錠前を開ける際、鍵を使わずにピックやテンションなどの器具を使い開錠する行為を、ピッキングといいます。
ピッキングといえば、名前や行為からして難しいことをイメージする人もいらっしゃいますが、必要最低限の知識、技術があれば鍵開けの素人でもおこなうことができるのです。
そのため犯罪に悪用されやすく、2000年代半ばにはピッキングの悪用による多数の被害が報告され、今現在でも悪用を問題視されている知識、技術でもあります。
このコラムでは、ピッキングに関することやピッキングに強い鍵の種類などについてご紹介します。
目次
ピッキングされやすい鍵の種類
ピッキングとは、簡単にいえば鍵穴に器具を差し込み、差し込んだ器具で鍵穴の内部機構を操作ながら開錠する行為です。ですので、鍵穴内部がディスクなどの組み合わせで開くタイプの鍵であるディスクシリンダー錠は、ピッキングのターゲットとなりやすくなっています。
日常的に使う機会が多い鍵でピッキングされやすい鍵は、以下の2つとなります。
・ディスクシリンダー錠
日本の住宅で普及している鍵です。
・単列ダンプラーキー
南京錠や自転車の鍵で、今現在でも使われていることの多い鍵でもあります。
ディスクシリンダー錠とは
ディスクシリンダー錠とは、日本の住宅の多くで普及されている鍵です。鍵穴はどの鍵よりも簡単な構造で汎用性も高く、安価で販売されていました。そのことから、一時期一般住宅への普及率が爆発的に広がったとされています。築年数が古い家では、この鍵を使っている住宅も多いです。
しかし、前述した通り、ディスクシリンダー錠は鍵のなかでも簡単な構造なので、ピッキングがしやすく悪用されやすい欠点を持ちます。そのため、最近建てられる住宅ではこの鍵を使う家も少なくなってきており、この錠前の名を耳にする機会も減ってきている人も多いでしょう。
不正解錠はピッキング以外にもあります
先ほどの章ではピッキングされやすい鍵の種類をご紹介しましたが、ピッキング以外にも鍵不正に開錠する方法はいくつもあります。鍵の不正解錠は、ピッキング以外にも注意しておくべきでしょう。
この章では、ピッキングの他にもどんな不正解錠があるのかについてご紹介します。
パンピング
バンピングとは、ピンシリンダー錠を開けるために特殊加工した「バンプキー」と呼ばれる器具を使う不正解錠の方法です。バンピングは開錠した痕跡が残りにくいうえに、器具さえあればピンシリンダー錠でも簡単に開けることができるため、悪用されやすい開錠方法となります。
サムターン回し
サムターン回しはその名の通り、ドアの内側のつまみであるサムターンを直接回転させ、開錠する方法です。サムターン回しにもさまざまなものがあります。そのなかでも手口として多いのは、ドリルなどでドアに空けた穴から金属の棒でサムターンを回したり、ドアについている郵便受けなどから狙ったりする方法でしょう。
カム送り
鍵穴ではなくシリンダーカラーの隙間などから、鍵ケースに特殊工具を差し込んで開けてしまう方法は、カム送りと呼ばれています。
ピッキングではないけど、鍵自体を壊して開けられてしまうことも
鍵開けはピッキングだけではなく、鍵を直接破壊するなどして強引に開けられてしまうことがあります。こういった強引な鍵開けにはいったいどんな種類があるのでしょうか。
こじ破り
こじ破りはバールを使い、無理やりドアを開けてしまうことを指します。強引でありながら単純、簡単な鍵開け方法ですので、不法侵入などの犯罪の手口によく使われるそうです。
鍵穴壊し
その名の通り、鍵穴を破壊して開錠してしまう行為のことです。手口はさまざまですが、多くの場合はドリルやホルソーを使って開けます。
ドリリング
ドリルを使って、シリンダー錠などを破壊する手口のことをいいます。
ドアノブのもぎ取り
シリンダー錠がついたドアノブなどを強引にもぎ取って開錠してしまう行為のことを指します。
以上のように、ピッキングだけでなく、鍵穴の破壊でも開錠されてしまいますので、注意しておきましょう。
ピッキングを含む不正解錠に強い鍵
ディスクシリンダー錠のような、汎用性と普及率が高い代わりに防犯性が低い鍵がある反面、最近ではピッキングを含む不正解錠に強い錠前が開発されています。
どうせ鍵を使うのであれば、防犯面に信頼がおけるものを使いたいものですよね。そこで、ピッキングに強い鍵の種類を見ていきましょう。
ディンプルキー
ディンプルとは、小さなくぼみのことです。ディンプルキーの特徴は、キーを差し込んだ内部で押し上げられるピンの数が18本程度と多く、それだけ複雑な構造になっています。
一般的なピンシリンダーキーの場合は、ピンの数がその3分の1程度ですので、ディンプルキーに変更することによってピッキングするのが困難になるはずです。
ロータリー方式シリンダーキー
見た目はディンプルキーのようには複雑に見えず、一見普通のピンシリンダーキーのように見えます。しかし、回転式ディスクシリンダーとロッキングバー方式が採用されているため、ピッキングしにくい作りになっているのです。キーの両側にギザギザがあるのが特徴となっています。
電子錠
電子錠は電気を使い、開閉操作をする錠前です。電気を使いますので、配線が必要だったり乾電池を使ったりするものなどがありますが、最近では配線がいらないものも販売されています。
アナログの錠前は鍵穴がありますが、デジタルの錠前は鍵穴がありません。ですので、ほとんどピッキングで不正解錠をされる心配がないのです。
不法侵入を阻止!鍵を変えれば犯罪は防げるか
ピッキングなどの不正解錠がしやすい鍵は、犯罪者に目を付けられる原因となってしまいます。日々を安全に暮らすためにも、きちんと防犯性が高い鍵をつけ、犯罪者が侵入しにくい家を維持したいものです。
ですが、防犯性が高い鍵を変えれば不法侵入などの犯罪は防げるのでしょうか。
狙われやすい家とは
そもそも、犯罪者に狙われやすい家とはいったいどんな家なのでしょうか。実は、こういった条件は意外と犯罪者に狙われやすい家となります。
玄関などのドアの鍵が1つしかない
多くの家では、玄関などに設置されているドアの鍵の個数は1つです。しかし、その鍵がピッキングされやすいものだと、手慣れた犯罪者はものの数分で開錠してしまうでしょう。警視庁ではワンドアツーロック(1つのドアに2つの鍵)を推奨しているほどに、鍵がひとつしかない家は狙われやすいです。
鍵の種類がピッキングしやすい
防犯対策がしっかりとおこなわれていない鍵、つまり、鍵の内部機構がシンプルなものはピッキングしやすいです。この場合のシンプルな鍵はディスクシリンダー錠などが挙げられます。こういった鍵は不正解錠の知識が知れ渡っており、技術が身についている人ならば息をするようにたやすく鍵を開けてしまいます。
施錠がきちんとされていない、人がいない家だとわかる
鍵の種類とはあまり関係ありませんが、きちんと防犯対策がおこなわれていない家は犯罪者の格好の餌食です。例えば、無防備に窓を開けて外出をしてしまったり、玄関などを無施錠のままにしたりしている家は、鍵をかけている家よりダントツで犯罪に巻き込まれています。こういった面も考えると、鍵の重要性がわかりますね。
より安全性が強い家へ。鍵を交換する場合の費用
このコラムを通してご紹介してきた通り、鍵の種類はシンプルなものより、ピッキングされにくい鍵に取り替えたほうがより鍵の防犯性も上がることでしょう。また、完全に侵入犯罪を阻止することができなくても、侵入犯罪の遭遇率を格段に減らすことはできます。
家の防犯性を高めるために鍵の種類を変えたい場合、気になるのが施工費用でしょう。費用は高ければ高いほど家計を苦しくしますし、なるべくなら安く抑えたいと多くの人が思うことです。
家の鍵の種類を交換する場合、いったいどの程度かかるのかを見ていきましょう。
鍵交換の費用
業者や取り替えたい鍵の種類で費用は変わってきますが、鍵の交換の最安値は約3,500円だそうです。
しかし、これは比較的設置も簡単なシリンダー錠の費用となっています。電子錠の代表格である指紋認証キーなどの設置は10万円以上かかる場合があるでしょう。
設置したい鍵の費用は大まかでも把握しておくと、費用の都合がつきやすくなることでしょう。また、もっと詳しい値段を知りたい人は自分が依頼したい業者へ見積もりをとってみてください。
まとめ
ピッキングなどの不正解錠をされないようにするためには、まず自分の家の鍵の種類がどんなものなのか、ピッキングはされにくい鍵なのかを調べることから始めましょう。
もしピッキングされやすい鍵であれば、今は犯罪に巻き込まれていなくても、近い将来犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。鍵の種類を変えることで、完全に侵入犯罪を防ぐことは難しいですが、シンプルな鍵を設置したままよりは断然、侵入犯罪を防げることでしょう。
鍵の交換、設置の方法を見直してみて、もし、鍵の設置、交換をしたい人は「生活110番」のなかから「鍵交換業者」を探してみると簡単に業者がみつけられます。
鍵をより安全なものに交換して、安心して暮らせる生活を守りましょう。
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