今やただの愛玩動物としてではなく、片や兄弟のように、片や子どもや孫のように愛されるようになったペットですが、その地位向上の裏で「ペットロス」の症状が出る人も増えています。
ペットロスになった人は会社や学校を何日も休む、生活にやる気が出なくなるなどさまざまな症状が出ます。「私はそんな症状にならないから大丈夫」と思っていても、いつか来るペットを失う悲しみは想像以上です。そのような時にどう対処したらよいのか知るためにも、今回はペットロスの症状や対処法について紹介します。
目次
ペットロス症候群とは
ペットロスとはその通り「ペットを失うこと」で発症する精神的ないし身体的な症状のことです。これは、ペットとともに過ごすことによって培われたペットに対しての深い愛情・愛着が突然のペットの死、または行方不明によってペットが失われることにより行き場をなくし、引き起こされる症状だと言われています。
ペットロス症候群というと病気のようですが、大切な家族を失えばそのような悲しみに襲われるのは当然のことです。ただし
・数か月経過しても改善する兆しが見られない
・ペットロスから抜け出す方法が自分で見つけられない
・日常生活や社会生活に支障をきたしている
というようなペットロスの症状が出ている場合は治療が必要な場合もあります。
ペットロスの症状
ペットロスの症状には以下のようなものがあると言われています。
・深い落ち込み
家族や友人が亡くなった時のような深い悲しみに襲われます。人によってはうつ病を併発するおそれもあります。
・何に対しても関心や興味が持てなくなる
特にペットが生活の中心になっていた人は関心や興味がペットと結びついていたことが多いため、ペットを失うことで物事に対して関心や興味が持てなくなってしまうこともあります。
・何に対しても喜べない、楽しめない
何かうれしい物事があったり、楽しいはずのイベントに参加してもペットが亡くなったことを考えてしまい心から楽しめなくなります。
・常にだるさを感じる
ペットを失った悲しみで心身的にストレスを感じて、常にだるさを感じるようになります。
・眠ることができない
常に亡くなったペットのことを考えてしまい、眠れなくなります。
・食欲が出ない
食事をするよりも亡くなったペットの事を考えてしまい、食欲が減退します。
・集中ができない
仕事をしていても亡くなったペットのことを思い出してしまい、集中ができなくなります。
・やる気が出ない
特にペットを家族の一員として大切にしていればしているほど、家に帰ってきてもペットがいないことを考えたりしてやる気が出なくなります。
・自責感、罪悪感
「あの時ああしていればもっと長生きさせてあげられたかもしれないのに」「もっと早く病院へ連れて行けば助かったかも」など、自分がペットを死なせてしまったかもしれないという自責感・罪悪感に襲われる人もいます。
ペットロスの過程『悲しみの5段階』
ペットロスの症状を回復するにおいて、「悲しみの5段階」と言われる過程があるとされています。ペットを失ったときは悲しみが永遠のように感じますが、段階を踏むことで徐々に悲しみを軽減することができます。
(1)拒否
最初に訪れるのは、ペットが死んだことに対する「嘘だ」「信じたくない」という「拒否」の過程です。ペットが死んだのは嘘で、ただ夢を見ているだけだと思い込もうとするものや、家にペットがいないのはただ預かってもらっているだけなど、現実とは違う状況を想像して思い込むということもあります。
(2)怒り
ペットが亡くなったことを認めた後に起こるのは、自分や他者に対する怒りのプロセスです。
突然の喪失に対する混乱や苦しみを怒りによって抑えこもうとしていて、獣医師に「あなたがもっと早く治療していれば助かった」などと理不尽な怒りを向けることもあれば家族に「どうしてもっと早く病院へ連れていかなかったんだ」と怒ることもあります。そして「自分がもっと早く気付いてあげればよかった」と自分を責めることもあります。
(3)交渉
自分や他者をいくら責めてもペットが戻らないことを認識すると、現実を超えた範囲に救いを求める「交渉」に入ります。「私は死んでもいいからペットの命を返してほしい」「お金はいくらでも払うからペットを返して」といった神頼みだけでなく、霊能者によってペットの霊を呼び戻してもらおうとする人もいます。
(4)悲しみ・抑うつ
どんなことをしても亡くなったペットの命は戻らないことを理解すると悲しみのプロセスに移ります。楽しいというポジティブな感情が消え、楽しいことをしていても気分が乗らないほか仕事中も涙が溢れたり、食欲がわかずに眠れなくなるといった症状が現れます。
ここが一番つらいプロセスですが、ここでしっかりと悲しんでおかないと「抑うつ」の症状があらわれペットロス症候群が長期化する場合があります。
(5)受容・回復
ペットの喪失を精神的に受け入れてくると、少しずつ「楽しい」「嬉しい」といった感情を取り戻し始めます。ここまで回復すれば自然とペットロスは乗り越えられるため、ペットの写真を見ても悲しいといった感情だけではなく楽しかった思い出がよみがえるようになります。
ペットロスが長引く原因
ペットロスの症状が長引く原因には前述の「拒否」や「悲しみ」の段階で悲しい気持ちを抑えこんでしまうというものがあります。「悲しんでいたらペットも悲しむ」と思って無理をして悲しい気持ちを抑えこむことで、自分がペットロスから回復できないままということになってしまいます。
以下からは、それぞれの症状の際にうまく回復するヒントになります。
「拒否」の段階
ペットを失って「あの子が死ぬはずがない」とずっと拒否をしたままだと、亡くなったペットが浮かばれないどころか自分も前に進めません。そのような状態から立ち直るには、つらくても現実を直視することが大事になります。
現実と向き合うために必要なのは、葬儀を執り行うことです。きちんと葬儀を執り行い、亡くなったペットを供養することで一度気持ちに区切りがつき「ペットが亡くなった」ということを受け止める気持ちがつきます。また、好きだったおもちゃや好物だったおやつなどの遺品整理をすることで「もうペットはそばにいない」という現実に向き合えます。
「悲しみ」の段階
悲しみの段階では、しっかりと泣いて溜め込まないことが大切になります。いつまでも悲しんではいけないと悲しい気持ちを抑えこんでいるうちは、まだ悲しみから解放されていないということなので、隙あらば泣きましょう。また、悲しみを共有してくれる友達やペット仲間に悲しい気持ちを打ち明けるほかに、専門のカウンセラーに相談するという手段もあります。
あてはまったら要注意?ペットロスの症状かも
以下の項目に多く当てはまる人はペットロスの症状が出ている可能性があります。
・体の疲労感が抜けない
しっかりと寝たのにも関わらずいつまでも疲れているような感覚がする場合、ペットロスの症状の可能性があります。
・胃の調子が悪くなる、頭痛がするなど体に不調が起きる
胃の調子が悪くなったり、頭痛がするなど実際に体に不調が起き始めた場合はペットを失ったストレスから来ている場合が考えられます。
・食欲が減退する、または増加する
ペットを失ったストレスから食欲が大幅に減退したり、逆に過食症のように食べ過ぎたりする場合があります。そのような症状が出た場合はうつの症状を併発しているおそれがあります。
・孤独感や不安感が強い
ペットがいないことで強い孤独感や不安感に襲われます。何をしていても寂しく、世界でただ一人だけ取り残されたような感覚に襲われることもあります。
・自分を責める
「あの時ああしていればペットは死ななかった」「ペットが死んだのは自分のせいだ」などと自分を責めるような症状が出ます。
・ペットの死に関わった獣医などの言葉や家族の判断を責める
ペットが亡くなる直前に動物病院で治療をしていた場合、治療に関わった獣医や家族の判断をずっと責めるようになります。
・視界の隅に亡くなったペットが見えたり、声が聞こえたように感じる
視界の隅にふと亡くなったペットの幻影を見たり、すれ違ったよく似た種類のペットを見間違えたりします。また、毎日聞いていたペットの声が幻聴のように聞こえることがあります。
・予兆もなく突然涙があふれる
ペットが亡くなった後、怒られたわけでもないのに涙が唐突に溢れて悲しくなるなどの症状が出ます。
ペットロスになりやすい人
重いペットロスの症状が出やすい人は、以下のような人になります。
ペットに依存している人
ペットを家族や兄弟のように感じるのは決して悪いことではありませんが、その依存度が高ければ高いほどペットロスの症状は重いものとなります。例えば、毎日仕事や学校での疲れをペットがいることで癒してもらっていたり、ペットが心の支えや生活の全てになっていたりした人は、ペットを失ったときのショックがとても大きいものとなります。
後悔や自責の念を持ちやすい人
ペットが生きていた間に何か後悔や自責の念がある人もペットロスの症状に苦しむことが多いです。例えば、いつも仕事が忙しいために家を留守にしがちだった人は「もっとそばにいてあげればよかった」と後悔しますし、病気で亡くなった場合は「もっと早く病気に気付いてあげればよかった」と後悔します。
また、ペットは人間と違い言葉での意思疎通ができないため、叱ってしまったりしたことがある人は悪いことではないのにそれを大きく後悔することがあります。このような後悔は自分が許せないばかりか、叱ったことをペットが許してくれないのではないかと思い悩む人もいます。
突然ペットを失うことになった人
最もペットロスの症状が重くなるのが突然ペットを失ってしまった人です。まだ小さいのに重い病気にかかって突然ペットを失ってしまった場合や、事件や事故などで自分の心の準備ができていないのにペットを失ってしまった場合、心の平静を保つのは難しいです。
さらに、ペットを亡くしてしまった以外にも人生において重大な問題を抱えている場合やペットに続いて身近な人との死、別れがあった場合も平穏な心を取り戻すのが難しくなります。
ペットロスの症状が出る前に…立ち直り方や克服法
ペットロスの症状が出る前に、以下のような克服法で乗り越えるという方法もあります。
悲しいときは涙を流す
悲しいときはしっかりと涙を流し、感情をストレートに表すようにしましょう。そうすることでスッキリとするほか、だんだん心の整理がついていきます。
食事は必ずとる
いくら悲しくても食事は必ず取りましょう。体の健康は心の健康にも繋がります。
眠れなくても横になるなど体を休める
どうしても眠れない場合は目を閉じて横になるだけでも体は休まります。しっかりと体を休めましょう。
軽い運動をする
運動をするとリフレッシュにもなります。外に出るのがつらい場合は家の中で軽いストレッチでもよいので行いましょう。
友人や知人と会い悲しい気持ちを打ち明ける
信頼できる友人や知人と会い、悲しい気持ちを打ち明けることでペットロスの症状をいくらか和らげることができます。
家の模様替えをする
帰宅して家の風景がペットが亡くなったときと変わらないと、悲しい気持ちになることがあります。思い切って家の模様替えをすると、そのような気持ちになることも少なくなります。
ペットのものを整理する
いつまでもペットが亡くなったときのままだと、その状態を見るたびに悲しくなってしまいます。少しずつペットのものを整理して、気持ちも整理していきましょう。
お葬式をする
ペットのお葬式は気持ちに区切りをつけるのに重要なことです。お葬式をすることでペットの死を受け入れることができます。
お墓を作り、お参りをする
ペットのお墓を作り、お参りをしてあげることで「ペットとはここでいつでも会える」と思うことができます。
ペットの写真を飾る
亡くなったペットの写真は、最初は見ていると辛いかもしれませんが、いつしか「あんな楽しい思い出があったなあ」「こんなことをして楽しんだなあ」と思い返すことができます。
アルバムを作る
ペットとの楽しかった思い出をアルバムにすれば、それを見てかけがえのない宝物をもらったと思うことができます。ペットが生きている間にたくさんの思い出を作ってあげましょう。
ペットの一部を加工する
亡くなったペットの毛の一部を加工して羊毛フェルトのぬいぐるみにするサービスや、羽根を加工してアクセサリーにするサービスがあります、それを身に着けることで「いつでもペットがそばにいる」と思えることができます。
遺骨 ステンレス メモリアル ペンダント
インターネットでは、このように遺骨を入れておけるペンダントも販売しています。このペンダントの素材は高級時計などにも使われるサージカルステンレスのため、普通のペンダントとして身に着けることも可能です。金属アレルギーの方のためにキーホルダーにすることも可能です。
名入れ イロハ
このグッズは犬や猫の乳歯を入れて思い出にできるほか、毛を入れてメモリアルボックスにすることもできます。名前を入れてもらうことができるほか、ペットの図形も選べることができます。
お骨入れ付き オーナメントフレーム
このグッズはお骨入れと写真立て、虹のモニュメントが一つになったフレームです。仏壇代わりにもできるほか、美しい虹のモニュメントが愛するペットが天国で幸せに暮らしているような気分にさせてくれます。リビングや自室にも違和感なく置くことができる洗練されたデザインとなっています。
ペットロスの症状で苦しむ方への接し方
もし身近にペットロスの症状で苦しんでいる人がいる場合「たかがペットで大げさじゃないのか」「また代わりのペットを飼えばいい」などといった無神経な言葉をかけるのは厳禁です。もし悪意がなかったとしても「ペットの死=軽いもの」のような発言をしてしまうのは問題です。
他人にとってはたかがペットだとしても、本人にとってはそうではないために苦しんでいるということを理解しましょう。また代わりのペットを飼えばいいといった、ペットを物のように言うことも本人を傷つけてしまいます。場合によっては一生許されないと思ってもよいでしょう。
ペットを亡くしてしまった時に他者ができるのは「ただ悲しいという気持ちを聞いてあげること」です。変にアドバイスをしようとしたり、よいことを言おうとすると逆効果になるため、ただ本人のつらい気持ちを聞いてあげましょう。
ペットロスの症状で病院へ行ってもいいの?
ペットロスの症状で病院に行くのは全く変なことではありません。もし症状がひどいと感じた場合は心療内科の受診を考えてもよいでしょう。
ですが、先述したような「拒否」から「受容」の段階を踏めている場合は心療内科に行く必要はありません。きちんと回復の段階を踏めているためです。受診が必要になるのは以下のような症状が出たときです。
・数か月たっても全く改善しない
ペットを失って「拒否」の段階から全く症状が進んでいない方や、ペットロスの症状がいつまでも出るという方は心療内科の受診を考えてもよいでしょう。
・正常な回復段階を踏めていないか、踏めているか分からない
少し回復したと思ったらまた抑うつのような状態になったりと、回復の段階が踏めていない方は心療内科の受診を考えてもよいでしょう。
・日常生活や社会生活に影響が出ている
何日も部屋が散らかり放題だったり、会社を何日も休んだりと日常生活や社会生活を送る上で支障が出ている方は、心療内科の受診を考えてもよいでしょう。
ペットにもペットロスの症状が
ペットを亡くしたことによるペットロスの症状が出るのは飼い主だけではありません。多頭飼いの場合、仲間を亡くしたことによるペットの症状は人間と似ていると言われています。例えば、食欲をなくしたり、亡くなった仲間をいつまでも吠えて呼んだりするような行動が見られるようになります。
犬の場合はこれが顕著だと言われ、死んだ仲間がいた位置がいなくなることがストレスになる場合もあります。飼い主もペットロスで辛いかもしれませんが、仲間を失った犬のことも考えて今まで以上に一緒に過ごす時間を増やしたり、散歩に出かけたり車でどこかに行くなど愛情を注いであげましょう。
ペットは話すことができないため相談をしてあげることはできませんが、少しでも悲しみを共有して和らげてあげることは可能です。もし年老いたペットの場合、ストレスで弱ってしまうことも考えられるためそれらのケアを丹念にしてあげましょう。
ペットロスの症状を楽にする?『虹の橋』とは
ペットロスの症状がひどい場合には『虹の橋』という詩を見てみるのもよいかもしれません。虹の橋とは、飼っていたペットを亡くした人々の間で語られる場所でもあり、その場所のことを記した詩でもあります。
亡くなったペットが「虹の橋を渡る」という言い回しをするのは、この詩がもとであると言われています。この詩は、亡くなったペットの魂は虹の橋のたもとにある一面の草原が広がる楽園に行き、そこで元の飼い主を待っていると歌っています。そして、飼い主が亡くなった後その場所でペットと飼い主は再会すると言われています。
虹の橋を題材にした本は多く売られているため、ペットロスの症状になった際は一度虹の橋を題材にした本を読むのもよいのではないでしょうか。
まとめ
ペットロスの症状は人それぞれですが、長く一緒にいたペットを亡くす悲しみは一言で言い表せるものではなく、立ち直る時間も人それぞれです。「今は元気でもいつか必ず別れがやってくる」と考えてめいっぱい愛情を注ぎ、ペットと接してあげましょう。
そしていつか、お別れの時がやってきたときは葬儀や供養など執り行い、しっかりと段階を踏んでペットロスを乗り越え、亡くなったペットに「今まで一緒にいてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えてあげましょう。虹の橋の向こうでペットは待っているはずです。
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