないと、いつまでもぬるいまま温度の変化を感じられないこともあります。
上記のチェック項目を確認してみましょう。
給湯器から水漏れがある時
給湯器の配管や本体から水漏れが起きている場合は、ほぼ間違いなく故障していると考えていいでしょう。以下のチェックを行ってみてください。
1.給湯器寿命である10年以上使い続けている
給湯器の寿命は約10年と言われています。もしも、10年以上使い続けているのであれば内部の部品や配管の経年劣化による故障の可能性が高いでしょう。
2.購入してから短期間で水漏れを起こした
製造時に起こった不備かもしれません。フルオートの給湯器では、配管部分からの水漏れで徐々に水位が減っていくこともあるようなので、そのあたりもチェックポイントです。
3.長期間使用していない
4.水漏れしているのにメーターが動作している
上記のいずれかに当てはまり水漏れしているなら、速やかに業者へ依頼しましょう。
お湯を出すと、給湯器から異音がする
もしお湯を出している時に給湯器から異音した場合、以下のチェックをしてみましょう。
1.ガス給湯器でお湯を出すと、ガスの香りがする
2.ガス給湯器を作動させてすぐ「ボン!」という異音が鳴る
3.お風呂の追い焚きを行った時、「ボコン」という音が鳴り続ける
通常、給湯器というのは、「電気給湯器」「ガス給湯器」どちらの場合でも、ポンプが動作するために音が聞こえる場合があります。そういった場合、「ピー」や「グワングワン」といった音がします。しかし、ガス給湯器で、明らかに小さな爆発音のような音が聞こえた場合、危険な状態であるおそれがあります。
また、水圧の関係でウォーターハンマー現象(水撃作用。急激な水圧の高まりで圧力波が生じて、配管が振動するときに大きな音がする現象のこと)が発生していることもあります。配管に急激な圧力が加わるので、接合部が緩み故障の原因になるので、業者に依頼して水圧を調整してもらうのがいいでしょう。
煙が出ている
ガス給湯器が煙を出している場合、その色や臭いを注意深く観察してみてください。白い煙で無臭なら、ただの水蒸気であることがほとんどです。しかし、黒いすすを含んだような煙や、何かが焦げたような異臭、目に染みる煙であれば、給湯器内部の部品が燃えているおそれがあります。
給湯器の運転をすぐに中止して、給湯器の修理や給湯器の交換について相談しましょう。
瞬間式湯沸かし器の利用にご注意
キッチンの洗い物などに活躍する瞬間式湯沸かし器ですが、お風呂の給湯器と同じく、あまり設置工事からの年数を考えないものです。ご家庭によっては、かなり古い型のものを使わっていることもあるので、安全のためにも給湯器の交換は早めにしておきましょう。
こちらも給湯器の寿命と同じく10年程度をめどに考えておくと、事故の危険性も少なくできます。
業者に依頼するときのポイント
上記でご紹介した、チェックポイントを確認した上で、故障している可能性が高いと判断した場合は、すぐに業者に依頼をしましょう。その時、単に「給湯器が壊れてしまって…。」と伝えるのではなく、下記のような要点を伝えるとスムーズです。
・どこの「部分」が動作しなくなってしまったのか?
・普段使っている状態と、どのような「違い」があるのか
・給湯器を設置してから、どれくらいの「期間」が経過しているのか?
この3つのポイントを伝えるのがおすすめです。業者はこれで、何を点検すべきかが把握でき、原因究明を速やかに行えるようになります。きちんと要点を伝えることによって、大事故が起こってしまう前のサインにも気づくことができるでしょう。
一酸化炭素中毒について
給湯器の故障で怖いのは、一酸化炭素中毒の危険があることです。都市ガスを使う給湯器も、灯油を使う給湯器もどちらもその危険性があります。通常は給湯器に取換えられた安全装置により不完全燃焼が起きると自動で停止されますが、故障により安全装置が壊れると、正働かないことも考えられます。また、給湯器自体が古いタイプだと、安全装置そのものが無い場合もあります。
一酸化炭素には目に見えず、臭いもしません。万が一、不完全燃焼により一酸化炭素が発生すると、気づかない間に中毒症状で命を落とすケースもあります。一酸化炭素中毒のリスクを下げる対策としては、古い給湯器を使い続けず、早めの取換えを行うことです。
また増改築で給湯器の設置場所が変わる場合は、排気ガスが通る煙突が壁で囲まれたりしないように注意してください。不完全燃焼の原因になります。屋内設置型の給湯器と屋外設置方では吸排気方法に違いがありますので、間違うと排気が室内に逆流して一酸化炭素中毒の危険が高まります。
給湯器の交換のときに気をつけておきたいポイント
給湯器の交換時、費用ばかりに気を取られてしまうと、後から給湯器のお湯が出ないと困ってしまうかもしれません。
では、どのような時にそういうことが起きてしまうかを詳しく見ていきましょう。
給湯器の号数が小さい
給湯器の号数とは給湯器の性能を現しています。
数字は給湯器が一定時間に供給できるお湯の量を示していて、16号、20号、のような表記になります。給湯器の号数は、水温プラス25℃の水を1分間に何リットル供給できるかで決められます。
例として、16号の給湯器と24号の給湯器が1分間に供給できるお湯の量を見てみましょう。16号の場合、1分の間に「15℃の水を40℃に暖めて16リットル供給」できます。24号は同じ水温で24リットルで、8リットルの差があります。
大したことがない違いにも見えますが、シャワーが1分間でお湯を流す量は10リットル程度です。そのためこの差8リットルの差は、目に見えるほどの違いとなります。
たとえば一人暮らしのマンションのお部屋なら、お風呂のシャワーを使っている時にキッチンのお湯を出すことはないでしょうから、小さい号数のものでも問題はありません。しかしご両親やお子様など、生活リズムが違うご家族が暮らしている一戸建てでは、より号数の大きな給湯器を選ぶ必要があります。
給湯器の号数が小さいのに、無理にお湯を出し続けると不便なだけでなく、給湯器にかかる負担が大きく、故障につながります。耐用年数が短くなることも考えられるので、もし給湯器交換を検討中であれば、家庭に合った号数のものを取付けるようにしましょう。
業務用と家庭用給湯器の違い
家庭用給湯器も業務用給湯器も、お湯を温める仕組みは同じです。しかし、一度に供給できるお湯の量がまったく異なります。
業務用の給湯器の代わりに家庭用給湯器を使うと、負担が大きくすぐに故障してしまう原因になります。業務用途で使うなら、業務用の給湯器の取り付けを依頼しましょう。
給湯器の工事費について
給湯器の耐用年数を大きく超えているなら、買い替えることも視野に入れなければいけません。そこで気になるのが、給湯器の工事費ではないでしょうか?
給湯器の工事費は、大きく分ければ「給湯器本体の値段」と「給湯器の設置工事費」に分けられます。給湯器の値段はピンからキリまであり、安いものは給湯専用で2万円程度、高いものはフルオートでのお湯張りなどが可能な10万円近いものまで様々です。
また同じ給湯器メーカーでも給湯機能の異なる機種をたくさん出しているので、お湯をどのくらい使うかによって選ぶ必要があります。分からない場合は、業者に最適な給湯器の号数を選んでもらいましょう。
一方、工事費は取換えに対応する業者や、取り付け工事を行う場所などで費用の差があります。いくつかの業者に見積もりを取ってみるのもおすすめです。少しでもお得に給湯器交換工事、もしくは修理ができるようにしましょう。
いざという時はローンも視野に
給湯器が故障するのがいつになるか、それは使っていても検討すらつきません。万が一どうしてもお金が無い時に給湯器が故障し、給湯器の交換が必要になったら……と思うとゾッとします。
そこで考えておきたいのがローンによる給湯器交換です。ローンなら一回に出ていくお金は最小限にできますし、その分今までよりも高性能な給湯器を導入する手助けになります。給湯器交換工事を依頼する業者に、ローンの取扱があるか確認してみましょう。
給湯器のメンテナンスについて
給湯器の耐用年数を伸ばしたり、トラブルリスクを下げるために、定期的なメンテナンスが必要です。しかし専門業者でない素人が、無暗に給湯器を分解したり取り外すのは危険です。
ここでは自分で簡単にできるメンテナンスと、業者に頼むメンテナンスの方法をご紹介します。
自分で給湯器をメンテナンスする方法
・周囲のゴミを片付ける
給湯器の回りにゴミ、特に可燃物が放置されていると、給湯器から出る排気により発火する危険性があります。また、給湯器の給気口などにゴミが引っかかると、不完全燃焼の原因にもなります。給湯器回りはいつもきれいに片づけておきましょう。特に排気・吸気口周りの掃除は入念にしてください。
風呂釜洗浄剤を使う
浴槽内の汚れが配管内に残ると、給水弁などのトラブルに繋がります。また、溜まった汚れに雑菌が繁殖すると、きれいに見えるお風呂のお湯も雑菌だらけで不潔です。市販の風呂釜洗浄剤などを使って、定期的にお掃除しておくことをおすすめします。
最近多い強制循環式の給湯器であれば、お風呂の中に専用の薬剤を投入して、追い焚き運転するだけで簡単にお掃除ができます。
業者に頼むメンテナンス
給湯器寿命は約10年ですから、その間にメンテナンスを受けることが、給湯器の寿命を伸ばすことにもなります。
ガスの電磁弁やファンモーター、点火プラグ、基盤、その他様々な装置が組み合わさって給湯器として動作します。これらのメンテナンス費用は、給湯器トラブルを回避する必要経費だと思って、計画的に受けておくのもおすすめです。
給湯器の交換のほうが安い場合も
給湯器寿命を超えて使い続けることも、メンテナンスをしっかり受け続ければ可能かもしれません。しかし、いずれは補修用部品の在庫がなくなってしまいますし、修理にもお金がかかります。
その場合は給湯器の交換をした方が、結果的に安くなることもあります。新しい給湯器では効率よくでお湯を温める事ができるので、ガス代の節約にもつながります。
給湯器の寿命の考慮して、長い目で見て計算してみましょう。
おわりに
給湯器は毎日使うものなので経年劣化が起きやすいです。たとえ故障していなくとも、何年使用しているかを確認してみましょう。もし給湯器寿命である10年〜15年を超えているのであれば、点火不良や不完全燃焼、給湯温度の不安定などのトラブルが発生することは十分考えられます。
故障や寿命だった場合には、速やかな修理や給湯器の交換工事をご依頼ください。
給湯器修理を依頼できる業者や料金
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