ハナカイドウの剪定は花付きに影響する!時期に合わせた適切な方法を

2023.11.20

ハナカイドウの剪定は花付きに影響する!時期に合わせた適切な方法を

春になるとピンク色の花を咲かせるハナカイドウは、中国原産の落葉樹で、原産国では美の代名詞とされています。そして、その美しい花を長く楽しむためには、年に2回の剪定作業が欠かせません。

ハナカイドウの剪定は、冬と夏前におこなうのですが、冬に傷んだ枝を切り落とし、夏前に込み合った枝を減らすことで、花付きをよくするのです。

本コラムでは、剪定の適切な時期や方法はもちろん、ハナカイドウをより健康に育てるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。

ハナカイドウってどんな樹木?

ハナカイドウは、別名カイドウと呼ばれるバラ科リンゴ属の花木で、日本全国で目にすることができます。

4月~5月にかけて桃色の花が咲くのですが、その美しさは原産国の中国で酔って眠る楊貴妃の姿にたとえられ、美の代名詞として使われるほどなのです。花言葉も「美人の眠り」「艶麗(えんれい)」など、美しさを表すものがほとんどです。

そんなハナカイドウにはいくつかの品種があります。八重咲きの「ヤエカイドウ」や枝が垂れる「シダレカイドウ」などが代表的なものです。

また、ミカイドウと呼ばれるハナカイドウに似た品種もあります。これは、その名の通り実のなるカイドウで、花の色は白色です。ハナカイドウに似た白い花がある場合は、このミカイドウかもしれません。

ご紹介したカイドウはどれもそれぞれ美しい花を咲かせます。新しくハナカイドウを育て始める方は、品種にこだわって気に入るものを探してみるのも楽しいかもしれません。

ハナカイドウが枯れる2つの原因

ご紹介したように、美しい花を咲かせるハナカイドウですが、どんなに大切にしていても管理を怠れば枯れてしまうことはあります。そして、ハナカイドウが枯れるおもな原因は、根腐れと病害虫による被害です。

植物の成長に水は欠かせないものですが、たくさんあげればよいというわけではありません。水のやり過ぎで木の根が腐って枯れてしまうこともあるので、後述の【ハナカイドウを美しく育てるコツ】でご紹介する適切な頻度で水やりをおこないましょう。

病害虫の被害は、どのような病気や害虫被害にあいやすいかを知っていれば、木が枯れてしまう前に適切な対処をすることができます。

ハナカイドウに被害を及ぼす病害虫については【病害虫には要注意】で詳しくご紹介しますので、そちらを確認して早めの対処を心がけましょう。

ハナカイドウの剪定時期は年に2回ある

ハナカイドウを美しく咲かせるためには、木の特徴や枯れる原因を知っているだけでは不十分です。重要なお手入れのひとつに剪定作業があります。

ハナカイドウの剪定は、年に2回冬と夏前おこなうのですが、それぞれおもな目的が違うのです。冬の剪定は春に向けて成長を促すためにおこない、夏前の剪定は翌年花がより開花しやすいように枝同士に隙間をあけるためにおこないます。

ここでは、時期ごとの剪定のポイントなどをご紹介しましょう。剪定は病気や害虫による被害からハナカイドウを守る手段でもあるので、ぜひ参考にして挑戦してみてください。

12月~3月は強剪定可能

ハナカイドウは、花がすべて落ちた7月~8月ごろ翌年の花芽を付けます。剪定で花芽の付いた枝を落としてしまうと、翌年の花付きは悪くなってしまうでしょう。

落葉期の12月~3月は、枝ぶりや花芽の付いている場所がもっとも見やすい状態です。つまり、冬の剪定は花芽を傷つけないように樹形を整えるために最適のタイミングということになります。以下のような枝は積極的に切っておきましょう。

・枯れている枝
・ほかに比べて長く成長している枝
・幹に向かって伸びる枝

剪定の流れとしては、まず枯れた枝や幹に向かって伸びる枝など内側が込み合う原因になっている枝を落としてから、伸び過ぎた枝を切り落とします。

このとき、込み合う枝をカットする際は根元から、伸び過ぎた長い枝をカットする際は先端の3分の1くらいを目安にしてください。

花芽さえ傷つけなければ、ある程度大胆な剪定をしても問題ないでしょう。翌年の冬まで風通しのよい状態をキープできるような剪定をしておくことをおすすめします。

6月は徒長枝のカットを

6月は徐々に花が終わりかけ、花芽が付き始めるタイミングです。そのため、この時期は強めの剪定はおこなわず、枝が絡まらないようにするための軽い剪定をおこないます。全体のバランスを見て、枝が長すぎると感じた箇所を切ってください。

ハナカイドウを美しく育てるコツ

ハナカイドウは日当たりのよい場所を好みます。そのため、ハナカイドウのまわりには、日差しをさえぎる大きめな植物を置かないようにするなどの工夫が必要です。

ハナカイドウの樹高は低いものは1.5m高いものは5mほどまで成長します。すでにほかの植物が植えられている場所で栽培する場合は、日当たりに注意して植え付けましょう。

ただし、日当たりのよい場所であっても強い西日や乾燥は嫌います。日の傾きなどを考慮して、適度に日当たりが確保できる場所を選んでください。

庭植えも鉢植えも、前章でご紹介した剪定方法に関しては同じ方法でおこないますが、育て方は少し異なります。それぞれどのような点に注意すればよいのかご紹介しますので、ご自身の育て方と照らし合わせてご覧ください。

また、ハナカイドウは盆栽として育てられることもあります。盆栽のお手入れは、庭木として育てる場合と異なる部分があるので、その点についても解説していきましょう。

庭植え

庭植えでハナカイドウを育てるポイントは、植え付ける場所と水やりの頻度、与える肥料の3点です。

植え付ける場所 ある程度湿度を保てる水はけのよい土がある場所
水やり 土の表面が乾燥したら水やりをおこなう
肥料 1月~2月に油かすなどの有機質肥料、花後に化成肥料を与える

ハナカイドウは水分量が成長や健康に大きく関わります。湿り過ぎず乾き過ぎない場所を探して植えるようにしましょう。

水やりは、乾燥し過ぎないようこまめにおこなうのですが、多すぎると土の中の湿度が上がって根腐れする原因になるので注意が必要です。

鉢植え

鉢植えでハナカイドウを育てる場合も肥料の与え方は同じです。しかし、水やりの頻度と成長具合に合わせて植え替えをおこなう必要があるという点が庭植えと異なります。

水やり ・基本的には土の表面が乾いたタイミング
・土が乾きやすい夏は朝・晩の2度水やりが必要
植え替え 2~3年ほどに1回を目安におこなう
肥料 1月~2月に油かすなどの有機質肥料、花後に化成肥料を与える

庭植えと違って鉢という限られたスペースに根を張るので、乾きやすさや土壌の変化のなさなどが異なるのです。夏場だけ水やりの頻度が庭植えと異なるので、忘れないように注意してください。

植え替えは、水の浸透性をよくして栄養を全体にいき渡らせるためにおこないます。毎年の作業ではないので忘れやすいかもしれませんが、カレンダーに印を付けるなどして忘れないよう対策しておくとよいでしょう。

盆栽

ハナカイドウは、美しい花を観賞する方法として盆栽を選ぶ人もいます。好む場所や嫌う場所は同じですが、庭木のように大きく育てるものではないので、育て方の違いを確認しておきましょう。

水やり 基本的には土の表面が乾いたら水をやり、花後は1日に2~3回に増やす
肥料 4月ごろ~10月ごろまで、月に1回油かすなどの固形肥料を与える
植え替え 若い木は年に1回、成長したら2年に1回、3月か10月ごろにおこなう
剪定 長く伸びる枝は3芽ほど残してカット、込み合う枝は根元からカット
針金かけ 12月~3月か5月~6月に新梢にかけて樹形を作る

庭木や鉢植えとのおもな違いは肥料を与える頻度剪定する枝の長さではないでしょうか。剪定はほかと同じ時期におこないますが、コンパクトなサイズを維持するために、より短くカットする必要があるのです。

そして、盆栽でのみおこなう針金かけという作業も忘れてはいけません。針金を巻き付けて枝の位置決めをしたり枝を曲げたりすることで、盆栽を理想の形に仕上げていくのです。

接ぎ木でハナカイドウを増やすことができる

さまざまな楽しみ方ができるハナカイドウですが、お庭に増やしたくなった場合は、どのような方法で増やせばよいのでしょうか。

多くの樹木は、枝の一部を切って土に挿す「挿し木」という方法で増やすことができます。しかし、ハナカイドウの場合は、発芽しにくく根付きにくいという特徴があるため、挿し木での繁殖が難しいといわれているのです。

そこで、ハナカイドウの繁殖に適しているのが「接ぎ木」という方法です。接ぎ木とは、台木となる別の植物の枝やハナカイドウの根に今育てているハナカイドウの枝をつなげて新たな木として育てる方法のことをいいます。

ハナカイドウの台木は、別の植物を使用する場合はズミという木が使われることが多いです。

ただし、ズミの木を育てていないと枝を入手するのは難しいと思いますので、ここではハナカイドウの根を使った増やし方の手順をご紹介します。

手順
(1)ハナカイドウの株元を掘り起こし、太めの根を約20cm切る
(2)切り取った根を土に寝かせ、約1cm土をかぶせる
(3)根から出た芽のうち、もっとも元気なものを残してほかを切り落とす
(4)そのまま約2年芽を育てる
(5)育った枝に今育てているハナカイドウの枝を切り落としてつなげる
(6)つないだ部分全体に土をかぶせて乾燥を防ぐ

接ぎ木をおこなう際は、根を切るのが2月ごろ、枝を切り落とすのは3月ごろにおこなうのが適しているといわれています。

病害虫には要注意

ハナカイドウを栽培するうえで、剪定の時期や方法、育て方のほかに、病害虫についても注意が必要です。

というのも、ハナカイドウは病害虫の被害にあいやすい樹木だといわれています。広範囲に症状が出てしまうと、先に解説したように樹木が枯れる原因になるので、もしも被害にあってしまったら早めに対処しなければなりません。

ハナカイドウが被害にあいやすい病気と害虫は、それぞれ2種類あります。それぞれ症状や対処法を解説しますので、お庭のハナカイドウに以下の症状が出ていたら、すぐに対処してください。

病気 症状 対処法
うどんこ病 葉に白い粉のようなカビが発生 被害にあった部分を切り取って殺菌剤をまく
赤星病 葉に白い斑点が付く

害虫 症状 対処法
アブラムシ 新芽や葉に付いて汁を吸い取る 被害にあった部分や虫がつている部分を切り取って殺虫剤をまく
カイガラムシ 葉にこびりついて汁を吸い取る

まとめ

ハナカイドウは、冬と夏前の年に2回剪定をすることで美しい花を咲かせます。冬の剪定は少し大胆におこなってもよいですが、花芽を落とさないよう注意しておこないましょう。

そして、剪定と同じように大切なのが日ごろのお手入れです。栽培環境を整えて、水やりや肥料の頻度など、育て方に合わせた適切なお手入れをおこなってください。

ハナカイドウを気に入った場合は、接ぎ木をして本数を増やすことができます。手間や時間はかかりますが、成功すれば鮮やかにお庭を彩ることができるので、気になる方は挑戦してみてるとよいでしょう。

ただし、ハナカイドウは病害虫の被害にあいやすい植物です。せっかく数を増やしても、それらの被害に対する適切な対処ができなければ、すぐに枯らしてしまうかもしれません。

剪定や日々のお手入れはもちろん、病害虫被害への対処まで、正しい方法を覚えて健康で美しいハナカイドウを育て上げましょう。

もしもご紹介したようなお手入れを自分でおこなうことに不安がある場合は、プロの業者に剪定を依頼するという方法もあります。弊社にお電話いただければ、業者選びのお手伝いをすることもできますので、ぜひ一度ご相談ください。


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