日本は世界的にも有名な、地震大国です。そのため、日本の建築法には、耐震対策をすることや、その方法などが定められています。比較的近年に建てられた建物であれば、その耐震性はある程度確証されているといっても過言ではありません。
しかし、なかには築年数が長い建物も多くありますよね。昔からの一軒家が立ち並ぶ地域では、築30年以上の家屋がほとんどだという場合もあります。築年数が30年前や40年前、またはそれ以上の場合、耐震対策がまったくされないまま建てられている可能性があります。
かつては木造やコンクリートの骨組みに、鉄筋が一切使われなかったりもしたようです。そのような建物は、耐震性というよりも、経年劣化で倒壊してしまう可能性もはらんでいます。
ご自宅の耐震性を調べる際には、is値というものを知っておくと便利です。耐震診断にはis値が欠かせません。この耐震性のis値についてご紹介するとともに、耐震について知っていきましょう。
耐震性はis値で決まる?
耐震性を調べるために、どのような基準でみられるのか、ご存知ですか?実際に地震が起きたときに調べるという訳にもいきません。また、どのようにその強度を調べるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
耐震性は、実験で揺れを経験させて測るわけではありません。式によってその数値をだします。そんな耐震性を示す値として用いられるのが、is値です。あまり聞きなじみがありませんが、建築業界ではよく知られた値で、is値で耐震性がどれほどか判断します。
is値とは、構造耐震指標のことを指します。この値は、地震の揺れにその建物がどれだけ変形などをしながら耐えられるかを考えて、算出されます。マンションやアパートの場合は、各階ごとに割りだされます。
is値を出すにあたって考慮されるのは、その建物もともとがもつ耐震性や建物の形状、さらには築年数です。これらを組み合わせて、is値を算出します。
このように、その建物の条件によって算出されるため、すでに建っている建物に関してもその耐震性をis値で図ることができるのです。
耐震性はis値が「0.6」以上あるとよい
is値が耐震性を数字で表すことはわかりましたが、どのような値であれば安全だといえるのでしょうか。このis値が示す耐震性は、国土交通省によって定められています。is値を算出し、0.6以上であれば安全だとされています。つまり、is値が0.6以上であった場合は、震度6以上の大地震にも耐え抜く可能性が高いと判断されます。
一方、is値が0.3以上0.6未満である場合、震度6以上の大地震では倒壊する可能性があるとされています。さらに、is値が0.3未満である場合は、大地震で倒壊する可能性が高いと判断されるのです。耐震性をis値で測る際には、0.6という数字がボーダーラインとされています。0.6よりも高ければ高いほど、耐震性は高いことになります。
実際これまでに、is値が0.6に満たない建物は、大地震が起きた際に多くが倒壊、または一部崩壊したというデータもあるようです。一方で、is値が0.6を満たしている建物は、少々の建物の崩れは見られたものの、その多くが崩れたり倒壊したりということはなかったといいます。
ここから、is値はほぼ確実に地震による被害を数値で示してくれるといえるのです。耐震性を知っておくことは、地震対策をする上で非常に重要なポイントになります。建物を建てるときだけでなく、耐震判断をする際にもis値は重要になります。
is値のほかにも重要な指標がある
建物の耐震性を測る値は、is値のほかにも、さまざまな方法、さまざまな指標によって耐震性を測ります。is値は耐震性能を測るうえで最もよく知られている指標ではありますが、さまざまな指標と合わせて耐震性を考慮することで、よりその正確性が増します。
CT・SD値
CTは累積強度指標、SDは形状指標のことを指します。これらの値は、is値を算出する際にも使われ、is値との関係性も強いといえます。このCT値とSD値は積によってひとつの値として使われます。
木造の建築物に使われるケースは少なく、主には鉄筋コンクリートの建物の耐震強度を測る際に使われます。また、CT値とSD値の積のみではなく、この数値に加えてis値の結果も含めて耐震性を測るケースがほとんどです。
CT値×SD値が、1.25以上であれば、is値が0.6未満であっても、その建物は安全だと判断されます。CT値×SD値が0.3以上で1.25未満である場合は、is値が0.6以上であれば安全だと判断されます。
仮にCT値×SD値が0.3以上で1.25未満で、is値が0.6に満たなかった場合は、大地震発生時に崩壊、または倒壊の可能性があると判断されます。
CT値×SD値が0.3に満たなかった場合は、大地震による崩壊、倒壊の可能性が高いとされます。仮にis値が0.6以上であっても、CT値×SD値が0.3未満であれば危険だと判断されてしまいます。
is値の算出にはCT値、SD値も使われるため、大きくその結果が異なることはありませんが、両方の数値を加味して、その建物の耐震性を判断します。
q値
耐震性を測るために使われる数値として、q値も挙げられます。保有水平耐力に係る指標で、建物に対して水平方向に働く力に対して、どれほど耐えることができるかを示した指標なのです。建物に水平方向に働く力として、地震や風が挙げられます。
CT値×SD値が鉄筋コンクリートの建物に適用されるのに対し、このq値は、鉄骨で作られた建物の耐震性を測る際に使われることが多いといいます。
q値のボーダーラインとされるのは、0.5です。q値が0.5に満たなかった場合、is値が0.6以上であっても、耐震性に欠けると判断されます。そのため、q値が0.5未満の場合は、なんらかの補強をする必要があります。
このように、ほかの指標を使って耐震性を測る際にも、is値は大きく影響します。さらにほかの数値を使うことで、is値だけではわからない強度も測ることができるため、いくつかを組み合わせて耐震性を算出するのが正確性が上がります。
耐震診断でis値を把握しよう
耐震診断でどのような値を使って耐震性を測るのか見てきました。耐震診断に使われるis値は、その建物のもともとの耐震性やその建物の形、築年数などさまざまな条件を考慮して割りだされます。
しかし、この値をだすのはよほどの知識がないと難しいことです。ご自宅の耐震性はどれほどなのか、もし基準に満たなければ耐震補強をしたいとお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方々におすすめなのが、業者に依頼して耐震診断をしてもらうことです。正確なis値を算出してもらい、その数値が0.6以上あれば安心できますね。その値について少しでも知っておくことで、耐震診断の結果からの対策がスムーズに進むかもしれません。
耐震診断にはis値が欠かせません。ご自宅の耐震について不安な方は、一度耐震診断でis値を出してもらいましょう。耐震診断の結果を知ることで、家だけでなく地震に対する対策も行うことができるでしょう。
まとめ
耐震性を測るためには、主にis値というものが使われます。この値は、その建物のもともとの耐震性や建物の形状、築年数を考慮して算出される値で、過去の大地震での倒壊条件をみてもその正確性が立証されています。
そんなis値は、よほどその道に詳しくないと正しく算出することは難しいとされています。そのため、耐震診断でis値を調べてもらうことをおすすめします。ご自宅の耐震性がどれほどなのかを知っておくことは、地震対策をするうえで非常に大切なことです。
せっかくの家が大地震によって倒壊するのは、避けたいですよね。もしその強度に問題があるのならば、大地震が発生する前に補強しておく必要があります。大切な家を守るためにも、耐震診断することをおすすめします。
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