ヒメコブシは、拳のようなボリュームのある花が特徴的な樹木です。その花弁は白や淡いピンク色で、柔らかな印象を与えてくれます。しかし、高木であるため、ガーデニングにはなかなか手が出しにくい品種だと感じるかもしれません。
そこでこの記事では、ヒメコブシの栽培に興味があるかたに向けて、基本的な特徴と日々の手入れについての情報をご提供します。また、きれいな花を咲かせるために必要な剪定方法についても見ていきましょう。
目次
別名は「シデコブシ」!ヒメコブシの特徴とは
栽培方法を知るまえにまずは、ヒメコブシの特徴をおさえておきましょう。ヒメコブシは、モクレン科の落葉高木です。コブシ属に分類されますが、一般的なコブシが10メートルにまで成長するのに対して、ヒメコブシは3メートル程度で樹高を維持します。
この樹高が低いという特徴によって、ヒメコブシは他のコブシ属の品種より、手軽に育てられるともいえるでしょう。また、ヒメコブシには「シデコブシ」という別名があります。これは、ヒメコブシの花が、神事などに用いられる四手と似ていることが由来です。
白く細長い四手に似たヒメコブシの花は、3月~4月の暖かくなってきたころに開花期を迎えるでしょう。その花は、白とピンクのグラデーションと拳のようなボリュームのある形が特徴的で、春の訪れを知らせてくれるような柔らかな印象を与えます。また、開花期が終わるとエンドウマメに似た長細い形の房をみのらせることも特徴のひとつです。
房は徐々に赤く染まっていき、十分に熟れると中から赤い果実があらわれるでしょう。赤い実は、姿をあらわしてからしばらくの間房からぶら下がっていますが、時間がたつと地面に落ちます。その果実の形状から、コブシの名前の由来は花であるという説のほかに、果実であるという説もあります。
ヒメコブシを育てるときのポイント
シンボルツリーとして仕立てられる高木は、その見栄えが庭全体の雰囲気を大きく変化させます。そのため、ただ枯れさせないためだけでなく、きれいな花を咲かせられるような環境作りが重要になるでしょう。
植える環境
ヒメコブシは、発育のために日光を欠かすことができません。そのため、植え付けのさいは日当たりのよい場所を選びましょう。どうしても日当たりのよい場所が用意できなければ、半日陰でも枯れることはありませんが、十分な日光を取り入れた場合より、花つきが悪くなるおそれがあります。
また、夏の直射日光を長時間浴びると、葉焼けして黄色く変色してしまうこともあるかもしれませんが問題はありません。なぜなら落葉樹であるため、翌年には再び緑の葉が生い茂るからです。
植え付け
植え付けは、10月~6月の期間におこなうことができます。ただし、耐寒性があるとはいえ、寒さの厳しい時期は避けるとよいでしょう。また、植え付ける土壌は、市販の用土に腐葉土を混ぜ合わせてください。準備ができたら根鉢の土を軽く払い、用土と一緒に植え付けましょう。
水やり
地植えの場合は、基本的に水やりをする必要はありません。ただし、乾燥がいちじるしい時期は、たっぷりと水を与えましょう。また、鉢植えで育てるのであれば、土壌が乾いたタイミングで定期的に水やりをおこなってください。
植え付けてから根が張るまでは、地植えか庭植えかに関わらず、こまめに水やりをおこなうようにしましょう。
害虫
ヒメコブシは病害虫に対して強い耐性がありますが、カミキリムシには注意が必要です。カミキリムシは、木の幹に穴をあけて卵を産みつけます。ふ化した幼虫は、木の内部を食い荒らすため、枯死させる危険性があるでしょう。そのため、発見したらすぐに除去するようにしてください。
詳しいヒメコブシの肥料のやり方
施肥は、ヒメコブシを丈夫にするために必要な栄養を与える大切な作業です。しかし、与え方を誤ると、かえって樹木に悪影響を及ぼす危険性があります。そのため、肥料の正しい使い方について見ていきましょう。
肥料をやる時期と種類
肥料を与えなくても枯れることはありませんが、植え付けてから2年以内は冬と春の2回施肥をすることが理想的です。春の肥料は市販の緩効性肥料でかまいませんが、冬の肥料には骨粉と油粕を混ぜたものをおすすめします。
また、3年目以降も肥料を与える場合は、冬に緩効性肥料を使用してください。ただし、肥料を与えすぎると、花つきが悪くなったり幹が柔らかいまま縦に伸びてしまったりするおそれがあります。そのため、あくまでも補助的に施肥をするという感覚でよいでしょう。
肥料をやる場所
寒肥を与えるときは、まず株元を中心に半径1メートル程の円をイメージしてください。次に、その円上にバランスよく5つの印をつけ、30センチ程度の深さの穴を掘りましょう。最後に、穴に寒肥を入れて埋めれば作業は完了です。また、3年目以降に緩効性肥料を与える場合は、株元付近に軽くまく程度で問題ありません。
花を見たいなら剪定の方法に気をつけよう
ヒメコブシは高木であるため、剪定をおこなわない場合でも樹形を大きく崩すおそれは少ないでしょう。しかし、風通しが悪くなれば病害虫が発生する危険性が高まり、成長しすぎれば周囲の建造物や人に影響を及ぼしてしまうおそれがあります。また、ヒメコブシの場合、毎年花を楽しむためには剪定を欠かすことができません。
正しい剪定のやり方
剪定に強い品種であるヒメコブシは、基本的に1年を通して剪定をおこなうことができます。しかし、開花期が終わると翌年の花の準備を開始するため、この時期に剪定をおこなうと花芽を切り取ってしまうでしょう。そのため、開花期の終わる6月前後におこなうことをおすすめします。
伸びすぎている枝や幹の根元に生えている、ひこばえを中心に剪定していきましょう。切り口からは病原菌や害虫が侵入するおそれがあるため、作業を終えたら切り口に癒合剤を塗ることをおすすめします。
剪定時期が正しくても花が咲かないこともある
自生しているヒメコブシは、基本的に毎年花を咲かせることはありません。1年花を咲かせると翌年は咲かない隔年開花の特性を持っています。そのため、毎年花を楽しみたい場合は、適切な剪定が必要になります。
この剪定は、花芽に対してのみおこないます。秋ごろに木全体の半分程度の花芽を切り取ってください。この作業をすると、翌年から毎年花を楽しむことができるでしょう。
まとめ
春の訪れとともに、柔らかな花を咲かせるヒメコブシは、モクレン科のなかでも特に庭での栽培に適した品種です。日の当たる場所で、適切な湿度と肥料を保つことが手入れのポイントです。また、肥料の与えすぎはヒメコブシを弱くするおそれがあるので注意してください。
健康面の維持や樹形を整えるためにおこなわれる剪定ですが、隔年開花の特性を持つヒメコブシにとっては毎年花を咲かせるためにも必要な作業です。剪定する手順を間違えると、翌年の花が見られなくなってしまうかもしれません。
それに加えて、高所の剪定は危険をともなうものであるため、ヒメコブシの剪定作業は業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
剪定を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「剪定」をご覧ください。
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