鉄骨ブレースで耐震性の高い家にしよう!そのメリットとデメリットは

2021.6.3

鉄骨ブレースで耐震性の高い家にしよう!そのメリットとデメリットは

耐震補強を調べていたら鉄骨ブレースを見つけたけどどんなものかわからない人がいるかもしれません。鉄骨ブレースは耐震補強だけでなく、おしゃれなデザインにもなるのです。

鉄骨ブレースを使うとどのような効果が得られるのかを実際の事例とあわせて紹介します。地震に強い建物を建てるために鉄骨ブレースについて知っておくことは重要なので参考にしてみてください。

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鉄骨ブレースを使った工法はどんなものなのか

そもそも建物の耐震性をあげる鉄骨ブレースとはどのようなものかご存知でしょうか。鉄骨ブレースとは、柱や梁でつくられたスペースに対して、斜めに入れる補強材のことです。鉄骨ブレースを入れると、地震が起きたときの横揺れをブレースが引っ張ることで建物が損傷したり、倒壊することを防ぐことができるのです。

鉄骨ブレースは、木造建築で耐震性をあげるために使われている筋交いと役割が似ています。また、S造と呼ばれる鉄骨を使って建設する際にも用いられることが多いそうです。最近では、鉄骨鉄筋コンクリート造にも対応できるようになったため、使用範囲が広がってきています。

実際に鉄骨ブレースが使われる工法は、柱や梁ができたところを計測して、どれくらいの大きさのブレースが必要であるかを把握します。そこからサイズにあわせて鉄骨ブレースを作成したら、周りに型枠にセメントと水を混ぜてつくるモルタルを入れれば鉄骨ブレースの取り付けが完成です。

1か所の工事に約14日かかるため、鉄骨ブレースを設置する場所が多くなれば、工事期間は長くなるでしょう。鉄骨ブレースの形にもさまざまな種類があり、V型、K型、X型が一般的に使われています。V型は鉄骨ブレースの形がVの字であることが特徴で、すっきりとして仕上がりだけでなく、コストも抑えることができるものです。

K型はV型に座屈止めという支柱があるため、鉄骨ブレースを細くできます。しかし、V型よりも複雑であるためコストが必要です。X型のブレースは力を分散しやすいため、耐震性に優れた特徴があります。

鉄骨ブレースで耐震補強をする場合のメリットとデメリット

耐震補強するときに鉄骨ブレースを使うとさまざまなメリットやデメリットがあるのです。メリットとデメリットを押さえて自分が補強したい建物に適しているか考えるとよいかもしれません。

鉄骨ブレースを使うメリットは、取り付けがしやすいことと柱や梁の構造などのデザインにあわせた取り付けができることです。一般的な鉄骨造や鉄筋コンクリート造の構造をつくってから取り付けるだけであるため、工場で取り付けても現地で取り付けても手間や工数が少なくてすみます。

また、デザインにこだわった建物に取り付けても目立たないようにすることもできます。さらに建物の中から見ると柱や梁などに鉄骨ブレースの形が表れづらいいため、自由に家具を配置して快適に過ごすことができるでしょう。

鉄骨ブレースを用いるデメリットは、材料が鉄骨であるため、外に出ているものはさびやすくなります。ブレースがさびないようなメンテナンスや防水処理をする必要があるのです。さらに、音は響きやすいといった特徴があるので覚えておくとよいかもしれません。

鉄骨ブレースで耐震補強をした実際の事例

実際に鉄骨ブレースを用いて耐震補強をしている建物はどのようなものか事例ごとに紹介します。使っているブレースによって形も異なるので、押さえておきましょう。

【X型鉄骨ブレース】
X型鉄骨ブレース

一般的に使われていることが多い鉄骨ブレースです。ブレースの形はX型であるため、耐震性が高いものになっています。

【K型鉄骨ブレース:座屈止めあり】
K型鉄骨ブレース:座屈止めあり

こちらの鉄骨ブレースは座屈止めがあるため、細い鋼材を使用することができます。狭い梁幅でも取り付けが可能なため、古い基準で建てられた建物にも対応できます。

【V型鉄骨ブレース】
V型鉄骨ブレース

V型の鉄骨ブレースはこちらになります。建物の多くの面にブレースが取り付けられているので、耐震性が高められている建物です。

【K型鉄骨ブレース:ドア開口あり】
K型鉄骨ブレース_ドア開口あり

このタイプの鉄骨ブレースは、中央の下部に鉄骨がないものです。鉄骨がないところにドアを設置できるものになります。

【K型鉄骨ブレース:座屈止めなし】
K型鉄骨ブレース:座屈止めなし

内部に鉄骨ブレースを設置してひとつのデザインになっている例です。鉄骨ブレースの前にガラスで仕切ることでおしゃれを感じるものになっています。

耐震補強工事を検討しているのならまずは耐震診断から

建物の耐震性をあげるために鉄骨ブレースを使って耐震補強工事をしたいと考えている人は、最初に耐震診断を受けることをおすすめします。耐震診断とは建物の設計図や実際の建物を調査して、どれくらいの耐震性があるか評価するものです。

耐震診断を受けるとどこの場所が地震に弱いのかを知るだけでなく、どのような補強をしたらよいかも知ることができます。さらに、補強工事をしたときの大まかな費用も知ることができるのです。

耐震診断の費用は建物の床面積に応じて変わりますが、自治体によっては費用を一部負担してくれるところや無料で診断を受けることができるところがあります。住んでいる自治体のウェブサイトを確認するか、問い合わせるとよいでしょう。

建物の耐震補強をしたほうがよいという診断を受けた場合には、業者に耐震工事の依頼することをおすすめします。いつくるかわからない地震に備えて早めの対策をおこなうことが大切です。

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まとめ

耐震性を高めるひとつの工法として鉄骨ブレースを用いることがあります。鉄骨ブレースとは、柱や梁などの構造のスペースに斜めに鉄骨を入れることで、横揺れの地震に強くなるのです。

鉄骨ブレースを入れるメリットは、取り付けがしやすいことや柱や梁などの建物のデザインにあわせて使えるものになります。対してデメリットは、鉄骨ブレースがさびやすいことや音が響きやすいことです。

耐震補強工事をしたいと考えている人は、耐震診断を受けてどこを補強工事したらよいか知ってから耐震工事の依頼をすることをおすすめします。

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