家屋を守る玄関や窓の鍵は、もしかしたらひとつでは不十分かもしれません。とくに古い鍵を長く使っているような方は、鍵の防犯性能が低下している可能性もあります。とはいえ、鍵の交換は費用もかかるし面倒……そんなときは、『補助錠』を取り付けましょう。
補助錠にはさまざまな種類があり、工事不要の補助錠や電動の補助錠など、多くの商品が発売されています。自分に合った商品を探して、自宅の安全を守れるようにしておきましょう。
ここでは、そんな補助錠の解説や疑問点の解消、またおすすめ商品を多数ご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
補助錠とは?その特徴や設置しておきたい理由、メリット
そもそも補助錠とはどういった鍵なのでしょうか。また、取り付けることでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここで補助錠の基本的な部分について解説していきましょう。
補助錠とは?
補助錠とは、玄関の扉や窓などにもともとついている鍵とは別に、追加で取り付ける鍵のことです。鍵自体が不法に扉や窓を開けられることを防ぐ意味があるため、その鍵が単純に2つになるだけでも大きな安心感があります。
そんな補助錠は、時代の流れによって進化しています。誰でも取り付けられる補助錠から、近年ではリモコンなどの電子技術を使ったものまで、さまざまなものが発売されています。
工事を必要としないものも多いため、防犯対策の中でも比較的手を付けやすいでしょう。玄関や窓の防犯を強化したいと思ったときはまず、この補助錠から試してみてはいかがでしょうか。
窓のクレセント錠・玄関のピンタンブラーは危険?
賃貸住宅や一般家庭など、さまざまな窓で見かけるクレセント錠という鍵。くるりと取っ手を半周させることでロックがかかる、シンプルなものです。しかし、このクレセント錠は、防犯上あまりよいとはいえません。
クレセント錠は構造がシンプルであるがために、不正開錠もされやすくなっています。鍵周辺を割り、そこから手を入れて回すなどすれば、数秒~数分で破られてしまうでしょう。
また、玄関にピンタンブラーという鍵を利用している場合も少々危険です。ピンタンブラーとは日常でもよく見かける、鍵の側面がギザギザになっているもののことを指します。広く使われているこの鍵ですが、古い型のものだとピッキングに弱く、不正開錠されやすいという弱点があるのです。
上記のような点で不安のある方は、補助錠の導入を検討してみるのもよいでしょう。
補助錠を付けると空き巣が寄り付きにくくなる?
補助錠のメリットは、単純に鍵が増えるだけではありません。補助錠のある家には、空き巣なども近寄りにくい傾向にあるのです。
空き巣はよく、侵入する家屋を下見するといわれています。このとき、防犯対策がしっかりしていると思わせれば空き巣もその家を狙いにくくなるのです。空き巣は、できるだけ時間をかけずに犯行におよびたいもの。そういった心理的に、補助錠がついていて侵入しにくそうな家は空き巣に嫌われるのでしょう。
実際の防犯性能以外にも、空き巣に対する抑止力にもなる補助錠は、防犯対策の中でも効果的な方法といえます。
賃貸でも使える?補助錠の疑問点を解決!
補助錠を取り付ける前には、「賃貸でも大丈夫なの?」という疑問がよく浮かびがちです。そのほかにも多くの疑問点があるかと思いますので、ここではそんな不安を解消していきましょう。
賃貸住宅に住んでいるときはどうすれば?
補助錠の中には、工事不要で壁や扉、サッシなどを傷つけずに設置できるものが多くあります。賃貸住宅に住んでいる場合は、そのような商品を選びましょう。
しかし、補助錠は防犯上とはいえ、借りている物件に手を加える行為になります。取り付けたい場合は、必ず管理人の方に確認を取るようにしてください。
取り付けの際にはなにに注意すればいい?
補助錠を上手に取り付けるには、しっかりとした準備が必要です。とくに、楽に取り付けられるタイプの補助錠は扉やサッシに直接取り付けるものが多いので、ごみや異物があると上手くいきません。ホコリや異物などがはさまっていないよう、しっかり掃除しておきましょう。
玄関用の場合は、取り付けたい扉の『開き方』にも注意しなければなりません。一般的な扉の開き方には『内開き』や『外開き』、『引き戸』などさまざまな種類があり、補助錠にもそれぞれ専用のものがあります。
窓用でも、クレセント錠のサイズや窓の形状によっては設置できないことも。これを間違えてしまうと取り付けができなくなってしまうため、事前に商品説明をしっかり確認しておいてください。
防犯性の高い補助錠はどんな補助錠?
自分で取り付けられる補助錠も十分効果的ですが、より防犯性能の高いものを求める方も多いのではないでしょうか。近年ではリモコンなどを用いて操作できる電子補助錠なども登場しており、さらに防犯性が向上しています。
また、窓の補助錠にも性能のよい商品は多くあります。クレセント錠をおおい隠してくれるものや鍵穴の付いた頑丈な補助錠など、防犯性能はどんどん進化しているのです。
これらの補助錠は本鍵がもうひとつ増えたような安心感があり、また破損などもしにくいでしょう。
取り付け簡単!玄関用・工事不要の補助錠
補助錠を初めて取り付ける方や、まずは簡単な対策からはじめてみたいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、玄関用の工事不要補助錠をいくつかご紹介していきます。
ノムラテック ドアロックガードディンプル キータイプ ブラック
穴あけ不要で簡単に取り付けられる補助錠です。ドア枠に取り付け金具を設置して、ねじをしめれば取付完了となります。付属の鍵は、ディンプルキーと呼ばれるピッキングに強い鍵なので安心感も高いでしょう。
iNAHO SM-12 キーアウト 30700012
鍵穴やドアノブをおおい隠すようにして防護する商品です。ダイヤル式で取り外しができるため、余分に家具を持ち歩く必要もありません。設置も簡単で、お手軽に防犯機能を追加できます。見た目もしっかりしているため、空き巣抑止効果も高いでしょう。
美和ロック 鍵穴ロック ホームミニU9 ATL-011
こちらは鍵穴に入れることで、ピッキングを防ぐことのできる商品です。簡単操作で鍵穴をおおい隠してくれるお手軽さが大きな魅力で、その見た目もおしゃれな造形になっています。鍵穴によって対応する製品が異なるため、購入の際はよく確認してから決定するようにしてください。
ガードロック ドアノブ(握り玉)用補助錠 ノブ LOCK 620
この商品は、ワンタッチで握り玉のドアノブを隠してくれます。暗証番号を入れなければ本商品が空回りしてノブを開けさせないため、ピッキングなどの細工を寄せ付けません。その暗証番号のダイヤルも偶数番号が記号になっており、覗き見られても判別しにくいように作られています。徹底してドアノブを守る、心強い製品です。
窓の防犯性を上げる!簡単取り付けが可能な窓補助錠
空き巣は窓から侵入してくることも多いため、しっかり対策をしておかなければなりません。防犯性能の低いクレセント錠を守るためにも、補助錠をきちんと取り付けておきましょう。
ノムラテック ウインドロックZERO 3個入 ブロンズ N-1155
窓のサッシ部分に、簡単に取り付けられる補助錠です。サッシにこの製品を挿し込み、ねじの部分を回せば固定できます。このネジの部分は鍵にもなっており、固定後は外してネジを回せないようになります。シンプルですが、防犯性能の高い便利な製品です。
伊藤製作所 ワンタッチシマリ 大 1個入 ブロンズ
粘着テープではり付けるだけのワンタッチで設置できる窓用補助錠です。主に窓上部の窓枠部分に設置する補助錠で、操作方法もワンタッチと非常に便利。一度端を押せばロックがかかり、逆の端を押せば解除されるという設計はとても使いやすく、防犯性と利便性を兼ね備えているといえるでしょう。
日中製作所 まど守りくん 窓の鍵ディンプル 197-U アンバー
クレセント錠に直接取り付ける、やや大型の補助錠です。クレセント錠をおおい隠すことで不正開錠を防ぐだけでなく、追加で鍵も用意してあるため非常に強固な防犯となります。より効果的な防犯を求めるのであれば、このような製品もオススメですよ。
玄関の防犯性をより高めるなら電子・デジタル補助錠もオススメ!
近年では、単に鍵を挿して施錠・開錠する補助錠だけでなく、キーレスで操作できるものも増えてきました。これらを使えば鍵を持ち歩く必要がなくなる上、ピッキングなども防げるでしょう。以下ではそんな、キーレスの補助錠製品をご紹介していきます。
鍵穴のないリモコンドアロックLOCKEY
リモコン操作で開閉できる、便利な補助錠です。機械的な見た目に反してその取り付けは粘着シートと非常に簡単。一般的な扉はもちろん、引き戸にも対応できる非常に便利な一品です。
HS着脱サムターンTAIKO デジタルロック 5100 HS シルバー色 暗証番号 ボタン錠 後付け型 補助錠 デジタルドアロック タイコー 5100HS 防犯対策
後付で取り付けられるデジタルロックです。暗証番号をボタンで入力する方式で、ピッキングの心配はありません。やや大型のその見た目は安心感があり、しっかり扉にとりついてくれます。鍵を持ち歩く必要がなくなる、利便性の高い商品ですね。
後付けリモコン電気錠 リボーン2(REBORN2) LSPタイプ
この補助錠は、ワンタッチで鍵を操作できます。リモコンひとつで施開錠でき、その範囲は30mと非常に長い点が特徴。自動施錠機能があるので、鍵をかけ忘れる心配もありません。 簡単に使えてしっかり防犯できる、すぐれものです。
補助錠取り付けはプロに依頼するのもオススメ!その理由とは
自分で取り付けられるものは問題ありませんが、より高性能なものとなると取り付けが少々難しくなってくることも。とくに穴を開けて設置するタイプのものなどは、やや難易度も高いでしょう。
補助錠は取り付け方などを間違えてしまうと、その効果が弱まってしまいます。取り付けに自信のない方は、鍵業者に依頼して設置してもらうのもひとつの手です。プロの技術で取り付けてもらえば、補助錠の性能もしっかり発揮できるでしょう。
また、より強固な防犯鍵を求めるのであれば、既存の鍵自体を交換してしまう方法も有効です。とくに玄関の鍵にはさまざまな種類があり、それぞれ防犯性能も異なります。
詳しくは、「ピッキングに強い鍵の種類とは?防犯効果の高い鍵の種類について 」、「【一挙紹介】玄関の鍵の種類を知れば、家の防犯対策が見えてくる! 」などの記事をぜひ参考にしてください。
まとめ
補助錠は、玄関や窓の防犯性を上げてくれる非常に便利なものです。単純に鍵が増えるのはもちろん、空き巣に対する抑止力ともなる補助錠は、安全な暮らしを求めるなら用意しておいて損はありません。
近年では自分で取り付けられるものから電動のものまで、多彩な種類が発売されている補助錠。自宅の扉や窓に合うか確認して、より自分の求める機能の補助錠を探してみましょう。
そんな補助錠も、商品によっては取り付けが少々難しいことがあります。取り付けが不十分だったり、壊してしまったりしては元も子もありません。取り付け作業が不安な方は、鍵の業者に依頼してみましょう。
(この記事は2019年3月28日に加筆・修正しています)
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