
猫の埋葬方法は、遺体をそのまま土に埋める「土葬」と、火葬後のお骨を土に埋める「埋骨」、お骨を霊園で管理してもらう「納骨」の3種類があります。
土葬を選ぶ場合は、のちにトラブルにならないように、手順をしっかりと守ることが大切です。遺体が完全に白骨化するまでには時間がかかるので、きちんと埋められていないと、動物などに掘り返されてトラブルになるおそれがあるからです。
今回は、土葬に適した場所や手順、火葬の費用相場、埋骨や納骨についての情報をお届けします。猫をどのように埋葬したらよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「埋葬」方法はおもに3つ
最初にご紹介したように、埋葬にはおもに3種類の方法があります。まずは、それぞれの違いをしっかりと理解しましょう。
〇土葬
ペットの遺体をそのまま土に埋める方法です。ある程度の広さの庭があることが条件ですが、「亡くなったペットを近くに感じたい」「毎日手を合わせて供養したい」方におすすめです。
〇埋骨
ペットを火葬し、返却されたお骨を土に埋める方法です。「庭に遺体をそのまま埋められる広さはないけれど、できるだけ近くに感じたい」「毎日手を合わせて供養したい」方におすすめです。
〇納骨
ペットを火葬し、返却されたお骨をペット霊園などに預けて管理してもらう方法です。「庭がなく土葬や埋骨ができない」方や、「自分できちんとお骨を管理できるか不安」な方におすすめです。
猫の「土葬」に適した場所
猫の埋葬方法として「土葬」を選ぶ場合、土葬する場所は、自宅の庭もしくはご自身が所有する敷地内のいずれかです。自身の所有地以外の場所で勝手に土葬をおこなうと、法律違反になるからです。
猫を土葬してはいけない場所
空き地や公園などの公共の場所など、自身の所有地以外で土葬をおこなってはいけません。ペットの遺体は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で「一般廃棄物」として扱われており、同法律の第16条で「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定められているからです。
所有権をもたない場所に許可なく土葬することは、いわゆる「不法投棄」にあたり、同法律の第25条第1項第14号によって、懲役または罰金、もしくはその両方が科せられます。
公共の場所に許可なく土葬した場合は、軽犯罪法第1条第27項「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」に該当し、拘留もしくは科料措置の対象になります。
自宅の庭に猫を土葬する手順
自宅の庭に猫を土葬するときは、しっかりと手順を守っておこないましょう。
1.穴を深く掘る
穴の深さの目安は1~2メートルです。穴が浅すぎると野生動物に掘り返されたり、遺体が露出して虫がわいたりして、近隣トラブルにつながるおそれがあります。
2.タオルで遺体を包んで安置する
バスタオルなどで遺体を包み、掘った穴に安置しましょう。使用するタオルは土に還りやすい自然素材のもの(綿や木綿、麻など)を選ぶのがよいです。
3.石灰をまく
安置した遺体の周りに石灰をまいておきましょう。石灰には有機物の分解を促す効果があるので、遺体が土に還るのを早めてくれます。さらに、殺菌効果もあるので、遺体が腐敗する過程で発生する病原菌を抑えてくれます。
4.土を高く盛る
掘った穴に土を被せるときは、こんもりと高く盛るようにしましょう。ペットの遺体が白骨化して土に還ったときに、穴を掘った部分がへこまないようにするためです。
5.目印になる墓標や花を植える
墓標を立てたり花を植えたりして、どこに埋めたか一目でわかるようにしておくと、その後の供養もおこないやすいですね。
賃貸住宅に住んでいる場合はどうする?
マンションなどの賃貸住宅にお住まいの方は、ペット火葬業者に火葬を依頼しましょう。賃貸住宅の場合、居室以外は共有スペースとなり、大家や管理会社の所有物になります。自分が所有権をもつ場所以外に埋葬することは法律違反なので、注意しましょう。
火葬後のお骨を埋める場所がない場合は、引き取りで合同火葬してもらう方法や、個別火葬のあとに骨壺を手元に置いておく方法があります。猫の火葬費用の相場と、火葬方法ごとの違いは次章でご紹介しますので、引き続きご覧ください。
骨壺を手元に置く方法を検討される場合は、過去コラム「【ペット】手元供養の方法と骨壺を保管するときの湿気対策について」も合わせてご覧いただければ幸いです。
猫を火葬する場合の費用相場
ペットの火葬方法は「個別火葬」と「合同火葬」があります。それぞれの費用は、火葬方法とペットの体重によって変動しますが、猫の場合は、5~7キログラムの動物に分類されることが多いです。
【個別火葬】
○立ち会い個別火葬:27,900円
火葬からお骨上げまで、すべてご家族の立ち会いのもとでおこなうプランです。ご自身でお骨を拾って骨壺に納め、ご自宅に持ち帰ることができます。
○一任個別火葬:23,400円
火葬とお骨上げを業者スタッフにお任せするプランです。お骨は骨壺に納められた状態で返却されます。
【合同火葬】:14,200円
他のペットと一緒に火葬するプランです。火葬後のお骨はご家族に返却されず、まとめて霊園の合同供養塔などに納骨します。
上記費用には、火葬費用と骨壺代、交通費(対象エリアの場合)が含まれます。お住まいの地域によっては別途交通費がかかる場合もあるので、依頼時に必ず確認してください。
※上記価格は、弊社がランダムに選んだペット火葬業者4社の平均価格です(2021年2月現在)
※掲載価格は消費税を含みません
火葬後のお骨の埋葬方法
火葬後のお骨の埋葬方法は2つあります。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
自宅の庭に埋骨する
1つめは、自宅の庭に埋骨する(埋める)方法です。埋骨の手順は以下のとおりです。
※埋骨する場合も、ご自身の所有地以外に埋めるのは違法となるので、注意してください。
1.穴を掘る
穴はお骨用と骨壺用で2つ掘っておきましょう。お骨が骨壺に入ったままだと土に還るのにとても時間がかかってしまうので、別々に埋める必要があるからです。穴の深さの目安はそれぞれ30センチメートルくらいです。
2.お骨と骨壺を別々に埋める
お骨をそのまま土に埋めることに抵抗がある方は、自然素材のタオル(綿、木綿、麻など)で包んで埋めましょう。もうひとつの穴には骨壺を埋めてください。
3.土を被せて目印になるものを立てる
穴に土を被せたら、墓標を立てたり花を植えたりして、目印をつくっておきましょう。
ペット霊園に納骨する
お骨を埋める場所がない方や、お骨をきちんと管理できるか不安な方は、ペット霊園に納骨するのがおすすめです。納骨方法は、個別のお墓に納めたり、納骨堂に納めたりと、さまざまな選択肢があります。
また、ペット霊園では、四十九日や一周忌などの法事もおこなってもらえます。亡くなったあとの供養もしっかりおこないたい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
猫の埋葬方法は、土葬・埋骨・納骨の3種類があります。土葬を選ぶ場合は、自宅の庭かご自身が所有権をもつ敷地内でおこなうようにしてください。遺体を土に埋めるときは、遺体が露出しないように穴を深く掘ることが重要です。
賃貸住宅にお住まいで土葬をするのが難しい方や、土葬に抵抗のある方は、ペット火葬業者に火葬を依頼しましょう。
弊社はペット火葬業者をご紹介するサービスをおこなっています。全国各地に加盟店を設けておりますので、お客様のご要望に沿った業者をご紹介することが可能です。まずはご相談からでも大歓迎ですので、どうぞお気軽にご連絡ください。
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