
ソテツは日本の九州南部や南西諸島をはじめ、オーストラリア、アフリカなどにも生息しており、約20種類と幅広く分布する常緑低木の一つです。ソテツは南国ムードを演出するシーンに用いられることが多く、浜辺や海岸沿いなどでよく目にするでしょう。他にも、盆栽や観葉植物としても根強い人気があります。
そこで今回は、そんなソテツの育て方についてポイントをいくつかご紹介していきます。
南国の植物「ソテツ」を育てるときのポイント
ソテツとは沖縄や南西諸島に自生しており、古木は5mほどになる常緑低木です。太い幹から葉っぱを直接伸ばしていくのが特徴で、枝をもつことはありません。幹の先には束状になっており、長さ1mほどで厚くてつやがある羽状の葉をつけるため、幹肌には葉が落ちた跡が模様となって残っています。
雌雄異株で生長はとても遅く、春に新葉を展開すると、わずか1年で2~4cm幹をのばしていきます。生長が遅い分、ソテツは剪定をこまめにする必要もありません。
雌花は幹の先についており、赤い種子が長さ4cmほどの大きさでできます。雄花は葉の上に抜き出ており、50~70cmほど伸びますが、花粉をまき散らします。花粉をまき散らすと枯れて倒れてしまいます。
ソテツは風通しのよく、日当たりがよい乾燥した場所で育てるのがポイントとなっています。幹の先から大きな葉を横に向かって茂らせる姿が長続きするため、手入れが少なく育てやすいため人気があります。
暖かい地域で育てるのであれば、庭植も鉢植えもどちらでも楽しめるのも人気の要因の一つです。また、根腐れを起こしたとしても、幹と新芽が生きてさえいれば再生することが可能なほど生命力が強いため、初心者でも育てやすくなっています。
ソテツの剪定方法について
ソテツは生育が遅く、姿があまり変わらない植物になります。そのためソテツは剪定を毎年する必要はありません。
しかし、新芽が伸びる夏頃に古くなった葉が垂れ下がり、黄色く変色した部分が気になる場合は、夏の間に付け根から切り取ってしまうのがよいでしょう。
ソテツの剪定はタイミングを見測らう必要もあります。ポイントとしては以下の2つがあります。
・古葉が水平方向より垂れるようになっている
・新芽が出るところである生長点が動き出しているころ
ソテツの葉は幹の上、すなわち生長点の一か所から密な状態で芽吹いていくのが特徴的です。
葉が出てきたときは上方向に向いていますが、ソテツが生長するにつれて葉が出てきたところが幹の部分になるので、葉の向きは横向きになります。そのため、古い葉が水平方向よりも下向きになってくると、剪定するタイミングといえます。
剪定の方法は、葉の付け根付近できるだけなのでとても簡単になっています。刈り込み鋏の刃などをソテツの幹に当てて、できるだけ歯の根元から切り落としていくのです。
葉の途中から切断してしまうと、切ったところが茶色く変色することもあります。
ソテツを庭に植え付け・植え替える方法
ソテツは剪定も簡単で、手軽に育てることができます。ではどのように育てていくのかをご紹介していきます。
植え付け
苗を植え付けする場合、適期は5~9月頃となっています。地植えの場合は水はけの具合により20~60cmほど土を盛っていきます。そこに苗を植え、割り箸などを使って土を突きながら隙間をなくしていきます。
植え付け後は倒木を防ぐためにも支柱を立てておくことが重要です。最後にたっぷりと水を与えておきましょう。
鉢植えの場合は苗よりも一回り大きな鉢に植えていきます。鉢底に軽石か鉢底石を入れ、用土を鉢の1/3くらいまで入れていきます。その中に苗を置いて周りを土で固めていきます。
植え替え
しっかりと手順をふめば、難しくはなく、ソテツも育ってくれます。また、植え替えも大切になってきます。
鉢植えの場合は、3~5年に一度の割合で、5〜9月頃に植え替えをしていきます。鉢底から根が出ていたり、水もちや水はけが悪くなってきたら植え替えの合図です。さらに一回り大きな鉢を準備して大きく育てていくか、根を少し減らし、同じ大きさの鉢に植え替えるかは自分の好みにあわせることができます。方法は植え付けと同様の手順です。
植え替えを忘れずに行うことで、より長くソテツを楽しむことができます。
ソテツの冬越えは重要な手入れ
ソテツは剪定が少なくすみ、お手入れも少なくすむため育てやすいですが、温度には気をつけなければいけません。ソテツの耐寒温度は約5度となっています。そのため、冬を越すにはしっかりと管理が必要となってきます。
鉢植えの場合は、室内に移動させて管理していきます。氷点下を下回る地域や霜が当たりやすい場所では、地植えでの冬越しは難しいと言われています。たとえ5度を下回らなくても、冬越しのために下葉を1/3ほど切り除いて、幹にワラなどをまいて防寒対策をしておくと安心して冬越しができます。
ソテツの開花は10年に1度
ソテツは剪定をしっかりしていても毎年花を咲かせるわけではありません。株の生育に応じて10~15年に1度しか咲かないのです。
ソテツは10月頃に赤い実をつけます。この種子からはでん粉が採れることもあり、原産地の沖縄や奄美諸島では、食料がないときには非常食として食べられていました。一方、体内で分解されるとホルムアルデヒドに変化する「サイカシン」という有毒物質を含んでいるため、そのまま食べてしまうと運動失調や麻痺などの中毒症状を引き起こすおそれもあるため注意が必要です。
人が食べる場合は毒抜きを必ずする必要があります。皮をはぎ、十分に水にさらし、1〜2週間ほどかけて十分に発酵、乾燥させることで毒が抜けます。この作業を十分にしないままソテツを食べた人が中毒症状に苦しみ、死者が出たことからもあるため、しっかりと毒抜きをする必要があるのです。
花はめったに見ることはできませんが、ソテツは痩せた土地でも元気に育つほど丈夫な植物の一つなので、あせらずゆっくり育てることが大切です。
まとめ
ソテツは手がかからず、初心者でも簡単に育てることができるのが最大の魅力です。しかし、生長はゆっくりで、花も10年に一度しかさかないため、しっかりとしたお手入れが必要です。そのため、ソテツの剪定は重要になってきます。
しかし、剪定方法を間違えると生長がとまり、花がいつまでたっても咲かないかもしれません。そうならないためにも、少しでも不安がある方は、業者に相談することをおすすめします。剪定をしっかり行うことで、いつまでもソテツを楽しむことができるのでないでしょうか。
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