日陰でも育つことのできる月桂樹は、ハーブとしてさまざまなことに葉を活用できます。そしてその特徴から、ガーデニングに用いられることの多い品種です。ただし、病気や害虫への耐性が弱いという性質があるため、それらに気をつける必要があるでしょう。
そこで今回は、月桂樹が病気や害虫に被害を受けているときの見分け方や、それに対する剪定などの対処法についてお伝えします。家庭で育てる月桂樹が、病害虫によって枯れてしまわないように、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
月桂樹がかかりやすい病気・病害虫は?
月桂樹が病気や害虫にむしばまれているのであれば、なにかしらの症状があらわれる可能性が高いです。そのため、育てている月桂樹に元気がないときは、まずしっかりと観察をするようにしましょう。
すす病
すす病にかかっている月桂樹は、葉や茎が菌糸と呼ばれる黒いすすのような膜におおわれます。そしてその菌糸は、放っておけば月桂樹全体に広がってしまうでしょう。菌糸は、植物の内側に侵入することはありませんが、膜が葉をおおってしまいます。
そのため、すぐに枯れてしまうおそれは低いですが、光合成や蒸散などの生命活動が上手くできなくなり、徐々に弱っていきます。原因となるのは糸状菌というカビの1種で、カイガラムシやアブラムシなどの害虫の排出物を媒介する腐生性と、直接月桂樹に付着する寄生性が存在します。
褐色円斑病
褐色円斑病を発症した月桂樹は、病名のとおり葉の表面に円形状の斑点があらわれます。病気が進行すると褐色の点が広がっていき、葉脈にそって侵食していくでしょう。そのため、すす病と違って直接的に葉を枯らしていくのが特徴です。
発症したまま放っておくと落葉するため、栄養をつくることができなくなり枯死してしまうでしょう。原因はすす病と同じ糸状菌といわれるカビですが、種類が違うため症状が変わります。
テッポウムシ
テッポウムシは、成虫であるカミキリムシによって木の内部に産卵されます。う化したテッポウムシは、そのまま内部を食い荒らし、月桂樹の樹勢を衰えさせてしまうでしょう。また、食害による枯死を免れたとしても、幹が空洞化してもろくなっているため、枯れてしまうおそれがあります。
ハマキムシ
ハマキムシは月桂樹の葉をくるくるまいて、その中に閉じこもって冬を越します。そのさいに葉やつぼみを食べてしまうので、生育に悪影響を及ぼすといえるでしょう。また、高温多湿の時期に発生しやすいので、夏場には注意が必要です。
こんなときは!月桂樹が病気になったときの対処法
症状がでていたら、月桂樹が病気や害虫に侵されている危険性が高いため、適切な対処をしましょう。また、治療だけでなく、二次被害をださないためにも迅速に行動することが重要になります。
すす病
すす病に感染した場合は、まず菌糸の発生している葉や茎を切り取りってください。もし切り取ると大きく生育をはばんでしまうのであれば、拭き取るだけでも効果があります。菌糸が葉の表面にのみ付着している場合は、腐生性であるため殺虫剤と殺菌剤を散布して、原因となる害虫を駆除しましょう。
また、再発を防止するためには、剪定によって風通しをよくすることと湿度を低く保つことが効果的です。これらの処置をしても短時間で再発してしまった場合、植え替えによって環境を変えることが望ましいでしょう。
褐色円斑病
褐色円斑病に感染した葉は、すす病と同様に切り取ってください。切り取った葉は、近くに捨てておくと二次感染のおそれがあるので、ゴミとして処分しましょう。また、糸状菌は風通しのよい環境に弱いので、すす病と同様に剪定をおこないます。
それに加えて水やりは、葉をぬらさず株元に水を与えましょう。葉を布などで拭いておくことも病気の予防につながります。
テッポウムシ
テッポウムシは、弱った月桂樹に発生しやすい害虫です。そのため肥料を定期的に与えることで栄養を与えて、樹勢を強めるとよいでしょう。もし食害が進んでしまっている場合は、薬剤による幼虫の除去が難しくなってきます。
そのため、針金などを穴から入れて幼虫を除去するようにしてください。処置の終わった月桂樹の穴は、他の害虫が侵入しないようにふさいでおきましょう。しかし、できればはじめから入り込ませないことが望ましいので、あらかじめネットなどでカミキリムシを近寄らせない工夫をしておくことが理想的です。
ハマキムシ
くるまっている葉をみつけたら、葉ごとハマキムシを摘み取って処分します。また、予防には性フェロモン剤がおすすめです。この薬剤は、ハマキムシの成虫が分泌するフェロモンを大量に散布することによって、卵を産ませにくくする効果があります。
そのため、農薬と違って植物への悪影響(薬害)が出ないというメリットがあげられるでしょう。ただし、越冬した成虫が発生する時期に散布しなければ、効果を得られないので注意してください。
月桂樹の病気を予防するなら
月桂樹は、放っておけば10mを超えることもあるほど樹高の高い植物です。そのため、葉が生い茂る範囲が広く、病害虫が発生しやすいといえるでしょう。そうした月桂樹の病気や害虫の予防・生育の補助のために必要になるのが剪定です。
剪定をする
病害虫の予防や、樹形の維持をする剪定は、定期的におこなう必要があります。そのため、年に2回程度作業をおこないましょう。剪定に最も適した時期は春で、病害虫や強風によるダメージを軽くするために、通気性をよくすることが大切です。
そのため、枝葉の密度が高い箇所を切り戻していきましょう。切り戻しとは、枝を途中から切り取る作業のことで、樹形を維持しつつ通気性をよくすることができます。そのほかにも、古い枝や伸びすぎた枝があれば切り取りましょう。これらの不要な枝は付け根から切り取ってください。
また、月桂樹の樹高をおさえたいのであれば、枝ではなく主幹を切る必要があります。理想とする高さを決めたら、頂点としたい位置の主幹をのこぎりなどで切り取りましょう。ただし、むやみに幹を傷つければ月桂樹が弱ってしまうおそれがあるため、あらかじめ切る場所にしるしをつけておくことをおすすめします。
根を健康にする
風通しをよくする剪定のほかにも、樹形を整える刈り込みもおこなう必要があります。なぜなら枝葉が多すぎると必要な水分量が多くなり、根に負担をかけてしまうおそれがあるからです。
刈り込みは、まず理想の樹形をイメージすることが重要になります。刈り取ると決めた箇所にヒモなどで印をつけておくとよいでしょう。全体像を決めたら、剪定ばさみなどで枝葉を刈り込んでください。また、刈り込みだけでなく、6月に不要な新芽を切り取ることも、根を守るためには効果的です。
健康になった月経樹の葉を使ってみよう
月桂樹の葉は病気でない場合、ローリエというハーブとして料理や入浴剤などとして使うことができます。そこで、それぞれの用途に適したローリエの使用方法についてみてみましょう。
料理
ローリエにはシネオールという精油成分が含まれ、すっきりとした香りが特徴です。そのため肉料理や魚料理、煮込み料理の臭みを消すためによく使われます。臭みの強い肉料理や魚料理には、粉末状にした月桂樹の葉を使用してみましょう。
しかし、月桂樹の葉は長時間熱を与えると苦み成分が出てきます。そのため、煮込み料理には収穫した葉をそのままの形で入れます。葉から精油成分が出やすいように、折りたたんで入れてみましょう。また、月桂樹の葉は若葉の方が比較的多くのシネオールが含まれます。そのため、若葉の多い春から初夏にかけて葉を入手するのが望ましいでしょう。
入浴剤
ローリエの葉の精油成分には、清涼感のある香りに加えてリラックス効果も期待できます。そのため、入浴剤として使用することもできるでしょう。また、収穫する葉は保存がきくように乾燥させておくことをおすすめします。
日陰で乾かすとカビがはえるおそれがあるので、強い日光に短時間さらすようにしましょう。また、ローリエは柑橘系の香りと相性が合うため、お好みでアレンジしてみるのもよいかもしれません。
まとめ
ハーブとして活用することもできる月桂樹ですが病気や害虫への耐性が低いという特徴があります。そのためネットなどの物理的な対策や薬剤の散布や剪定をおこなって、健康に栽培できる環境を整えましょう。葉や幹に異常が見られた場合は、病害虫が原因の可能性が高いです。
そのため、定期的に観察をして健康状態をチェックすることをおすすめします。また、樹形を整えるほか、健康面を管理することもできる剪定は、多くの植物にとって欠かすことのできない作業です。しかし、間違った手順でおこなうとかえって弱らせてしまうおそれもあるので、不安のある方は業者に相談されてみてはいかがでしょうか。
剪定を依頼できる業者や料金
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