
みなさんの住んでいる家の築年数は、どのくらいですか?50年以上経っているならば、その家は古民家といえます。家が長く存在していることはとても素晴らしいことですが、古い家は地震が起きても倒壊しないかが心配ですよね。しかしその不安は、耐震基準を確認することで、解消することができるかもしれません。
耐震基準を確認すると、補強工事が必要であるかどうかを見極めることもできるのです。そこでこのコラムでは、耐震基準について解説します。古民家の耐震性について興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。
目次
古い家は地震に弱い?耐震基準について
現在の建物は、建築基準法の中にある耐震基準の項目をもとに作られています。しかし、耐震基準は幾度か改正されているため、古民家のように歴史がある建物は今の法律に適していないことがあるのです。
現在の法律に適しているかを見るためには、古民家の耐震性を見直す必要があります。今の耐震基準は、震度7以上の地震でも倒壊しない建物であることが条件となっています。この耐震基準の項目に当てはまっていない場合、耐震性が極めて低いことを意味しているのです。
耐震基準は、1924年にはじめて建築物法に追加された項目です。制定当時は、世界的に見ても事例がない、家屋に対する耐震性を定めたものとして注目されました。1950年を期限に新建築基準へと生まれ変わりました。
しかし、新建築基準が制定されてから50年近く経った今でも、従来の建築基準のままである建物は数多くあります。そのため、劣化が進んだ家や従来の耐震基準に沿って建てられた古い家は、地震が来ても倒壊しないかを確かめる必要がでてきたのです。
こんな場合は補強工事!危険な住宅サイン
耐震性が低い建物には、危険サインが見られます。この危険サインは、建築知識がない人でも簡単に見極めることができるのです。では、具体的にどんなサインがあるのでしょうか。
・壁に亀裂が入っているとき
建物に置いて壁は、耐震性を強化するための重要な役割を持っています。そのため、壁に亀裂が入っていると強度が落ちてしまうのです。この場合、耐震工事をおこない修復する必要があります。
・床がきしむなどの劣化があるとき
日常で激しい床のきしみを感じるようになると、劣化しているサインかもしれません。木造の場合、シロアリなどが原因で床が抜けてしまうこともあります。
・天井から雨漏りしてくるとき
雨漏りは、屋根に亀裂が入るなどして起こる被害です。屋根に亀裂が入っている場合、屋根を修復する必要があります。災害対策として同時に、屋根の強化をしておくことがおすすめです。
・柱にひびが入っているとき
建物の基礎部分ともいえる柱にひびが入っていると、家屋のバランスが悪くなり家が倒壊してしまう危険性があります。柱のひびを確認したら、なるべく早めに業者に依頼しましょう。
・建物の傾きを感じるとき
引き戸があまりにも重たい場合は、建物の傾きが原因かもしれません。建物が傾いている、重心が定まっていないため、耐震性がかなり低い状態になっています。
上記の心当たりがある古い家は、地震に弱い可能性があります。そのため、耐震補強工事をする必要があるかもしれません。
今すぐできる!命を守る地震対策
災害対策は、家の大規模な耐震性を高めるだけではなく、家具などの配置や固定に力を入れることも古い家での地震対策には大切です。固定されていない家具は、地震の際に倒れたりしてしまう原因になりかねません。
また、家屋においてバランスは耐震性を高めるためのポイントでもあります。そのため、1階よりも2階の方が建物の重さが重い場合、バランスを崩し倒壊してしまう危険性がでてくるのです。
そのため、なるべく2階の重量が重くならないよう重さのある家具は、1階に置いておきましょう。ほかにも、避難するために使う通路には割れ物を置くと災害時に割れ物が割れてしまうことがあります。なるべく通路には、割れ物を置かないようにしておきましょう。
災害時には、物資などが不足したりするため、普段と同じような生活をすることができないのです。地震対策は家や家具以外にも、生活するための非常食や水などの食料もあらかじめ用意しておく必要があります。たとえば、食料であればカップ麺などの日持ちがするものを常備しておくことをおすすめします。
また、停電をすると寒さをしのいだり、灯りをつけたりすることができなくなってしまうことも考えられるのです。毛布やライトなどといった日用品も災害時には必要になります。
住宅だけじゃない!ブロック塀にも要注意
ここまで、古い家の地震対策について紹介しましたが、危険な箇所は家の中だけではありません。家の外にも危険は潜んでいるのです。家を囲っている「ブロック塀」も耐震性を確認しておいた方がいい場所といわれています。
一見家の外であるため、関係ないようにも思えますが、ブロック塀が倒壊してしまうとケガのおそれは十分に考えられます。
業者に依頼すれば、劣化が進んだブロック塀の補強工事をしてもらうこともできます。命はお金で買えないため、この際に、ブロック塀の耐震性も確認しておいてはいかがでしょうか。
大地震発生!在宅時の避難方法
家の中にいて「ガタガタッ」と大きな地震が来た場合、どこに逃げればいいのでしょうか。災害時にどこの部屋にいるかで、安全か一時的に身を守る方法が少し違います。古い家の中で地震にあってもいいように、より安全な避難場所と避難方法を確認しておきましょう。
・1階にいる場合
災害時に1階にいた場合、出口を確保し動けるタイミングで外に避難するようにしましょう。建物が倒壊した場合、1階部分がつぶされてしまうおそれがあるため、慌てず冷静に行動することがポイントです。
・2階にいる場合
揺れを感じたときに2階にいた場合は、慌てて1階に下りないようにしましょう。慌てて1階に移動してしまうと、階段から落ちたりしてケガをしてしまう危険性が高くなります。また、1階は建物が倒壊した場合、下敷きになってしまうことが考えられるのです。まずは冷静に、身の安全を守り、揺れが治まったら出口を確保することが重要です。
・お風呂や洗面所等にいた場合
電球や鏡が割れる危険性があるため、まずはお風呂のふたなど身近なもので頭を守りましょう。またお風呂やトイレなど閉鎖されている空間にいるときは、すぐに扉を開ける必要があります。地震の影響で柱がゆがんでしまい、ドアが開かなくなるおそれがあります。
強い揺れを感じると、人はどうしても冷静さを保つことができなくなります。しかし、深く深呼吸をし、冷静に対応することこそがとても重要になるのです。
まとめ
建築物における技術が進歩してきた現代では、古い家は地震に弱いと思う方がほとんどかもしれませんが、実はそうではありません。古くからある建物であればあるほど、耐震性に優れているかもしれないのです。
しかし、壁や床などの劣化が目に見えてわかるようになってきた場合、耐震工事が必要になのかもしれません。早めに老朽化したところを修復して、身の安全を確保しておきましょう。
また、建物以外に部屋にある棚を固定したり、屋外にあるブロック塀の点検をしたりすることも災害対策には必要なことです。家を点検して不安な箇所がある場合は、業者に相談することをおすすめします。
耐震工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「耐震工事」をご覧ください。