家族となった愛犬も、死ぬときは必ずやってきます。病気などで突然亡くなってしまうことはありますが、できれば一緒に過ごした愛犬の最期は看取ってあげたいものですよね。犬に死期がせまっているときには、行動の変化などさまざま予兆があらわれることがあります。
犬が死ぬ前に見せる行動や兆候に気づいてあげることができれば、命があるときだからこそ愛犬が最後を迎える前にできることがあります。また、後悔なく送り出す準備をすることもできるでしょう。こちらのコラムでは、犬に最期が近づくと見せる症状や最期にしてあげられることなどについて解説します。
目次
犬の寿命は約10~15年
犬の寿命は、人間に比べると犬の寿命は、人間に比べると約10年~15年と短いものです。しかし、犬の種類や大きさ、個体差によって犬の寿命は異なります。たとえば、ゴールデンレトリバーなどの大型犬はおよそ10~12歳、チワワなどの小型犬は15歳くらいといわれています。
また、人間と同じように、犬の場合も日々の健康管理によって寿命は変わってきます。 少しでも長く愛犬と一緒に過ごすためには、適度な運動やバランスのとれた食事をするようにしたいものです。
犬が死ぬ前にみせる行動や兆候
犬は死ぬ前には、さまざまな特徴的な行動、兆候がみられることがあります。
ごはんを食べなくなる
犬が老衰や病気で身体がだるくなり、食欲が落ち、最終的にはごはんを食べられなくなることがあります。そもそも多くのエネルギーを使用する食事は、体力がなくなると食べることすらできなくなるのです。
このような症状が確認できた場合には、ドッグフードに水分を加えたものや市販の流動食などをスプーンや注射器を使って与えるといいでしょう。また流動食を与える場合は、食道に食べ物を詰まらせないよう頭を高くした状態にしておくことも覚えておいてください。また、飲み込めているか確認しながら、少しずつ与えるということもポイントになります。
寝ていることが多くなる
犬の体が弱ってくると、寝ていることが多くなります。とくに老犬は若い犬に比べて睡眠時間が長くなるものです。しかし、急に寝ている時間が増えたという場合は注意が必要です。声をかけても寄ってこない、あるいは好きだった散歩を急に嫌がるようになった場合は、病気になっている可能性があり、場合によっては寝たきりになってしまうこともあります。
とくに大型犬になると、1日中ぐったりして動かない状態が続くと床ずれがおきやすくなります。床ずれを防ぐには、体勢を変えてあげたり、タオルや市販の介護用マットなどを敷いてあげたりするといいでしょう。
体温が下がる
犬の体温は人間よりも高く38~39℃が平均とされていますが、体内の代謝が下がると体温を維持することができなくなります。亡くなる直前には、私たち人間よりも体温が下がって温もりが失われていくのです。
この場合は、毛布や湯たんぽなどで温めてあげましょう。とくに首やわきの下、太ももの内側などに太い血管が集中しているため、身体全体が効率よく温まりやすくなります。
下痢や嘔吐をするようになる
犬の体が弱ってくると神経系が調整できなくなることで、思うように筋肉の制御が難しくなります。食欲が落ち、固形のドッグフードなどが食べられなくなると、便が下痢になりやすくなります。その便が肛門から漏れることがあるほか、嘔吐することもあります。もし下痢や嘔吐で汚れてしまった場合は、きれいに拭いてあげましょう。
痙攣(けいれん)をするようになる
犬の亡くなるタイミングが近くなってくると、少し触っただけでも過剰に反応したり痙攣を起こしたりすることがあります。このとき、飼い主からみると愛犬が苦しそうにみえるため、不安におちいってしまうことも多いかと思います。
もし痙攣がおこったらあわてず、無理に持ち上げたり、押さえつけたりしないことが大切です。また頭や体をぶつけることがないよう、周りに柔らかい素材のものを置いておくといいでしょう。
呼吸が不規則になる
犬の呼吸にも注意が必要です。犬が死ぬ前には浅い呼吸や深く速い呼吸など不規則になることがあり、場合によっては短期間の呼吸停止がおきることもあるのです。とくに死ぬ間際は、苦しそうに息をすることがあります。
犬が亡くなる前にできること
愛犬が亡くなったとき後悔がないようにするためには、看取り方を考えておく、ということが大切です。方法は主に2種類ありますが、どちらが正しい、ということは決してありません。自分の気持ちと相談して、納得のいく方を選びましょう。
家で看取る
最期は、馴れ親しんだ我が家で……と考えるならば、家で看取るのがよいでしょう。そのためには、自宅で愛犬を安置できるよう準備が必要となります。亡くなった愛犬を納める棺、遺体が傷まないよう保護できる保冷剤やドライアイスなどを準備しておくとよいでしょう。
病院で看取る
動物病院に入院すれば、すぐに医者が対応でき、適切な蘇生・延命処置などをしてもらえます。突然の事態でも医者が冷静に対処してくれますし、点滴などをしてもらうほうが犬にとっては楽かもしれません。いよいよ最期となったら、そのまま病院で看取ることもできます。しかし、病院だと突然の容態急変で最期が看取れない可能性もあります。
スキンシップや一緒に過ごす時間も大切
愛犬にとって大好きな飼い主や家族と過ごすのは、幸せな時間になるはずです。スキンシップをとることは安心感を与えられますし、飼い主と過ごせる時間が増えれば愛犬もきっと喜ぶでしょう。
犬が亡くなった後のことも考えておこう
愛犬が亡くなったショックから、どうしたらいいのかわからない……と落ち込んでしまう方も少なくありません。しかし愛犬が亡くなった後も飼い主は、愛犬のためにできることやすべきことがあります。
死亡届を提出する
犬は狂犬病予防接種が義務づけられています。そのため、死亡届を出し忘れると、犬が亡くなった後も予防接種案内が届いてしまいます。
予防接種の案内がきているのに、予防接種をおこなわないと「狂犬病予防法」により罰金を科せられる場合があります。葬儀と同時に犬の場合は、役所へ30日以内に「死亡届」の提出が義務づけられているため、確実に提出できるようにしましょう。
葬儀・埋葬の準備をする
ペットが多様化した近年は、葬儀や埋葬方法にもさまざまな種類があります。事前にどのように弔ってあげるかを考えておくと、心の整理もつきやすくなるでしょう。
1.庭に埋葬する
自宅に庭がある場合は、庭に埋葬することもできます。長いときを過ごした場所に埋める、というのはやはり死後も身近に感じられることから、この方法を選択したい方も多いでしょう。ただし、庭に埋葬する際には以下のような点に注意しておかなければなりません。
- 白骨化までには時間がかかる
- 悪臭や病原菌のリスク
- 野生の動物などに掘り返されてしまうことも
とくに犬のようなサイズのある動物の場合、土に還るまでには時間がかかることが多いです。臭いなどのリスクを最小限にするためにも、土葬をする場合は
- 最低でも1メートル以上掘る
- 埋める際は、高めに土を盛っておく
- 土に還る素材(絹など)のタオルでくるんでおく
などの工夫をすることが、必須となります。また石灰をかけておくと有機物が分解されやすくなり、土にも還りやすくなるでしょう。
※自宅に庭がない場合は、公園などに埋葬しようと思うかもしれません。しかし、いくら思い出の場所とはいえ、公共の場所や他人の私有地に遺体を埋めることは法律で禁止されています。
2.行政に依頼する
場合によっては数百円など、安価に火葬できる点が特徴のこの方法。ですが、自治体によっては一般廃棄物と同様に遺体の焼却をおこなうこともあります。
返骨してくれる自治体は少なく、埋葬をしてくれる場合も合同の動物霊園であることが多いです。中には例外もありますが、このように亡くなった後の自由度がやや低い点には注意が必要といえます。行政に依頼することを検討されているかたは、一度どのような対応をしてくれるか事前に確認しておきましょう。
3.訪問・出張火葬業者に依頼する
依頼後に火葬炉がついている移動火葬車が訪れ、それで火葬をおこないます。愛犬の遺体を、立地やサイズの問題で持ちだせないという方はこの方法がおすすめです。多くの場合は返骨をしてくれますが、これは業者によっても異なります。また、思い出の場所近くで火葬してくれる業者もありますので、まずは確認をとってみましょう。
4.ペット霊園に依頼する
ペット霊園へ依頼して葬儀をする場合は、上記の葬儀方法に比べると費用は少々高くなります。しかし、他の方法に比べて人間の葬儀に近いものが多く、丁寧な供養に感じる方も多いでしょう。「しっかり弔ってあげたい……」という飼い主さんは、この方法がオススメです。このペット霊園での葬儀には、主に3種類あります。
一任個別火葬・・・・・・出棺までは立ち会い、それ以降は業者に任せる方法。基本的には合同の霊園に供養されます。返骨は基本ありますが、一部のお骨しか返ってこないケースもあるので確認しておきましょう。
合同火葬・・・・・・他のペットと一緒に火葬するため、費用面が個別火葬よりも安くなりがちです。返骨は、基本的にありません。
また、ペット霊園によっては永大供養サービスやお墓の利用、位牌の作成ができるところもあります。また、返骨の際にはお骨を入れられるカプセルなどをサービスしてもらえることも。業者によってサービス内容はさまざまですので、依頼の際には確認をとっておくとよいでしょう。
ペットの葬儀というものに、不安はつきものです。費用や葬儀の内容、火葬方法のご相談など……お困り・ご不安なことがありましたら、弊社の無料相談窓口になんなりとご相談ください。ご相談内容やご要望に即した最適な葬儀社・火葬社も、丁寧にお探し致します。葬儀のことでしたらどのようなことでも、いつでもお気軽にご相談ください。
ペットロスについて
家族や友人、恋人の死と同じように愛犬の死というのは、本当につらく受け止め難いものです。その悲しみから、ペットロスなどの精神疾患や身体的な病気になってしまうおそれもあります。
ペットロスとは
名前のとおり、ペットを亡くしたことによる悲しみのことを「ペットロス」といいます。ペットロスによる疾患には、急に涙が止まらなくなる・疲労感・不眠症といった症状が挙げられます。
引用元:日本医師会「別離」への心の予行演習-ペットロス症候群-
日本医師会「別離」への心の予行演習-ペットロス症候群-
しかしペットを亡くしたことによっておこる精神不安定などは珍しいことではありません。とくに病気や老衰ではなく、不慮の事故などで愛犬が亡くなってしまった場合は、飼い主の受けるダメージが大きく心の傷が癒えるまでには長い時間がかかるものなのです。
ペットロスにならないために
「あのときあぁしていれば良かった…」などの後悔が気持ちを切り替えられないと、ペットロスを引き起こす要因になってしまいます。ペットが亡くなったときは、我慢せず思い切り泣き、悩みを信頼できる人に打ち明けるのも1つの方法です。
また、ペットロスを同じように経験した人に話してみるのもいいでしょう。そうすることによって、アドバイスをもらえることもあれば、「自分だけが苦しいわけじゃなかった」という安心感をえることができるかもしれません。なによりも、きちんとペット葬儀をおこなうことで気持ちを切り替えることができるのではないでしょうか。
まとめ
飼っている愛犬が死ぬときなんて、そんなことは考えたくないものです。しかし、生がある以上愛犬との別れも必ずあるのです。限られた寿命の中で、懸命に生きた愛犬の葬儀をしてあげるのは、どのようなかたちであれ、飼い主にとって最期にしてあげることのできる愛情ではないでしょうか。
その際の葬儀の依頼は信頼できる業者を選んでおこなうことで、気持ちを切り替えましょう。愛犬の葬儀は、深刻なペットロス症候群にならないためにも必要なものではないでしょうか。
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