便利だと思って入れたソフト、しかし実際には使う機会がなかったということもあるでしょう。たとえサイズの小さなソフトであってもその量が多くなれば、パソコンの記憶領域を圧迫してしまいます。
また新しいパソコンを購入したため今までのソフトを移したい、ということも。販売されているソフトはインストールできるパソコンの台数は限られていることも少なくなく、こういう場合は一度、プログラムをアンインストール(削除)しなければなりません。
しかし意外とこのアンインストール、方法に手間取ることや失敗することも多いのが実態です。今回はそんな「アンインストールできない」問題について取り上げます。
目次
そもそもプログラム(アプリケーション)はどのように管理されている?
プログラムがアンインストールできない問題が生まれる要因として、パソコンがどうプログラム(アプリケーション・ソフト)を管理しているかがわかりにくいという面があります。まずはWindowsがどうやってプログラムを管理し利便性を高めているかを確認してみましょう。
プログラムとレジストリ
例えば家電量販店で便利そうなソフトを見つけ、購入してパソコンに入れたいと思ったとします。その際は付属しているCDやDVDを読み込ませて、「インストーラー」からパソコンに導入することが多いでしょう。最近では「プロダクトキー」が書かれたカードだけで、ソフト自体はインターネットからダウンロードすることも増えてきました。しかし「インストーラー」を経由することは同じです。
このインストーラーはただ単純にプログラム本体をパソコンにコピーしているわけではありません。「レジストリ」というWindowsの設定ファイルに、たとえば次のような情報を書き込んでいるのです。
・そのプログラムがストレージ(ハードディスクやSSDなど)のどこに置かれているか
・そのプログラムはどのような拡張子(.docや.xlsなど)のファイル形式で保存するか
・そのプログラムはどのような拡張子のファイル形式を読み込むことができるか
こういった情報をレジストリにあらかじめメモしておくことで、プログラムからではなく保存した書類をダブルクリックしただけで開くことができます。
ただし「レジストリ」はWindows全体で利用するファイルなので、むやみに書き換えを許すと最悪の場合、パソコン自体が動作しなくなるおそれも。そのためレジストリに情報を書き込む場合は「管理者権限」が求められることが大半です。
レジストリに書き込まないタイプも
じつはレジストリに書き込まないタイプのプログラムも存在します。
Microsoft Storeアプリ
Windows 8以降から導入された新たなソフトウェア導入方法が「Microsoft Store」(旧・Windows Store)です。スマートフォンのようにアプリを検索・インストールできるため、利用している方も増えているでしょう。
このMicrosoft Storeから導入したアプリは「サンドボックス」という仕組みで動いています。簡単にいうと「Windowsとは独立して動いている」ため、当然ながらレジストリへの書き込みなどもおこないません。
個人が開発したフリーのソフトウェアなど
個人が開発したプログラム(ソフトウェア)の場合比較的処理が簡単な機能を使っていて、レジストリにアクセスする必要がないことも多いです。またプログラム独自の書類を使用しなければ利便性にも大きく影響しません。
さらには問題を引き起こすおそれのあるレジストリ書き込みを好まない開発者も比較的多く、開発したプログラムをそのまま配布しているケースも少なくないのです。
いわゆる「ポータブル版」
USBメモリなどにプログラム本体を格納し、パソコンをまたいで使用する用途で「ポータブル版」という形が利用されることがあります。しかしレジストリは「Windowsがそれぞれのパソコンで管理する情報」のため、レジストリに書き込んでしまうとその使用用途を満たすことができないのです。
そのため「ポータブル版」ではレジストリを使わないように工夫してプログラムが組まれています。通常版とは機能の一部が異なる場合も多いでしょう。
macOSの場合
macOSの場合、Windowsの「レジストリ」に当たるようなファイルはありません。その代わり、アプリケーションの設定に関する情報は「ライブラリ(Library)」というフォルダでまとめて管理されています。アプリケーションのインストールでここにファイルを作成する場合、管理者権限を求められるのです。
また「Mac App Store」からインストールしたアプリケーションについてはWindowsの場合と同様「サンドボックス」という仕組みで動きます。このことから「ライブラリ」などほかのアプリケーションに干渉することがないようになっているのです。
まずは確認!通常のアンインストール方法
ここまではプログラムが管理されている仕組みを確認してきました。そのうえで一度、プログラムのアンインストール方法を見てみましょう。
Windows 8以降の場合
Windows 8以降の場合、Microsoft Storeのアプリを含め「設定」からアンインストールをおこなうのが一般的です。
歯車のマークをした「設定」を開いたら、「アプリ」→「アプリと機能」を開き、アンインストールしたいプログラムをクリックすれば「アンインストール」というボタンが出てきます。
あとは画面に従って進めていき、必要に応じて管理者権限を入力すればプログラムの削除ができるでしょう。
なおスタートメニューから削除したいプログラムを右クリックすると「アンインストール」という選択肢が出てくる場合もあります。選択すると「アプリと機能」画面が出てくるので、あとは先ほどと同様、画面に沿って進めていきましょう。
Windows 7以前の場合
Windows 7以前の場合はコントロールパネルを利用してアンインストールをおこなうことが可能です。「プログラムの追加と削除」からアンインストールしたいプログラムを選び上に出てくる「アンインストール」をクリック、もしくは右クリックして選んでください。
インストーラーを使わないプログラムの場合
インストーラーを使わないプログラムの場合、レジストリの情報を書き換える必要がありません。そのためそのままプログラム自体、またはプログラムと各種ファイルが入ったフォルダ自体をそのまま消してしまっても大丈夫です。
macOS
macOSの場合は基本的に、使わなくなったアプリケーションはそのまま「ゴミ箱」に入れてしまえば問題ありません。ただし「ライブラリ」内のファイルが残っていることには注意しましょう。
アンインストーラーが付属する場合も
プログラムと一緒にアンインストーラーの用意がされていることも、じつは少なくありません。スタートメニューからプログラムを開くとき、「Uninstall」「アンインストーラー」などが一緒に入っていないか確かめてみてください。こうしたプログラムは関連する複数のプログラムを同時に消すことができるほか、残りがちな設定ファイルなども一緒に削除してくれることがあります。
それでもアンインストールできないときの原因は
しかし通常の方法でアンインストールしようとしても何らかの原因で対応できないことがあります。その原因として次のようなものが考えられるでしょう。
プログラムが起動している
起動しているプログラムを削除してしまうと、パソコンが不安定になってしまうおそれが高くなります。このことから安全のため、起動中のプログラムは削除できない仕組みになっているのです。プログラムを現在使用中ではないか、裏で起動していないかを確認してみてください。
一度に複数のプログラムを同時に削除・インストールしようとしている
大半のプログラムは現在、Windowsが提供するインストーラーを利用して導入・削除をおこなっています。またレジストリの書き換えを同時におこなうとエラーの原因につながりやすいため、別のプログラムのアンインストール途中の場合、もしくはインストールをおこなっている場合は同時にできないよう制限がかけられているのです。
面倒かとは思いますが、ひとつひとつ確実に作業をおこなっていきましょう。
レジストリ情報が誤っている
1章でも確認しましたが、レジストリというのはWindowsにとってアプリケーションを特定する手掛かりです。しかし「プログラムやWindowsの更新がおこなわれた際書き換えがうまくいかなかった」「プログラムの場所が変わっていた」「別のプログラムのインストール・アンインストール時に誤って書き換わってしまった」などの理由でレジストリ情報が誤っていることが意外とあります。
アンインストール時にもレジストリ情報を参照しているため、この情報が誤っているとWindowsがプログラムにたどり着けないのです。
追加ソフト不要!対処法は複数ある
ではアンインストールができなかった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。レジストリが誤っている、と聞くと対処法はないように思えますが、さまざまな方法が準備されています。
コントロールパネルから削除(Windows 8以降の場合)
Windows 8からパソコンに関する設定はわかりやすさも重視して「設定」というアプリを利用するようになりました。しかしWindows 10になった現在でも「コントロールパネル」自体は残されており、一部の細かな設定はこちらを利用しています。
アンインストールは先ほど確認したとおりコントロールパネルを介しなくてもできますが、コントロールパネルにも機能が残されているのです。「設定」でうまくいかなかったときは、こちらも試してみるのがひとつの手でしょう。
コントロールパネルはプログラム一覧のうち「Windowsシステムツール」のフォルダ内に格納されています。「設定」から削除できなかった場合、こちらも一度試してみてください。
コントロールパネルで「修復」をする
レジストリに誤った情報が書き込まれていた場合でもWindows側で正しい情報に戻せることがあります。それがコントロールパネルの「修復」という機能です。
この「修復」は先ほどのコントロールパネルでアンインストールする方法から、「アンインストール」の代わりに選択することができます。一度「修復」を試してからアンインストールすれば、うまくいくかもしれません。
再インストールしてからアンインストール
レジストリ情報が誤っていても一度インストールしなおせば正しい情報に書き換わり、プログラムを削除できる場合があります。ソフトのインストーラーを準備し、上書きしてインストールしなおしてみてください。
再起動する
一部のプログラムは一度起動すると終了させたように見えて、じつは裏で動いている場合があります。するとそのままでは削除できません。強制的に落とす方法もなくはないですがパソコン自体が不安定になることも多いため、パソコン自体を再起動してみましょう。
再起動してもプログラムが起動中の場合、自動的に起動するよう設定されている可能性が高いです。右下のアイコン(インジゲーター)に削除したいプログラムが表示されていないか、「設定」から「アプリ」→「スタートアップ」と開き、削除したいアプリが自動起動するようになっていないか確認してみてください。
セーフモードを利用
Windows・macOSとも問題が起こった際、最小限のファイルだけを利用して起動する「セーフモード」という機能があります。この方法で起動すれば裏で自動的にプログラムが立ち上がることを防ぐことができ、削除がうまくいくかもしれないのです。
なお起動方法はOSによって異なるため、一度確認が必要です。
Windows 8以降
・「設定」から「更新とセキュリティ」→「回復」を選択
・「PCの起動をカスタマイズする」の項目にある「今すぐ再起動」をクリックする
・応急用のOS(Windows RE)が起動するので「トラブルシューティング」をクリックし、「詳細オプション」を選択
・「スタートアップ設定」をクリックし、「再起動」
・一度再起動した後「スタートアップ設定」を選択できる画面になるので、「4」または「F4」キーで「セーフモードを有効にする」を選ぶ
Windows 7以前
・パソコンの電源を入れたら「F8」キーを押しっぱなしにしておく
・「詳細ブートオプション」が表示されたら「F8」キーを離す
・矢印キーを使って「セーフモード」を選択し、Enterを押す
macOSの場合
・「Shift」キーを押したままパソコンを立ち上げる
・Appleロゴの後、ログイン画面になったらキーを離しログインする
・自動でシステムが検証されるので、しばらく待つ
なおセーフモードはあくまでも応急的なものです。削除が終わったら一度再起動し、通常の起動モードに戻しましょう。
レジストリを修復するツールを利用
ここまでの方法を試してみてもプログラムをアンインストールできない場合、レジストリを修復するツールを使用してみるのもひとつの方法でしょう。ただしシステムに大きく影響する部分のため、慎重に作業をおこなってください。
「Fix It」(Easy Fix Solution)は提供廃止された
レジストリに関する問題を解決するため、以前はWindowsを開発するMicrosoftから「Fix It」(その後Easy Fix Solutionに名称変更)が提供されていました。しかしあくまでも応急的なものであったこと、トラブルシューティングツールに統合する方針もあり、現在ではダウンロードすることができません。
レジストリの修復をするトラブルシューティングツールは配布されている
トラブルシューティングの大半はWindows自体に内蔵されていますが、Windows プログラムの削除ができない問題解決のトラブルシューティングツールについては別に配布が行われています。Windowsのサポートページからダウンロードができるので、一度試してみましょう。
ここまでさまざまな方法をご紹介しましたが、それでもプログラムがアンインストールできない場合はハードディスクやSSDなどの問題が絡んでいることもあり、自分での解決が困難になります。無理せず一度、パソコン修理のプロに相談してみてください。
製品版では要確認!アクティベーションについて
プログラムをアンインストールするときに気を付けておきたいのが「アクティベーション」という仕組みです。有料(製品版)のプログラムの場合にはトラブルの原因にもなるため、一度確認しておいてください。
プログラムでは「1回の購入で入れられるパソコンの台数」が決まっている場合が多いです。プログラムは本来「貸し出す」ものであり、私たちはそれを使用する権利(ライセンス)を買っているに過ぎないから。しかし現実にはその台数を超えて入れられてしまう場合も多く、大きな問題となっていました。
これを解決するため「アクティベーション」という仕組みが設けられているプログラムがあります。簡単にいうとインストール時にインターネットで認証をおこなうことで、ライセンスを超えた台数に入れる不正を防ぐ仕組み。近年は「POSAカード」といわれるシリアルキーが書かれたカードを購入することも増えてきましたが、これもアクティベーションを応用した方法です。
ディアクティベーションが必要なソフトがある
このアクティベーションの仕組み、アンインストール時にはどう対応すればいいか確認しておかなければなりません。というのは目的上、「アクティベーション」に制限が設けられているから。
・回数を制限してアクティベーションをおこなう
・インターネット上で管理する
上の2つの場合、そのままアンインストールしてしまっても問題はありません。インターネット上で管理している場合メーカーのwebサイトから削除すれば、別のパソコンでふたたび使用できるようになります。しかし、
・パソコン上で「ディアクティベーション」をする必要がある
この場合はプログラムから一度「ディアクティベーション」をおこない、「プログラムを使用できる権利」を一度パソコンから消す必要があるのです。アンインストールの際は「ディアクティベーション」が必要か、一度確認してみましょう。
まとめ
趣味・仕事などの幅を広げるパソコン、そしてパソコンにインストールするプログラムやアプリケーションですが、必要なくなったときのアンインストールができないと大変です。プログラムがアンインストールできないときは一度落ち着いて方法を確認し、冷静に対応してください。
今回紹介した方法でもアンインストールがうまくいかないときはレジストリを手動で修復、もしくはハードディスクやSSDなどの問題解決が必要になってくることが多いです。一度パソコン修理のプロに相談し、根本的な解決につなげることが大切になってくるでしょう。
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