パソコンを使っていたとき、突然画面にノイズが入り始めたことはありませんか。ノイズの頻度が高ければ作業に支障が出ますし、なにより突然パソコンが動かなくなるのではないかと不安になることでしょう。
しかし画面ノイズの原因はさまざまです。原因に合わせた対処法を取らなければ、なかなか解決することは難しくなります。まずはどこに問題があるか、切り分けから入りたいところです。
今回はパソコンの画面にノイズが入る原因と対処法を詳しく解説します。
パソコンの画面にノイズ!どうして起こるの?
そもそもなぜ、パソコンの画面にノイズが入るのでしょうか。その原因となる部分は大きく分けて5つあります。それぞれ見ていきましょう。
パソコン本体(機器)が原因の場合
パソコンのグラフィック回路部分などが不調になり、処理落ちや遅延が起こっていることが考えられます。不調の原因も過熱など一時的なものから、回路の一部が破損したものまでさまざまです。
パソコンのソフトが原因の場合
ソフトの表示関係部分にプログラミングの不具合があり、エラーを起こしていることが原因として考えられるでしょう。また、パソコン搭載のグラフィック回路の処理能力を超えた表現を実行しようとしていることも。
ケーブル接続が原因の場合
接続端子部分の接触が悪い、ケーブル内部で断線しているなど正しい信号がモニターに送られていない状況です。
モニターが原因の場合
モニターの電源供給部(コンデンサー)や映像処理部分の故障などが考えられます。
外部の影響が原因の場合
電子レンジなどから漏れた電磁波を本体やケーブルが拾っていたり、大電流を使う機器を同じコンセントにつなぎ電源供給が不安定になっている、ということも。原因がパソコン外にあるため、意外と見落としがちです。
このように一口でノイズといっても、実際にどこが悪いかを判断するのは難しい です。そのためどこに問題があるかを切り分け、不具合がある部分を特定していきましょう。
まずはケーブル接続を確認!
パソコンの画面にノイズが出たとき、再接続や交換を試しやすい部分はパソコンとモニターをつなぐケーブルです。そのため、まずはケーブルを見直してみましょう。
切替器を使っている場合は切り替えてみる
据え置きゲーム機などと併用するため、別のパソコンと共有するためなどの理由でHDMI切替器やDVI切り替え器などを利用している方も多いでしょう。ノイズが入って画像が乱れる場合は一度ほかの入力に切り替えた後、再びパソコンからの入力に戻すことで映像が安定するようなことも少なくありません。
またこうした切替器でノイズを取り込んでしまい、画面に影響が出ている恐れも否定できません。一度直接つないでみて、動作が正常か確かめてみることもおすすめします。
ケーブルをつなぎなおしてみる
ケーブルの接続がゆるんでいる、端子部分にほこりが溜まっているなどの理由で接続部分の接触が悪いということもあります。その場合は一度ケーブルを外し、再び接続してみることで改善することがあります。
ケーブルを交換してみる
再接続してもノイズが乗る場合、ケーブルの断線や端子のサビ、劣化なども考えられます。一度新しいケーブルに交換してみるというのもひとつの手でしょう。ただしモニターの接続端子はさまざまなものがあるため、間違えないように注意してください。現在代表的に使われているものをまとめてみました。
規格名 | 特徴・別の呼び方など |
---|---|
VGA端子 | D-Sub端子、アナログRGB端子とも。アナログ信号で伝送。 |
DVI端子 | VGA端子よりも大型でピン数が多い。デジタル・アナログ信号両方を伝送するDVI-I端子、デジタル信号のみを伝送するDVI-D端子などが存在。 |
HDMI端子 | DVIをもとに開発されたが、音声伝送なども対応。テレビと周辺映像機器接続にも使われる。デジタル伝送。小型のノートパソコンではmicro HDMI端子まどが使われることも。 |
DisplayPort | パソコン専用のディスプレイポート。HDMIに似た標準型、mini DisplayPortの2種類が現在の主流。対応モニターでは数珠つなぎでつなぐことが可能。 |
Thunderbolt | Mini Display PortまたはUSB Type-Cと同じ端子形状。複数の規格を統合したものであり、変換コネクタをつないで利用することも多い。 |
USB | 本来は映像規格ではないが、変換コネクタを利用してモニターを接続することも。携帯性を重視し、USBケーブル1本で電源供給までおこなうタイプなどがある。 |
とくに交換で新しくケーブルを買い替えるような場合、これまでのケーブルがどのような規格か、モニターやパソコンで対応しているかをしっかりと確認しておきましょう。
パソコンの設定を確認してみよう
パソコン側の設定が上手くいっておらず、映像出力時にじつはエラーを起こしているなんてことも考えられます。一度点検し、モニターの状況を確認してみることが大切になってくるでしょう・
正しくモニターが接続されているか、設定で確かめよう
モニターがどう認識されているかは「設定アプリ」もしくは「コントロールパネル」で確かめることができます。ディスプレイ設定は下記のような操作で簡単に出せるので、一度確かめてみましょう。
(Windowsの場合)
・デスクトップの背景部分を右クリック
・「ディスプレイ設定(D)」(Win8以降)もしくは「画面の解像度(C)」(Win7)を選択
(macの場合)
・Appleメニューを開き、「システム環境設定」を選択
・ディスプレイを選択
複数のモニターをつないでいる場合、それぞれに関して設定をする必要があります。Windowsの場合はどちらの設定をするか選択式、macOSの場合は設定したいそれぞれのモニターに対応してウインドウが表示されます。
【解像度・フレームレートの設定】
モニターによって解像度(どれだけ細かく表示するか)やフレームレート(1秒間で最大どれだけ映像を切り替えられるか)は変わります。そのため設定したい項目内容に対してモニターが要素を満たしているか、一度確かめてみてください。条件を満たしていない設定では画面のノイズやちらつきを生むおそれがあります。
なお近年は1つ1つの点を細かく表現できるモニターも増えており、必ずしも「モニターの大きさで最大解像度が決まるわけではない」点に注意してください。たとえば27インチモニタになると「1,920×1,080」のフルHDと呼ばれる解像度に加え、「2,560×1,440(WQHD)」や「3,840×2,160(4K)」といった少し細かな表現ができるモニターが出てきます。
またフレームレートはパソコン用モニターの場合60Hzが一般的ですが、ゲーム用途では120Hz以上に対応したモニターが選ばれることも少なくありません。ただしパソコンのグラフィック性能にも影響してくるので、性能とのバランスもチェックしておきましょう。
【グラフィックドライバが不調でないか確認】
Windowsの場合、グラフィックドライバは日々アップデートされています。ところが通常のWindows Updateでは対応しないため、古いドライバをそのまま使い続けていることも少なくありません。
ただしドライバのアップデートは新たな不具合を生む例も報告されています。最新のバージョンだけでなく、必要に応じて少し古いドライバの方も安定した動作のために試してみてください。
一度パソコンを再起動してみよう
パソコンの画面にノイズが入ったときはいっそのこと「パソコンを再起動すること」も試してみましょう。パソコンを点けっぱなしにするとエラー処理が溜まり、さまざまな悪影響を与えるおそれがあるためです。そこでパソコンを一度再起動して、エラーが溜まった状態を解消してみてください。
とくにWindows8以降の場合、立ち上がりを早くするためシステム終了ではパソコンの電源が完全に落ちない設定になっていることも多いです。一方再起動では一度メモリの内容をリセットするなど、トラブルの原因を解消しやすい性質があります。
モニターの設定を確認してみよう
接続ケーブルやパソコンの設定に問題がない場合、モニターについて一度確かめてみましょう。
モニターの寿命を決める要素とは
モニターは使用や年月の経過によって、内部の各部品が劣化していきます。劣化によって動作が不安定になると画面のちらつきやノイズとなって現れてくるのです。モニターを長い間使っていて、かつモニター以外に心当たりがない場合は寿命と考えるべきでしょう。
とくに劣化が目立つ部分として、次の2か所があげられます。
【コンデンサー】
電圧を調整し、安定した動作を実現させるのがコンデンサーです。しかしコンデンサーが長年の使用によって劣化すると画質調整が上手くいかず、画面のちらつきやノイズとして表れる場合があります。これを解消するにはモニターの制御盤にある部品を交換する必要がありますが、パソコン修理のプロでなければ作業は困難でしょう。
【バックライト】
現在使われている多くのモニターの画面には液晶が使われています。しかし液晶はブラウン管(CRT)と違い自分で光らないため、後ろから白色の光を当てる必要があるのです。このバックライトの寿命が液晶の寿命そのものといわれるほど。3万時間ほどが使用の目安です。
別のモニターを接続してみよう
モニターの寿命を見極めるためには、正常に動くことが確認されている別のモニターを接続してみることが一番です。とくにノートパソコンの多くには外部出力端子が搭載されており、その端子に接続すればノイズの原因がモニターかグラフィック回路、どちらに問題があるかを見分けやすいといえるでしょう。
デスクトップ型の場合は、できれば「これまで使っていたものと同じ入力」「パソコンで対応している別の規格の入力」に対応しているモニターをテストしてみたいもの。モニター・端子・パソコン本体のどこに問題があるかをより詳しく見極めることができるからです。
別のパソコンなどに接続してみよう
可能であれば逆に、これまで使っていたモニターを別のパソコンなどにつないでみてください。ノートパソコンのほか、HDMI入力に対応したモニターであれば据え置きゲーム機やスマートフォン(変換コネクタが必要)を接続してみてもよいでしょう。
長時間使っていることが原因?グラフィック回路の持つ熱について
接続ケーブルやモニターに問題がない場合、パソコン本体のグラフィック回路に問題があると考えられます。このグラフィック回路で起こりやすいのが「熱の問題」です。
グラフィック回路は大きく2種類に分けられる
じつはパソコンの映像処理を担う部分、大きく2種類に分けられます。
【統合GPU型】
マザーボード、もしくはCPUに映像処理用の回路を組み込んだものです。パソコンの頭脳であるCPUを映像処理でも利用するため高度な処理は負担がかかりますが、専用回路を必要としないぶん電力消費を抑えることができます。
【独立型(グラフィックボード)】
専用の映像処理用回路を用意したものです。そのため電力消費はそれ相応に必要ですが、複雑な映像処理を高度かつスムーズにおこなうことができます。
こういった性質から、モニターへの表示に関しては「統合GPUを利用する」「グラフィックボードを利用する」という2パターンが可能です。また現在販売されているCPUの大半にはグラフィックボードの使用不使用に関わらず映像処理用の回路が組み込まれています。
このためグラフィックボードに問題があるから統合GPUを使用する、という方法も可能なのです。これはCPUの高性能化により、専用のGPUがなくても映像処理ができるようになった点が大きいでしょう。
映像処理は熱が発生しやすい
ただ映像処理の問題点として複雑な計算が多く、そのぶん発熱しやすい点があげられます。そのため長時間高い負荷で使用していると熱の排出が発熱に間に合わないことがあるのです。
高熱は故障につながる危険性があるため、パソコンは映像処理回路の能力を抑制します。結果処理能力が不足し、画面にノイズとして反映される場合があるのです。
とくに最近のゲームはリアリティーのある3D処理をおこなっていることが多く、そのぶん高い能力を必要とします。ギリギリ動いたと思ってもじつは処理能力の限界で、しばらく経つとノイズが頻発するというおそれも。
グラフィックボードに補助電源が必要か確認しよう
一般にマザーボードからグラフィックボードに供給できる電力は75Wといわれています。しかし高性能となるとそれだけでは足らず、電源ユニットから直接電力を供給する方法が取られるのです。これが「補助電源」と呼ばれる方法です。
グラフィックボードにはこの補助電力が必要なタイプ・不要なタイプの2種類があります。性能の高いグラフィックボードを使うときは補助電源が必要か、ちゃんとつながっているか、電源ユニットの供給能力範囲内かをしっかり確認しておきましょう。
排熱が上手にできているかも確認しよう
パソコンのほとんどは空気の循環によって部品を冷やす空冷式です。しかし部屋の狭いところにパソコンを置いている場合、空気の流れが上手に作られない 可能性が高くなります。また空気取り込み口にほこりがたまりやすい、夏の高温環境では効率が低下するなどのデメリットも。パソコン内の熱がしっかりと排出できるか、確かめてみることも大切です。
とくにノートパソコンでは排熱能力が限られます。高い能力が必要な処理をするときは冷却台なども併用し、熱を逃がすようにしましょう。デスクトップでは大掛かりになりますが、空冷式から水冷式に変えるという手も考えてみてもよいかもしれないですね。
まとめ
パソコンの画面にノイズが出る場合、ときにはパソコンや寿命を迎えたモニターが悲鳴を上げている、ということもあるでしょう。どうしてノイズが発生するかをしっかりと見極め、適切な対策を取ることが重要になってきます。
またパソコンは意外と繊細な機器です。原因がよくわからない場合は無理をせず、パソコン修理のプロに修理を依頼してください。
\ 完全無料 /
厳選した全国のパソコン修理業者を探せます!
×
関連記事カテゴリ一覧
パソコン修理の記事アクセスランキング
パソコン修理の最新記事
カテゴリ別記事⼀覧
- お庭の手入れ
- 害虫駆除
- 害獣駆除
- 電気工事
- 鍵開け・交換・修理
- 窓ガラス修理・ドアノブ修理
- 家の修理
- バッテリー上がり
- ハウスクリーニング
- ペット火葬・葬儀
- 家電修理
- パソコン修理・ネット回線
- 家具・雑貨の修理
- 外壁・屋根工事
- リフォーム
- 防犯カメラ設置
- 盗聴器・その他調査診断
- 便利屋・代行サービス
- 引越し・配送サービス
- オフィス・店舗向けサービス
- その他