地震が発生したとき、どのくらい揺れたのかを知らせるものに、震度というものがあります。そのほかに、震度以外で長周期地震動の階級という被害の大きさをあらわすものがあるのです。
このコラムでは、長周期地震動の階級による被害の大きさや、長周期地震動とはどんなものなのかを解説しています。さらに、長周期地震動への対策法も公開しています。
今後、長周期地震動はいつやってくるかわかりません。長周期地震動が起こることで、想定している以上の被害がでることが大いに考えられます。このコラムを参考にして、是非長周期地震動の対策へ役立ててみてはいかがでしょうか。
目次
長周期地震動には4段階の階級が。それぞれの状況について
長期周期地震動は、地震が発生したとき2秒から20秒という長い周期であり、ゆっくりと大きく揺れる地震のことです。
通常は、地震が発生したときは、震度で表現されることがほとんどです。長周期地震動は揺れている時間が長いため、遠く離れた場所でも揺れを感じることがあります。さらに、遠く離れた場所では、揺れが小さくても高いビルなどでは、揺れが大きくなることがあります。
そのため、震度で表現することがむずかしいので、長周期地震動階級という4つの段階で示されています。長周期地震動は階級によって、人に対する影響、部屋のなかの状況が各階級ごとに、示されているので紹介していきます。
長周期地震動階級1
部屋が揺れていることに気づかない人はいないでしょう。さらに、揺れにびっくりしてしまうくらいの体感です。照明など、部屋にぶら下がっているものは大きく揺れるでしょう。
長周期地震動階級2
揺れがはじまると、何か支えがないと動くことがむずかしくなってしまう状態です。また、タイヤのついている家具などは簡単に左右に動き、本棚のなかの本などは落下してしまう可能性が高いです。
長周期地震動階級3
人はその場で立っていることはむずかしいでしょう。長周期地震動階級2で説明したタイヤがついている家具は、同様に動き、転倒防止措置が施されていない家具は転倒してしまいます。さらに、長周期地震動階級3になると、壁などにヒビがはいる可能性があります。
長周期地震動階級4
人はその場で立っていることは不可能で、動くには床にはいつくばらなければ動くことはできないそうです。タイヤがついているような家具は左右に激しく動き、配置されている家具のほとんどが転倒するでしょう。また、壁などのヒビは、長周期地震動階級3よりもはるかに多くなります。
長周期地震動は、上記のように4つの段階に分けられ、階級によって人やものに与ええる影響が違うのです。
そもそも長周期地震動ってどんな現象なのか
長周期地震動は、ゆっくりと大きな揺れが長い時間続きます。地震が発生したときの揺れが、発生場所から地面を伝わり、遠く離れた場所でも揺れが発生してしまうのです。
長周期地震動は、地震発生場所から離れたビルに揺れが届いたとき、ビルのもっている固有周期と地震の周期が合致したとき、倍増して揺れることです。
では、固有周期とはどんなものなのか、分かりやすく説明すると振り子を想像してください。振り子が左右に振れるとき、何秒かかるかということが固有周期なのです。高い建物の固有周期も振り子と同じ考え方です。
振り子のひもの長さ、その先にあるおもりの重量によって時間がかわるように、高い建物でも左右に揺れる時間は、建物の構造によってかわってくるといわれています。そのため、長周期地震動の階級は建物と地震の揺れによってかわってきます。
長周期地震動ができたのはつい最近。設定されたきっかけとは
地震の大きさをはかるものに、震度というものがあります。じつはこの震度という言葉、1世紀以上前から使われている表現方法なのです。しかし、その時代には高いビルは現在のように存在していませんでした。
高いビルがないことで、震度というものは一般的な住宅に対しての被害として考えられていました。
長周期地震動は、建物と地震の揺れの周期が合致したとき、揺れが増幅してしまいます。これは、高いビルいだからこそ起こりうることで、一戸建ての住宅とでは揺れの大きさが違います。
近年高いビルがとても増えてきました。そして、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の際、東京や大阪で長周期地震動による被害が報告されています。しかし、その被害を報告するときには、表現する方法がありませんでした。
震度では、表現がむずかしいということから、2013年に長周期地震動階級が導入され、高いビルなどの被害は、この階級で表現されることになりました。
長周期地震動に対してできる対策について
長周期地震動は、ゆっくりとした大きな揺れが、長い時間続くことで、その揺れが地面を通して、遠く離れた場所へ到達します。さらに、高いビルでは揺れの周期が合致したときには、とても大きな揺れになってしまいます。
そのため、長周期地震動の階級により、部屋のなかでは椅子などが転がったり、転倒するというさまざまな被害が発生します。長周期地震動は、危険と隣り合わせになっているため、しっかりとした対策を取る必要があります。
長周期地震動への対策として、部屋のなかにある家具には、転倒防止のための金具の取り付けや家具の配置を考える必要があります。家具が転倒したときに、入り口がふさがれては、逃げることもできなくなります。
そのようなリスク回避を考えて、家具の配置などを検討してみてはいかがでしょうか。また、建物自体の対策としては、耐震工事を施すことで地震の揺れに対して、体感する揺れが全く違ってくるはずです。
長周期地震動はいつどこからやってくるかわかりません。そのため、早急に対策を考えて、耐震工事も考えてみることをおすすめします。
まとめ
長周期地震動は、遠く離れた場所で地震が起こったときに地面を伝わりやってきます。そこに高いビルがあったとき、そのビルの揺れの周期と地震の揺れが合致したとき、とてつもない力を発揮し、ビルが揺れ始めます。
長周期地震動の階級が高ければ、立っていることもできない状況になることがあります。さらに、部屋のなかの地震対策を怠っていると、本棚などが転倒して下敷きになることも考えられます。長周期地震動に対する対策方法はこのコラムで紹介させていただきましたので、参考にしてみてください。
さらに、建物自体の対策としては、免震構造を取り入れることで、揺れに対して対策をすることが可能です。もしも、対策を考えている方は、耐震工事をおこなっている業者に相談してみてはいかがでしょうか。
耐震工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「耐震工事」をご覧ください。
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