近年では多くの地震の発生から、家の耐震性について見直しされるかたが多くなってきました。耐震性を高める方法としては、制震・免震・耐震という方法があります。ここでは、コストや耐震性を含めて、耐震と免震の中間である「制震」に注目してみましょう。
制震には、「制震ダンパー」を使って耐震性を高める方法があります。実際家に取り付けると、いくら位の費用がかかり、効果を発揮するのでしょうか?このコラムでは制震ダンパーの費用や種類、メンテナンスについても解説します。
目次
制震ダンパーを使ったリフォームをした場合にかかる費用の目安
もともと「制震」は、地震による揺れを吸収し、揺れによって生じた力を他の力に変えることです。その中でも制震ダンパーは、弾力のなるゴムや粘性のあるオイルなどを利用して、地震の揺れによって建物に加わる力をまんべんなく散らす役割を担っています。
制震ダンパーを家に取り付けることで、地震の揺れを軽減し、倒壊を防止してくれます。では、この制震ダンパーの設置費用はどれくらいかかるのでしょうか。
既存の家にリフォーム工事として、制震ダンパーを取り付ける場合、6~8か所に設置する必要があります。6~8か所に制震ダンパーを取り付けた場合には、約100万円の工事費用がかかるでしょう。これは、壁の補強など部分的に補強工事をおこなうより安い金額であることが多いです。
制震ダンパーを使った地震対策のメリットとデメリット
制震ダンパーを使用したときにどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。制震ダンパーを取り付けることで耐震性が上がるのはもちろんのことですが、繰返して起こる地震に対して効果を発揮するのが、この制震ダンパーです。
制震ダンパーのメリット
地震によっては、長い時間揺れが続き、何度も横に揺れてしまう場合があります。制震ダンパーはこの長時間続く横揺れに強く、揺れるたびにダンパーを伸縮させ、地震の力を吸収してくれます。そのため、建物に加わる力を抑え、倒壊防止へつながります。
また耐震工事の中で、制震ダンパーは安い費用で設置できるのもメリットの1つといえるでしょう。反対に地震の中には一気に強い揺れがきて、短時間に大きく揺れる強い地震があります。このような地震が起こったとき、制震ダンパーは充分に効果を発揮しきれません。
制震ダンパーのデメリット
制震ダンパーは吸収できる力には限りがあり、それ以上加わった力は吸収することができないものもあります。何度も地震の被害を受けた制震ダンパーはメンテナンスしておく必要があるかもしれません。
制震ダンパーにも種類がある。値段と性能の比較
制震ダンパーの中には大きく分けて3つの種類があります。その種類は鋼材ダンパー、オイルダンパー、粘弾性ダンパーされています。それぞれの性能や制震ダンパーの費用についてみていきましょう。
鋼材ダンパー
鋼材ダンパーとは、材料源としてさまざまな金属を使用したダンパーのことをいいます。金属に力が加わったときに、ある程度の力が加わると金属が容易に変形するようになります。この特徴を活用して、地震による振動で起こったエネルギーを熱エネルギーに変換するしくみになっています。
他のダンパーに比べてとコストも安く、メンテナンスも特に必要ないことがこの鋼材ダンパーの魅力です。しかし、金属が吸収できるエネルギーには限界があり、それを超えると破損してしまいます。また、金属はある程度の力で変形されると、変形したまま形が戻らなくなり、加わった力が蓄積されるのです。
そうなれば、力がたまりすぎて、破損も考えられます。また、少しの力では変形しないでもとの形に戻ることから、小さな揺れには対応できないことも多いのです。
オイルダンパー
オイルダンパーは、筒状につくられており、中にはオイルが入っています。そのオイルがダンパーに開けられた穴を通り、揺れによる力を吸収していくのです。オイルダンパーはさまざまな穴の形状やオイルが通る速さの調節によって、小さな揺れから大きな揺れにまで対応できます。そのため、普段の生活の中でも揺れを感じにくい構造になっています。
しかし、構造の複雑さから高価なものが多いです。また、小さな揺れのエネルギーの吸収力は粘性ダンパーに比べると劣ります。さらに経年劣化すれば、オイル漏れするおそれもあるので定期的なメンテナンスをおこなう必要があるでしょう。
粘弾性ダンパー
粘弾性ダンパーは、鋼材ダンパーのような変形による揺れの吸収と、オイルダンパーのようなダンパーの動きの速度による揺れの吸収を持ち合わせたダンパーです。種類も豊富で、さまざまな素材を使用してつくられています。
両方の性能を持ち合わせていながらも、その効果はまだまだ研究段階といえるでしょう。その価格は安く、ケーブルの揺れ防止などにも使用されています。ゴムが使用されているものに関しては温度の影響を受けやすいため、寒い環境で硬くなり、揺れによるエネルギーの吸収量は小さくなってしまう欠点があります。
このように3種類のダンパーをご紹介しましたが、それぞれの制震ダンパーは鋼材ダンパー、粘弾性ダンパー、オイルダンパーの順で価格は高くなります。ただ、値段が高いものはそのぶん効果も高まるといえるでしょう。
制震ダンパーを設置した場合のメンテナンスについて
最近の制震ダンパーでは、メンテナンスフリーのものが多く使用されています。しかし、そうでない制震ダンパーは、定期的にメンテナンスした方がいいとされています。特にオイルダンパーは長く使用していると劣化し、オイル漏れしてしまうおそれがあります。オイル漏れすれば、地震の揺れに対するエネルギーの吸収力も低下し、十分にダンパーの効果を発揮することができません。
ただし、メンテナンスが必要なものもそうでないものも、大きな地震が発生した後は1度点検してみるようにしましょう。その際、制震ダンパーのメンテナンスはなかなか素人では難しいので、メンテナンスは業者に依頼して、正確に点検してもらうことをおすすめします。
まとめ
大きな地震に備えるためには、制震ダンパーも大きな効果を発揮します。また、壁などの補強工事よりも比較的低価格でおこなえるのも魅力です。しかし、制震ダンパーの費用はさまざまで、吸収できる力には限りがあり、求める性能によって選ぶものは違ってきます。あなたの家に合った制震ダンパーを選びましょう。
また、制震ダンパーのメンテナンスも定期的におこなうとよいでしょう。メンテナンスフリーのものもありますが、大地震が発生した後は点検しておくと無難です。この点検が次の地震から守るための安全性の保障にもつながります。制震ダンパーをうまく使って、耐震性の高い家にしていきましょう。
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