地震が発生したとき、鉄筋コンクリートの建物は倒壊しづらい!と考えている方も多いのではないでしょうか。じつは、鉄筋コンクリートでも、倒壊してしまう危険性は潜んでいます。
このコラムでは、なぜ鉄筋コンクリートが地震で倒壊してしまう原因はなんなのか、さらに地震で倒壊しない強い家ってどんな家なのかなどを解説しています。
地震大国といわれている日本で、地震が来ても倒壊しないためにどうすればいいのかを、このコラムを参考にして、自宅の耐震についてのお役に立てていただければ幸いです。
鉄筋コンクリートの家が倒壊する恐れはあるの?
地震がおこったとき、鉄筋コンクリートでできたビルや自宅は耐火性に優れており、木造と違い燃えづらいため、安心とされています。また、倒壊する危険性がないように思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、鉄筋コンクリートだからという理由で、倒壊しないとは言い切れません。
地震のとき、鉄筋コンクリートが火災になるのは、倒壊した建物の電気やガスからの出火、建物に使われているモルタルなどに周辺からの飛び火が原因と考えられています。そのため、一般的には鉄筋コンクリートは燃えづらいといわれています。
1995年に阪神淡路大震災が発生した際、鉄筋コンクリートでつくられていたビルなどは、いとも簡単に倒壊してしまいました。そのことから、鉄筋コンクリートだからといって倒壊しないということはないのです。しかし、木造と比較すると倒壊リスクは減りますが、倒壊するには、さまざまな原因が考えられます。
たとえば1階が店舗で、その上が居住スペースになっているような建物の場合、住居部分は壁などが多くあります。しかし、店舗部分には、壁が非常に少ないことで、地震の揺れが発生したとき、1階がその揺れに耐えきれず、上階が崩れおちてしまうことが考えられるのです。
鉄筋コンクリートでも地震で倒壊してしまう原因は、これだけではありませんが、建物の構造で地震に耐えられる強い家なのかが変わってきます。
地震に強い家かどうかを判断する要因
自分の家が、地震にどのくらい耐えることができるかを、知っておくことはとても大切なことになります。地震に強い家とはどんな家なのでしょうか。
自宅の外装面であれば、ひび割れなどがないことは重要になります。もし、ひび割れなどがあれば、揺れが起こったときに外壁が剥がれ落ちることにもなるでしょう。
また、基礎は家を支えるための重要な部分となります。ベタ基礎と呼ばれている地面全体を鉄筋コンクリートを覆う工法が耐震性に優れているといわれています。耐震性以外にも湿気が溜まりにくく、害虫対策としても効果的だそうです。
地盤の面では、周辺に川などがなければ強いとされています。川があると、地盤が不安定なことが考えられるため、災害が発生したときには地盤沈下などで家が崩れることもあります。このように、家の構造や周辺環境などから、自宅が地震の揺れに強いのかを判断することが可能です。
自宅の状態によってはそのままにしておくことで、地震がきたときに最悪の場合、倒壊などの危険性があるため、耐震の補強をおこないリスク回避をしましょう。
自宅が鉄筋コンクリートだから地震で倒壊しづらいと考えていても、耐震の補強をしていないと倒壊する可能性は、はるかに高くなってしまうことを忘れないでください。
耐震性を向上させるためにするべきこと
自宅の耐震性を向上させるために、必要なことは耐震診断をおこなうことや、最適な耐震工事を実施することで可能になります。まず、耐震の基準は1981年に改正されたことで、1981年以前の建物に関しては、倒壊の危険性が高いといわれています。
しかし、1981年以降に建てられた建物でも、約8割の現存しているものは、耐震に不安があるといわれています。そのため、ご自宅がいつ頃建てられたものなのか、しっかり確認するようにしましょう。
耐震診断には、簡易診断、一般診断、精密診断の3種類があります。それぞれには、どのような違いがあるのでしょうか。
簡易診断とは、ネット上で家の状態を診断して、耐震工事の必要性を見極めることができるものです。
一般診断とは、建築に知識のある建築士など資格を有している方が、耐震工事の必要性があるのかを見極めてくれます。診断方法は、診断する人が目で見ておこないます。
精密診断は、基本的に耐震工事の必要性がある場合におこなう診断方法です。この診断は、一般診断よりもはるかに高い知識と経験をもった、建築士などがおこなっています。
耐震診断が終わって耐震工事をおこなうとき、鉄筋コンクリートで一般的におこなわれる工事は、コンクリートの積み増しといわれています。この方法は、現存しているコンクリートにさらに鉄筋コンクリートを追加する方法です。
これら方法でおこなうことで、現存の構造環境を変えることなく、耐震性を上げることができます。鉄筋コンクリートだから地震による倒壊の心配はないというわけではないため、必ず耐震診断をおこない、必要なら耐震工事をおこなうようにしましょう。
今すぐできる!家具の転倒防止策
家の耐震工事などができても安心はできません。地震が起きたとき、家のなかの家具などが転倒する危険性が残っています。そのため、家の構造的な部分の耐震ができたら、次は家のなかの耐震をおこないましょう。
家具の転倒などによって、けがをしてしまうことも多いですよね。そのため、ホームセンターなどでは、家具の転倒防止用グッズが販売されているので、是非購入してみてはいかがでしょうか。
賃貸の場合、壁に穴をあけたりすることができないため、家具の支えとして便利なのが突っ張り棒です。家具と天井の間に挟み込むだけで設置ができるため、手軽に転倒対策をおこなうことができます。さらに、地震のときにテレビが滑り落ちることもあるそうです。そのため、滑り防止のための粘着マットなどもあります。
持ち家などで壁穴など自由にできる方は、家具と壁をボルトなどで止めて固定できるものを購入することをおすすめします。鉄筋コンクリートでも地震の倒壊防止措置をおこなって、さらに家のなかの対策ができれば、より安心できるのではないでしょうか。
まとめ
地震が発生したとき、鉄筋コンクリートだと地震で倒壊しないということは、断言できないということでした。しかし、自宅の周辺環境や構造上の問題を耐震診断で解決することで、倒壊のリスクを回避できます。耐震診断は、リフォーム業者や建築事務所、民間団体などさまざまなところがおこなっているので活用しましょう。
さらに、自宅の耐震工事が完了すれば、自宅内の家具などの転倒防止もおこない、安全な状態にしておきましょう。
耐震診断や耐震工事などは、定められた基準でおこなわなければならないため、業者に依頼することをおすすめします。
耐震工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「耐震工事」をご覧ください。
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