
飼っていた猫が亡くなり、どのようにお別れをすればいいのかお困りの方も多いでしょう。猫の場合は、どのように葬儀をしてあげたらいいのか、また特別な手続きが必要になるのか疑問をお持ちだと思います。
猫のお葬式を行う場合も、葬儀社に連絡をするのは変わりません。ただ、多少手続きが違う点もあります。そのため猫の場合はどのような葬儀の流れになるのか、しっかり理解を深めることが大切です。
今回は、猫のお葬式について詳しく説明していきます。突然亡くなってしまったときなど、どうしたらいいか分からないときに参考にしてみてください。
目次
猫が亡くなった場合の自治体での扱い
猫が亡くなったときは、犬とは多々違う点があります。自治体においてペットの遺体全般は一般廃棄物に該当し、併設された火葬施設などで処理されるのが一般的です。
猫のお葬式を行いたいという場合は、ペット葬儀社などに依頼するのがいでしょう。猫は、犬とは違い死亡届を提出する必要がありません。犬の場合は、飼い主が狂犬病の管理を適切に行わなければならず毎年予防注射が義務付けられています。
管理するためには犬を飼い始めたことを自治体に登録する必要があり、死亡したときも保険所に報告しなければならないのです。
しかし猫の場合は予防接種の義務はなく、登録をする必要がありません。そのためご自宅の猫が亡くなった後は、死亡届を提出する必要がなく、早めに遺体を安置して葬儀の日取りを決めることが大切です。
ご自宅の庭に火葬せずに埋葬しようとお考えであるなら、定められた規則を順守して適切な方法で弔ってあげましょう。土葬するという手段も、慣れ親しんだ庭にそのまま埋葬することができるため有効ではあります。
しかし、葬儀を行うことで、気持ちに整理がしやすく長期間引きずりにくいはずです。
猫のお葬式までの安置の方法
ペットの猫が亡くなったときには、遺体の状態を保つためにすぐに安置しましょう。犬と同じく猫も遺体を霊園などに連れて行く前に適切な方法で安置する必要がありますので、具体的な方法を説明していきます。
遺体を清潔にする
体の下にシートを敷いて安置し、ブラシなどで毛を整えてあげましょう。犬猫でやり方に大きな変化はなく、どちらも優しく扱ってあげることが大事です。
死後体液などが自然に流れ出ることがありますので、口や肛門などを中心に定期的にふき取っていきます。
また、動物は人間に比べて死後硬直が比較的早く手足が伸びきった状態になりやすいです。箱に収まりきらなくなってしまうおそれがあるため、なるべく早めに遺体の手足を曲げてあげるようにしましょう。
箱を準備して遺体を保管する
ペットの身体のサイズに合った箱を用意し、遺体を安置します。段ボールなど比較的丈夫な素材のものを選ぶことが重要です。箱にタオルやシートを敷いてその上に遺体を乗せてあげるのがいいでしょう。
遺体を冷やす
遺体が腐敗しないように、ドライアイスや保冷材などで冷やします。とくに夏の時期は傷むのも早くなり十分注意が必要です。
冷やすときはお腹の部分を中心から、全身が冷えるようにしていきます。ドライアイスを使用する場合は、直接触れないようにタオルなどで包んでから冷やすのがいいでしょう。保冷効果も高まり効果的に遺体の腐敗を防ぐことが可能です。
また、ドライアイスは放置していると二酸化炭素を発するため箱に安置するときは定期歴に換気をすることを怠ってはいけません。しっかり遺体を安置することができたなら、猫のお葬式の内容、詳しい日取りを決めていきます。
猫のお葬式の方法と手順
猫のお葬式を行う場合も、他のペットと基本的な流れは変わりません。ここでは流れをあまり知らない方のためにペットの葬儀の流れを説明していきます。
業者に予約
ペットの葬儀を行うことが可能な民間業者、またはお寺に連絡するのが一般的です。保健所等でも火葬は執り行うことが可能ですが、基本的に葬儀まではできません。
火葬内容やお骨の保管方法など、希望に応じてプランが変化するためご自分の希望を明確にしておくことが大切です。
霊園へ向かう
葬儀の日取りを決めた後で、当日霊園に向かいます。業者のなかにはお迎えサービスを行っているところもあり、遠方の方や移動手段がない方も不便なく利用可能です。
葬儀
人間と同じように読経、お焼香、といった内容で葬儀が行われます。お焼香の回数や作法は、宗教によって異なりますので形式を相談しておくのがいいでしょう。基本ペットの葬儀に宗教は関係ありませんが、希望に応じて形式を選択できる業者もあります。
火葬、納骨
葬儀が終わった後で、希望内容に沿った方法で火葬が行われます。遺骨を保管したい場合は個別火葬を選択し、必要であるなら自宅に仏壇などを用意しておくのがいいでしょう。
ご自分で遺骨を引き取り、その後粉骨して自然に還すといったことも可能です。
猫のお葬式にかかる費用相場
猫のお葬式にかかる費用は、火葬方法や遺骨の取り扱いなどにより変動します。また、霊園に依頼する場合と施設で行う場合でも変わりますので、事前に相談してはっきりとして見積りを得ることが大切です。
霊園で葬儀を行った場合の費用の目安は、40,000円ほどが相場となっています。葬儀から火葬、お骨上げなども含めた料金です。
遺骨を納骨堂に預けた場合は、年間費用が加算されその分の費用も高くなるでしょう。葬儀後四十九日や一周忌などの供養は別料金となるため注意が必要です。
また、火葬方法によって猫の葬儀費用も変動し、個別火葬ではとくに高額になる傾向があります。人間と同じように個別で供養し、お骨もしっかり拾えるため手厚く葬ってあげたいという方に最適な火葬方法です。
費用を安く抑えたいという方は、合同火葬を選択するのがいいでしょう。しかし、他のペットと一緒に火葬するため、火葬後遺骨を判別するのが困難です。
そのためお骨の取り上げは不可能になるので注意しましょう。埋葬も個別ではなく共同墓地に入るのが一般的です。ただ、他のペットと一緒にいることで寂しがらずにすむというメリットもありますので、すすんでご希望される方もいます。
費用とサービス内容を把握し、ご自宅のペットが安心して安らげる方法を選択してあげましょう。
猫のお葬式の持ち物について
猫のお葬式には、あまり多くのものを必要としません。ここでは最低限必要なものをご紹介していきますので、しっかり確認していきましょう。
写真
遺影として利用することができ、主にお焼香のときに立てかけて使用します。ペットを供養するときに用意しておけば、より手厚く葬ることができしっかりお別れを告げることができるはずです。
数珠
人間と同じく手を合わせる際に必要となるものであり、人間用のものでも問題ありません。葬儀業者によっては貸出しているところもあるので、もし持っていないようなら確認してみましょう。
猫のお葬式の服装について
人間が亡くなったときの葬式は、喪服、または適した服装をするというマナーがあります。しかし、猫のお葬式の場合は、喪服である必要はありません。
犬などにも同様のことが言え、私服で参列することも可能です。ときには時間がないときに行われることもあり、すぐに参列したいという方も不便が少なくなります。
ただし、あまり場にそぐわない服装だと不適切です。私服で問題はありませんが、なるべく派手な服装は避けるのがいいでしょう。
とくに、他のペットの葬式に招かれたときは、ある程度服装を正すことをおすすめします。カジュアルな服装だと失礼にあたるケースもありますので、喪服である必要はありませんが、TPOに沿った服装を選択するようにしましょう。
猫のお葬式にお花について
猫のお葬式を行っているときに、棺のなかにお花を添えてあげたいという方も多いと思います。基本的に猫の葬儀でもお花を遺体の周りに添えることが可能です。
ただし、用意する花の色に注意しなければなりません。あまり色が濃い花は、火葬後のお骨に色がうつってしまうおそれがあります。
とくに赤や紫、青などが該当し火葬する際に添える花として望ましくありません。自分で用意するという場合は、白色や淡い色など、色移りの心配が少ないものを選ぶようにしましょう。
基本的に業者は、お花や供え物を代わりに用意してくれるサービスは行っていないため、自分で最適なものを選ぶ必要があります。事前にどんなものなら大丈夫なのかを業者に確認し、失敗がないようにすることが大切です。
猫のお葬式の香典について
一般的に、ペットの葬儀では香典は必要ないとされています。そのため猫のお葬式でも特別香典を用意する必要はなく、生前好きだったおやつやごはん、お花などを用意するのがいいでしょう。
そうすることで、他の参列者も気を使うことなく比較的気軽に参加することが可能となります。生前近所でよくかわいがっていたペットだという場合は、2,000円ほど用意することもありますが、基本的には菓子折りなどのほうが遺族も遠慮なく受け取りやすいはずです。
一人が香典を用意すると、他の参列者も気をつかってしまうおそれがあるため、前もって香典は必要ないという旨を話しておくのも有効な手段となります。
猫のお葬式から帰宅した後は
遺骨を返骨してもらい、自宅で保管する方法を選択した場合、住宅でよい状態に保つ必要があります。骨壺も湿度が高い場所に放置していると、遺骨にカビが生えてしまうおそれがあるため注意が必要です。
自宅で長期間保存するのが難しいのなら、加工してアクセサリーにする、遺骨を砕いて散骨するなどの選択肢もあります。ペットのとってどのような方法が安心できるのかをご家族などとよく相談して決めましょう。
また、猫のお葬式の後も法事、法要があり追加供養をすることも可能です。四十九日や一周忌、三回忌などもあり、手厚く弔うことができます。
お骨を自宅に保管しているという方も、四十九日のタイミングで霊園に納骨するという選択肢もありそこで正式にお別れするのもいいでしょう。なかなか気持ちが整理できない方もしっかり心の準備ができ多少精神的に楽になるはずです。
猫のお葬式後はペットロスにも要注意
猫のみにかぎらず、ペットが突然亡くなったときには強い悲しみが押し寄せてくる可能性があります。
あまりに刺激が強いと、精神的なダメージが深刻になりペットロスと呼ばれる精神疾患に陥ってしまうかもしれません。症状がひどいと強いストレスを感じ不眠症などにつながるおそれがあります。
克服するまでの期間には個人差があり、ダメージが大きいほど立ち直るためにかかる時間も長くなるでしょう。猫のお葬式をしっかり行うと、ペットの死を受け入れる機会となりますが、反面死んでしまったんだという事実を突きつけられることにもなるのです。
もし精神的に辛いと感じたときは、無理をせず一人で抱え込まないようにしましょう。同じ境遇の方、ペットを飼っている仲間などに相談し少しずつ克服していくことが大事です。悲しみを共有することで気持ちの負担が軽くなり、前向きな気持ちになれる可能性があります。
周りにペットロスの方がいるときは、ゆっくり話を聞いて負担を軽減してあげるように接してあげることも大切です。徐々に飼い主が前を向けるように、猫のお葬式をしっかりとした形式で行い、死を受け入れやすい状況を作ってあげる必要があります。
ペットが亡くなったときのお悔やみの言葉も、不適切とされる表現が多々あるため、十分注意して声をかけてあげるようにしましょう。安易に慰めてしまうと逆効果になってしまうことがあり、ペットロスの状態がひどくなってしまうかもしれません。
あまりにペットロスがひどいのであるなら、カウンセリングを受けるなど精神ケアを専門的に行っている方に相談するのが最善ではないでしょうか。
まとめ
猫のお葬式は、犬や他のペットと大きく内容は変わりません。服装も普段通りのまま参加することが可能です。そのためあまり気を張らずに葬儀を行うことができます。
お花や供えものを棺に入れることが可能ですが、色移りや燃え残りそうなものは不適切なので注意しましょう。
また、葬儀費用は葬儀内容によって異なるためしっかり相談してから決めることが大切です。
ペット葬儀を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ペット葬儀」をご覧ください。
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